司法試験合格体験記|予備試験における口述式試験対策

司法試験合格者インタビュー

予備試験・司法試験の合格者を多数輩出している谷山講師が,予備試験・司法試験の短期合格者である上田亮祐さんに短期合格の秘訣を聞き出すインタビューの第3弾。今回は,予備試験論文式試験の当日の様子や予備試験の口述式試験対策などについて聞いております。 本インタビューは大阪ラウンジの司法試験・予備試験イベントにて行われました。イベントに来られなかった方は是非ご覧ください。

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※ラウンジは【2024年7月30日(日)】をもって閉室いたします。

どうしても予備試験に受からないといけない
というプレッシャーはありませんでした

予備試験論文式試験の当日の様子

平成28年度司法試験予備試験:論文式試験の日程と試験時間

1日目 憲法+行政法:140分
刑法+刑事訴訟法:140分
一般教養科目:60分
2日目 法律実務基礎科目(民事及び刑事):180分
民法+商法+民事訴訟法:210分
——上田さんは、短答式も論文式も予備試験は1回しか受験されておりませんが、論文式試験当日はどのようなお気持ちで臨まれましたか。
ロースクールの最終学年ということもあり、どうしても予備試験に受からないといけないというプレッシャーはありませんでした。勉強してきた成果として合格できたらラッキーだなくらいの気持ちで臨みました。
——(予備試験論文式試験の)1日目はどのような印象でしたか。
1日目の憲法は問題を見たときに、何を書いて良いか分かりませんでした。でも他の受験生も分からないだろうと思い、開き直って解答しました。
——平成28年度の(予備試験論文式試験の)憲法の問題は非常に難しかったですよね。上田さんが見たこともない問題を他の受験生も解けないだろうと思った根拠は何だったのですか。
判例を思い出せるような問題でもなく、過去問でも出題されていない分野だったからです。しかし過去問をよく見直したら、新司法試験の初期の頃に少し似ているかなという問題はありました。
——予備試験における論文式試験の試験時間は、(憲法+行政法)で140分 /(民法+商法+民事訴訟法)で210分 ですが、例えば、(憲法+行政法)の場合、単純に憲法70分、行政法70分など、時間配分はいかがでしたか。
自分の中で1科目70分というふうに決めていました。その70分の中で、答案構成は(長くても)15分で終わらせて答案を書くとしていました。全科目そのように決めていました。
——(予備試験論文式試験の)2日目はどのような印象でしたか、問題を解いている時など
法律実務基礎科目は、ロースクールでもしっかり勉強しているところなので、学部生の受験生よりかは解けているんじゃないかなと思っていました。
——法律実務基礎科目(民事及び刑事)は試験時間が180分なので90分ずつで解かれましたか。また学習も過去問を解く以外に何かしましたか。
90分ですぱっと区切って解きました。学習の中心は過去問で、あとはロースクールのテキストや他の予備校の法律実務基礎講座を使いました。
——法律実務基礎科目の学習において、過去問以外で、答案を書くということはあまりされませんでしたか。
問題自体をあまり見たことがないというか、演習の材料になるような問題もあまりなかったと思います。でも過去問を解いていれば、学習としては十分だと思います。

この時期しか選択科目を勉強するタイミングがない

司法試験の選択科目は夏の間に学習する

——この時期(論文式試験受験後から発表までの8月~10月)は何をされていましたか。
予備試験の対策としては,口述再現を少し見る程度で,基本的には新司法試験の過去問をやっていました。それは,自分がロースクールの最終学年にいて,予備試験に受かろうと滑ろうと,翌年の司法試験受験はほぼ決まっていたためというのもあります。
——司法試験の選択科目の勉強に関しては,いかがですか。ロースクールで既に勉強を始められていましたか。
選択科目はロースクール入学当初から(ロースクールの)講義で受けていたので,この時期に特別に対策をするということはありませんでした。
——司法試験の過去問については,この時期にほとんど解かれましたか。
直近5年分くらいの過去問については解いていました。他の年度のものについては,解ききれなかったので後でやりました。
——今振り返ってみて,もしロースクールで勉強をしていなかったと仮定したら,この時期にやって良かったこと、あるいは、やっておけば良かったことなどを教えてください。
1つ目は, 口述試験対策として,民事執行法,保全法の勉強はざっくりでもしておくべきだったと思います。特に保全の部分は出る内容がほとんど限られていますし,例えば,金銭債権を保全する場合は仮差押え,登記請求権を保全する場合は処分禁止の仮処分,明渡請求権を保全する場合は占有移転禁止の仮処分で,いずれも仮処分の要件は被保全債権の存在と債権保全の必要性で,かなりパターン化しています。
2つ目は, 司法試験の選択科目対策です。 ロースクールで勉強していなかったら,正直,この時期しか勉強するタイミングがないと思います。

実体法の論点の復習はどれだけやってもやりすぎることはない

予備試験の口述式試験対策

——予備試験論文式試験の合格発表から口述式試験まで,2週間程度ですが,口述式試験対策として何をされていましたか。
予備校の口述模試を受けました。口述模試をやった結果,実体法の論点について聞かれることが分かったので,実体法,手続法(民法,刑法,刑事訴訟法)の論点の確認をやりました。
民事訴訟法は論点というよりも細かい条文や手続が聞かれると思っていたので,証拠周りの条文などを確認しました。僕が受けた時は文書の送付嘱託が聞かれました。実務ではよく使う手続ですが,受験生には全く馴染みのない手続だと思います。
——口述試験対策として,模試以外では,何かされましたか。
予備試験に合格した先輩に,予備試験の口述再現を使って口述模試のようなものをやってもらいました。
——口述試験,当日の事についてお聞きします。当日は論文式試験よりも緊張されましたか。緊張されたとすれば理由は何ですか。
めちゃくちゃ緊張しましたね。口述式試験は合格率が高いので,かえって失敗したくないと思いました。
——当日は,午前組と午後組のどちらでしたか。また(一斉に集められたあと)待たされましたか。
初日も2日目も午後組で出番は8番目ぐらいだったので,かなり待たされました。受験生が1番から順番に,体育館でパイプ椅子に座って並ばされるのですが,8番ともなると2~3時間は待つのでかなりしんどかったです。
——1日目は刑事,2日目は民事だと思いますが,いかがでしたか。試験委員の先生に詰められたりとかしましたか。
1日目の刑事はさほど難しい論点が出なかったので答えやすかったのですが,手続の方で細かいことを聞かれたのでつまずいてしまいました。2日目は,1日目の刑事で答えられたので割とリラックスして受けられました。試験委員に詰められることはなかったです。
——今振り返ってみて、口述式試験対策としてやって良かったこと、あるいは、やっておけば良かったことなどを教えてください。
普段から勉強している実体法の論点の復習はどれだけやってもやりすぎることはないと思います。もし余裕があれば, 刑事系は民事以上に細かい手続の規定(規則含む)が出題されがちなので,刑事実務の復習も有用だったと思います。 ブログなどで調べると,口述対策として,要件事実をやったほうが良いという意見や,民法,民訴法,刑法,刑訴法の短答問題を解くという人もいましたが,要件事実は必ずしも出題されるとは限らないし,短答問題を解くのは,あまりに細かい知識を追わなければならなくなり,費用対効果が見合わないと思います。

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