【公務員試験】国家総合職の企画提案試験とは?内容や対策法を解説!
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国家総合職教養区分受験生にとって、鬼門なのが企画提案試験です。
これは、約1か月間参考資料を読み込んだ後にプレゼンテーションシートを作成し、それを2名の現職官僚相手にプレゼン及び質疑応答をする、という試験です。
想像するだけで、独学では対策が困難ということがおわかりでしょう。しかし、試験である以上、傾向と対策がちゃんとあります。
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国家総合職の企画提案試験とは?

企画提案試験は、「企画力、建設的な思考力及び説明力などを判定するための試験」であり、教養区分2次試験の1科目です。
試験内容は、①政策概要説明紙(プレゼンテーションシート)作成、②現職官僚へのプレゼンテーション及び質疑応答、の大きく2つから構成されます。
教養区分全試験科目中、配点比重が最も高い(全体の6/24を占める)ことから、この科目の出来が教養区分の合否に大きく影響すると言っても過言ではありません。
試験の目的と位置づけ
教養区分2次試験は、企画提案試験の他、政策課題討議試験、人物試験が課せられ2日間に渡り実施されますが、既に述べたように、企画提案試験の配点比重が最も高くなっています。
「企画力・建設的思考力・説明力を判定する試験」ということもあり、教養区分第1次試験合格発表日に人事院ホームページにて、参考文献および資料等が公表(白書の一部が指定されるケースが一般的)された時点から、実質的に企画提案試験は開始されます。
受験生は、試験までの約1か月間参考資料を読み込み、内容を十分理解した上で、試験当日、政策概要説明紙(プレゼンテーションシート)を作成します。
そして、自分が立案した政策を2名の現職官僚相手に発表し、その後質疑応答を受けることになります。
試験形式と時間配分
企画提案試験は次のような構成となっています。
| Ⅰ部:政策概要説明紙(プレゼンテーションシート)作成 |
| 1時間30分の時間内でA4両面1枚に、箇条書きや図、表を用いるなど自由な形式で政策の内容を分かりやすくまとめる。 試験当日に課題と資料(人事院より事前に公表された参考資料等の一部抜粋であることが多い)を与えた上で、政策を提案させる形式。 |
| Ⅱ部:プレゼンテーション及び質疑応答 |
| Ⅰ部で書いたプレゼンテーションシートの内容について試験官(2名)に説明、その後質疑応答を受ける。(発表時間5分間、質疑応答:概ね20分間) 課題紙及び参考資料は、Ⅰ部終了時に回収するが、Ⅱ部の発表に当たり、準備時間(10分間)を考慮して、政策概要説明紙のコピーとともに手渡される。 なお、試験終了時に、手渡されたものは全て回収される。 |
配点比率と重要性
教養区分の試験科目と配点比重は下記の通りとなっています。
2次試験に進むために数的処理等の基礎能力試験に学習比重を置く受験生が大半ですが、配点比重を見れば明らかなように、教養区分は明らかに2次偏重型の試験です。
その中でも、企画提案試験は配点比重が高いだけでなく、現職官僚との質疑応答という、官庁訪問対策にも資する試験内容ですので、最重要視する必要があります。
| 試験科目 | 配点比率: |
|---|---|
| 基礎能力試験 | 4/24(Ⅰ部:2.5/24 Ⅱ部1.5/24) |
| 総合論文 | 6/24(1次試験で実施されるが、点数は最終合格時に加算) |
| 企画提案試験 | 6/24 |
| 政策課題討議試験 | 4/24 |
| 人物試験 | 4/24 |
企画提案試験の試験内容
企画提案試験は、Ⅰ部とⅡ部で求められる力が大きく異なります。
Ⅰ部で問われるのは、事前に読み込んだ資料をもとに政策を1枚にまとめる構成力。Ⅱ部では、現職官僚からの深掘りに即答する対応力が求められます。
Ⅰ部:プレゼンテーションシート作成
企画提案試験は、教養区分第1次試験合格発表日に人事院ホームページにて、参考文献や資料等が提示されるので、事前にそれらを読み、内容を十分理解した上で試験に臨む必要があります。
さらに、1時間30分の時間内でA4両面1枚に、箇条書きや図、表を用いるなど自由な形式で政策の内容を分かりやすくまとめることから、魅せ方も要求されます。
ちなみに、近年の参考資料は下記の通りです。満遍なくいろいろな分野から出題されているので、予想テーマについては、参考資料が公表されてからで十分です。
- 2023年:
①『令和5年版情報通信白書』第2章第3節「インターネット上での偽・誤情報の拡散等」
②『令和3年版情報通信白書』第2章補論「コロナ禍における情報流通」
③ 『総務省プラットフォームサービスに関する研究会最終報告書』( 別紙を除く) - 2024年:
(前半)『令和6年版高齢社会白書』第1章「高齢化の状況」
(後半)『令和5年版労働経済の分析』第Ⅱ部第3章「持続的な賃上げに向けて」 - 2025年:
(前半)『令和7 年版こども白書』第2部及び第3 部
(後半)『令和4 年版男女共同参画白書』「1 令和3 年度男女共同参画社会の形成の状況」 - 2026年(春):
(前半)『令和7年版環境・循環型社会・生物多様性白書』第1部
(後半)『令和6年版情報通信白書』第Ⅰ部
Ⅱ部:プレゼンテーション及び質疑応答
Ⅱ部では、Ⅰ部で書いたプレゼンテーションシートの内容について試験官(2名)に説明、その後、約20分間質疑応答を受けます。
課題紙及び参考資料は、Ⅰ部終了時に回収されますが、Ⅱ部の発表に当たり、準備時間(10分間)を考慮して、政策概要説明紙のコピーとともに手渡されます。
なお、自分の順番が来るまでは控室で待機することになりますが、外出はもちろん、読書・携帯・雑談さえも禁止であるため(水分補給やトイレも許可がいります)、待機時間に準備をすることは一切できません(かなり苦痛です)。
順番が来ると、まず別室で資料や政策概要説明紙のコピーが返され、10分間の準備時間に入ります。
その後、面接室に入り、面接官2人相手に5分間のプレゼンを行います。
なお、プレゼン時間は厳守ですが、大きい時計が置いてあるため、事前に何度か練習をしていれば焦ることもありません。
しかし、試験官からの質問への対応には相当の準備が求められ、独学では試験対策はかなり困難です。
事前指定資料の読み込み方
過去の出題テーマから明らかなように、企画提案試験は政策について問われることから、社会科学系の学生が少し有利に見えます。
しかし、専攻の違いによって有利・不利が生じないよう、総合職志望者ならば誰もが関心を寄せ、考えることができ、かつ発言することができるようなテーマが選択されています。
事前に参考資料が提示されるだけでなく、試験当日にも資料が与えられることから、基本的には無理して独自性を追及する必要はありません。
しかし、課題用紙の冒頭には『参考資料から考えられる施策のみを提案する必要もないものとする』と但し書きがあることから、当日渡される資料はあくまで参考にしかなりません。
それゆえ、面倒くさがらず、事前に指定された参考文献を踏まえて、施策を自分なりに勉強しておくことが必須です(1か月の時間的猶予があることから、この期間を有効活用できた人が最終合格に近くなる)。
とはいえ、どう資料を読めばいいのか、途方に暮れる人が毎年非常に多いのも事実です。
実は、企画提案試験はテーマに関わらず、下記のように毎年ほぼ同じ問われ方になっています。
『このような状況を踏まえ、我が国において○○を行う上で有効と考えられる具体的施策を複数提案し、その全体概要を説明する資料を作成しなさい。なお、施策の提案に当たっては、提案した施策を推進する上での留意点についても必ず触れること。』(太字は池田による)
皆さん、本試験に備えて自ら予想テーマを複数考えるかと思いますが、その際、具体的施策と留意点をセットで考える習慣を持つと、試験当日に慌てふためくこともなくなるかと思います。
企画提案試験の対策・勉強法
ほとんどの受験生は、参考資料の熟読に勤しむかと思いますが、私は受講生に、試験の型を頭に叩き込むよう厳しく指導しています。
毎年の課題文のパターンを押さえておけば、資料の読み込みも要点を外しません。
型を前提に、プレゼンテーションシートの作成、質疑応答への備え、実践練習を積み上げていきましょう。
プレゼンテーションシートの書き方と練習
企画提案試験は毎年、『あなたは、ある組織の行政官として上司から次の課題が与えられており、自分の提案を説明するための資料を作成しようとしている。また、あなたの提案は組織内で検討されたのち、実現に向けて関係府省との調整等を経て、最終的には、国民に対して公表されることとなっている』という前提で始まります。
ゆえに、面接官は評価者ではなく、自分の最大の理解者であり、理解を深めるためにシートに書いていない事柄まで内容を深掘りしてくる存在という想定で記述しましょう。
その上で、受験生には、省庁の説明会等で配布されるレジュメを参考にすることをおススメします。
省庁作成のレジュメの見栄えが良いかどうかはともかく、既に述べたように、教養区分の二次試験は全科目において現職官僚が試験官あるいは面接官です。
プレゼンテーションシートの評価に際して、自分たちが日常的に作成しているものが念頭にあるのは、ごく自然なことだと思われます。
よって、いろんな省庁の説明会に参加して、そこで受け取るレジュメを真似てプレゼンテーションシートを作成してみるのも良いかもしれません。
しかも、説明会に参加することで、当該省庁の仕事に対する理解が深まってくるので、就活対策にもなります。
そして、予備校等で実施される模擬企画提案試験に積極的に参加して、繰り返しプレゼンテーションシートの添削を受けましょう。
その際、「組織内の関係者に説明するための資料作成」という形式なので、少なくとも提案した政策が所属する省庁の利益となるように意識しましょう。
しかし、「その後に関係省庁との調整や国民への公表」という条件が控えていることを考えると、所属省庁のみにとって利益となる提案では、高い評価は望めません。
それゆえ、求められる提案は、複数省庁にとって利益があり、かつ「施策のターゲットとなる国民以外の国民にとっても有益であるもの」を目指しましょう。
質疑応答の対策法
質疑応答に関してですが、どれだけ入念な準備をしても、相手は政策立案を日常業務としている現職官僚ですので、本番では提案した施策について相当深掘りされます。
それゆえ、詰められ、言いよどんでしまうことを前提に、そうした事態を回避するよう繰り返し練習すべきです。
その際、企画提案試験においてみなさんが置かれている状況は毎年同じなので、「所属組織は?」「関係省庁はどこ?それらの組織との施策を巡る争点は?」「施策のオリジナリティはどこ?」くらいは必ず問われるものと、常に意識しておくべきです。
出だしが上手くいけば、緊張がほぐれてきますし、予想外の成果を発揮できるかもしれません。
また、知識量が勝負の試験ではないので、質問に対して少し考えてもわからない場合は「不勉強でした」「今後の課題にします」というように、素直に謝り、頭を切り替えるよう心掛けましょう。
決して、相手が話題を変えてくれるまで無言状態でいることはしないでください。コミュニケーション能力不足と見なされ、取り返しのつかないことになります。
模擬試験・実践練習の重要性
企画提案試験は、独学で合格レベルに到達するのは極めて困難です。
予備校等で実施される模擬企画提案試験に積極的に参加してプレゼンテーションシートの添削を受けるとともに、5分間プレゼンおよび質疑応答に慣れましょう。
私のお勧めは、予備校+大学の勉強会の組み合わせです。
人事院より参考資料が掲示されているとはいえ、範囲は広いので、予想テーマは人によって異なるのが常です。
予備校は通常ベテラン講師が、一方、大学の勉強会は内定者が模擬課題を作成しているので、複数の予想テーマで対策が可能になり、落ち着いて試験当日を迎えることができます。
ただし、大学の勉強会については、注意が必要です。東大をはじめとする教養区分合格者を一定数輩出する大学でしか勉強会がないことに加え、他大学の学生参加を認めていないところもありますので、事前にご確認ください。
それゆえ、長年の指導経験に基づいた的確なフィードバックを求めるのでしたら、費用は掛かりますが総合職対策に定評ある予備校の講座をおすすめ致します。
企画提案試験の難易度
公共政策系の学部の人以外は、そもそも政策を立案する経験がないことから、企画提案試験は大学生にとって相当の難関試験といえます。
しかも、①2026年度より、配点比重も総合論文試験と並び最も高くなった、②官庁訪問での原課面接では、政策について話を聞いたり、自分の考えを述べる機会が非常に多い、ことから総合職を本気で目指す上で、最も重要な試験科目といえます。
もちろん、参考資料自体は1次試験合格発表日にならないと公開されないので、予想テーマをあまりにも早期に考えても意味がありません。
しかし、過去問を見れば、毎年形式は同じであることが明らかです。
それゆえ、大学のゼミ等で報告する機会を使って、プレゼンテーションシートの書き方を訓練することをおススメします。
その上で、予備校を活用すれば、合格可能性は大いに高まることでしょう。
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本講座では、20年以上の経験をもつ講師が、過去のテーマや高評価を受けた教え子の体験談などを分析し、それをもとに高く評価されるための対策を解説しています。
予想問題の実施後は講師のレビューも受けられるため、実戦経験を積んで試験に臨みたい方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
- 企画提案試験は、独自色が目立つ国家総合職教養区分試験の象徴的存在。
- 約1か月間参考資料を読み込んだ後にプレゼンテーションシートを作成し、それを2名の現職官僚相手にプレゼン及び質疑応答をするという、独学では対策が極めて困難な試験。
- 官庁訪問における原課面接に近いスタイルなので、総合職を本気で目指すのならば全く疎かにはできない。
- 試験である以上、テーマは毎年異なるものの、前提、問われ方等出題形式は全く同じなので、傾向と対策は十分可能。
- 過去問研究をしっかり行い、出題形式を踏まえた模擬試験を行う予備校で対策を行うことが合格への最短経路。
くれぐれもブログを読んだだけで、試験対策をやった気にならないでくださいね。健闘を祈ります。
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この記事の著者
池田 俊明講師 (講師紹介はこちら)
金沢大学大学院社会環境科学研究科博士課程後期修了(博士(経済学/金沢大学))
CIMAアカデミー・シニアパートナー
(兼)東洋大学経済学部,昭和女子大学全学共通教育センター非常勤講師
1992年 金沢大学 経済学部卒業
1994年 金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了
2001年 金沢大学大学院社会環境科学研究科博士課程後期修了(博士(経済学/金沢大学))
2001年 大手資格試験予備校専任講師として国家一種経済職(現・国家公務員総合職経済区分)試験向け講座およびゼミを担当。
在職中、公認会計士、不動産鑑定士、証券アナリスト、中小企業診断士試験向け講座の講義も担当(いずれも経済学)
2013年 国家公務員総合職試験対策に特化したCIMAアカデミーを立ち上げ,官僚志望者への受験指導を開始
2016年 アガルートアカデミー公務員試験対策講座を担当。
25年以上にわたり、数多くの受験生をキャリア官僚として、霞ケ関へ送り込んだ国家公務員総合職のエキスパート。
また、現職の大学の経済学教員でもあり、試験科目として経済学が課される全ての資格試験の出題傾向に精通している。
国家公務員総合職経済区分試験向け講座の講師を担当。
ごあいさつ
このコラムでは、国家公務員総合職を目指す人々に正しく、そして役立つ情報を提供します。
夢の実現に向けて頑張るみなさんには、出所不明な噂に惑わされることなく、最も信頼できる心の拠り所として、このコラムを活用していただければ幸いです。
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