土地家屋調査士試験の問題をマスターしていく順番&各問題ごとの解くコツ
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土地家屋調査士試験の受験生は、そのほとんどが社会人ですよね。
仕事や家庭もある中で勉強するのは大変なことだと思います。
せっかく貴重な時間を割いて勉強するのですから、効率的に知識を習得したいですよね。
同じことを学んでも、順番を間違えるだけで大きな回り道になることもあります。
今回は最短距離をいく学習の順番をお伝えします。
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土地家屋調査士試験の問題は択一式「民法」からマスターしていく
勉強の順番を語るには、まず土地家屋調査士試験がどのような内容で構成されているかを知らなくてはなりません。
■択一式
民法
不動産登記法
土地家屋調査士法
■記述式【土地】
計算(座標、辺長、面積)
論述
申請書
作図(地積測量図)
■記述式【建物】
計算(面積)
論述
申請書
作図(建物図面、各階平面図)
これぐらいあるわけですね。
では、これらをどのような順番で進めていけばよいでしょうか。
学習の順番1 択一式「民法」
まず勉強すべきは、択一式の「民法」です。
なぜかといえば、民法は「私人間の法律関係の基礎だから」です。
土地家屋調査士が扱う不動産には売買や譲渡がありますし、相続もよくあります。
また、買主が売主に代位して登記を申請する、なんてこともあります。
こうした法律関係は基礎に民法があるので、先に知識を得ているとその後の勉強が理解しやすいのです。
関連コラム:土地家屋調査士試験の民法勉強法!しっかり対策して3問全問正解
学習の順番2 択一式「不動産登記法」
次に勉強すべきは択一式の「不動産登記法」です。
土地家屋調査士試験におけるメイン科目であり、記述式でも必須の知識です。
範囲が広く、一番時間がかかる部分ですので、民法が一通り終わったらすぐに(もしくは同時並行で)取り掛かりましょう。
記述式も結局のところ不動産登記法の知識ですので、最後まで勉強し続ける科目となります。
また、この勉強の中には「申請書」が含まれています。
ここで、記述式の申請書の書き方もマスターしておきましょう。
関連コラム:土地家屋調査士試験の不動産登記法勉強法!多肢択一対策
学習の順番3 択一式「土地家屋調査士法」
次は、択一式の「土地家屋調査士法」です。
これは範囲が狭く、上記2科目と比べればあっという間に終わります。
ということで、いつやってもいい科目なのですが、先に終わらせておけば、択一式の過去問を年度で通して解くことができるようになります。
その後は「択一式過去問演習」&「計算」「作図」を同時進行
上記の学習が終わったら、すぐに択一式の過去問演習に入りましょう。
もちろん分からない問題が多々出てくることと思います。
その時は都度テキストへ戻りながら、知識を補充していってください。
さて、そうして過去問を進めている間に、並行してやるべきことがあります。
それは記述式の「計算」と「作図」の練習です。
アガルート受講生であれば、[中山式]複素数計算と新・定規の使い方講座が該当講座となりますね。
択一式で8~9割取れるようになり、基本的な計算と作図ができるようになったら、次は記述式の演習となります。
記述式は土地と建物がありますが、同時並行で進めましょう。
それぞれに特徴がありますので、どちらにも早く慣れておくのがベストです。
1日に1問ずつ(計2問)できればベストですが、最初のうちは1日1問でも構いません。
その場合は交互に解いていきましょう。
また、1問でもハードルが高く感じる場合は、できる問題だけやっても構いません。
なお、過去問演習は、近年のものから過去に遡るようにして解いていきましょう。
近年の方が易しいですし、トレンドを押さえられます。
一昔前になると非常に難しい問題が多いので、力試しとして後回しにするのがよいですね。
ただ、建物については普通建物(非区分建物)と区分建物の2種類があります。
様々な部分で扱いが異なっており、最初のうちは混乱しがちです。
もし知識がごっちゃになってしまうようなら、まずは普通建物の問題だけを優先して解き、区分建物は後回しにした方がよいでしよう。
普通建物が安定して解けるようになってから区分建物に入ると、違いがクッキリ見えてきます。
各問題を解くコツ
それでは各問題を解く際のコツをお伝えしましょう。
択一式「民法」
民法は、選択肢の登場人物の関係性を正確に把握することが大事です。
誰が誰にどうしたのか、誰が当事者で誰が第三者なのか、どのような立場でどのような状況下にあるのか。
それをしっかり把握できると、論点が浮かび上がって見えてきます。
つまり「この選択肢は一体どんな知識を確認したいのか?」ということが分かるのです。
選択肢の中には必ずヒントが与えられていますので、それを見極められるようになると選択肢の正誤をしっかり判定できるようになります。
択一式「不動産登記法」
こちらも論点の把握が一番大事です。
不動産登記法の選択肢は、語尾が
「~できる」
「~できない」
「~しなければならない」
「要しない」
となっていることがほとんどです。
つまり、正誤の判定は極めてシンプルですので、分かってくれば比較的簡単に得点できるようになります。
ただし、不動産登記法は抽象的でイメージしづらい法律です。
頭の中にイメージが構築されるまでは、少し苦しい期間があるかもしれません。
繰り返し学習して、不動産登記法特有の概念をインストールしていきましょう。
択一式「土地家屋調査士法」
土地家屋調査士法を勉強するコツは、自分事としてイメージすることです。
何しろ、登録して開業すれば自分事ですからね。
業務の規定や懲戒処分など、自分が行う・されると思えば頭に入りやすいです。
土地家屋調査士会や土地家屋調査士会連合会は、末永くお世話になるところですから、業務内容は理解しておこうと思えますよね。
基本的には易しい問題が多く、量も少ないのでそれほど苦労することはないでしょうが、時折ものすごく細かい論点が出題されることがありますので、それだけは注意してください。
過去問の量は少ないので、テキストで足りない分を補充しておきましょう。
記述式「土地」
土地の問題は、いかに早く正確に計算を行うかが第1ステップ。
事例把握を正しく行うことが第2ステップ。(地目変更があるのか、地積更正があるのか、分筆なのか分合筆なのかetc)
そして、地積測量図を早く正確に描くことが第3ステップです。
計算は、近年ではあまり凝った問題は出されず、基本的な放射計算、交点計算が多くなりました。
ただし、再び難しい問題が出されても対応できるよう、補正計算や逆計算はできるようにしておきましょう。
問題把握は、択一式の知識を活用する部分です。
ここは過去問をしっかり解き、テキストを読み込んでおけばOK。
地積測量図を早く正確に描くには、できるだけ座標値を問題文の同じ場所に書き込んでおくことですね。
計算で求めた座標値も一緒に並べて書いておけばプロットが早くなります。
記述式「建物」
建物は、事例把握を正しく行うことが第1ステップ。
そして各階と建物の形状を正しく認識することが第2ステップです。
建物は申請書のバリエーションが豊富です。
登記の目的は何なのか、添付書類は何が必要なのか、正解を出すには事例をしっかり把握していなければいけません。
登記の目的によって登記原因およびその日付欄は書く内容が決まりますし、添付書類も表題登記なら所有権証明書と住所証明書が必要、相続人からの申請なら相続証明書、法人からなら会社法人等番号、と決まっています。
間違ってしまうとドミノ状態で間違ってしまうので注意したいところです。
作図に関しては、各階平面図と建物図面の2つが必要です。
各階平面図については、複雑な形状を描かせることが時折あります。
辺長が何メートルでどこで折れるのか、等の形状をしっかり把握できるようにしましょう。
そして、どのように定規を動かせば最短手順でできるかを自分なりに工夫してみましょう。
建物図面は、500分の1という描きづらい縮尺となります。
目盛りの読み違えが多いですので、慣れるまでは数をこなしましょう。
また、区分建物の場合は「実線」「点線」「一点鎖線」の使い分けが必要になり、混乱しがちです。
何にどの線を使うのか、まずはシンプルな事例で考えて頭に入れていきましょう。
色々とコツを書いてきましたが、これらはすべて実践して頂いてこそ意味があります。
いずれにしても、全てに共通して重要なのは「数をこなすこと」です。
どんどんやって、どんどん改善していきましょう。
関連コラム:土地家屋調査士試験に独学で合格するための勉強法と知っておくべきリスク
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このコラムのまとめは以下の通りです。
土地家屋調査士試験の学習の順番について
- 学習の順番1 択一式「民法」
- 学習の順番2 択一式「不動産登記法」
- 学習の順番3 択一式「土地家屋調査士法」
- その後は「択一式過去問演習」&「計算」「作図」を同時進行
択一式「民法」を解くコツ
- 選択肢の登場人物の関係性を正確に把握する
択一式「不動産登記法」を解くコツ
- 論点の把握が一番大事
択一式「土地家屋調査士法」を解くコツ
- 自分事としてイメージする
- 過去問の量は少ないので、テキストで足りない分を補充する
記述式「土地」を解くコツ
- 第1ステップ: いかに早く正確に計算を行うか
- 第2ステップ: 事例把握を正しく行う
- 第3ステップ: 地積測量図を早く正確に描く
記述式「建物」を解くコツ
- 第1ステップ: 事例把握を正しく行う
- 第2ステップ: 各階と建物の形状を正しく認識する
なお、過去問を解く際には適切な解説があることが重要です。ただ答えだけを知るだけでなく「なぜこの答えになるのか」を理解することも重要だからです。
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