公務員の給料表とは?行政職俸給表の見方と級・号俸の仕組みを解説
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公務員の給料(基本給)は、給料表の「級」と「号俸(号給)」の組み合わせで決まります。
級は役職などの職務の段階、号俸は同じ級の中での段階を表しており、両方が分かれば給料表から給料の月額を読み取れます。
国家公務員の給料表は「俸給表」と呼ばれて法律で定められ、地方公務員の給料表は自治体ごとに条例で定められています。
本コラムでは、国家公務員・地方公務員の給料表の種類と特徴や、行政職俸給表の(一)と(二)の違い、見方、改定の仕組みについて解説します。
給料表の種類と見方を押さえておけば、公務員として働き始めたあとに給料がどう上がっていくのかを具体的にイメージできるでしょう。
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公務員の給料表とは?給料(基本給)の額を決める一覧表
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公務員の給料表とは、給料(基本給)の月額を定めた一覧表です。
給料の額は給料表の「級」と「号俸(号給)」の組み合わせで決まり、職種に応じて異なる給料表が適用されます。
なお、級と号俸の詳しい読み方は、「国家公務員・地方公務員の給料表の見方」で解説しています。
国家公務員は「俸給表」、地方公務員は「給料表」と呼ぶ
国家公務員の基本給は「俸給」、その一覧表は「俸給表」と呼びます。
地方公務員の場合、基本給は「給料」、その一覧表は「給料表」と呼びます。
総務省の資料でも、地方公務員の「給料表の給料月額」と、国家公務員の「俸給表の俸給月額」が対応するものとして並べられています。
また、同じ級の中の段階は、国家公務員では「号俸」、地方公務員では「号給」と呼ぶことが多いものの、指している内容は同じです。
呼び方は違っても、基本給の額を一覧にした表という役割は変わりません。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
公務員の給料表は法律や条例で定められている
国家公務員の俸給表は、「一般職の職員の給与に関する法律」(給与法)で定められています。
一方、地方公務員の給料表は自治体ごとの条例で定められており、その根拠は地方公務員法第24条第5項です。
そのため、給料表の金額や構成は、法律や条例が改正されて初めて変わります。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
給料表で決まるのは基本給で、手当は別に支給される
給料表で決まるのは基本給で、地域手当やボーナスなどの手当は給料とは別に支給されます。
人事院によると、国家公務員の給与は、俸給(基本給)と、それを補完する諸手当(手当とボーナス)で構成されています。
地方公務員の場合も、給料とは別に地域手当・扶養手当・住居手当・期末手当・勤勉手当などが支給される仕組みです。
したがって、月収や年収を考える時は、給料表の金額に手当を加えた総額で見ておきましょう。
国家公務員の給料表(俸給表)の種類と特徴
国家公務員の給料表(俸給表)は、行政職・公安職・医療職など仕事の種類に応じて17あり、職員はそのうちいずれかの俸給表の適用を受けます。
中でも基本となる国家公務員の行政職俸給表は、事務・技術系の職員に適用される(一)と、技能・労務系の職員に適用される(二)に分かれています。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
行政職俸給表(一)は事務・技術系の職員に適用される基本の俸給表
行政職俸給表(一)は、ほかの俸給表の適用を受けない全ての職員に適用される基本の俸給表です。
国家公務員の給料表(俸給表)のひとつとして給与法の別表に定められており、一般的な事務や技術の職員が対象になります。
さらに、行政職俸給表(一)は1級から10級までの10段階で構成され、役職が上がるほど上の級に進む仕組みです。
公務員の行政職俸給表を確認する時は、まず行政職俸給表(一)を見ると、俸給表の基本の構造をつかみやすいでしょう。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
行政職俸給表の一と二の違いは対象となる職種
行政職俸給表の一と二の違いは、対象となる職種と級の数です。
行政職俸給表(二)は、守衛・用務員・自動車運転手・電話交換手・調理師など、技能・労務の業務に従事する職員に適用されます。
建設機械の操作手やボイラー技士など、機器の運転・操作・保守に従事する職員も、行政職俸給表(二)の対象です。
また、行政職俸給表(二)の級は1級から5級の5段階で、10段階ある行政職俸給表(一)の半分しかありません。
国家公務員の給料表(俸給表)では、同じ「行政職」でも、事務・技術系の職員は(一)、技能・労務系の職員は(二)と、仕事の内容によって適用される表が分かれています。
※出典:「人事院規則九―二(俸給表の適用範囲)」e-Gov法令検索
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
医療職・公安職など職種ごとの俸給表
国家公務員の給料表(俸給表)には、行政職のほかにも職種ごとの表があります。
給与法で定められている俸給表は、次のとおりです。
- 行政職俸給表(一)(二)
- 専門行政職俸給表
- 税務職俸給表
- 公安職俸給表(一)(二)
- 海事職俸給表(一)(二)
- 教育職俸給表(一)(二)
- 研究職俸給表
- 医療職俸給表(一)(二)(三)
- 福祉職俸給表
- 専門スタッフ職俸給表
- 指定職俸給表
このうち医療職俸給表は、医師・歯科医師には(一)、薬剤師・栄養士・診療放射線技師などの医療技術職員には(二)、保健師・助産師・看護師・准看護師には(三)が適用されます。
さらに、公安職俸給表(一)は警察官・皇宮護衛官など、公安職俸給表(二)は検察事務官・公安調査官などに適用される俸給表です。
ほかにも、税務職俸給表は国税庁に勤務し、租税の賦課や徴収に関する事務などに従事する職員に適用されます。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
※出典:「人事院規則九―二(俸給表の適用範囲)」e-Gov法令検索
地方公務員の給料表の種類と特徴
地方公務員の給料表は自治体ごとに条例で定められ、職種に応じて行政職・公安職・医療職・教育職などの給料表に分かれています。
東京都の例は、次のとおりです。
| 給料表 | 主な適用職種 |
| 行政職給料表(一) | 事務・福祉・技術などの職 |
| 行政職給料表(二) | 自動車運転・巡視・一般技能などの職 |
| 公安職給料表 | 警察官・消防吏員 |
| 医療職給料表(一) | 医師・歯科医師 |
| 医療職給料表(二) | 薬剤師・栄養士・臨床検査技師などの職 |
| 医療職給料表(三) | 看護師・保健師などの職 |
| 教育職給料表 | 教諭・養護教諭などの職 |
| 指定職給料表 | 局長などの職 |
例えば東京都では、看護師には医療職給料表(三)、薬剤師には医療職給料表(二)が適用されるなど、医療職の給料表も職種によって分かれています。
自分の職種にどの給料表が適用されるかを先に確かめておけば、見るべき表を間違えずに済むでしょう。
※出典:「東京都職員給料表」東京都
地方公務員の給料表は自治体ごとに条例で定められる
地方公務員の給料表は、自治体ごとの条例で定められています。
地方公務員法第25条第3項では、給与に関する条例に「給料表」「等級別基準職務表」「昇給の基準」などを定めることとされています。
さらに、給料表には職務の複雑さ・困難さ・責任の度合いに基づく等級ごとに、明確な給料額の幅を定めなければならない点も、同条第4項で決められたルールです。
給料表の種類・級の数・金額は各自治体の条例で決まり、自治体ごとに違うため、志望先の給料表は各自治体の公表資料で確認しましょう。
地方公務員の行政職給料表は国の級の構成を基本にしている
地方公務員の行政職給料表は、国家公務員の行政職俸給表(一)の級の構成を基本にしています。
総務省の通知では、都道府県の行政職給料表(一)の職務の級について、国の行政職俸給表(一)の職務の級を用いたうえで、各級の職務を通知の表のとおり定めることが適当とされています。
通知で示された都道府県の本庁職員の級と職務の内容は、次のとおりです。
| 職務の級 | 職務の内容(本庁職員) |
| 1級 | 係員の職務 |
| 2級 | 特に高度の知識又は経験を必要とする業務を行う係員の職務 |
| 3級 | 係長の職務 |
| 4級 | 課長補佐の職務 |
| 5級 | 総括課長補佐の職務 |
| 6級 | 課長の職務 |
| 7級 | 総括課長の職務 |
| 8級 | 次長の職務 |
| 9級 | 部長の職務 |
なお、国の行政職俸給表(一)は10級まであるのに対し、都道府県は9級が基本で、規模などに応じて部長に10級を設けられるとされています。
市町村の行政職給料表は、規模や行政組織に応じて、級の構成をできる限り簡素にすることが適当と示されています。
※引用:「地方公務員の給与改定に関する取扱い等について」総務省
準公務員の給料表の特徴
準公務員と呼ばれる職員のうち、独立行政法人(中期目標管理法人)の職員の給与は、各法人が定める給与等の支給基準で決まります。
国家公務員の俸給表とは別に、法人ごとに基準を定めている点が特徴です。
独立行政法人通則法第50条の10では、中期目標管理法人は給与等の支給基準を定めて公表しなければならないとされています。
その基準を定める際には、国家公務員の給与や民間企業の従業員の給与、法人の業務実績などを考慮しなければなりません。
したがって、独立行政法人の給料表は法人ごとに異なり、各法人が公表する支給基準で確認する必要があります。
国家公務員・地方公務員の給料表の見方
公務員の給料表は、横に並ぶ「級」と縦に並ぶ「号俸(号給)」が交わる欄の金額が、その職員の給料(基本給)の月額です。
自分の級と号俸が分かれば、給料表から給料の月額をそのまま読み取れます。
給料表の見方は国家公務員と地方公務員で共通のため、ここでは国家公務員の行政職俸給表(一)を例に見ていきましょう。
※地方公務員の給料表は、自治体によって級の数や名称が異なる場合があります
横に並ぶ「級」は職務の段階(役職)を表す
給料表の横に並ぶ「級」は、職務の複雑さ・困難さ・責任の度合いに応じた段階で、役職が上がるほど上の級になります。
給与法第6条第3項では、職務をその複雑さ・困難さ・責任の度に基づいて、俸給表に定める職務の級に分類すると定められています。
国家公務員の行政職俸給表(一)の級と、本省での標準的な職務は次のとおりです。
| 職務の級 | 本省の標準的な職務 |
| 1級 | 定型的な業務を行う職務 |
| 2級 | 主任の職務、特に高度の知識又は経験を必要とする業務を行う職務 |
| 3級 | 係長の職務 |
| 4級 | 困難な業務を分掌する係の長の職務 |
| 5級 | 課長補佐の職務 |
| 6級 | 困難な業務を処理する課長補佐の職務 |
| 7級 | 室長の職務 |
| 8級 | 困難な業務を所掌する室の長の職務 |
| 9級 | 重要な業務を所掌する課の長の職務 |
| 10級 | 特に重要な業務を所掌する課の長の職務 |
※3級以上は本省の職務を抜粋しています。
なお、本省以外の機関(管区機関・府県単位機関・地方出先機関)では、同じ級でも標準的な職務が異なります。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
※出典:「人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)」e-Gov法令検索
縦に並ぶ「号俸(号給)」は同じ級の中の段階を表す
給料表の縦に並ぶ「号俸」は同じ級の中での段階を表し、号俸の数字が大きいほど給料(基本給)の月額が高くなります。
地方公務員の給料表では、同じ段階を「号給」と呼ぶことが多くなります。
ただし、国家公務員の場合は給与法第8条第9項により、昇給しても職員が属する級の最高の号俸を超えることはできません。
つまり、同じ級にとどまり続けると、号俸が上限に達した時点で給料の伸びも止まります。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
昇給で号俸が、昇格で級が上がる
昇給では同じ級の中で上位の号俸に、昇格では上位の級に変わり、どちらも勤務成績や能力に応じて決まります。
国家公務員の昇給は毎年1月1日に行われ、良好な成績で勤務した職員の昇給は4号俸が標準です。
昇給の号俸数を左右するのは、人事評価の結果などをもとに決まる昇給区分(A〜E)です。
なお、55歳を超える職員は、勤務成績が特に良好な場合でなければ昇給しません。
給料表の上では昇給で縦に下へ、昇格で横に右へ進むと考えると、見る欄の変化をつかみやすいでしょう。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
※出典:「人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)」e-Gov法令検索
給料表の見方の例|大卒・高卒で採用された時の級と号俸(国家公務員)
国家公務員の採用時の級と号俸は、採用試験の区分や学歴に応じて、行政職俸給表(一)の何級何号俸から始まるかが決められています。
人事院規則九―八の初任給基準表による主な例は、次のとおりです。
| 採用試験の区分 | 採用時の級・号俸 |
| 総合職(院卒者) | 2級11号俸 |
| 総合職(大卒程度) | 2級1号俸 |
| 一般職(大卒程度) | 1級25号俸 |
| 一般職(高卒者) | 1級5号俸 |
例えば一般職(大卒程度)で採用された場合は、行政職俸給表(一)の1級の列と25号俸の行が交わる欄の金額が、採用時の給料になります。
東京都の例では、大学卒業程度(Ⅰ類B)で採用された人も行政職給料表(一)の1級の途中の号給から始まるように、地方公務員の大卒の採用時の給料も級と号給の組み合わせで決まります。
※出典:「人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)」e-Gov法令検索
※出典:「初任給一覧」東京都
公務員の給料表の改定の仕組み
公務員の給料表は、民間の給与水準との均衡などをもとにした人事院勧告や、人事委員会の勧告を受けて改定されます。
改定のたびに給料表の金額が変わるため、仕組みを知っておくと最新の給料表を探す時にも役立ちます。
国家公務員の俸給表は人事院勧告をもとに改定される
国家公務員の給料表(俸給表)は、人事院勧告をもとに改定されます。
人事院の給与勧告は、労働基本権が制約されている国家公務員に、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保するための制度です。
人事院の勧告の基本は、国家公務員の給与水準を民間企業の従業員の給与水準と均衡させること(民間準拠)。
そして勧告を受けて給与法が改正されることで、俸給表が改定される仕組みです。
※出典:「人事院勧告」人事院
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」e-Gov法令検索
地方公務員の給料表は人事委員会の勧告などを受けて条例で改定される
地方公務員の給料表は、人事委員会の勧告などを受け、議会の議決で条例を改正して改定されます。
人事委員会が置かれている都道府県・指定都市・特別区などでは、人事院勧告の内容と地域の民間賃金の動向などを総合して人事委員会が勧告を行い、給与改定の方針が決まります。
一方、人事委員会が置かれていない一般の市町村の場合、改定方針は国の取扱いや都道府県の勧告などを受けて決まり、どちらの場合も最終的に給与条例を改正するのは議会の議決です。
最新の公務員の給料表は人事院や各自治体のサイトで確認できる
最新の公務員の給料表は、国家公務員なら人事院のサイト、地方公務員なら各自治体の人事委員会や職員採用のページで確認できます。
例えば東京都は、「東京都職員給料表」のページで職種ごとの給料表を公開しています。
給料表は改定のたびに金額が変わるため、金額を確かめる時は改定後の最新の表を見るようにしましょう。
※出典:「人事院勧告」人事院
※出典:「東京都職員給料表」東京都
まとめ
公務員の給料(基本給)は、職務の段階を表す「級」と、同じ級の中の段階を表す「号俸(号給)」の組み合わせで決まります。
国家公務員には職種に応じた17の俸給表があり、基本となるのは事務・技術系の職員に適用される行政職俸給表(一)です。
また、地方公務員の給料表は自治体ごとに条例で定められ、準公務員(独立行政法人)の給料は各法人が公表する支給基準で決まります。
給料表の金額は勧告をもとに改定されるため、具体的な金額は人事院や志望先の自治体が公開する最新の給料表で確認しましょう。
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