そろそろ行政系の勉強を始めるべきだろうか?
でも、行政系の科目はどれを選べばいいのだろうか?
どう勉強するのが時間をかけずにすむのだろうか?

こんな悩みにお応えするため、本稿では行政系科目の傾向と対策について解説します。

ぜひ参考にして、必要な科目選択と効率的な勉強方法を知って、行政系科目の対策をしてください。

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行政系科目とは?

行政科目とは、行政学、政治学、社会学、国際関係、社会政策の5科目を指します。

とにかく暗記中心の科目なので、暗記が苦手な受験生にとっては厳しい科目になりますが、逆にゴリゴリ暗記するだけで得点になるのですから、逃げずに克服しましょう。

特に国家一般職や東京特別区では、法律系や経済系の主要科目と1科目あたりの出題数が同数であり、地方上級でも40問中9問も出題されます。

さすがにスルーしていい分野とは言い難いものがあります。

もちろん、上記5科目全てをびっしりと勉強する必要はありません。

合格に必要な最低限度の科目を選択して、落ちない勉強をするのが公務員対策の鉄則だからです。

  1. 法律系や経済系の主要科目で足りない部分を、どの行政系科目で補うのか
  2. 主要科目の勉強の足を引っ張らないように、いかにして効率的に勉強するのか

この2点を中心に、行政系科目対策について説明していきたいと思います。

行政系科目を数字で確認しよう!

行政系科目の出題数

種類択一式記述式
国家一般職●16科目(各5問)から8科目(40問)選択
憲法、民法(総則・物権)、民法(債権・親相)、
行政法、ミクロ経済、マクロ経済、財政学・経済事情、
経営学、政治学、行政学、国際関係、
社会学、心理学、教育学、英語(基礎)、英語(一般)
なし
国税専門官●必須2科目16問(民法・商法、会計学(簿記含む))
●選択9科目(各6問)から4科目(24問)選択
(憲法・行政法、経済学、財政学、経営学、
政治学・社会学・社会事情、英語、商業英語、
情報数学、情報工学)
●5科目のうち1科目選択
憲法、民法、経済学、
会計学、社会学
地方上級
・全国型
●40題全問必須
憲法④、民法④、行政法⑤、刑法②、労働法②、
ミクロ経済・マクロ経済学⑨、財政学 ③、経営学②、
政治学 ②、行政学②、社会政策 ③、国際関係②
なし
東京都
(一般方式)
なし●10科目から3目選択
憲法、行政法 、民法、
経済学、財政学、政治学、
行政学、社会学
、会計学、
経営学
東京特別区●55問(11科目各5問)から40問選択
憲法、民法(総則・物権)、民法(債権・親相)、
行政法、ミクロ経済、マクロ経済、財政学、
経営学、政治学、行政学、社会学
なし

行政系科目のうちどの科目を勉強すべきか

勉強する「専門科目」の選び方のポイントとしては3点あります

  1. 第一志望を中心に選ぶ
  2. 併願先と重なる科目を選ぶ
  3. コスパの良い(出題数の多い・短時間で仕上がる)科目を選ぶ

の3点になります。

「政治学」「行政学」は、ほとんどの職種で出題されるので、少なくともどちらか一方は勉強しておくべきでしょう。

「社会学」は地方上級以外では出題されないので、地方上級以外が第一志望の場合は、避けるのが無難です。

「社会政策」は、地方上級で3問も出題されるので、地方上級が第一志望ならば、労働政策や社会保障を中心に勉強しておきましょう。

「国際関係」は科目としての難易度が高過ぎます。

範囲が広く、地理・歴史の深い知識が必要な上に時事ネタも出されるため、勉強に時間がかかるからです。

大学で国際関係を専攻しているとかでもない限り、国家一般職で選択するのは得策ではありません。

地方上級全国型は全問必須解答ですが、世界史が得意でもない限り、潔く捨て科目とするのが得策です。

難易度

「国際関係」の難易度の高さについては、前述のとおりです。

「政治学」「行政学」「社会学」「社会政策」はとにかく暗記が中心の科目で、暗記が苦手でない限り難易度は低い科目たちです。

行政系科目の勉強法は?

行政系科目はいつから勉強すべきか

科目選びのポイント3つ

  1. 第一志望を中心に選ぶ
  2. 併願先と重なる科目を選ぶ
  3. コスパの良い(出題数の多い・短時間で仕上がる)科目を選ぶ

これらからすると、

法律系(憲法、民法、行政法)と経済系(マクロ経済、ミクロ経済)の優先順位が高くなります。

法律系と経済系を並行して勉強して、その後に行政系の勉強をスタートすることになります。

すると、行政系の勉強は年末以降になりますし、それで十分です。

行政系科目の勉強方法

「政治学」「行政学」「社会学」は出題傾向が似ていて重なる部分もあるので、優先科目のあとでまとめて勉強するべきでしょう。

3科目ともほぼ同じ方針の勉強方法で対応できます。

まず、キーワードを暗記するだけでなく、並行して過去問を解いていくべきです。

最初はとにかくスピード重視です。

テキストや参考書を1〜3日で一気に読んで、すぐに過去問を解きます。

「解く」というより、「読む」感覚で、いきなり解説を見て大丈夫です。

そして問題文(解説ではなく)に暗記すべきキーワードをどんどん書き込んでいってください。

誤りの選択肢は、問題文の間違っている箇所に線を引き、正しい選択肢になるように書き込みをしましょう。

それが出題ポイントでもあり、キーワードでもあるので暗記していってください。

問題文に書き込みをすると、次に解くときに答えが解ってしまうとご心配でしょうか。

赤いペンで書き込みをして、解くときは赤いシート(百均でも売っていますね)を被せるなどの工夫をすれば見えなくなります。

過去問集は綺麗にとっておくものではありません。

誤りの選択肢を最大限に活用するのが、出題傾向を把握して、暗記すべき項目を整理できる最短ルートなのは他の専門科目についても同様です。

キーワード暗記→過去問を解く、この作業を3回ほど繰り返せば国家一般職や地方上級で得点できる程度の実力は身につきます。

加えて時事ネタが出題されることも多いので、時事対策も怠らないようにしましょう。

あとは直前期に、書き込みを行った問題文を読み返して、暗記しなおせば十分です。

逆にこれ以上の時間と労力をかけるのは、主要科目対策の足を引っ張ることになるのでやめるべきです。

※関連コラム:【公務員試験】専門科目の勉強法とおすすめ優先順位~択一&記述~

行政科目の効率的な勉強法とは?コツや対策を徹底解説!【攻略法】

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この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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