「公務員試験で併願をしたいけどいくつ併願するのか?みんなの併願パターンは?」と併願の数やパターン、スケジュールに困っている方も多いのではないでしょうか。

公務員試験を併願すれば、内定が出ない確率は低下し、本命試験の予行練習にもなります。しかし、併願の組み合わせが悪いと、対策の効率低下に繋がる恐れも生じるため注意が必要です。

そこで本記事では、公務員試験の併願の組み合わせや併願先の選び方などを解説しています。自分に合った併願先を見つけて、合格の可能性を高めましょう。

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公務員試験は併願できる!平均併願数は?

公務員試験は複数の官庁の併願が基本です。受験のチャンスが多ければ、それだけ公務員になれる可能性は高まります。

そのため、まずは公務員試験の併願数のイメージを作りましょう。

ここでは、公務員試験の併願数や面接時の注意点などを解説します。

みんなはどれくらい併願している?

公務員試験の併願数は本命試験や受験区分によっても異なりますが、通常は3つから6つ程度のケースが多いです。

併願数を増やすとメリットが大きくなる一方でデメリットも大きくなります。そのため、自分の本命試験や受験区分に適した併願先を選択しましょう。

参考までに、大学4年時に大卒程度(行政職)を中心に受験した筆者の併願数は「4つ」でした。

回数制限はある?

公務員試験の併願に回数制限はありません。日程さえ調整できれば、上限なく複数種類の公務員試験を受験できます。

しかし、公務員試験の一次試験は「○月○週」のように、多くの自治体が同じ日程で実施しています。そのため、実質的には受験回数の上限が定まっているともいえるでしょう。

それでも職種を選ばずに受験できる試験を受けていけば、優に10種類を超える官公庁の併願が可能となっています。

併願はバレる?

基本的に各公官庁が裏を取って、受験生の併願状況を調べることはありません。

しかし、面接試験で頻出の質問には「併願状況」があります。面接で併願状況を聞かれたら、嘘は付かずに試験の状況を正直に回答することがおすすめです。

話に矛盾が生じた際に不信感を与える可能性があり、受験者も嘘を付いた不安が残ったまま試験が続いてしまうためです。

面接官も「基本的に全員が公務員試験もしくは民間企業を併願している」と理解しているため不安になる必要はありません。

ただし、志望順位を聞かれた際は、必ず面接を受けている官公庁が第一志望と伝えることが大切です。受験しているその瞬間は、誰もが受験先が第一志望であるためです。

【国家・地方別】公務員試験のおすすめ併願パターン例

公務員試験の併願先は、本命の試験と相性の良い受験先の選択がおすすめです。

ここでは公務員試験の併願パターンを、本命の試験区分ごとに解説します。

国家公務員の併願パターン

国家公務員の採用試験では、教養試験と専門試験の幅広い範囲が出題されます。また、難易度もほかの多くの試験区分よりも高めであるため、さまざまな試験と併願がしやすいです。

【国家公務員と相性の良い併願先】

  • 国家公務員総合職
  • 国家公務員一般職
  • 国家公務員専門職
  • 裁判所事務官
  • 地方上級(都道府県庁・政令指定都市)
  • 特別区

ただし、国家専門職と裁判所事務官については専門記述試験がある点に注意が必要です。

国家総合職が本命の場合は専門記述試験も共通していますが、国家一般職が本命の場合は追加で学習が必要となる点に留意しましょう。

地方上級の併願パターン

地方上級は基本的に教養試験と専門試験で構成されています。対策の範囲が広いため、幅広い公官庁と併願可能です。

【地方上級試験と相性の良い併願先】

  • 国家公務員一般職
  • 国家公務員専門職
  • 裁判所事務官
  • 特別区
  • B日程市役所

ただし現在は専門試験を要しない地方上級試験も存在します。それらの試験を本命とする場合、専門試験が課される試験との併願は簡単ではありません。

また、国家専門職や裁判所事務官では専門記述試験が課されるため、追加での対策が必要となる点に注意が必要です。

市役所の併願パターン

政令指定都市を除く多くの市役所では専門試験が課されず、教養試験のみで一次試験の合否が決定します。そのため、併願先も教養試験のみで受けられる区分がおすすめです。

【市役所と相性の良い併願先】

  • 地方上級(教養試験のみで受験できる区分)
  • 国立大学法人等職員

特別区の併願パターン

特別区の試験は筆記試験と専門試験で構成されています。そのため、幅広い公官庁の併願が可能です。

【特別区と相性の良い併願先】

  • 国家公務員一般職
  • 国家公務員専門職
  • 裁判所事務官
  • 地方上級
  • B日程市役所

ただし、特別区の試験は基本的な問題が中心です。国家公務員や地方上級の合格レベルに達するためには、もう一歩踏み込んだ学習が必要となる可能性が高い点に注意しましょう。

警察官と消防官の併願

警察官と消防官は教養試験のみで一次試験の合否が決定します。

もちろんそれぞれは併願しやすいですが「市役所」「教養試験のみで受けられる地方上級」との併願もおすすめです。

公務員と民間企業の併願

公務員と民間企業の併願を考えている方は「テストセンター方式」を採用している地方自治体の受験がおすすめです。

テストセンター方式とは、就職試験でも使われる「SPI」で一次試験の合否が決まる試験です。テストセンター方式であれば民間企業と公務員試験の対策を同時に進めることができます。

また、公務員独自の試験が課される試験区分でも、本人の優先度やスケジュールによっては併願ができる場合もあります。

筆者の体験談

筆者の現役時の併願パターンは以下の通りです。上から順に優先度の高い試験だと考えていました。

①国家専門職(国税専門官)
②国家一般職
③特別区
④地方上級(地元県庁)

本命が国税専門官であったため、ほかの試験区分に関する追加での学習は不要でした。

また、最初に特別区を受験したことで試験の雰囲気を感じられたと思います。その結果、その後に行われた本命試験では比較的リラックスして受験ができました。

公務員の併願先の選び方

上記では各試験区分で相性が良い併願パターンを解説しました。

上記以外の試験も視野に入れたい場合は、以下の基準に沿った併願先の選択がおすすめです。

試験日を基準に選ぶ

公務員試験の併願の大前提として、一次試験の日程が異なる試験しか受けられません。

もし、同一日程で候補の試験が複数ある場合は、優先順位を付けて受験先を選択する必要があります。

また、二次試験の開催日程が同じ期間の場合、面接の指定日時が被る可能性もあります。その場合は優先度の高い試験を受験することとなりますが、理想は二次試験の期間が別の官公庁といえるでしょう。

各試験の公式ページでは二次試験の試験日程まで公開されているケースも多いため、参考にした併願先選びが大切です。

試験科目を基準に選ぶ

公務員試験は受験する試験種によって出題科目が異なります

まず、大きく分けると「教養試験」と「専門試験」です。教養試験のみで一次試験の合否が決まる試験が本命にもかかわらず、専門試験が課される試験を併願してしまうと、志望順位が低い試験の対策に多くの時間を使うこととなります。

また「専門試験」の範囲の中でも出題科目が異なるケースがあるため注意が必要です。

例えば、国税専門官の試験では「会計学」が8問出題されます。会計学はほかの試験区分ではマイナーな科目であるため、国税専門官にしか対応しない対策の時間となる点に注意しましょう。

ほかにも「刑法」や「商法」「国際関係」「労働法」などのマイナーな科目の対策を要する場合は、学習の効率が低下してしまいます。

反対に「憲法」「民法」「行政法」「経済原論」といったメジャーな科目が中心の試験であれば、本命の試験と並行して併願先の対策ができるため、学習の効率は大きく向上するでしょう。

難易度を基準に選ぶ

同じ大卒試験であっても、試験種によって試験の難易度は異なります。大きく筆記試験の難易度を分けると以下のようなイメージとなります。

①国家公務員総合職など
②国家公務員一般職/国家公務員専門職/地方上級など
③東京特別区など
④市役所/警察官/消防官など

極論をいえば、市役所を本命としている方が国家総合職を併願すると、併願の試験を受けるために莫大な時間を要してしまいます。市役所に受かるための対策だけでは、国家総合職を含む難関試験の合格は難しいでしょう。

そのため併願先を選ぶ際は、本命の試験の学習で大枠をカバーできる官公庁がおすすめです。併願試験のための学習を独自で行う必要がないため、効率的な学習に繋がるでしょう。

ただし、上記の難易度はあくまでも筆記試験の問題の難易度です。

合格の難易度は採用数に応じた倍率で決まります。採用数が少ない市役所の場合、特別区や国家一般職よりも高倍率になる可能性がある点に留意しましょう。

仕事内容を基準に選ぶ

仕事内容を基準とした併願先選びも重要です。

一例をあげると、警察官や消防官といった公安職と市役所の仕事では性質が大きく異なります。警察官になりたい方が市役所の仕事をしても「本当にやりたい仕事ではない」といった気持ちから、入庁後に後悔する可能性もあるでしょう。

そのため、自分がやりたい仕事が明確になっている方は、仕事の内容に即した併願先選びがおすすめです。具体的には「国家公務員・都道府県庁」「政令都市・市役所」「警察官・消防官」といった区分分けを行うとわかりやすいです。

もちろん「どのような仕事であっても公務員になりたい」といった方は、ほかの要素で併願先を選んでも問題ありません。

どの職種であっても、それぞれやりがいがあります。入庁後にやりがいを見つけられれば、後悔することもないでしょう。

公務員試験で併願する時の注意点

公務員試験の併願には注意点も存在します。自分に合った併願先を選ぶためにも以下のポイントを押さえて行動しましょう。

以下では公務員試験を併願する際の注意点を3点紹介します。

併願数を増やしすぎない

併願数を増やしすぎると以下のような悪影響を及ぼす可能性があります。

  • スケジュール管理が難しい
  • 対策の範囲が広がる
  • 試験期の学習時間の減少
  • 頻繁な移動や受験による心身の疲れ

本命の試験に悪影響を及ぼしては本末転倒であるため、仕事内容や試験の難易度、出題科目で併願先を絞ることが重要です。

試験の優先順位を決めておく

併願先を決める際は、試験の優先順位も決定しましょう。

試験の優先順位があれば、学習の優先順位も決まります。それによって「優先順位が低い試験でしか出題されない科目を捨てる」といった選択も取りやすくなるでしょう。

また、公務員試験は二次試験の日程が重なるケースも良くあります。その際に、どちらの試験を受験するかを明確にできます。

最も希望する職種が明確であればモチベーションアップにも繋がるため「入れればどこでも良い」といった考えではなく「○○が本命」と目標を定めることがおすすめです。

試験情報を探すのが難しい

併願先の試験情報は探すのが難しいです。

公務員試験の受験先は多岐に渡るため、自分が希望する条件に当てはまる試験概要の試験が見つからないこともあります。試験情報の更新も直前にならないと行わない官公庁も多いです。

特に独学の場合は情報が少ないため、自分に合った併願先を見つけづらいです。

そこで、公務員予備校の活用をおすすめします。

公務員予備校では長年蓄積された情報やノウハウを活用できるため、併願先選びや、試験対策のサポートを受けながら準備が可能です。

そして、公務員対策の通信講座を提供しているアガルートでは無料の受講相談を実施しています。

公務員試験の悩みや対策について、専門家に対して無料で相談可能です。電話やメール、Zoomを用いて相談できるため、気軽に活用してはいかがでしょうか。

公務員試験併願のメリット・デメリット

公務員試験の併願にはメリットとデメリットがあります。

基本的には併願すべきといえますが、併願先が増えすぎるとデメリットも大きくなってしまうため注意が必要です。

ここでは公務員試験の併願のメリット・デメリットを解説します。

メリット1.本命試験の練習ができる

公務員試験を併願すると、本命試験の練習ができます。

試験当日の雰囲気や流れを把握でき、マークシートでの回答も経験できます。

一度試験本番を経験しておくと、本命の試験も落ち着いて受験が可能です。自分の力を最大限に発揮できるでしょう。

試験本番のスケジュールが早い試験種には「国家総合職」や「特別区」があります。特に特別区は併願しやすい試験内容であるため、幅広い方におすすめです。

メリット2.滑り止めとして受験することが可能

本命の滑り止めとして受験できる点も併願の魅力です。

公務員試験の倍率は決して低くありません。当日の体調や小さなミスで不合格になる危険性も存在します。

公務員浪人をしたくないといった方も多いため、複数の官公庁を受験して、いわゆる「無い内定」を避ける選択肢がおすすめです。

ほかの官庁に合格したあとでも、本命試験に向けて公務員浪人という選択もできます。内定が出ていれば自信や心の余裕にも繋がるため、併願での受験がおすすめです。

メリット3.公務員の実情を把握できる機会となる

公務員試験に併願していれば、さまざまな試験種の情報を得られます。

また、公務員試験の二次試験では、実際の官公庁に出入りできます。そのタイミングは、職場の環境や内情を確認できるきっかけとなるでしょう。

今まで興味が薄かった職種であっても職場の実態を知れれば、魅力的に感じて優先順位が高まるケースもあります。

自身の可能性を広げるためにも、公務員試験は併願して臨むことがおすすめです。

デメリット1.スケジュールの組み立てや準備が大変

公務員試験の併願先を増やしすぎると、スケジュールの組み立てや準備が大変になります。

その結果、本命の試験の負担になってしまうケースもあるでしょう。

そのため、併願の数は3〜6つを目安として、スケジュールや準備の負担を避けることが大切です。

デメリット2.対策が必要な範囲が広がる可能性がある

公務員試験の併願先によっては、対策が必要な範囲が広がる可能性があります

具体的には「マイナーな専門科目」「専門記述試験」などです。本命の試験の負担になる可能性があるため、併願先と、どこまで重点的に対策を行うかを明確にしましょう。

最後に

今回は公務員試験の併願について解説をしました。

公務員試験を併願すれば、公務員になれる確率が向上するだけでなく、試験の雰囲気や流れを本命試験の前に把握できます。

しかし、併願先を増やすとデメリットも増えるため注意が必要です。試験科目や難易度、スケジュールなどを加味して併願先を選択しましょう。

自分に合った併願先が選べれば、公務員試験の成功確率も大きく向上するため、ぜひ参考にしてください。

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この記事の執筆者 渡邉新太

渡邉新太(わたなべ あらた)

大学現役時に以下の公務員試験に独学で合格。
・国家公務員一般職
・国税専門官
・東京特別区
・地方上級(地元県庁)

そして、公務員としての勤務を経た後に、フリーランスのWebライターとして独立。
現在は公務員時代の知識や経験を活かして、多くの方の人生の選択に役立てるよう日々奮闘しています。

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