司法試験合格体験記|予備試験における短答式・論文式対策

司法試験合格者インタビュー

予備試験・司法試験の合格者を多数輩出している谷山講師が,予備試験・司法試験の短期合格者である上田亮祐さんに短期合格の秘訣を聞き出すインタビューの第2弾。今回は予備試験対策編として,過去問を使った短答式試験の学習法や論文式試験の学習に必要なものなどについて聞いております。 本インタビューは大阪ラウンジの司法試験・予備試験イベントにて行われました。イベントに来られなかった方は是非ご覧ください。

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※ラウンジは【2024年7月30日(日)】をもって閉室いたします。

法律家としての健全な感覚を磨くことが大事

予備試験の短答式試験対策

——勉強開始からカウントして、短答式試験対策を始めた時期を教えてください。
アガルートで勉強を開始してから4ヶ月目、ロースクール既修1年目の7月頃(※司法試験を受験する約2年前,予備試験受験の1年前)に始めました。理由は民法の短答式は量が多いから、早めに始めた方が良いとのアドバイスを周囲から受けて対策(民法の短答式の過去問を解くこと)を始めました。
——短答式試験対策として、何をやっていましたか。
過去問を肢別に解いた上で,判例六法の条文や判例に出題のあったものをマークして素読していました。また、どうしても分からない分野についてはアガルートの総合講義300や短答知識完成講座のテキストを見ながら正しい知識(とそれを素で導ける感覚)を磨いていました。
——短答式の過去問は1日何問ほど解かれましたか。
民法の短答式の過去問は、4~5つの肢がセットで1問になっているんですが、それを1日20~30問程解きました。
——短答式の過去問というのは、今の予備試験と現行の司法試験の過去問だけですか。旧司法試験の過去問はやられませんでしたか。
解いたのは、予備試験と現行の司法試験のものだけです。旧司法試験のものは時間がなかったので解きませんでした。
——模試などは受けましたか。模試を受けていかがでしたか。
予備試験のための短答模試は受けなかった。司法試験はTKCの全国模試があり,ロースクールの教授が受けなさいとうるさかったので受けましたが、あまり大した意味は無かったように思います。
——短答式試験対策で一番大事なことは何でしょうか。
知らない条文や判例が問題には沢山出てくるが、それをいちいち「知識として」押さえようとせず, 肢を見比べた際に「こっちの肢の言っていることの方が正しそう(or間違ってそう)」という法律家としての健全な感覚を磨くことが大事なのではないかと思います。知識として事前に押さえるとなれば勉強範囲が無限に拡大してしまいますので。
民法や憲法,刑法などの法律の「価値判断」を自分の肌感覚にトレースすることが一番大事なのだと思いますね。
——短答式試験における解法のテクニックはありますか。
解法のテクニックはあるのかもしれないが,それを追究するようなことはしませんでした。(というより,している余裕がなかったです)。
——予備試験の短答式試験対策は、(試験の年の)3月~5月くらいに本格的にやると思うのですが、この時期は短答式の過去問に集中して学習されていましたか。短答式試験と論文式試験の勉強のバランスなどで、気を付けていたことなどがあれば教えてください。
この時期は普段よりも短答式の過去問をやる比率は増えました。それでも論文を書くことは続けていました。論文式試験の勉強で短答が圧迫されてもいけないし,その逆もいけないと思うので,どちらも並行してやっていくのが良いのではないかと思います。自分は1:1の分量で学習していましたが、分量が1:1である必要は無いと思うので, 「今週は短答しかやらない」とか「今日は論文だけ」というのではなく,どちらもやりつつ,ただ重点は論文の方に置く,ぐらいの感覚で勉強するのが良いのではないかと思います。
——今振り返ってみて、短答式試験対策としてやって良かったこと、あるいは、やっておけば良かったことなどを教えてください。
強いてあげるなら条文の素読はやっておけばよかったかもしれない。
——条文の素読は全然やられていなかったのですか。
少しはやっていました。ですが、条文は量が多いのでなかなか短期間では終わりません。コツコツやるものなのに、認識が甘かったですね。早いうちから始めれば良かったと反省しました。
——短答式では、一般教養も270満点中60点の配点がありますが、何か対策はされていましたか。
特に対策はしていませんでした。それでも平均点より少し高めでした。

論点の網羅性がある重要問題習得講座を消化し、その内容を吸収する

予備試験の論文式試験対策

——この時期(短答式試験受験後の5月~7月)、論文式試験対策は、何をどのくらいやっていましたか。
予備試験論文式試験の過去問と自分があまりできていない分野の論文問題を重要問題習得講座で解いていました。
予備試験論文式試験の過去問を使った学習は、実際に過去問を解いた(答案構成だけですませたりすることもありました)後、再現答案のA答案とC答案の両者と見比べてみて、特にC答案で書かれているけれども、自分では書けていない部分を抑えなおすようにしていました。 ロースクールの講義以外で空いている時間は基本的に全てそれに費やしていたが,ロースクールの講義も試験前でコマ数も多かったので、そんなに多くの時間はとれていなかったように思います。大体1日5時間程度だったかなと記憶してます。
——予備試験論文式試験の過去問に関しては、この時期に初めて解かれましたか。
予備試験の短答式試験前にも、手は出していました。
——この時期、重要問題習得講座のできてない分野を解いていたとのことですが、重要問題習得講座全体の何%ぐらいが弱点部分(できてない部分)でしたか。またそれは予備試験論文式試験の本試験までに潰せましたか。
アガルートで学習を開始してから1年しか経っていないので、20~30%は苦手部分はありました。またすべての弱点部分を潰せずに論文式試験に臨みました。
——予備試験向けの答練は受けていましたか。
全く受けていませんでした。
——予備試験向けの答練を受けなかったのには、何か理由がありますか。
新しい問題を見たり、試験の雰囲気になれることも大切だとは思います。でも予備試験論文式試験の過去問もまだ全て解き終えてなく、また重要問題習得講座の弱点部分も潰せていない状況で、答練を受けようとは思いませんでした。自分の中での優先度は答練よりも、予備試験論文式試験の過去問と重要問題習得講座でした。
——予備試験論文式試験対策として、必要だと思う内容はなんでしょうか。
予備試験論文式試験の過去問や重要問題習得講座に載っているような網羅性のある論点の内容を押さえることだと思います。重要問題習得講座でなくても構わないですが、同じくらい論点の網羅性がある問題集をやって、その内容を自分の中に吸収していくことが必要だと思います。 僕自身が平成28年度の予備試験論文式試験の刑法で放火の問題が出たのですが、重要問題習得講座で放火の箇所を学習できていなかったので、刑法はFをもらってしまいました。試験後、重要問題習得講座のテキストを見たときに、「この問題を解いていれば、今回の問題も解けたじゃないか」と後悔しました。
今、振り返ると、重要問題習得講座に載っている放火の問題を解いていれば,基本的に書くことの目星が付けやすく最低でもCは狙えるような問題であったと思います。
——そうすると、直前期における予備試験の論文式試験対策も、重要問題習得講座の問題を解いて、基本部分の穴をなくしていくことですかね。
そう思います。
——公開模試は受けていましたか。
受けていませんでした。

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