教養科目・専門科目

【公務員試験の科目一覧】教養科目と専門科目とは?

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「公務員試験を受けてみたいけど、筆記試験の科目が多くてどこからどうやって手をつければいいかわからない!」
「教養科目って何?」
「専門科目って何?」

こんな悩みをよくお聞きします。

そうです。
出題科目が多い公務員試験は、やみくもに勉強するのは百害あって一利なしです。

本稿では、公務員試験で課される試験科目について、わかりやすく解説していきます
これで、公務員試験対策の交通整理ができること間違いなしです!

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公務員試験の「教養科目」「専門科目」とは?

公務員試験の大きな特徴として、ほとんどの職種では「面接試験」の前に「筆記試験」が実施され、「筆記試験」に合格しなければ面接試験に進めません。

この筆記試験には、「教養科目(教養試験・一般教養とも呼びます)」と「専門科目(専門試験とも呼びます)」があります。
「教養科目」は高校までで学ぶ内容(英数国理社ですね)、「専門科目」は大学の専門課程で学ぶ内容とされています。

形式としてはそれぞれ、択一式(5肢択一)または記述式で実施されます。

  • 択一:5つの選択肢の中から正解肢を1つ選択するマークシート方式
  • 記述:与えられたテーマについて1000〜2500字ほどの文章を書く

職種によって、「教養科目」だけが課される場合もあれば、「教養科目」と「専門科目」の両方が課される場合もあります。

いくつかの具体例を紹介しましょう(いずれも大卒程度の採用試験です)。

教養択一教養記述専門択一専門記述
国家一般職×
国家専門職(国税専門官など)×
裁判所事務官一般職
地方上級※1
(東京都と東京特別区を除く)
×
東京都(一般方式)×
東京特別区×
市役所(政令指定都市以外)※2××
国立大学法人等職員×××
警察官・消防官××

※1 大阪府、大阪市、横浜市などのように独自の出題形式をとる自治体もあります。
※2 市役所の中には、地方上級と同じ出題形式をとるところ、独自の出題形式をとるところもあります

多くの大卒程度の公務員試験では、「教養科目」はほぼ必須で、警察官、消防官、国立大学法人等職員、多くの市役所など、「教養科目」のみで受験できる職種もあります。

他方、ほぼ全ての国家公務員、地方上級(都道府県・政令指定都市・東京特別区)のほとんど、一部の市役所では「教養科目」と「専門科目」の両方が出題されます。

※近年、「筆記試験」の負担を軽くして、民間企業と併願しやすくする採用形式を実施する自治体が増加傾向にあります。大坂府や大阪市のように従来とは全く異なる採用試験を実施するところや、北海道(A区分)、東京都(新方式)、京都市(京都方式)、佐賀県(行政特別枠)のような、「新方式」「特別枠」といわれる採用枠がその例です。

このように、「筆記試験」の出題科目・出題形式には様々なバリエーションが存在するので、事前に情報収集しておきましょう

【公務員試験】教養科目の種類一覧と出題傾向

教養科目は、前述のとおり高校までに学んだ英数国理社の組み合わせと考えていただければ結構です。

具体的な科目ごとの特徴や出題傾向については、ほとんどの公務員試験で課される教養択一試験に焦点を当てて解説いたします。

教養択一は大きく分けて、「一般知能」と「一般知識」の2分野があります。

※試験科目一覧表

教養科目
(教養試験)
(一般教養)
一般知能 数的処理 数的推理
判断推理
空間把握
資料解釈
文章理解 現代文
英文
一般知識 人文科学 世界史
日本史
地理
思想
文芸
自然科学 数学
物理
化学
生物
地学
社会科学 法律
政治
経済
社会
時事

教養択一は、職種によっては「基礎能力試験」とよばれ、その名のとおり、基礎能力や事務処理能力を試す試験です。

一般知能

数的処理

数学ではなく「数的処理」です。

論理性や事務処理能力を問う問題が出題され、教養択一の中で最も多く出題されます。
特に国家公務員では、教養択一における数的処理のウェイトが高いのが特徴です。

数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈の4分野で構成されています。

解答は、5つの選択肢の中から答えに該当する選択肢を選べばよく、途中の解法などは問題にされませんし、もちろん部分点もありません。

本試験では、平均して1問あたり3〜4分で解答しなければならないので、問題を読むと同時に、瞬時に解法が思いつき、正解に導くための作業を素早く行わないと時間切れになってしまいます。
まさに、事務処理能力を問う科目です。

※関連コラム:【公務員試験】数的処理の勉強法やコツとは?どんな問題が出る?

1 数的推理

数的推理は、難関中学入試の算数をイメージするとよいでしょう。

方程式を使わずに、文章を読み込み、論理的に思考して、そこから短時間で答えにたどり着くことが求められます。

数の性質、約数・倍数、場合の数、確率、比と割合、濃度、速さ、最大・最小、二次関数、図形の長さ・角度・面積・体積を求める問題などから出題されます。
確率と図形はどの職種でもほぼ確実に出題されます。

※関連コラム:【公務員試験】数的推理とはどんな問題?苦手意識を捨てよう!

2 判断推理

判断推理は、パズルクイズのような問題をイメージするとよいでしょう。

命題、論理、暗号、対応関係、順序、嘘つき問題など、問題文に書かれてある複数の条件を整理し推測する問題が出題されます。

論理力が要求される問題が多いのが特徴です。

※関連コラム:【公務員試験】判断推理とはどんな問題?勉強法や解き方のコツを解説

3 空間把握

空間把握は、立体図形や展開図・図形を転がすなど、空間認識能力が問われる問題です。

立体図形の見えない底面や裏面を推理したり、切り取られた立体図形の切断面の形状を考えたり、圧倒的に多くの受験生が苦手とする分野です。

直感で解くには限界がありますが、空間把握独特のノウハウさえマスターすれば、短時間で解けるようになります。

※関連コラム:【公務員試験】空間把握とはどんな問題?~判断推理の図形問題~

4 資料解釈

資料解釈は、実数、指数、総量と構成比、増加率・減少率などをグラフや図表にした統計資料を読み解き、データから導ける内容の正誤を判断する問題です。

数値の判断の殆どが、「大小を比べる」、「ある値を超えるか超えないか」であり、正確な計算よりは大ざっぱな計算による素早い判断が求められます。

さまざまな種類の資料が問題に使用されますが、パターンは決まっていますし、難しい数学の知識も不要なので、数的処理が苦手な人ほど得点源にすべき分野です。

※関連コラム:【公務員試験】資料解釈の問題で満点を狙う5つのコツ

文章理解(現代文・英文)

現代文と英文がメインで、職種によっては古文・漢文が出題されることもありますが、少数派です。

教養択一の中では数的処理の次に多く出題される分野です。

※関連コラム:【公務員試験】文章理解対策のコツ~現代文・英語・古文~

一般知識

人文科学

高校までの日本史、世界史、地理、思想文芸で勉強した内容です。

※関連コラム:【公務員試験】人文科学の対策~世界史・日本史・地理・思想・文芸~

自然科学

高校までの物理、化学、生物、地学、数学といった、理科と数学に該当する内容です。

※関連コラム:【公務員試験】自然科学の対策~生物・地学・物理・科学・数学~

社会科学

政治・経済、法律、社会、国際などがこれに含まれます。

特に、政治・経済は出題数が多いのが一般的です。
法律では憲法の条文知識が問われることが殆どです。

※関連コラム:【公務員試験】社会科学の対策~法律・政治・経済・社会~

時事

社会保障、労働問題、環境問題、消費者問題など現代日本の重要な政策課題についての内容が中心で、職種によっては、一般知識で最も多く出題されることもあります。

時事は教養記述対策や面接対策としても重要です。

※関連コラム:【公務員試験】時事問題とは?頻出テーマや例題を紹介

教養科目における科目ごとの出題数

科目ごとの出題数の内訳は職種によって違いがありますが、国家公務員と地方公務員について特徴的な点をご紹介します。

国家公務員 合計40題

一般知能 27題(文章理解11、数的処理16)
一般知識 13題(自然・人文・社会・時事)

東京都1B 合計40題

一般知能 24題(文章理解8、数的処理16)
一般知識 16題(自然・人文・社会・時事)

特別区Ⅰ 合計40題

一般知能 28題(文章理解9、数的処理19)
一般知識 12題(自然・人文・社会・時事)

地方上級(全国型) 合計50題

一般知能 25題(文章理解9、数的処理16)
一般知識 25題(自然・人文・社会・時事)

国家公務員・東京都・特別区は一般知能のウェイトが高く、中でも数的処理が教養択一の4割かそれ以上を占めています。
したがって、数的処理を得意科目にすれば教養択一では非常に有利になるといえます。

地方上級は一般知識の出題が全体の5割なので、数的処理だけで高得点を狙うことは逆に難しく、一般知識で得点を稼ぐことも考える必要があります。

国家公務員は専門科目の方が配点割合が高いので、教養対策よりも専門科目対策に時間を使うべきです。

※関連コラム:【公務員試験】教養科目の勉強法!~択一と記述(作文・論文)対策~

【公務員試験】専門科目の種類

続いて、大卒程度公務員試験に出題される「専門科目」についてご紹介しましょう。

専門科目は、受験する採用区分により出題される科目が大きく異なります。
行政系(行政職)の職種では経済や法律がメインとなりますが、心理職や技術職では各専門分野に対応した専門科目が出題されます。

行政職(事務職)

広く行政の仕事に携わる職種であり、専門科目は、法律系・経済系・行政系の3分野に大きく分けることができるのが一般です。

  • 法律系科目(憲法、民法、行政法、労働法、刑法、商法など)
  • 経済系科目(ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学、会計学、統計学など)
  • 行政系科目(政治学、行政学、社会学、国際関係論など)
    ※全ての科目が出題されるわけではなく、出題科目や選択回答・必須回答は異なります。

3分野以外にも、
国家一般職:心理学、教育学、英語(基礎・一般)
国税専門官や財務専門官:情報工学、情報数学、英語
など、選択科目のバリエーションが豊富です。

幅広い学部・学科の出身者に受験してもらいたいという狙いがあります。

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心理・福祉職

専門知識を活かして、心理・福祉のエキスパートとして仕事に携わります。

専門科目も、心理学、社会学、社会福祉、教育学、社会調査などから出題されます。

採用区分の分け方、出題科目は、受験先によって若干異なります。

技術職

理系学部で学んだ専門知識を活かして、それぞれの得意分野のエキスパートとして仕事に携わります。

専門科目も土木、建築、機械、電気等各専門分野別の専門科目から出題されます。


採用区分の分け方、出題科目は、受験先によって若干異なります。

以上からわかるように、行政職(事務職)で受験すると、往々にして負担は重くなります。

なぜなら、心理・福祉職や技術職では、大学で勉強した専門知識で対応できる場合がほとんど。
しかし、行政職(事務職)では、法律・経済他と出題分野が幅広く、出身学部のいかんを問わず馴染みのない科目を勉強しなければないためです。

しかし、行政職(事務職)の採用数が群を抜いて多いですし、採用後の仕事の幅は広いです。
また、行政職(事務職)はほぼ全ての試験で実施されるので、受験先の選択肢は広がります。

したがって、理系や心理学系の学部出身者でも、あえて行政職(事務職)で受験する人は決して少なくありません。

専門科目の出題数と出題形式について

前述の通り、行政職(事務職)の「専門科目」は科目の幅が広く、職種によるバリエーションが豊富です。

行政職(事務職)の「専門科目」の出題形式について具体例をご説明しましょう。

専門択一専門記述
国家一般職■16科目(各5題)から8科目40題選択
政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則・物権)、
民法(債権・親族相続)、ミクロ経済、マクロ経済、
財政学・経済事情、経営学、国際関係、社会学、
心理学、教育学、英語(基礎)、英語(一般)
なし
国税専門官■必須2科目16題(民法・商法、会計学(簿記含む))
■選択9科目(各6題)から4科目24題選択
(憲法・行政法、経済学、財政学、経営学、
政治学・社会学・社会事情、英語、商業英語、
情報数学、情報工学)
■5科目(各1題)のうち1科目選択
「憲法」「民法」「経済学」
「会計学」「社会学」
裁判所
事務官
一般職
■必須2科目20題(憲法⑦、民法⑬) 
■選択2科目(各10題)から1科目選択 
(刑法、経済理論)
■憲法1題
地方上級
全国型
■40題全問必須
政治学 ②、行政学②、社会政策 ③、国際関係②、
憲法④、行政法⑤、民法④、刑法②、労働法②、
ミクロ経済・マクロ経済学⑨、財政学 ③、経営学②
なし
東京都
(一般方式)
なし■10科目から3科目選択
憲法、行政法 、民法、経済学、
財政学、政治学、行政学、社会学、
会計学、経営学、
東京特別区■55問(11科目各5題)から40問選択
憲法、行政法、民法(総則・物権)、
民法(債権・親族相続)、ミクロ経済、
マクロ経済、財政学、経営学、政治学、行政学、社会学
なし

国家一般職、東京特別区、東京都などは、1科目あたりの出題数は同じですが、その他の職種は科目ごとに出題数が異なります。

出題数が多い科目を勉強するのがコストパフォーマンスがいいといえます。

選択回答か必須回答か

専門科目は、必須回答と選択回答に分かれます。

選択回答の試験はさらに「科目選択型」と「問題選択型」の2種類に分かれます

国家一般職の専門試験では全部で16科目出題、そのうち8科目(40題)を選択解答する仕組みで、選んだ科目については5題全て解答する「科目選択」です。
他方、東京特別区は55題から40題を選択解答する「問題選択」です。

また、科目によって、必須回答と選択回答に分かれている職種もあります。
この場合には、必須回答の科目を勉強するのが原則となります。

択一と記述

国家一般職以外の国家公務員では、専門択一に加えて、専門記述が出題されます。

逆に、地方公務員のほとんどは、専門記述が出題されません。
東京都のように、専門科目は記述式のみ(選択解答)の試験もありますが、これはレアケースです。

※関連コラム:【公務員試験】専門科目の勉強法とおすすめ優先順位~択一&記述~

最後に

公務員試験において、一体何が合否を左右するのでしょうか。 
それは「限りある時間を何に振り分けるか」です。

現時点から本試験までに与えられた時間は、本試験までの日数×24時間。これはどの受験生も全く同じなのです。 

「どの科目を優先的に勉強するか・勉強時間を割くか」を戦略的に考えることが合否を左右します。

公務員試験ほど多くの科目をこなさなければならない試験は他に類を見ません。
この意味で、誰もが初めて経験する試験形式なのです。

同じ人間なのですから、勉強時間自体には大きな差は出ません。
科目・分野の取捨選択、合理的な勉強方法といった、時間の使い方で差がつきますし、差をつけるのです。

そのためにも、出題科目数・配点・第一志望先・併願先を絶えず意識しながら勉強すべきです。

本稿が、みなさんの夢を叶えるための一助になれば幸いです。

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この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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