公務員の環境系の職種とは?環境職の仕事内容・試験・年収の仕組みを解説
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環境問題に関わる仕事を考えている学生や社会人のなかには、公務員の環境系の職種にはどんな仕事があり、どの試験で採用され、文系でも目指せるのかが分かりにくいと感じる人もいるでしょう。
公務員の環境系の職種とは、国や地方自治体で大気・水質の保全、廃棄物対策、自然環境の保護などを担う職種で、環境省では理工系・自然系、自治体では「環境」「環境技術」などの名称で採用されます。
国家公務員は人事院の総合職試験・一般職試験のうち環境省が採用している試験区分(主に技術系の区分で、総合職の理工系は「教養」区分も含む)に合格して官庁訪問を経て、地方公務員は各自治体の採用試験の環境系の区分に合格して採用されます。
試験日程・採用予定数・倍率・給与などの最新の値は人事院・環境省・各自治体が公表しているため、受験先の公表資料で確かめてください。
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公務員の環境系の職種とは?

公務員の環境系の職種とは、国や地方自治体で大気・水質の保全、廃棄物対策、自然環境の保護などを担う職種で、環境省では理工系・自然系、自治体では「環境」「環境技術」などの名称で採用されます。
ここでは、環境系の職種の名称と、国家公務員と地方公務員の違いを順に見ていきましょう。
公務員の環境系は職種の名称が採用先ごとに異なる
公務員の環境系の職種は、採用先によって職種の名称が異なり、技術系の職種として採用されることが多いです。
この記事では、公務員の環境系の職種に就く職員を「環境職」と呼びます。
採用先ごとの名称の例は、次のとおりです。
- 環境省:理工系・自然系(技術系の職種)
- 大阪府:環境(「水産分野」を含む)
- 神奈川県:環境技術
- 山梨県:化学(環境行政を担う専門職として紹介されている)
そのため、受験先を探すときは、「環境」という名称の職種に加えて、化学など関連する職種の仕事内容も確かめておきましょう。
国家公務員と地方公務員の環境系の違い
国家公務員の環境系は、環境省を例にとると環境政策の立案や制度の運用、国立公園の管理などを担い、地方公務員の環境系は、工場・事業場への規制指導や環境調査など住民の生活環境に身近な仕事を担います。
両者の違いをまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 国家公務員 | 地方公務員 |
| 勤務先の例 | 環境省の本省、地方環境局、事務所など | 県庁の環境部門、出先機関、環境の研究所など |
| 仕事の例 | 環境政策の立案・制度の運用(理工系)、 国立公園の管理や野生動植物の保護(自然系) | 法・条例に基づく届出・申請の審査、 工場・事業場への立入検査、 排ガスや排水の採取と分析、廃棄物の適正処理の指導 |
公務員の環境職の仕事内容
公務員の環境職の仕事内容は、環境省では理工系が環境政策の立案や制度の運用、自然系(レンジャー)が国立公園の管理や野生動植物の保護を担い、自治体では工場・事業場への規制指導や環境調査を担い、自治体によっては水道の水質管理も担います。
環境省の理工系、環境省の自然系、自治体の順に見ていきます。
国家公務員の環境職の仕事内容(環境省の理工系)
環境省の理工系職員は、環境政策の立案や制度の運用に関わり、本省のほか地方環境局や他省庁、地方自治体、国際機関などで経験を積むこともあります。
環境省の理工系FAQでは、総合職と一般職の役割の違いが次のように紹介されています。
- 総合職:環境省本省で政策立案・制度改正を担当することが多い
- 一般職:制度の実施・運用を担うポストに配属される可能性が高く、地方環境局で勤務する機会が多くなる可能性がある
ただし、自然公園や野生動植物の保護などの業務は、主に自然系の職員が担っています。
国家公務員の環境系のもう一方である自然系の仕事は、次の見出しで見ていきましょう。
※出典:「理工系:FAQ」環境省
国家公務員の環境職の仕事内容(環境省の自然系・レンジャー)
環境省の自然系職員(レンジャー)は、国立公園の管理や野生動植物の保護などに取り組みます。
国家公務員の環境系のうち、環境省が紹介するレンジャーの主な仕事は次のとおりです。
- 自然公園法に基づく許認可などの手続き
- 公園をどのように保護・利用していくかの計画づくり
- 公園のパトロールや自然調査
- 公園を利用してもらうための施設の整備や情報の提供
また、レンジャーの補佐役として、国立公園のパトロールや利用者指導、自然解説などを担う非常勤の国家公務員(アクティブ・レンジャー)もいます。
※出典:「国立公園 働く人々」環境省
地方公務員の環境職の仕事内容(規制指導と環境調査)
地方公務員の環境職は、法令・条例に基づく届出の審査や工場・事業場への立入検査、排ガスや排水の採取と分析などを通じて、地域の生活環境を守ります。
たとえば大阪府の環境職は、事務所と現場で次のような仕事を担います。
- 事務所での仕事:法・条例に基づく届出や申請の審査事務、府民の相談への窓口対応、新規事業の企画や立案など
- 現場での仕事:工場や事業場からの排ガスや排水等の採取と分析、届出・申請された施設の状況確認を目的とした立入検査など
神奈川県の環境技術職も、環境施策の企画・立案や環境法令に基づく工場・事業場等の許認可指導、廃棄物の適正処理に関する指導などを行うと紹介されています。
※出典:「環境職の仕事」大阪府
※出典:「環境技術|職種紹介|神奈川県職員採用案内」神奈川県
地方公務員の環境職の仕事内容(水質管理や調査・研究)
地方公務員の環境職は、自治体によっては水道の水質管理や、環境の研究機関での調査・研究を担うこともあります。
神奈川県の環境技術職の仕事には、大気環境・水環境のモニタリングや環境問題の実態解明等の調査・研究に加えて、水道の水源の水質調査や浄水場での水質管理、給水栓での水質検査も挙げられています。
加えて、大阪府の環境職の配属先には、地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所も含まれます。
※出典:「環境技術|職種紹介|神奈川県職員採用案内」神奈川県
※出典:「環境職の仕事」大阪府
公務員の環境系の年収・給料の仕組み
公務員の環境系の年収のもとになる給料は、国家公務員は一般職の職員の給与に関する法律の俸給表、地方公務員は各自治体が条例で定める給料表によって、職務の級と号俸(号給)の組み合わせで決まります。
年収の額は勤務先・年齢・役職によって変わるため、ここでは給料が決まる仕組みを解説します。
国家公務員の環境系は勤務先に応じた俸給表で給料が決まる
国家公務員の環境系の給料(俸給)は、勤務先と職務に応じて、一般職の職員の給与に関する法律が定める俸給表(行政職俸給表(一)、研究職俸給表など)で決まります。
このうち、行政職俸給表(一)と研究職俸給表の適用範囲は、次のとおりです。
- 行政職俸給表(一):他の俸給表の適用を受けない職員に適用する表(別表第一)
- 研究職俸給表:人事院が指定する試験所・研究所などに勤務し、試験研究や調査研究の業務に従事する職員(人事院規則で定める職員)に適用する表(別表第七)
なお、俸給の額は職務の級と号俸の組み合わせで決まり、職務の級は職務の複雑さ・困難さ・責任の度合いに応じて分けられています。
俸給のほかに、同法に基づく諸手当(扶養手当・地域手当・住居手当・通勤手当など)と期末手当・勤勉手当も支給されます。
※出典:「一般職の職員の給与に関する法律」第5条・第6条・別表第一・別表第七 e-Gov法令検索
地方公務員の環境系は自治体の給料表で決まる
地方公務員の環境系の給料は、各自治体が条例で定める給料表で決まり、支給額は給料表の「級」と「号給」の組み合わせで決まります。
地方公務員の給与には、地方公務員法第24条に基づく次の3つの原則がある点も押さえておきましょう。
- 職務給の原則:職務と責任に応じて給与を定める
- 均衡の原則:生計費や国・他の自治体の職員、民間事業の従事者の給与などを考慮して定める
- 条例主義:給与は条例で定める
あわせて、給料のほかに、自治体は条例で扶養手当・地域手当・住居手当・通勤手当・期末手当・勤勉手当などを支給できると地方自治法で定められています。
受験先の自治体が公表している給与の資料で、環境系の職種に適用される給料表を確認してください。
公務員の環境系になるための試験区分
公務員の環境系になるには、国家公務員は人事院の総合職試験・一般職試験のうち環境省が採用している試験区分(主に技術系の区分)に合格し、環境省の官庁訪問(面接)を経て採用されます。
地方公務員は、各自治体の採用試験の環境系の区分に合格する必要があります。
ここからは、環境省の採用区分、自治体の試験の順に紹介しましょう。
環境省の試験の概要は、次の記事で詳しく紹介しています。
環境省の理工系・自然系は複数の試験区分から採用している
環境省の理工系・自然系は、人事院の総合職試験・一般職試験のうち複数の試験区分の合格者から採用しており、試験に合格したうえで官庁訪問(面接)で内定を受ける必要があります。
環境省が国家公務員の環境系の職員を採用している試験区分は、次のとおりです。
| 職種 | 総合職 | 一般職(大卒程度) |
| 理工系 | 院卒者試験又は大卒程度試験の「工学」「数理科学・物理・地球科学」「化学・生物・薬学」「農業科学・水産」「農業農村工学」「デジタル」、大卒程度試験の「教養」 | 「デジタル・電気・電子」「機械」「土木」「建築」「物理」「化学」 |
| 自然系 | 院卒者試験・大卒程度試験の「森林・自然環境」「化学・生物・薬学」 | 「林学」「農学」「建築」「土木」「農業農村工学」 |
なお、環境省の理工系FAQでは、国家公務員試験に合格すると一定の期間、採用候補者名簿に記載されるものの、試験合格=採用ではないと説明されています。
※出典:「理工系:FAQ」環境省
地方公務員の環境系の試験は自治体ごとに異なる
地方公務員の環境系の採用試験は各自治体の人事委員会等が行い、試験の方法も人事委員会等が定めるため、区分の名称や試験の内容は自治体ごとに異なります。
地方公務員法では、第18条で採用試験は人事委員会等が行うこと、第20条第2項で筆記試験その他の人事委員会等が定める方法により行うことが定められています。
そのため、受験先の試験案内では次の3点を確かめておきましょう。
- 環境系の試験区分の名称
- 試験の種目
- 専門科目の範囲
※出典:「地方公務員法」第18条・第20条 e-Gov法令検索
文系でも公務員の環境系を目指せる?
環境省は技術系の理工系・自然系に加えて事務系の職員も採用しており、文系の人が事務系の職種から公務員の環境系の仕事に関わる道もあります。
総合職の理工系は、大卒程度試験の「教養」区分の合格者からも採用しています。
環境省は事務系の職員も採用している
環境省は、本省で事務系・理工系・自然系の3つの職種を採用しており、事務系には総合職事務系、一般職事務系(大卒程度)、一般職事務系(高卒程度)の区分があります。
さらに、環境省の理工系FAQでは、学位や専攻について、特定の専攻や修士・博士号などは考慮されるものの特定の学歴のみで採用の判断が左右されることはなく、環境に関する知識に加えて広い視野でものごとを進める能力も必要と説明されています。
公務員の環境系を目指す文系の人は、事務系の区分や総合職の教養区分も視野に入れて受験先を検討してみてください。
※出典:「理工系:FAQ」環境省
公務員の環境系に必要な資格
公務員の環境系を目指す場合、国家公務員の総合職試験・一般職試験は特定の資格を持っていなくても受験でき、受験資格は主に年齢と学歴で定められています。
地方公務員の受験資格は各自治体が定めるものです。
国家公務員の受験資格は主に年齢と学歴、地方公務員は自治体が定める
国家公務員の総合職試験・一般職試験(大卒程度)の受験資格は主に年齢と学歴で定められ、地方公務員の環境系の受験資格は各自治体の人事委員会等が定めます。
国家公務員一般職試験(大卒程度)の受験資格は、次の2点です。
- 受験できる年齢は生年月日の範囲で定められている
- 年齢の範囲の下限に満たない人は、大学・短大・高専の卒業(見込み)などが条件になる
具体的な生年月日の範囲は、受験する年度の人事院の受験案内で確かめてください。
また、総合職試験の受験資格も生年月日の範囲と学歴で定められていて、院卒者試験では大学院修士課程または専門職大学院の課程の修了(見込み)が条件になります。
総合職・一般職とも、環境系の資格・免許を持っていなくても受験できます。
地方公務員の環境系を目指す場合は、受験先の試験案内で受験資格を確認しておきましょう。
民間から公務員の環境系への転職
民間企業などから公務員の環境系へ転職するには、社会人経験を生かした経験者採用や選考採用を受ける方法があり、環境省では理工系・自然系の選考採用や事務系の経験者採用を行っています。
さらに、受験できる年齢の範囲内であれば、民間企業で働いている人も国家公務員一般職試験(大卒程度)を受験できます。
地方公務員の環境系を目指す社会人は、受験先の自治体の試験案内で、社会人経験者を対象とする採用区分の有無と受験できる年齢の範囲を調べてください。
環境省の経験者採用・選考採用
環境省は、国家公務員試験を受験して入省する採用のほかに、社会人経験を生かした経験者採用・選考採用も実施しています。
環境省の採用情報に掲載されている中途の採用区分は、次のとおりです。
- 総合職事務系(経験者採用)
- 一般職事務系(経験者採用・選考採用)
- 理工系(選考採用)
- 自然系(選考採用)
- 地方環境局(選考採用)
ただし、募集の時期や対象は年度ごとに案内されるため、国家公務員の環境系へ転職する人は環境省の採用情報で確認してください。
公務員の環境系のやりがいと働き方
公務員の環境系のやりがいは、環境問題の解決や地域の生活環境を守る仕事に専門性を生かして関われることにあり、異動を重ねて幅広い分野を経験する働き方が特徴です。
ここでは、やりがい、働き方の順に紹介します。
環境問題の解決や地域の生活環境に関われる
公務員の環境系は、環境問題にかかわる仕事に専門知識を生かして取り組める点がやりがいになります。
たとえば山梨県は、化学職のやりがいとして、大気汚染・水質汚濁・産業廃棄物処理などの課題に化学や物理などの専門知識を生かして取り組めることを挙げています。
神奈川県の環境技術職の職員も、現場での指導の成果で投棄された廃棄物の減少を確かめられた場面にやりがいを感じたと紹介されています。
※出典:「環境技術|職種紹介|神奈川県職員採用案内」神奈川県
異動を重ねて幅広い分野を経験する
公務員の環境系は、定期的な異動を通じて幅広い分野を経験する働き方になり、神奈川県の環境技術職では廃棄物対策のほかに環境保全や脱炭素対策なども経験できます。
神奈川県の環境技術職の職員は、工業保安など多様な分野も経験でき、定期異動を機会に経験のない分野へ挑戦できることを魅力に挙げています。
また、環境省の理工系FAQでは、霞が関では基本的に2〜3年程度で異動して様々な分野を担当するため、新たな分野を日々勉強していくことが重要と説明されています。
異動のたびに新しい分野を学ぶ姿勢が求められる点も、覚えておいてください。
※出典:「環境技術|職種紹介|神奈川県職員採用案内」神奈川県
※出典:「理工系:FAQ」環境省
まとめ
公務員の環境系の職種は、環境省では理工系・自然系、自治体では環境・環境技術などの名称で採用され、名称は採用先ごとに異なります。
仕事は、環境省の理工系が環境政策の立案や制度の運用、自然系(レンジャー)が国立公園の管理や野生動植物の保護、自治体の環境職が規制指導や環境調査を担います。
給料は、国家公務員が勤務先と職務に応じて一般職の職員の給与に関する法律の俸給表、地方公務員が自治体の給料表で決まる仕組みでした。
環境省は総合職・一般職の複数の試験区分から採用し、事務系の職員も採用しているため、事務系の職種から環境系の仕事に関わる道もあります。
国家公務員の総合職試験・一般職試験は特定の資格を持っていなくても受験でき、民間からは経験者採用・選考採用の道がある点も押さえておきましょう。
環境問題に専門性を生かして関われることがやりがいで、異動を重ねて幅広い分野を経験する働き方になります。
まずは受験先の採用区分と試験案内を確かめ、公務員の環境系を目指す対策を始めてください。
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