司法試験では、憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法という法律基本科目7科目と、選択科目の全8科目の論文式試験と、憲法・民法・刑法の全3科目の短答式試験が実施されます。

「法科大学院に入学したけれども、今の自分の勉強法で本当に司法試験に合格するのだろうか」、そのような悩みを抱えている受験生は非常に多くいらっしゃるのではないでしょうか?

事実として、なかなか司法試験に合格できない受験生にヒヤリングをすると、「勉強法」の部分でつまづいていることが多いです。

他方で、司法試験合格者にヒヤリングをすると、ある程度共通した勉強方法を採用しています。

このコラムでは、これから司法試験の受験を控えている方向けに「司法試験の勉強法」について解説をしていきます。

初めて法律の学習を始める方は「司法試験予備試験に1年(最短)で合格する勉強法」を参考にしてください。

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目次

【司法試験・予備試験】大失敗を繰り返した男が到達した「王道」勉強法とは!?

司法試験の基本の勉強法

司法試験は、相対評価の試験です。つまり「皆ができること」を確実にできる人が合格する試験です。

司法試験に合格するためには、「勉強する対象を限定」して、知識が定着するまで「反復」する勉強が必要です。

「皆ができること」は、短答式試験でいえば、「短答過去問」に掲載されている知識の正誤を判断できるようになること、論文式試験でいえば、「短文事例問題集+論文過去問」に掲載されている基本知識を使いこなして、問題文を正確に分析し、正確な論述をすることができるようになることです。

「短文事例問題集」とは、試験で出題が予想される論点を網羅した、司法試験の問題よりも短い問題文で構成されている問題集のことを言い、アガルートの講座では、「重要問題習得講座」の事を指します。

実際、「重要問題習得講座」は、法科大学院ルートの合格者であってもかなり多くの方が利用している講座です。

また、司法試験の天王山は、「論文式試験」です。

司法試験の論文式試験では、「時間内に」「法律答案」を作成しなければ点数が入りません。

普段から、自分が問題文を読む時間、条文を引く時間、頭の中で知識を思い出す時間、答案を構成する時間、実際に答案を書くスピードなどを把握した上で、制限時間内に、法律答案のルールに従った答案を作成する訓練をし、かつ、それを添削してもらうことが非常に重要です。

答案作成ペースは個人差がありますが、少なくとも週に1~2通程度は作成できると良いでしょう。

法科大学院ルートの方であれば、自分が信頼を置ける仲間と自主ゼミを組む事が一般的ですが、答練だけは予備校を利用している方もいれば、予備校の個別指導を利用されている方もいます。

科目別勉強ポイント

司法試験全科目の科目別勉強ポイントをまとめました。

憲法

憲法の短答・論文式試験の勉強のポイントについて紹介していきます。

短答式試験対策・勉強法

憲法の短答過去問の演習では「判例知識」が非常に重要です。

特に、憲法総論分野と人権分野においては、「判例の結論」のみをおさえるだけでは足りず、「判例の事案と、結論と、それを導く理由」をある程度の数おさえておく必要があります。

目安としては、「名前のついている判例」「大法廷で判断された判例」については、普段の法科大学院の授業で使っているケースブック等を用いて、判決全文(場合によっては、原審や原原審の判旨も)を読み、ここがポイントだという文章にチェックを入れるなどの作業をすると良いでしょう。

関連コラム:【司法試験・予備試験】短答式試験における憲法の勉強法

論文式試験対策・勉強法

憲法の論文過去問の演習を行うと徐々に分かるようになりますが、論文対策としての憲法は、実は全科目の中で暗記しておかなければいけない事項が最も少ない科目と言ってよいでしょう。

主に人権分野からの出題となりますが、それぞれの条文の趣旨や、定義をまずはしっかりとおさえることが重要です。

そして、もちろん論文との関係でも、判例は超重要ですが、だからと言って、全ての重要判例の基準を丸覚えする必要は全くありません。

判例の理解を示すとは、判例と類似の事案が出題されたときに、判例が挙げている重要な事実を意識しつつ、判例と同じような方向性(厳格度)で合憲性判定基準を導き、最終的な結論を示すことです。

したがって、判例の判旨を読む時も、判断に際しての決定的な事実をチェックしつつ、判例の採用している判断基準がどのような厳格度のものであり、自分が普段使っている審査基準に引き直すと、どれに該当するのか、それを導くにあたっての理由は何かなどをチェックしながら進めていく必要があります。

決して、判旨そのものを暗記するという作業を行わないことが重要です。

関連コラム:【司法試験・予備試験】論文式試験における憲法の勉強法

民法

民法の短答・論文式試験の勉強のポイントについて紹介していきます。

短答式試験対策・勉強法

司法試験の短答式試験では、民法が最も問題数が多く、配点も高いです。

そして、問われていることも、条文そのものであったり、有名判例の結論のみが問われているなど、さほど難易度が高くないことが多かったりします。

まさに、民法の短答を制する者が、司法試験短答を制するといっても過言ではないでしょう。

また、民法の短答の学習は、そのまま民法の論文の学習にもつながります。そのため、短答の過去問を始めるにあたっては、まずは民法から着手していきましょう。

とにかく過去問を愚直に、毎日数問でよいので解いていき、その都度、条文を確認します。

条文を確認するとは、問われている条文の要件と効果、それに関連する論点の確認、その条文の前後の条文の確認、その条文の体系上の位置づけを確認することが含まれます。

関連コラム:【司法試験・予備試験】短答式試験における民法の勉強法

論文式試験対策・勉強法

最もオーソドックスな勉強の仕方をすれば足ります。問われていることもほとんどが、「請求の可否(法律関係)」ですので、その問いを解決するための要件と効果の検索→全要件検討→結論というトレーニングを、短文事例問題集、過去問を用いてひたすら繰り返していくだけです。また、前述のように、短答式試験の学習はそのまま論文式試験の学習につながりますので、効率的な学習を心がけましょう。

関連コラム:【司法試験・予備試験】論文式試験における憲法の勉強法

刑法

刑法の短答・論文式試験の勉強のポイントについて紹介していきます。

短答式試験対策・勉強法

刑法においては、単純な判例知識問題と、見解問題や、学説を整理させる問題、いわゆるパズル問題などが出題されます。

短答3科目の中で、最も時間不足に陥る危険のある科目と言っても過言ではありませんので、過去問に出題傾向をおさえたうえで、苦手な形式がある場合には、市販の問題集や、答練等を使った演習を積むということも考えておくと良いと思います。

他方で、単純な知識問題は、民法同様、論文式試験に直結するような重要判例が出題されますので、論文も意識しながら学習を進めていきましょう。

関連コラム:【司法試験・予備試験】短答式試験における刑法の勉強法

論文式試験対策・勉強法

基本的には、「罪責を論ぜよ」という形で出題がされていましたが、数年前より、学説や見解を複数検討させる問題や、特定の結論に向けた立論が求められるような設問が登場しました。

これに関しても、まずは過去問での出題のされ方を確認しましょう。そのうえで、学説や見解問題について、どこまでおさえれば良いかという点が問題となりますが、手掛かりとなるのは、「短答過去問」です。

刑法の短答式試験で出題される見解問題等は、実はほぼ全てメジャーな分野から出題されているといっても良いと思います。

したがって、短答過去問で出題されている分野の学説や見解に絞り、その知識を整理していくことがおススメです。

関連コラム:【司法試験・予備試験】論文式試験における刑法の勉強法

民事訴訟法

民事訴訟法は、全ての科目の中で一番「難しい」科目と言っても過言ではありません。

民事訴訟法がなぜ受験生にとって「難しい」のでしょうか。その理由は大きく分けて2つあります。

  1. インプットの段階において、概念の抽象度が他の科目に比べて格段に高いため、理解に時間がかかること。
  2. アウトプットの段階において、「問われ方」のバリエーションが他の科目に比べて圧倒的に多いため、何をどのように論じていけば良いかが分からなくなってしまうこと。

そのため、普段のインプットから、「この制度は簡単に言うとどういうことで、誰を保護するためのものなのか」という「言い換え」の作業と、「短文事例問題集や過去問などでどういう事実が出てきたときに使うものなのかという、「具体例の把握」を意識する必要があります。

アウトプットにおいては、事例問題である以上は、法律答案のルールに従った論述が求められていることは他の科目と同様であるはずですから、とにかく問われていることを解決するための条文や、概念を見付けて、そのすべての要件を検討するという意識を強く持っておきましょう。

関連コラム:【司法試験・予備試験】短答式試験における民事訴訟法の勉強法

関連コラム:【司法試験・予備試験】論文式試験における民事訴訟法の勉強法

刑事訴訟法

刑事訴訟法は、近時の司法試験の中では、合格答案のイメージを一番早く掴みやすいのではないでしょうか。

問われていることも基本的な事項で、かつ何度も同じ分野が出題されますし、かつ、問題となっている部分に下線が引かれているため、これを前提に検討すれば足りるようになっています。

ただし、このように、「皆がそれなりの事を書いてくることが予想される」問題においては、「書き負ける」という事態が生じる可能性があります。

それなりの事を書いたつもりでも、法律論の部分が少し不正確、不十分だったり、あてはめにおける事実の引用や、評価が少なくなってしまったりすると、自分が思っていたより点数が伸びないことがあります。

これを避けるためには、過去問を基本としつつ、判例百選掲載レベルの判例に対象を絞って、法律答案のルールに従って事実を使い切るという訓練をひたすら行うことが必要になってきます。

関連コラム:【司法試験・予備試験】短答式試験における刑事訴訟法の勉強法

関連コラム:【司法試験・予備試験】論文式試験における刑事訴訟法の勉強法

商法

商法の近時の出題傾向を一言で述べるのであれば、「会社法の条文を引きつつ、問いに答えることができるか」です。

このことをしっかりと理解しておかないと、商法がいつまでたっても苦手なままになってしまいます。

そのため、普段から、条文を引く練習をしておきましょう。条文を勉強する際は、会社法の「目次」をコピーして携帯しておき、今検討している条文が、会社法の体系の中のどこに位置づけられているのか(第何編・第何章・第何節に収納されているのか)を常に確認することも重要です。

論証についても、条文と関連付けておさえていくことが非常に重要です。なお、予備試験合格者は、短答式試験に商法があるため、商法の条文の検索力が高い傾向にあります。

答案の流れについては、実は民法と非常に似た構成になることが多いです。

例えば、「株主総会決議の効力を争うことができるか」という問いの場合には、この問いに答えるための中心的な条文である831条を検索し、そのすべての要件検討を行うという形で答案の大枠が作られていきます。

また、予備試験の商法も、条文検索力を高めるためには非常に良い素材ですので、取り組まれることをおすすめします。

関連コラム:【司法試験・予備試験】短答式試験における商法の勉強法

関連コラム:【司法試験・予備試験】論文式試験における商法・会社法の勉強法

行政法

行政法もまた、公法系の仲間である憲法と同様、暗記する事項は非常に少ない科目です。

その代わり、試験では、事例に加えて、会議録と、資料として添付されている様々な法規を読みこなしつつ、問いに答えていくという作業が求められており、最も「途中答案」が発生しやすい科目となっています。

これを克服するためには、やはり「過去問」を時間内に解く練習を繰り返すことにつきます。

行政法の過去問については、マイナーチェンジはあるものの、ほとんど問題文の作りが共通しています。

また、過去問を一通りやることにより、問われている超重要事項も捕捉することができます。まさに、過去問が最良の演習書であることを体現しています。

なお、参照条文の読み解きが苦手な方は、予備試験の過去問を演習することも非常に有益です。

関連コラム:【予備試験】短答式試験における行政法の勉強法

関連コラム:【司法試験・予備試験】論文式試験における行政法の勉強法 |

選択科目

選択科目については、前述したように、どれを選択しても、そのベースが法律基本科目7科目のどれかにあります。

そのため、学習の仕方は、そのベースの法律基本科目とほぼ同様になります。

もちろん、過去問を中心とした学習をすべきことは言うまでもありませんし、選択科目においては、短文事例問題集を行わずとも、過去問の検討だけで十分上位合格を狙えます。

関連コラム: 【司法試験・予備試験の選択科目】倒産法の特徴・勉強法

関連コラム:【司法試験・予備試験の選択科目】国際公法の特徴・勉強法

関連コラム: 【司法試験・予備試験の選択科目】環境法の特徴・勉強法

関連コラム: 【司法試験・予備試験の選択科目】国際私法の特徴・勉強法

関連コラム: 【司法試験・予備試験の選択科目】租税法の特徴・勉強法

関連コラム: 【司法試験・予備試験の選択科目】労働法の特徴・勉強法

関連コラム: 【司法試験・予備試験の選択科目】経済法の特徴・勉強法

勉強する科目の順番は?

法科大学院ルートであっても、予備試験合格者であっても、試験科目について一通りの学習を終えていると思われますので、司法試験対策を始めるにあたって、勉強する科目の順番にそこまでこだわる必要はありません。

苦手な科目から始めても良いでしょう。

ただし、「民事系」「刑事系」「公法系」は、なるべくひとまとまりに学習することをおすすめします。

例えば、民事系には、民法、商法、民事訴訟法が含まれますが、民事訴訟法を学習している中で、民法の理解が深まることなどはよくあります。

このように、同じ系統の中の法律を一気に学習すると、相乗効果が生じることがよくあります。

選択科目のおすすめは?

選択科目の決め方は人によって異なるところではありますが、谷山講師のおすすめは、「自分が興味のある科目」です。

確かに、選択科目の中には、学習範囲や分量に差異があります。

しかし、「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、例え、自分が興味のある科目の分量が多かったとしても、分量は少ないけど興味が持てない科目を学習するよりも学習効率は高いといえます。

また、選択科目は、全ての科目において、全くゼロからのスタートではなく、それぞれ法律基本科目のどれかがそのベースにあります。

例えば、倒産法の学習の半分は、民法の知識と民事訴訟法の知識がベースになっています。

そのため、選択科目間の分量の多い少ないという点は、実はそれほど決定的な差にはなっていないのです。

したがって、法科大学院の授業等を聞いたり、入門書をさっと読んでみたりして、これが一番面白そうだと直感で感じた科目を選択されることが、試験との関係でも最も効率的と考えます。

関連コラム:【司法試験・予備試験】選択科目の選び方!おすすめは○○法

司法試験の合格に必要な勉強時間の目安は?

法科大学院ルートの方や、予備試験合格者が、「司法試験対策」を初めて、合格するまでにどのくらいの時間がかかるでしょうか。

もちろん、「時間」だけが合否を決めるということはあり得ないことですが、これまでのヒヤリングの結果を元に、あえて数字を示してみます。

法科大学院ルートの場合は約1700時間

法科大学院ルートの場合の勉強時間の目安は1700時間です。

法科大学院生が司法試験対策を本格的に始める時期としては、2年次の冬休みが多いと思います。

そこから法科大学院在籍中に平均して1日3時間程度司法試験の勉強に費やすことができるとして、1年で約1000時間程度、法科大学院を修了してから司法試験までの約3ヶ月間に1日8時間司法試験の勉強に費やすことができるとして、約700時間程度、合計で約1700時間程度の学習が一応の目安になるでしょう。

ただし、上記のように、時間だけが合否を決めるわけではないため、実際にはもっと少ない勉強時間で合格することは十分に可能です。

予備試験合格者は約700時間

予備試験合格者の勉強時間の目安は700時間です。

予備試験合格者の場合は、そもそも最終合格してから司法試験の受験までの時間が約5 か月と限られています。

社会人や、学生等、様々な環境下で試験対策をされることが想定されますが、1日5時間を司法試験の勉強に費やすことができるとして、約700時間程度の学習が一応の目安になるでしょう。

 勉強期間としてはどのくらい必要?短くても勉強時間が確保できれば大丈夫?

勉強期間としては約半年が必要です。また勉強期間が短くても勉強時間が確保できれば合格は十分に狙えます。

予備試験合格者は、そもそも最終合格してから司法試験の受験までの時間が約5ヶ月しかないにもかかわらず、90%以上の司法試験の合格率を達成しています。

法科大学院ルートの場合でも、それまで授業等で法律の授業を受けていますし、答案も作成していることが通常ですから、ある程度の時間さえ確保できれば、試験の半年前くらいから本格的な司法試験対策を始めても合格することは可能です。

実際に合格者にヒヤリングを行うと、司法試験の半年くらい前から本格的な試験対策を始めたと回答される方は多いです。

予備試験と司法試験の勉強内容の違いは?

予備試験は、法科大学院を経由せずに司法試験を受験するための試験です。

そのため、予備試験と司法試験において、問われている内容が大きく変わることはありませんし、科目もほとんど重なっています。

したがって、予備試験合格者が司法試験受験に向けて行うことは、「司法試験の過去問を解く」ことだけと言ってよいでしょう。

逆にいうと、予備試験合格者は、それだけ自信をもって良いということです。

予備試験に合格した人は司法試験に向けて教材を変える必要はある?

予備試験に合格した人が司法試験に向けて、これまで使用してきた教材を変える必要はありません

司法試験は独学でも合格できる?

司法試験は、独学でも合格できます。

司法試験を受験するにあたって、独学で乗り切るか、それとも、予備校を利用するか、これもまた、広い意味での「勉強法」の一つです。

ここでは、実際の合格者がどのような選択をしているのかについて詳しく見ていきましょう。

法科大学院ルートなら独学でも合格できる?

法科大学院を修了して、もしくは、法科大学院3年次に受験資格を得て司法試験を受験する場合(以下、「法科大学院ルート」といいます。)、独学で司法試験に合格されている方は多いです。

実際に、法科大学院では、膨大な数のレポートや予習が求められ、これに加えて期末試験もあること等から、予備校の講座を受講することに対してそこまで時間を使うことができません。

ただし、独学で合格された方にヒヤリングをすると、結果として、予備校を利用した方が効率的に勉強できたので、一部でも利用しておけばよかったと回答される方も非常に多いです。

予備試験ルートなら独学でも合格できる?

予備試験合格者は司法試験に独学で合格できます。

なぜなら予備試験合格者の場合は、一度試験委員から合格の認定を受けている、すなわち、司法試験合格に向けた勉強の方向性が間違っていないことのお墨付きをもらっているからです。

ただし、予備試験合格者は、そもそも予備試験の合格までに予備校を利用される方が圧倒的に多いため、それまで利用していた予備校が提供する司法試験論文過去問についての解析講座等を利用する方も多いです。

働きながらでも合格できる?

法科大学院を修了した後、就職して働きながら司法試験を受験し、合格されている方もいます。

ただし、法科大学院を修了してから、司法試験までの期間は、「直前期」に入りますので、他の受験生が最も集中し、かつ時間を費やして最後の追い込みをかける時期です。

そのため、かなり効率良く学習をしないと、合格は難しいと言ってよいでしょう。

働きながら司法試験を受験する場合は、就労時間や、仕事の内容、会社の理解の有無等、様々な事項について事前に検討しておくことが重要です。

関連コラム:司法試験・予備試験に社会人が働きながら合格できる?無謀じゃない?

 予備校・通信講座を利用することで合格率は高くなる?

司法試験は独学ではなく予備校・通信講座を活用することで合格率は高くなります。

法科大学院ルートであっても、予備試験合格者であっても、司法試験に合格するためにやらなければならないことは、「司法試験過去問の演習」です。

これを独学で行う方もいらっしゃいますが、司法試験過去問は、内容が相当高度に渡る場合があり、自力で内容を調べきれなかったり、あるいは調べるのに時間がかかります。

また、司法試験過去問は既に20年弱の過去問のストックがあり、その量も膨大ですし、これに加えて、「出題趣旨」や「採点実感」も検討しなければなりません。

このような手間を解消してくれるのが、予備校の講座であり、アガルートでいえば、「司法試験論文過去問解析講座」になります。

アガルートを受講されている法科大学院ルートの方も、「司法試験論文過去問解析講座」だけ受講されているという方が非常に多いです。

予備校を活用することで独学であれば費やしていた時間を他の弱点補強等に回すことができますので、合格率は高くなります。

司法試験の過去問は何年分解けばいい?

可能であれば全ての年度の過去問を解くことをおすすめしますが、時間的に厳しい場合は、「直近5年分」の過去問を解きましょう。

ただし、それ以外の過去問も、時間をかけずに「見る(読む)」くらいはできると良いでしょう。

関連コラム:司法試験・予備試験における過去問の使い方!何年分解く?いつから始める?

司法試験の過去問はどこで入手したらいい?

司法試験の過去問は、法務省の公式サイトで全ての問題を閲覧することができます。

https://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index.html)

ただし、解説や模範解答が掲載されているわけではありません。

そこで、大半の合格者は、過去問の解説や模範解答が掲載されている過去問集や、予備校の過去問解析講座を購入して、過去問学習をすすめていくのが一般です。

旧司法試験の過去問は解く必要はない?

旧司法試験の過去問は、短い事例問題であり、高度な「ひねり」が加えられている問題です。

非常に良い問題が揃っていますが、現行の司法試験の過去問を解くことの方が優先であり、それが終わった際の、「応用問題対策」として解くと良いでしょう。

法改正のあった問題は飛ばしていい?

法改正があったからと言って、必ずその問題を飛ばして良いというわけではありません。

法改正部分が再び試験で問われることがあるからです。

もちろん、法改正によって、問題自体が成立しなくなったような問題(いわゆる「没問」と言われる問題)は解く必要がありません。

過去問で分からない所や解説が気になったときは?

基本書やネット等でまずは自分で調べてみたり、勉強仲間や先輩合格者がいれば、積極的に質問を行いましょう。

ただ、調べる時間や、正確性等を考慮した場合は、予備校の過去問解析講座を利用することが最も合理的と思われます。

司法試験を受けるなら模試や答練は必要?

司法試験の受験をするにあたって、模試や答練を受験する人は多いですし、合格者の中でも、模試や答練を受験する必要があると回答する人が多いです。

ただし、絶対に受験しなければ合格できないものではなく、明確な目的を持たないままに受験をすると無意味どころか有害であることもあるので、気を付けましょう。

受験するなら何回?どのタイミングで?試験ごとに受けるべき?

試験直前期に実施される「公開模試」(本番と同じスケジュールで実施される模試)と呼ばれるものについては、特に初めての受験を控えている方にはおすすめします。回数は「1回」で十分です。

受験の目的は、「本番と同様の環境で、どのくらい集中力や体力が持つか。時間内に答案を書ききることができるか」などといった点に設定します。

決して、「出題予想」を第1の目的に置かないことです。

次に、答練(本番と同じスケジュールではなく、特定の科目の答案を作成し、添削を受けるもの)についても、目的をしっかりと持って受験をする必要があります。

ここでも、「答練で高い点数を取る」ことを目的とするのではなく、「自分が書くべき事項を書くことができたか、書かなくてよいことに時間を割かなかったか」という視点を持って受験することをおすすめします。

関連コラム:司法試験・予備試験の模試は受けるべき?受けるならいつ?

法科大学院在学中に司法試験を受験する際の勉強スケジュール

法科大学院では、想像している以上にやらなければいけないことがが多いです。

そのため、法科大学院に入学が決まった段階から、全科目の過去問を検討し始めておくことが重要になってきます。

遅くとも、法科大学院入学後、最初の期末試験が終わる7月下旬~8月上旬あたりには過去問を解いていくことが必要でしょう。

この場合は、まずは直近5年分について「書く」ということを目標に、それ以外のものについては、「検討する(答案構成で終わらせる)」というイメージを持っておくと良いでしょう。

学習時間としては、ロー入学前の時期で、時間があるのであれば1日8時間程度、ロー入学後は1日3時間程度の学習を継続していく必要があります。

専業受験生が司法試験を受験する場合の勉強スケジュール

惜しくも司法試験に不合格になった場合は、その不合格の日から、来年に向けた戦いが始まります。

ただし、結果を受け入れられなかったり、敗因分析が必要だったりで、すぐには学習を始められないのが通常です。

そこで、不合格の日から、数日は休みましょう。

再現答案を作成していない方は、司法試験の成績が返ってくるまでに、再現答案を作成してください(再現度は高くなくても良いので作ってみましょう)。

その次に同じく司法試験の成績が返ってくるまでに、各科目ごとに自己評価を行い、その理由を書き出してみることです(悪い成績を予想する場合は勿論のこと、良い成績を予想する場合も理由を考えてみましょう)。

そして、司法試験の成績が帰ってきたら、そこに記載されている評価と、自己評価を突合します。

それから、各科目ごとに何を優先して学習をしていくのかを決定していきましょう。

どうしても自己評価と司法試験の成績に記載されている評価の違いが分からない場合は、合格者に答案を見てもらったり、予備校の個別指導等を利用されることが効率的です。

惜しくも不合格だった方から、来年に向けてどのくらいの勉強時間を確保したらよいかという質問を良くいただきますが、それを確定するためには、まず上記のような作業を経て、自分に何が足りないのかを確認するという作業が必要不可欠です。

1日10時間も15時間も勉強しなければ合格しないのだという気持ちになってしまうことは非常によくわかりますが、何度も申し上げるように、勉強時間だけで合否が決まるということでは決してありません。

安心してください。

司法試験に2回目、3回目に受験する人が合格するために必要な勉強は?

実は、司法試験に2回目、3回目で受験される方に必要な「特殊な」勉強は存在しません。

なぜなら、複数回受験をされている方々は、学習対象の限定とその反復のいずれか、若しくは両方ができていないことがほとんどだからです。

例えば、短答の点数が伸びないという時に、分からない問題について1日中調べたり、難しいと感じてしまい、やる気がなくなってしまったりして、結果的に短答過去問を1周すらできていないという方が非常に多いです。

仮に対象の限定と反復の部分で問題がないとしても、「論文の添削を受けていない」という方が多くいらっしゃいます。

法律の論文は小論文等と違い、一定のルールに沿って論じていく必要があります。

そして、ほとんどの合格者は、法律答案のルールをしっかりと守った答案を作成することができているかを確認するために、自主ゼミを組んだり、あるいは予備校を利用したりして、自分の答案を第三者に客観的にチェックする機会を設けています。

複数回受験者の中には、諸々の理由で、自分の答案を第三者にチェックしてもらう機会を一切設けていない方が多いです。

「対象の限定と反復」、「第三者による答案の客観的チェック」、この二つを意識するだけで、成績は180度変わってくると言っても過言ではありません。

自分の勉強の取り組みがあっているか気になる方は、アガルートの受講相談までお問い合わせください。

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司法試験の勉強でモチベーションを維持するには?

モチベーションの維持・向上の仕方は人それぞれですので、まずは、皆さんがこれまで、試験勉強以外の場でのストレス解消法や、モチベーションの維持方法として行っていたことを思い出してみましょう。

意外とそこにヒントがあります。

ちなみに谷山講師一番のおすすめは、「勉強時間を計測し、管理する」ことです。

例えば、1日3時間勉強すると決めた場合、机に向かっている時間をストップウォッチで計測します。

計測の合計が3時間になったら、ご褒美に好きなことができると決めておきます。

逆に、3時間以上は勉強はしてはいけないというルールも同時に設定しておきます。

こうすることによって、限られた時間を効率よく使うためにはどうすればいいのかを脳が考え出すため、集中力が増し、結果としてモチベーションが向上していきますので、おすすめです。

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これから法律を学んでみたいという方におすすめの講座「豊村講師の法学入門」をご紹介します。
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この記事の監修者 谷山 政司 講師

谷山 政司 講師

平成23年度に(新)司法試験に合格後、伊藤塾にて主に予備試験ゼミを中心とした受験指導業務を担当。
谷山ゼミ受講者のうち、およそ70名ほどが予備試験に合格。谷山ゼミ出身者で、最終的な予備試験の合格率は7割を超える。

自身の受験経験だけでなく、答案の徹底的な分析やゼミ生への丁寧なカウンセリングの結果確立した論文作成ノウハウをもとに、アウトプットの仕方はもちろん、インプットの仕方までをも指導するスタイルは、ゼミ生の圧倒的支持を受けた。

また、期をまたいだゼミ生の交流会等を定期的に行うなど、実務に出た後のフォローも積極的に行っている。

谷山講師の紹介はこちら

ブログ:「谷山政司のブログ」
Twitter:@taniyan0924

 

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