「膨大な表やグラフ」
「選択肢が長い」
「全部読まないと解答できない」
「桁数が多い計算がうっとうしい」

資料解釈を嫌う理由っていっぱいありますよね。

しかし、資料解釈は数的処理の得点源だと、多くの合格者が語ります。

本稿では、資料解釈を得点源にするための5つのコツを徹底解説します。
ぜひ参考にして、数的処理の得点アップに役立ててください!

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資料解釈とは?数的処理が苦手な人ほどしっかりやるべき

数的処理には、判断推理・数的推理・資料解釈の3分野があります。
ただし、判断推理に含まれる図形問題を別途「空間把握」として、4分野と説明する場合もあります。

資料解釈は、数的処理が苦手な方ほどしっかり対策すべき科目であることを最初に申し上げておきます。

一番の理由は、資料解釈はリスクが少ないからです。

判断推理や数的推理だと本試験で、「解法が全く思いつかない」というリスクが絶えず付きまといます。

ですが、資料解釈は資料のパターンを知り、計算方法さえマスターしてしまえば試験では解答にたどり着くことができます。
しかも覚えるべきことは、多くはありません。

数的処理対策は、ついつい判断推理や数的推理の対策にフォーカスしがちですが、資料解釈は、時間対効果、労力対効果が非常に高い科目です。

判断推理や数的推理に比べてテクニックさえ身につけてしまえば確実に解けるため、資料解釈は、数的処理が苦手で苦戦している方ほどしっかりやって得点源にすべき科目なのです。

※関連記事:【公務員試験の科目一覧】教養科目と専門科目とは?

資料解釈の職種による戦略

資料解釈は、職種によって出題数・出題形式に違いがあります。

なので、ここでは職種ごとの戦略について解説しましょう。

  • 国家一般職 3問
  • 国家専門職(国税・財務・労基)3問
  • 東京都 4問
  • 東京特別区 4問
  • 裁判所事務官⼀般職 1問
  • 地方上級 自治体によっても異なるが、概ね1問
  • 市役所 1問

※2019年の本試験データに基づくものです。

東京都と特別区が4問、国家一般職・国家専門職が3問、裁判所事務官一般職と大半の地方公務員は1問となっています。
東京都と東京特別区は4問も出題される上、難易度も高くないので、これらの職種を受験する方は、ゴリゴリ過去問で勉強して、満点を狙いましょう。

国家一般職は3問出題されますが、計算に時間のかかる問題もあるので、全問正解は難しいかも知れません。
ですが、教養科目自体のウェイトが低いので(配点が専門科目の2分の1)、2問正解できれば大丈夫です。

国家専門職も3問出題され、以前に比べれば、難易度は下がっているので、2問〜3問正解を狙いましょう。

裁判所事務官、地方公務員は1問とはいえ、難易度からすれば1点確実に取りに行くべき科目です。

また、資料解釈は職種ごとに、出題形式がある程度パターン化されているので、志望先の過去問を集中して解くのが効果的な勉強方法です。

資料解釈の解き方のコツ~問題を解いてみよう~

国税専門官・労働基準監督官で出題された過去問を使って、資料解釈の解き方のコツを説明しましょう。


表は、ある年の就労調査による、初職期(20~24歳)と再就職期(40~44歳)における職業別・学歴別の就職成功率を比較したものである。この表から推測されることとして妥当なのはどれか。
なお、表中の数値は、高卒を1.00とした学歴間の比を示したものである。

1 サービス業や技能生産工では、男女とも再就職期は初職期に比べ高卒の就職成功率が高いが、これは年齢に応じて、学歴に合った職業が選択されるためである。

2 大卒と高卒について、職種別の就職成功率全体では、初職期においても、再就職期においても、高卒に比べて大卒の方が高いといえる。

3 事務職と販売職を一つのグループと考えた場合、初職期・再就職期のいずれにおいても、男性の場合、高卒に比べて大卒の方が就職成功率が高いが、逆に女性は低くなっている。

4 再就職期において、保安職業における大卒女性の就職率0.00に比べ、男性のそれが高いのは、他の職種よりも保安職業に再就職する男性が多いからである。

5 技能生産工について初職期と再就職期との学歴別の就職成功率の違いを比べると、男女ともに同じ傾向を示しているが、これは性別、年齢、学歴に関係のない作業が中心だからである。

正解 3


まず、本問で真っ先に切るべき選択肢は、1と5です。

1 サービス業や技能生産工では、男女とも再就職期は初職期に比べ高卒の就職成功率が高いが、これは年齢に応じて、学歴に合った職業が選択されるためである。

もっともらしいことが述べられていますが、表からは就職成功率の大小が生じる原因は分からないので、前半の記述の正誤を検討する以前に誤りだと分かります。

5 技能生産工について初職期と再就職期との学歴別の就職成功率の違いを比べると、男女ともに同じ傾向を示しているが、これは性別、年齢、学歴に関係のない作業が中心だからである。

学歴別の就職成功率の違いが生じる原因は、表からは読みとることはできないので、前半の記述の正誤を検討する以前に誤りだと分かります。

問題本文に「この表から推測されることとして妥当なのはどれか。」とあるように、資料解釈では、問題文にある資料からだけ判断しなければなりません。

したがって、一般常識や社会情勢などに触れている記述は、仮に事実として正しくても、計算したり、資料を検討するまでもなく、誤りの選択肢だとわかります

ここで、本問の資料は一体、何を表しているのかを確認してみましょう。

男女別・年齢別(初就職期と再就職期)・職業別に、高卒を1.00として学歴による就職成功率の違いを表しているにすぎません。
例えば、男性・初就職期・専門技術において、高卒(1.00)に比べて、短大卒(5.55)と大卒(5.47)の就職成功率は高いけど、小中卒(0.08)は低いことがわかります。

ですが、実際に就職した人の数はわかりません。

4 再就職期において、保安職業における大卒女性の就職率0.00に比べ、男性のそれが高いのは、他の職種よりも保安職業に再就職する男性が多いからである。

表からは、実際の就職した人数はわかりません。

2 大卒と高卒について、職種別の就職成功率全体では、初職期においても、再就職期においても、高卒に比べて大卒の方が高いといえる。

高卒の1.00より多い数字と少ない数字が混在しているので、成功率全体を比べることはできません。

3 事務職と販売職を一つのグループと考えた場合、初職期・再就職期のいずれにおいても、男性の場合、高卒に比べて大卒の方が就職成功率が高いが、逆に女性は低くなっている。

2と似たようなことを聞いていますが、こちらのデータは、高卒の1.00より多い数字のみ・少ない数字のみ、なので、成功率全体の合計量も多い・少ないということが言える。

いかがでしょうか。

全く計算なしで、資料の意味するところ、選択肢の引っ掛けパターンを知っているだけで簡単に解けました。

資料の膨大さや、一見したところ複雑・難解に見えるのに騙されてはいけないことがわかりますね。

資料解釈における勉強の5つのコツ

他のコラムでも、数的処理を得点源にするために必要なのは、「知識」と「反復練習」と繰り返し述べてきました。
資料解釈も同様です。

ここでは、資料解釈を得点源にするために必要な「知識」についてまとめておきましょう。

1 資料が何を意味するか理解するため、資料のパターンを知っておく

例題の資料は、「指数」を利用したデータでした。
選択肢の2、4は、何を基準に何を比較した指数なのかが理解できていれば、簡単に切れましたね。

「指数」以外にも、「実数」「構成比」「増加率・減少率」「累積」などがあります。

それぞれ、どんな特徴があるのか知っておきましょう。

2 資料解釈の資料は欠落した資料

例題の資料、「え、何?この資料。こんなの何の役に立つの?」と思われませんでしたか。

男女別・年齢別・職業別に、高卒を1.00とした学歴による就職成功率の違いとレンジが狭い上に、実際に就職活動した人数も、就職した人数も不明です。

そうなんです。
問題で使われる資料は、わざと欠落させた変な資料なのです。

白書などのデータを元に作成されていますが、それをどこか欠落させて、欠陥商品の資料を用意しているのです。
そして、その欠陥こそが選択肢のネタになっているわけです。

まともな資料・データはどうなっているのか、時事対策を勉強するときに見て慣れておくといいかもしれません。

3 出題者は様々な「トラップ」を仕掛けてくる

例題にありましたように、資料からは判断できない「一般常識・社会情勢」に触れている選択肢は、もっともらしい記述であっても、誤りの選択肢になります。

このように、あの手この手で出題者はトラップを仕掛けてくるので、過去問をたくさん「読んで」、手口を知っておけば騙されることはありません。

4 概算値の利用法(要するに手抜き計算)を知る

例題では結局計算は全く不要でしたが、問題によっては計算が必要なこともあります。

ですが、数的推理とは異なって、がっつり最後まで計算する必要はありません。
実際の過去問の一部抜粋で確認してみましょう。


B社の総資産は4、788億円で、経常利益は2、598千円である。
C社の総資産は4、617億円で、経常利益は3、893千円である。

総資産に対する経常利益の比率を比較すると、B社がC社を上回っている。正しいか誤りか。


これを、 2、598千円÷4、788億円(B社)と3、893千円÷4、617億円(C社)を計算して比べると、大変です。そんなことをしてはいけません。

分数では、分母が大きいほど全体の数値は小さくなり、分子が大きいほど全体の数値は大きくなります。

B社の分母(4、788億円)>C社の分母(4、617億円)
B社の分子(2、598千円)<C社の分子(3、893千円)

これを利用すると、ほぼ計算不要でB社がC社を下回っていることがわかります。
よって、答えは誤りです。

このように、資料解釈では、「多いか少ないか」だけがわかればいい選択肢がほとんどです。
なので、ざっくり計算して判断できるテクニックを知ることが資料解釈では時短と共に、ケアレスミスの防止にもなります。

5 ひたすら過去問を「読む」「解く」

そして、もちろん「反復練習」です。
どんなに「知識」を得ても、実戦で時間内に問題を解けるようになるためには、練習が必要です。

最初は、資料解釈の問題→即解説を「読む」ことで十分です。
多少わからない部分があっても、パターンは暗記していきましょう。

暗記が理解につながります。
でも、繰り返し、たくさん読んでください。

過去問は、最低3回(最低ですよ)は繰り返すことです。
過去問がスラスラ解けるようになれば、「暗記」が定着し、計算も早くできるようになります。

いかがでしたでしょうか。

  1. 資料のパターンとトラップを知り、
  2. 手抜き計算を使い、
  3. 過去問を繰り返す

これだけで、資料解釈は満点を狙える科目になります。

※関連コラム:【公務員試験】数的処理の勉強法やコツとは?どんな問題が出る?

【動画解説】図形・資料解釈の過去問の解き方を徹底解説!

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最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。

本稿が、数的処理の得点アップに役に立てば、幸いです。

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この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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