筆記試験は突破したけれども、「志望動機」がうまくまとまらない。
「志望動機」ってそもそもどう考えればいいのだろうか。

このように悩む受験生は決して少なくありません。

そこで本稿では、面接官が「志望動機」を質問する目的を知り、その上で「志望動機」の組み立て方について、市役所と国家公務員に分けて掘り下げていきたいと思います。

これを読んで、面接対策に大きく弾みをつけてください!

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志望動機が「ない」人は意外と多い

ぶっちゃけ、志望動機なんて人それぞれですよね。本音を言えば。


ある受講生のお話です。

「私、制服フェチなんです。だから絶対、絶対、防衛省の事務官になりたいんです!」
「制服なら警察官でも、消防官でもいいじゃない」
「だめです。自衛官の制服に萌えるんです!」
「そうか、頑張れ!」


で、結局彼女は、見事合格。

その後、結婚しましたというハガキが届きました。
写真には、純白の制服に身を包んだ自衛官がずらりと並んだ姿が写っていました。

得意の英語を生かして、英語の教官の仕事をしているとコメントが添えてありました。

そんなパワーあふれる彼女が筆者は大好きです。

ちなみに、こんな合格者は過去に何人かいました。

ここで申し上げたいのは、動機はなんでも構わないということです。

自分自身を突き動かすものを正直に受け止め、それを原動力にすればいいということなのです。
安定性や福利厚生の充実が動機でも構わないのです。

だって、それが正直な気持ちなのですから、それに蓋をする必要はありません。

その上で、です。

やっぱり仕事ですし、就職すれば人生のほとんどは仕事に費やされます。
なので、受験しようとする自治体や官庁のいいところ、面白そうなところ、やってみたい仕事、できるだけイメージしてみましょう。

今やネットという便利な道具があります。
調べれば、どんどん出てきます。
現職員・元職員の方の正直な話が書かれたブログやコラムもあります。

面接官は志望動機から何をチェックしている?

なぜ、面接官が、

  • 「なんでうちを受験しようと思ったの?」
  • 「民間でもいいんじゃないの?」
  • 「採用されたら何がしたいの?」

と言った質問をするのでしょうか。

例えば、ほとんど面識の無い人から、「付き合ってください」と告白されたらどう答えますか?

「はい。とりあえずいいですよ」と答える方はほとんどいませんよね。
「なんで?私(僕)のどこがいいと思ったの?」と問いたくなりませんか?

つまり、からかわれたり、冗談で言われてるのではないのかと、疑いたくなるからです。

相手の本気度を確かめたいわけですね。

その上で、
「◯◯がいいと思ったから」と答えられたら、

今度は、
「他の人にも同じことを言ってるんじゃないの?」
「私(僕)でなくてもいいんじゃないの?」
とか、返したくなるかもしれません。

ここまでくると、相手の本気度に加えて、自分のことをどこまで理解した上で告白しているのか、相性はどうなのか、まで知ろうとするわけです。

面接官も同じです。

併願していることは想定内です。
告白してくる人が二股三股かけてるとタチが悪すぎますが、就職活動は併願は常識なので、この辺りは大丈夫です。

なので、内定を出しても他に行かれはしないか、つまり本気度を確認したいのです。

そして、受験者との相性も確認したいのです。
せっかく採用されても、2年以内でやめてしまう人は公務員でも珍しくはありません。

したがって、志望動機は受験先ごとに真剣に向き合って考える必要があるわけで、使い回しは全くできないと考えましょう。

受かる「志望動機」の組み立て方

では、どうやって面接で語る「志望動機」を組み立てればいいのでしょうか?

ポイントは、面接官に「本気度」と「相性の良さ」をアピールすることでしたね。

ここからは、「市役所」「国家公務員」「地方公務員」とに分けて、それぞれ具体的方法をご紹介します。

市役所の志望動機の書き方

  1. なぜ民間でなく公務員か
  2. なぜ国家公務員でなく地方公務員か
  3. なぜ都道府県でなく、市なのか
  4. なぜ他の市町村でなく、この市なのか

この4ステップで1つずつ回答内容を書いてみましょう。

簡潔で結構です。

むしろ簡潔な方が良いくらいです。
面接で質問に対する回答は簡潔であるに越したことはないからです。

そして、回答内容は気の利いた文章にする必要はありません。
メモ書き程度に思いつくだけ書いてみましょう。

最初に、4の「なぜこの市なのか(この市で何ができて、何がしたいのか)」がはっきりすれば、自ずと民間でなく、国家公務員でもなく、都道府県でもないことが明らかになってきます。

また、4つの「なぜ」に答えるためには、希望の市の政策・施策、様々なデータから、他の市と何が違うのか、逆に似た市がどこかにあるのか知る必要があります。

つまり、業界研究・企業研究ですね。
情報収集には、インターネット上の情報はもとより、説明会への出席、インターンシップへの参加、OB・OG訪問することで、働いている人から直接お話を聞くことはとても重要です。

仮に、これらが時期的に難しかったとしても、市役所に問い合わせてみるのも一つの方法です。
実際、合格者の中には、「お仕事のこと色々知りたいのですが」と電話問い合わせをしたら、「ああ、じゃあお話しましょう。来庁してください」と言われ、直接お話を聞くことができた方もいます。

また、実際に市役所の建物を見に行くのもおすすめです。

出入りする職員の方の雰囲気を見てみるとか、夜遅くに行って建物の明かりがあちこちついていれば、残業する方が多いのかとか、働くかもしれないと思って見てみると、見えるものが違ってきます。
あるいは、誰でも自由にできる市立の施設(図書館など)に行ってみたり、街中を歩いたりして、感じたことをメモすると結構気づきがあります。

他の街にはないことや、逆に足りないことなど、なんでも構いません。

こうやって情報収集している間に、「この市で何ができるか、何がしたいのか」が、だんだんはっきりしてくるはずです。

崇高な志望動機なんて必要ありません。

ただ、せっかく面接してくださる方に、感謝の気持ちと誠意を持って語る…それだけを忘れないようにすれば大丈夫です。

国家公務員の志望動機の書き方

志望動機に関して、労働基準監督官を念頭において、よくされる質問をあげてみましょう。

  1. なぜ民間でなく、公務員か
  2. なぜ地方公務員でなく、国家公務員か
  3. なぜ他の省庁でなく、厚生労働省・労働局なのか
  4. なぜ国家一般職でなく、労働基準監督官なのか

この4つの質問に、1つずつ回答内容を書いてみましょう。

順番は、1から順にでなくてもかまいません。
4を先にはっきりさせれば、自ずと3、2、1と逆算していって、回答内容が明らかになると言えます。

国家公務員の場合は、志望官庁などが決まれば、どんな仕事ができるのかが、相当はっきりします。
この点、どんな部署に配属されるか、採用後の配属先を知るまでわからない地方公務員よりは、考えやすいかもしれません。

もっとも、国家一般職などを受験する場合、希望官庁がはっきり決まってない場合もあるかもしれません。

そんな時は、人事院のホームページから、リンクを貼ってくれている様々な官庁の業務案内を、ザッピングしてみて、「あ、なんか面白そう。楽しそう」。
そんなきっかけから、業務説明会や、OB・OG訪問、インターンシップ参加などで、掘り下げていってください。

※関連コラム:公務員試験の面接対策【質問例付】~個人面接・集団面接・集団討論~

志望動機についてまとめ

志望動機の目的は、「本気度」と「相性の良さ」を面接官に伝えることだと繰り返し申し上げてきました。

そのためには、「自分がやりたいこと」をはっきりさせ、「受験先で何ができるのか」を知ることが必要です。
つまり、「自己分析」と「官庁・自治体研究」(民間の就職活動では、企業研究と言いますね)が不可欠だということです。

このように、準備した志望動機は受験先ごとに真剣に向き合って考える必要があるわけで、使い回しは全くできないと考えてください。
大変ですね。

でも、「自己分析」と「官庁・自治体研究」は、面接官を満足させる志望動機を準備することよりも、もっと大きな効用があります。

それは、ミスマッチをできるだけ避けることです。

公務員試験を受ける最初の動機は、「安定している」「福利厚生・研修制度が充実している」、正直いえば、こんな感じの方が大半かもしれません。

それでも構わないのです。

公務員になること、公務員を続けることの大きな動機付けの一つであることは、面接官も十二分に承知しています。
ですが、「人はパンのみにて生きるにあらず」とはよく言ったものです。

筆者の教え子の中に、民間企業を退職し、超人気自治体に合格した人がいました。
ところが、彼女はもともと仕事ができる人だったからでしょう、朝9時に出勤すると、与えられた仕事は、なんと午前中で早々と終わる程度のもの。
しばらくすると、要領よく業務をこなす彼女のことを上司も疎ましく思いはじめ、とうとう彼女は嫌気がさして辞めてしまいました。

え?業務が楽な上に、安定して給料もらえるならいいじゃない?
そう思える方もいるでしょう。

でも、彼女は違ったのです。
大きなミスマッチです。

ミスマッチがあって、早々と退職してしまうことは、採用した国や自治体にとっても損失ではありますが、なによりも就職した本人にとって大きな損失でもあります。

それを避けるためにも、志望動機をしっかり準備することは重要なのです。

さらに、志望動機を受験勉強の早い段階から考えることは、辛い受験勉強を続けるためのモチベーションにもなることを付け加えておきます。

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この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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