「数的処理の問題をどれだけやっても、解けるようになる気がしない。」
「数学が苦手だったから、数的処理なんてできるはずがない。」

こんな風に思い込んでいる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

本稿では、数的処理とはどのような問題なのかだけでなく、勉強法やコツについても徹底解説いたします。
ぜひ参考にして頂き、数的処理に対する誤解と思い込みを解消して、得意科目にしてください!

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数的処理は出題数が多く重要!

数的処理とは通常「数的推理」「判断推理」「資料解釈」の3分野に分かれます。
ただし、判断推理に含まれる図形問題を別途「空間把握」として、4分野と説明しているものもあります。

主要な職種における教養択一における数的処理の出題数は以下のとおりです。

職種数的処理の出題数
国家一般職16/40
国税専門官16/40
裁判所事務官一般職17/40
東京特別区Ⅰ19/40
東京都1B16/40
地方上級・全国型16/50

一般知識分野(日本史、世界史、地理、生物、化学等)の各科目の出題数が1〜2問であることを考えると、数的処理は圧倒的に出題数が多いですね。
特に東京特別区では、教養択一の5割ほどが数的処理で、近年、数的処理の配点割合を増やす職種が増える傾向にあります。

教養択一の合格ラインは、一般に5〜6割とされます。
つまり、総出題数が40問だと、20〜24問、50問だと、25〜30問正答する必要があります。

ここから、いかに数的処理が重要科目で、数的処理を捨て科目にすると教養択一試験を突破は非常に困難であるかがわかります。

※関連記事:【公務員試験の科目一覧】教養科目と専門科目とは?

数的処理はどんな科目なのか

数的処理とは、数学ではなく「数的」処理です。
端的に公務員としての事務処理能力を問われる科目といっていいでしょう。

解答は、5つの選択肢の中から答えに該当する選択肢を選べばよく、途中の解法などは問題にされませんし、もちろん部分点もありません

本試験では、平均して1問あたり3〜4分で解答しなければなりません。

したがって、問題を読むと同時に、瞬時に解法が思いつき、正解に導くための作業を素早く行わないと時間切れになってしまいます。
まさに、事務処理能力が問われる科目です。

数的処理は、大きく分けて以下の3つの分野に分けられます。

  • 判断推理
  • 数的推理(数的処理と用語が非常に似ていて紛らわしいのですが、数的「推理」です)
  • 資料解釈

※判断推理と数的推理の中には、「図形」に関する問題が含まれています。なので、テキストや予備校のカリキュラムに中には、「判断推理」「数的推理」「資料解釈」に加えて、「図形」と4分野とするところもあります。また、判断推理の図形問題を「空間把握」として、「判断推理」「数的推理」「空間把握」「資料解釈」の4分野とするところもあります。

判断推理

判断推理はパズルやクイズのような問題をイメージするとよいでしょう。
命題、論理、暗号、対応関係、順序、嘘つき問題など、問題文に書かれてある複数の条件を整理し推測する問題が出題されます。

論理力が要求される問題が多いのが特徴です。
また、立体図形や展開図・図形を転がすなど空間認識能力が問われる問題(空間把握といいます)があるのも特徴的です。

立体図形の見えない底面や裏面を推理したり、切り取られた立体図形の切断面の形状を考えたり、圧倒的に多くの受験生が苦手とする分野です。

直感で解くには限界がありますが、空間把握独特のノウハウさえマスターすれば、短時間で解けるようになります。

【出典:特別区】判断推理(論理式)の過去問と解説

あるグループにおけるスポーツの好みについて、次のア~エのことがわかっているとき、確実にいえるのはどれか。
 ア.野球が好きな人は、ゴルフが好きである。
 イ.ゴルフが好きな人は、ラグビーとバスケットボールの両方が好きである。
 ウ.サッカーが好きな人は、野球かラグビーが好きである。
 エ.テニスが好きでない人は、バスケットボールが好きではない。

1.野球が好きな人は、テニスが好きである。
2.テニスが好きな人は、ゴルフが好きである。
3.ラグビーが好きな人は、サッカーが好きである。
4.ゴルフが好きでない人は、サッカーが好きではない。
5.バスケットボールが好きでない人は、テニスが好きではない。

答えと解説はこちら

【答え:1.野球が好きな人は、テニスが好きである。】

与えられた命題ア~エを倫理式で表すと、それぞれ下記のようになる。
 ア 野球→ゴルフ
 イ ゴルフ→ラグビー∧ラグビー
 ウ サッカー→野球∨ラグビー
 エ テニス→バスケットボール
これらにしたがって、各選択肢を検討する。

 

1〇
 ア、イより、「野球→ゴルフ→バスケットボール」が成り立つ。また、エの対偶を取ると、「バスケットボール→テニス」が導かれるので、「野球→ゴルフ→バスケットボール→テニス」が成り立つ。よって、「野球→テニス」が導出される。

 

2×
 ア~エからは、テニス→□ となる命題を導出することはできない。

 

3×
 ア~エからは、ラグビー→□ となる命題を導出することはできない。

 

4×
 アの対偶を取ると、「ゴルフ→野球」が導かれる。また、ウの対偶を取ると、「野球∧ラグビー→サッカー」が導かれる。しかし、このことから、「野球→サッカー」という命題は成り立たないので、「ゴルフ→野球→サッカー」を導出することはできない。

 

5×
 イの対偶を取ると、ラグビー∨バスケットボール→ゴルフが導かれる。ここから、「バスケットボール→ゴルフ」が成り立つ。また、アの対偶より、「ゴルフ→野球」といえることから、「バスケットボール→ゴルフ→野球」が成り立つ。
 しかし、ここから先を推論することはできない。

 

※関連コラム:【公務員試験】判断推理とはどんな問題?勉強法や解き方のコツを解説

数的推理

数的推理は、難関中学入試の算数をイメージするとよいでしょう。
方程式を使わずに、文章を読み込み、論理的に思考して、そこから短時間で答えにたどり着くことが求められます

数の性質、約数・倍数、場合の数、確率、比と割合、濃度、速さ、最大・最小、二次関数、図形の長さ・角度・面積・体積を求める問題などから出題されます。

確率と図形はどの職種でもほぼ確実に出題されます。

※関連コラム:【公務員試験】数的推理とはどんな問題?苦手意識を捨てよう!

資料解釈

資料解釈は、実数、指数、総量と構成比、増加率減少率などをグラフや図表にした統計資料を読みとき、データから導ける内容の正誤を判断する問題です。

数値の判断の殆どが、「大小を比べる」、「ある値を超えるか超えないか」であり、正確な計算よりは大ざっぱな計算による素早い判断が求められます。

さまざまな種類の資料が問題に使用されますが、パターンは決まっていますし、難しい数学の知識も不要なので、数的処理が苦手な人ほど得点源にすべき分野です。

※関連コラム:【公務員試験】空間把握とはどんな問題?~判断推理の図形問題~

数的処理はいつから勉強するべき?何から勉強するべき?

数的処理は暗記した解法パターンを応用するために訓練が必要

出題数が圧倒的に多いからなのはもちろんですが、得点できるようになるまでにある程度の時間がかかるからです。

「数的処理を勉強するポイントは?」で解説するように、数的処理対策として暗記は必須ですが、闇雲な暗記では対応できません。
暗記した解法パターンを応用できるようになるための訓練が必要なのです。

したがって、確実に得点源とするためには、いち早く勉強を始めるべきなのです。

同じ一般知能に分類される文章理解も早めの勉強が必須で、できれば毎日、そうでなくても数日毎に継続して勉強すべきで、数的処理と並行して勉強を進めるべきです。
もっとも、高校時代まで現代文が得意だった方、英文科出身など英語が得意な方であれば、その分の勉強時間を他の科目に割り当てること可能です。

判断推理から始める意味

判断推理、数的推理、資料解釈はいずれから勉強し始めても構いません。

ですが、どのテキストも判断推理が冒頭に配置されています。
そして、判断推理の「論理」はどのテキストも最初の方に配置されていますが、それは公務員試験対策全体にとって非常に理にかなっています。

「論理」で学ぶスキルは、判断推理だけでなく、数的推理や資料解釈で必要とされる「読解力・論理力」に直結するからです。

実は、この読解力・論理力は、公務員試験全体を通じて必要とされるスキルです。
数的処理の他の問題、文章理解、記述試験、面接でも「読解力・論理力」が問われます。

数的処理の勉強法とコツ

解法パターンの暗記

数的処理が苦手だという受験生は少なくありません。

なぜ苦手なのでしょうか?

「中学・高校と数学が苦手だったから。」
「理系じゃなくて文系出身だから。」

どれも違います。

数的処理は、「数的」であって、「数学」ではありません。
数学が苦手だったことは理由になりません。
理系か文系かも無関係です。

数的処理に必要な読解力と論理力は、文系・理系問わず必要とされるスキルです。

数的処理が苦手なのは、暗記と反復練習が足りないだけです。

数的処理はセンスが必要だけど暗記科目ではないと考えるのは、大きな誤解です。

もちろんセンスは必要です。
ですが、センスは磨くものであって、生まれつきの能力ではありません。

暗記と反復練習を繰り返すうちにセンスが磨かれるのです。

まず、試験科目を問わず、受験勉強は暗記です。
東大理Ⅲレベルの数学であっても暗記です。

数的処理でいえば、最低限の計算能力(加減乗除)、公式といった「基礎知識」、解法パターンの暗記が必要です。

解法パターンの数はそれほどありません。
世界史や日本史に比べれば、暗記する量なんて知れています。

1冊の過去問を最低3回

暗記したものを使いこなせるようになるためには、反復練習が欠かせません。

反復練習のためのツールとしては、過去問がベストです。

巷には、数的処理の参考書が山ほど出回っています。
あちこちの参考書をさすらう人も少なくありません。

1冊の過去問を最低3回、繰り返してみることです。

最初はすぐに答えを見ても構いません。
解説が多少理解できなくても暗記してください。

最初から自力で解いてみようと何十分もあれこれ考えたり、解説を完全に理解しようとして時間を使ってはいけません。

そんなことをすると、反復練習の時間が少なくなります。
すると、いつまでも知識もセンスも見につきません。
すると、数的処理がいつまでも苦手なままで、やる気が失せます。

数的処理が苦手だと言う方のほとんどが、このような負のスパイラルに陥っています。

まずは、1冊の過去問を徹底的に繰り返しましょう。

難易度の高い問題は、スルーして次に進みましょう。
そんな問題は他の受験生もできないからです。

公務員試験では、他の受験生ができる問題を落とさないことが鉄則です。

タイマーを使って体にタイム感を養う

過去問の二巡目、三巡目になると、タイマーで時間を区切って、問題をとくようにしましょう。

自分の中にタイム感をつけるためですし、時間を意識しながら解くことが集中力にもつながります。

本試験で1問あたりにかけられる時間は平均して3〜4分です。

このような短時間で正解肢にたどり着くには、

  1. 問題文を見て瞬時に、暗記した解法パターンのどれを使うかが思いつく
  2. 答えを出すまでの作業(計算や表を作ったり)を素早く行う

この2点が必要です。

そのための暗記と反復練習、そして時間管理です。

数的処理は毎日、朝イチで解く

数的処理の勉強は筋トレに似ています。
たまにまとめてやっても筋肉痛になって終わるだけです。
必要な筋肉をつけるには、毎日コツコツトレーニングする以外ありません。

ですから、数的処理も、少しでもいいので、毎日欠かさず勉強する時間を作りましょう。

数的処理の問題を解くのは朝イチがオススメです。
朝起きてすぐに数的処理をやると、脳が覚醒して、1日が有効に使えます。

ちなみに、暗記作業は(科目を問わず)寝る前がオススメです。
暗記は寝ないと定着しないからです。

定期テスト前に一夜漬けしたことって、すぐ忘れましたでしょう?

以上は、大脳生理学的に理にかなった勉強方法なので、実践して見てください。

※関連コラム:【公務員試験】教養科目の勉強法!~択一と記述(作文・論文)対策~

【解説】数的処理を基本から徹底解説!勉強の鉄則は○○をすること!?

数的処理を対策するならアガルートがおすすめ!

数的処理は誰でも得意になれる科目です。

苦手だという思い込みを捨て、面倒臭いこと(暗記と反復練習)をやりさえすれば、得意科目になれます。

本稿が、数的処理苦手脱却の助けになれば、幸いです。

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この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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