【土地家屋調査士】勉強法

土地家屋調査士の過去問の解答!解き方・情報の読み取り方まで掲載!

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土地家屋調査士試験の記述式問題は1問につき5~8ページもあります。

初学者にとっては非常にハードルが高く感じられるでしょう。

そこで今回は、令和元年度の土地の過去問を取り上げ、申請書を作成するプロセスをお見せしたいと思います。

問題文のどこから何を読み取っていくのかをご覧ください。

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まずは問題を読む順番

記述式問題は非常にボリュームが多いため、何度も読み返していると、どんどん時間を失っていきます。

そのため、読む順番が大事になります。

いきなり問題文を読み始めるのではなく、以下の順番に沿って読み進めていきましょう。

1 注意事項

2 問

3 問題文

まず、解答にあたっての注意事項を確認します。

特に、土地の問題では、地積測量図の左側に何を記載するか(あるいは省略するか)が必ず書かれていますので、それをチェックします。

次に、どのような問が出題されているのかを確認します。

あらかじめ論点を把握しておくことで、問題文のどの情報が要チェックなのかを判断できるようにしておくのです。

令和元年度問21(土地)の問題を読んでみよう

それでは令和元年度の問21を見てみましょう。

黄色い網掛けが問題文の中で注目すべき記載で、赤字は私が読み取った内容となっています。

令和元年度 問題21(土地)

土地家屋調査士法務太郎は,次の〔調査図素図〕に示すA市B町一丁目5番の土地(以下「本件土地」という。)の所有者である山川一郎から,本件土地の表示に関する登記に関する相談を受け,【土地家屋調査士法務太郎の聴取記録の概要】のとおり事情を聴取し,本件土地について,必要となる表示に関する登記の申請手続についての代理並びに当該登記に必要な調査及び測量の依頼を受け,【土地家屋調査士法務太郎による調査及び測量の結果の概要】のとおり必要な調査及び測量を行った。(対象土地は5番であること、および申請人は山川一郎であることが分かります)
以上に基づき,次の問1から問4までに答えなさい。

(注)
A点,B点,C点,D点,F点及びH点の各点は,筆界点を示し,実線は筆界線を示す。
E点は,A点とB点を結ぶ直線上の点である。
G点は,F点とH点を結ぶ直線上の点である。

問1 (略)
問2 (略)
問3 別紙第21問答案用紙の第3欄の登記申請書の空欄を埋めて,依頼を受けた本件土地の登記の申請書を完成させなさい。ただし,分筆の登記以外に必要な土地の表示に関する登記がある場合は,一の申請情報により申請するものとする。また,地積は,測量の結果である座標値を用いて座標法により求積するものとする。(分筆と一の申請情報で行うものとして、地積更正登記もしくは一部地目変更登記が候補として挙がります)
問4 (略)

(注)
1 本問における行為は全て適法に行われており,法律上必要な書類は全て適法に作成されているものとする。(例年通りの内容なので読み飛ばして構いません)

2 登記の申請は,書面申請の方法によってするものとする。(例年通りの内容なので読み飛ばして構いません)

3 座標値は,計算結果の小数点以下第3位を四捨五入し,小数点以下第2位までとすること。(例年通りの内容なので読み飛ばして構いません)

4 地積測量図は,250分の1の縮尺により作成すること。また,地積測量図には,測量の結果を用いて求めた筆界点間の距離を,計算結果の小数点以下第3位を四捨五入し,小数点以下第2位まで記載すること。(例年通りの内容なので読み飛ばして構いません)

5 地積測量図には,各筆界点の座標値,平面直角座標系の番号又は記号,地積及びその求積方法並びに測量年月日は,記載することを要しない。(平面直角座標系の番号又は記号、測量年月日は省略してよいことが分かります。求積表を省略するのは例年通りです)

6 A市基準点の各点は,地積測量図にその地点を明示して点名を付して記載すること。ただし,座標値を記載することを要しない。(基本三角点等の名称及び座標値は省略してよいことが分かります)

7 訂正,加入又は削除をしたときは,訂正は訂正する字句に線を引き,近接箇所に訂正後の字句を記載し,加入は加入する部分を明示して行い,削除は削除する字句に線を引いて,訂正,加入又は削除をしたことが明確に分かるように記載すること。ただし,押印や字数を記載することは要しない。(例年通りの内容なので読み飛ばして構いません)

【土地家屋調査士法務太郎の聴取記録の概要】

1 A市B町一丁目5番1号に住所を有する山川一郎は,本件土地に所在する家屋番号5番の建物(以下「本件建物」という。)に居住している。

2 本件土地は,周囲をブロック塀に囲まれており,本件建物の東側にある庭では,山川一郎が平成25年5月1日からサツマイモやネギなどを栽培して家庭菜園として利用しているが,本件建物の敷地部分と当該家庭菜園部分とを明確に区別する柵や囲いは存在しない。(宅地と一体利用しているので、地目は「宅地」として認定されます)

3 本件土地は,A市の道路拡幅計画により,今後,建物を新築する際には,隣接するA市B町一丁目4番2の土地や6番2の土地と同様に,本件土地のうち南側の土地(〔調査図素図〕のC,D,F,G,H及びCの各点を順次直線で結んだ部分。以下「乙区画」という。)を分筆し,道路として使用することができるようにしなければならないとされている。(乙区画を分筆することが分かります)

4 山川一郎は,娘である和田令子に対し,A市の道路拡幅計画による道路拡幅工事が1年後に着手される(まだ道路になっていないことが分かります)ことについて相談したところ,当該道路拡幅工事を契機として,本件土地のうち東側の土地(〔調査図素図〕のB,H,G,E及びBの各点を順次直線で結んだ部分。以下「丙区画」という。)を分筆しておき,今後,丙区画に抵当権を設定して建築資金の融資を受け,和田令子が同区画上に建物を新築することとなった。(丙区画を分筆することが分かります)また,A市の道路拡幅計画に沿う形で,道路となる予定である乙区画も同時に分筆し,本件土地のうち西側の土地(〔調査図素図〕のA,E,G,F及びAの各点を順次直線で結んだ部分。以下「甲区画」という。)には,本件建物をそのまま残すこととした。(乙区画と丙区画は同時に分筆することが分かります)なお,丙区画上の建物の新築は道路拡幅工事の完了後速やかに行う予定であり,その建物の新築工事に着手するまでは山川一郎が丙区画を引き続き家庭菜園として利用することとなっている。(分筆後も丙区画の地目は「宅地」として認定されることが分かります)

5 山川一郎は,本件土地を分割する線(〔調査図素図〕のE点とG点を結ぶ直線及びF点,G点,H点を順次結ぶ直線)のうち,甲区画と丙区画を分割する線(〔調査図素図〕のE点とG点を結ぶ直線)は,甲区画及び丙区画と乙区画を分割する線(〔調査図素図〕のF点,G点,H点を順次結ぶ直線)の垂線となることを希望している。(2つの直線は直交していること、及びG点は交点計算で求めることが分かります)

【土地家屋調査士法務太郎による調査及び測量の結果の概要】

1 資料に関する調査の結果

(1)本件土地に関する登記記録の調査結果(現在事項)

ア 本件土地
(表題部)
 所在 A市B町一丁目
 地番 5番
 地目 宅地
 地積 212.70㎡
(この土地を分筆することになるので、所在、地番、地目を確認する他、地積更正の要否を地積から判断します)
(権利部)
 甲区 A市B町一丁目5番1号 山川一郎
 乙区 (登記事項なし)
(所有権の登記があるので、分筆に登録免許税がかかることが分かります)

イ 本件建物(特に論点となっていないので読み飛ばします)
(表題部)
 所在 A市B町一丁目5番地 家屋番号 5番
 種類 居宅
 構造 木造亜鉛メッキ鋼板ぶき2階建
 床面積 1階 46.29㎡ 2階 46.29㎡
 原因及びその日付 昭和61年4月1日新築
(権利部)
 甲区 A市B町一丁目5番1号 山川一郎
 乙区 (登記事項なし)

(2)地図等に関する調査結果
本件土地の地域には,不動産登記法第14条第4項の地図に準ずる図面が備え付けられている。
また,本件土地の地域は,不動産登記規則第10条第2項第1号の市街地地域に属する。(公差は甲2までであることが分かります)

(3)本件土地及び隣接地に係る図面等の調査結果(特に論点となっていないので読み飛ばします)
本件土地の隣接地であるA市B町一丁目1番25,2番32,3番3,4番1,4番2,6番1及び6番2の各土地については,いずれも地積測量図が備え付けられている。また,本件建物については,建物図面が備え付けられている。

(4)A市道路管理課における道路境界の調査の結果(特に論点となっていないので読み飛ばします)
A市道路管理課において,道路境界の調査を行った結果,本件土地については,道路境界の確認がされていた。

(5)分筆の登記の予定地番の調査の結果
法務局において,甲区画を5番1,乙区画を5番2,丙区画を5番3とする予定地番の確認を行った。(申請書の地番欄はこれを使うことが分かります)

(6)本件土地の地積測定の公差

精度区分甲1甲2甲3乙1乙2乙3
対象面積
212.70㎡0.53㎡1.28㎡2.57㎡3.68㎡7.54㎡15.08㎡

2 本件土地の利用状況,境界標の状況並びに立会い及び測量の結果

(1)本件土地の利用状況
本件土地の利用状況は,【土地家屋調査士法務太郎の聴取記録の概要】のとおりである。

(2)境界標の状況に関する調査
〔調査図素図〕のA点及びB点には石杭が,C点,D点,F点及びH点にはコンクリート杭が,それぞれ設置されている。(地積測量図に記載する境界標の種類が分かります)

(3)立会い等
ア A市道路管理課職員及び隣接土地所有者から,道路及び隣接する境界について,それぞれ確認が得られた。
また,今回の測量の結果とA市備付道路境界図が一致していることを確認した。(道路との境界は論点にならないことが分かります。例年通りの内容)
イ 〔調査図素図〕のE点及びG点は,分筆点であり,E点には金属標を設置することを2番32の土地の所有者に報告した上で設置し,G点にはコンクリート杭を設置した。(地積測量図に記載する境界標の種類が分かります)
ウ 土地家屋調査士法務太郎による検証の結果,現地の境界標と登記所備付資料の地積測量図の成果は整合していることが確認された。

(4)測量の結果
A市基準点である〔調査図素図〕のT1点及びT2点並びに関連する基準点の点検測量を行った結果,許容誤差内にあることを確認した。そこで,〔A市基準点成果表〕の値をもって,筆界点の観測を行い,次のとおり観測値と筆界点の座標値を得た。

ア 〔A市基準点成果表〕

名称X座標(m)Y座標(m)
T1285.36297.00
T2285.50312.00

イ 〔測量によって得られた観測値〕

器械点後視点測点観測角水平距離(m)
T1T2T20°0′0″
T1T2310°1′45″4.72

(注)
1 観測角は,時計回りの角度を示す。
2 北は,X軸正方向に一致する。
(D点は放射計算によって求めることが分かります)

ウ 〔測量によって得られた座標値〕

名称X座標(m)Y座標(m)
300.00300.00
302.00318.00
289.22318.00
301.18310.62
290.00300.00
290.30318.00

解答例

【登記の目的】

本問の地積を計算すると、分筆前の地積と分筆後の地積に甲2以上の誤差がありますので、地積更正登記が必要となることが分かります。

ということで、登記の目的は「土地地積更正・分筆登記」です。

【添付書類】

分筆につき「地積測量図」の提供が必要となります。

また、土地家屋調査士に申請を委任していますので、「代理権限証書」が必要です。

【登録免許税】

分筆の結果、3筆になりますので、登録免許税は3,000円となります。

頭に「金」を付けるのを忘れないようにしてください。

【申請人】

登記記録から、山川一郎の住所氏名を転写します。

【土地の表示】

1行目

1行目には、従前の登記記録の情報を転写します。

2~4行目には、分筆後の甲区画、乙区画、丙区画の情報を記載します。

従前の地番が、支号のない「5番」であるため、分筆後の地番は「5番1」「5番2」「5番3」となります。そしてそれぞれにつき、(イ)(ロ)(ハ)を付けます。

2行目

2行目の「5番1」は、従前の「5番」の登記記録が変更されることとなりますので、登記原因及びその日付欄には変更した箇所の冠記が必要です。

まず、地積更正をしていますので、「③錯誤」と書きます。

そして、地番と地積が変わるので①③を冠記し、「①③5番1、5番2、5番3に分筆」と書きます。

3行目

3行目には、分筆後の「5番2」の情報を記載します。

登記記録が新たに作成されるため、地目も含めて全ての情報を書く必要があります。

地目ですが、まだ道路にはなっていないため、「公衆用道路」としてはいけません。

「宅地」のままとなります。

登記原因及びその日付欄には「5番から分筆」と書きます。

4行目

4行目には、分筆後の「5番3」の情報を記載します。

登記記録が新たに作成されるため、地目も含めて全ての情報を書く必要があります。

地目は、宅地と一体として利用する家庭菜園ですので「宅地」となります。
(「畑」としてしまうのは誤りです)

登記原因及びその日付欄には「5番から分筆」と書きます。

これで申請書の完成です。


いかがでしたでしょうか。

何の手掛かりもなく読むよりも、ずっと理解しやすかったのではないでしょうか。

コツを掴んで、ぜひ記述式を得意分野にして頂ければと思います。

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この記事の著者 中里 ユタカ 講師

中里 ユタカ 講師

宅建士試験・行政書士試験・測量士補、土地家屋調査士試験にすべてストレートで合格。

まったくの初学者から、中山講師の講義を受けて8ヶ月で土地家屋調査士試験に合格。(択一13位、総合29位)

自らの受験経験で培った短期合格のためのテクニックを提供している。

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