司法試験合格体験記|司法試験イベント参加者からの質問

司法試験合格者インタビュー

予備試験・司法試験の合格者を多数輩出している谷山講師が,予備試験・司法試験の短期合格者である上田亮祐さんに短期合格の秘訣を聞き出すインタビューの第5弾。今回は当日大阪ラウンジの司法試験・予備試験イベントに参加された方からのご質問に上田さんかお答えしております。 イベントに来られなかった方は是非ご覧ください。

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※ラウンジは【2024年7月30日(日)】をもって閉室いたします。

問題演習をしながら,「気づいたら覚えていた」
ぐらいの状態を目指すのが理想

司法試験・予備試験における暗記の仕方

——「記憶」「暗記」ができないという受験生が非常に多いのですが、ある程度の記憶、暗記は必要だと思います。何か記憶するためのコツなどがあれば教えてください。
全部記憶・暗記しようとしてしまうから,記憶,暗記ができない事態に陥るのだと思います。 絶対書かなければいけない規範と理由付けのキーワードだけ暗記してしまえばいいんです。理由付けのキーワードと規範を暗記していれば,論証は書けます(というか,とりあえず書く。そうすれば,少しずつ,マシな日本語でマシな論証が書けるようになってきます)。また, 規範と理由付けを覚えるのも,ただ論証集を読んで覚えるだけでは,暗記の必要性が実感できないので,問題演習をしながら,「気づいたら覚えていた」ぐらいの状態を目指すのが理想だと思います。少なくとも僕は, 暗記の時間を別にとったりなどせず,問題を解きまくって気づいたら(結果的に)暗記していたという状態でした。合格者の「暗記している状態」というのが,「暗記しようとして」暗記したのか,「暗記するほど何回もやった」のかは,別物だということを認識しておいたほうが良いと思います。
——今,お答え頂いた規範や理由付けのキーワードを暗記するなど,もう少し具体的な論証の覚え方やコツについて教えてください。
論証には覚えないといけない規範みたいなものがあると思うんですけど,論証って,問題の所在があって理由付けがあって規範がある,という一定の流れがあると思います。 出発点みたいな問題提起があって,問題提起から規範までを言葉で埋めるのが論証の役割というか流れというか,そういうものだと思うんです。 論証集にのっている論証というのは,問題提起から規範までの道のり,問題提起から,こういう理由付けやこういう理由付けから規範に辿り着くという1例だと思います。初学者の頃は,道のり全部覚えてしまおうと思うんですが,それは大変です。 とりあえず、 問題提起と規範さえ覚えておけば、あとは理由付けというのは、自分なりに道を作って突き進む(論理を考えて言葉を埋めていく)中で発見したり、論証集を見て参考にしてください。
おさらいをすると、
  • 1.どこに問題があって、最終的にはどんな規範を使うのかだけをまずは抑える
  • 2.自分で考えながら、道筋を作る(自分なりの理由づけをする)
  • 3.論証集を見て、他にどういう理由付けがあるのか理解する
  • 4.自分で考えた道筋に、論証集から得た理由付けで使えるものを使い道筋を修正していく
——長丁場の試験ですので、モチベーション維持も大事になってくると思います。モチベーションの向上、維持のために、何か工夫されていることがあれば教えてください。
自分の受験票が配られたときは,受験番号が明らかになると思います。そこで法務省HPにいって,その受験番号が合格している年の合格発表のページを見て合格している嬉しさを味わってみたり,逆に落ちている年のページを見て不合格の悔しさを味わったりしました。また,予備試験に合格すればそれなりに就活も有利になると思ったので,そのあたりのこともモチベーションにしました。
——息抜きに関してはいかがですか。
週に1回程度は,完全に学習しない日を設けて,友人と遊んでリフレッシュしていました。
——最後に、最短距離で司法試験に合格するためには、どういうことをやればよいか教えてください。
人それぞれに最短合格に必要なことは個別具体的には異なるでしょうが, 「今自分に必要なことを見極めること」「自分の穴を発見して埋めていくこと」「司法試験合格,予備試験合格という目的,目的意識を明確に持つこと(勉強することそれ自体を目的としないこと)」は全ての受験生に共通する必要なことだと思います。
そうすると,ただテキストを読むだけ,問題を解かずに読んでいるだけの勉強方法では,基本的には自分の問題点を発見することも改善することもできないので,最短合格からは程遠い勉強になってしまいます。 たくさん問題演習(最優先は過去問)をして,自分の何がおかしいのか(条文が探せないのか,条文の文言を軽視しているのか,論点の規範を覚えていないのか,理由付けが甘いのか,当てはめが定立した規範とズレているのかなど)を徹底的に追究していく姿勢が最短合格には必要なのだと思います。
——他にこれから合格を目指す受験生の方々に言っておきたいことはありませんか。
自分に足りない所を見つける最適な方法は,実際に問題を解くことだと思うので,面倒くさがらずに問題演習に挑戦してみてください。最初は答案を書けなくても全然問題ありません。というか,答案を書けないのが当たり前なので,それを受け入れて,書けない答案を少しずつ書けるようにしていく作業を怠らずに努力していってください。
僕自身,他の大手司法試験予備校のころは問題演習を面倒臭がって,予備試験どころかロー入試でも失敗を重ねていましたが,アガルートに入って問題演習中心の勉強をしてからは,1年で予備試験に合格し,2年で司法試験に二桁で合格するくらいにはなることができました。
司法試験,予備試験に合格するためには「問題を解ける」ことが必要です。だから,その一番の近道は「問題を解く」ことなのだと思います。ロースクールですらこういうことを意識せず,全然問題を解かずに過ごしていた人が多かったので,これを徹底できれば多数の司法試験受験生をごぼう抜きできると思います。

大学1年生から始めれば,3年生か4年生では予備試験や司法試験に合格できた

司法試験・予備試験イベント参加者からの質問

——(参加者)1つの科目が終わって,次の科目に移るという風におっしゃっていたと思うのですが,それだと7科目が終わるころには,1つ目の科目を学習していた時期から期間が空くと思います。それでもそのように学習をされていたのですか。
入門講座である総合講義300に関しては,1つの科目が終わったら次の科目に移りますが,僕は総合講義300が終わった科目に関しては,論文答案の「書き方」や論証集の「使い方」をやっていました。このアウトプットによる復習に関しては,1週間のスケジュールの中で触れていない科目がないようにしていました。
——(参加者)総合講義300の受講の仕方なのですが,講義に関しては,聴くことに集中していたのか,それとも大事な部分はメモを取るなど,ある程度は止めながら学習されていましたか。
聴くことに集中していましたね。理由は,この総合講義300を聴いている時は,まだ論文答案も書いていないので,どこが重要なのかもわからないからです。論文答案を書くようになって,総合講義300の内容を見返した時にはじめてテキストにメモなどを書きました。
——(参加者)論証集の「使い方」を受講したんですが,初学者はどのように使ったらよいでしょうか。
僕は総合講義300を聴き終えてから,論証集の「使い方」を受講しました。その際,音声だけを聴いていました。はじめは意味が分からないですが,何回も繰り返し聴くとある程度理解できて,発見などもあるので良いと思います。
——(参加者)ロースクールの入試の際は,どのような勉強をされていましたか。
(アガルートアカデミーの受講前は)他の大手司法試験予備校の入門講義を受けて,その後,(谷山講師がダメな受験生といっていたのと同じ)論文講義を受けてました。その頃は論文講義を聞けば論文答案がか書けるようになると思ってましたから。入門講義と論文講義を消化して,いざ論文答案を書くぞと思ったら,「あれ,書けない…」となっていましたね。また当時は,書けない理由を「論文答案をかく練習をしてないから」という発想がなく「知識のインプットが足りない」と勘違いして,また入門講義のテキストを全て書き写したりしていました。
——(参加者)論文答案が書けるようになっていく過程というのは,科目毎で多少異なるとは思うのですが,1つの科目が書けるようになることで,他の科目も上達することはありますか。
ありますね。1つは,どの条文が問題になるかが感覚的に身につけられます。この感覚は全科目で活きます。もうひとつは,科目を横断的にみられることで,科目が異なっても共通している考え方については,両方の科目で知識が深まります。
(谷山講師)民法が分かるようになると商法が分かるようになる,民法と商法が分かるようになると民事訴訟法が分かります。民事訴訟法は訴訟法ですから,刑事訴訟法と行政事件訴訟法の理解も深まりますよ。なので,立ち止まらずに,1周回すことが大切です。
——(参加者)大学3年生から予備試験とロースクールに向けた勉強を始められましたが,大学1年生から勉強を始められたほうが良かったと思いますか。またもし1年生から始めるとしたら,どんな学習方法が有効でしょうか。
基本的には,(アガルートアカデミーで学習をはじめた)ロースクール1年目でやっていたことを大学1年生から始めればよかったと思います。そうすれば,大学3年生か4年生では予備試験や司法試験に合格できたと思います。意外とロースクール生でも,合格するための勉強法が確立できていない方もいるので,それが出来れば,学年は関係なく受験生の中で将来的に上位にいけると思います。
それと,勉強歴が長くなるほど,論文答案が書けない自分に嫌気がさしてくるんです。そうなると余計論文答案を書かなくなるんですが,それを避けるためにも論文答案が書けなくても仕方ないと前向きに思えるような大学1,2年生の頃から学習をはじめるのはおすすめです。
(谷山講師)関西の学部だと1,2年生は本当に学習をしない方が多いみたいですね。だけど,正しい学習方法で進めていけば、大学生のうちに予備試験に合格できます。関東の学部だと,1,2年生から意識して学習を始められていますね。実際,予備試験は本当に1年で合格できるような試験になってきていますので,今日,上田さんが話した方法論を参考にしてやって頂ければと思います。また学部生で予備試験・司法試験に合格すると就活にも有利になります。
——(参加者)論文答案についてご質問させてください。今、自分は添削を受けられる環境にないので、論文答案の書き方に変な癖がつかないか心配になって論文答案を書くのをためらってしまうのですが、それでもどんどん論文答案は書いた方が良いでしょうか。
どんどん書いた方が良いと思います。もし変な癖がつくのが嫌であれば、再現答案とか、重要問題習得講座ですと答案例も載っているので答案例と見比べて、おかしいなと思う記述があれば真似るようにしてください。 初めは真似て、後から理解するようにすれば良いと思います。

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