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司法試験コラム|司法試験予備試験 論文式試験 憲法の勉強法

司法試験・論文式試験 憲法の勉強法①~試験で問われること~

1 「憲法上の主張」・「憲法上の問題」

司法試験の論文式試験では,事例の中から「憲法上の問題」を発見し,一方当事者の「憲法上の主張」と相手方の反論を論じ,これに加えて自分の見解を示すことが要求されています。具体的には,事例中の法律もしくは国家の行為が憲法に違反するか否かを,判例を意識しつつ,原告・被告・私見の立場から論じさせるものが多くなっています。

 

2 三者間の対立

このように,司法試験における憲法では,三者間の立場からそれぞれの主張を論じることが要求される点が特徴的です。
そこで,憲法の学習においては,問題点の対立を理解し,三者それぞれの立場からどのように論じるかを日頃から意識する必要があります。そして,対立を理解する上で,判例がどのような立場に立っているかを理解することが重要です。

 

司法試験・論文式試験 憲法の勉強法②~なぜ苦手意識を持つ人が多いのか~

1 抽象的な学問である

憲法を苦手とする受験生が多い理由の1つとして,憲法という科目が抽象的な学問であることが挙げられます。
例えば,憲法の勉強を始めると,憲法13条は国民の幸福追求権を保障している,ということを学びます。しかし,日頃の生活の中で幸福追求権が保障されていることを意識して生活している人はほとんどいないはずです。そのため,幸福追求権がどのような権利なのかをなかなかイメージができず,抽象論に終始した勉強をしてしまう人が少なくありません。

 

2 対立点の発見が難しい

先ほど述べた通り,司法試験における憲法の論文式試験では,原告・被告・私見の三者の立場から論じることが要求されます。
しかし,問題の事例を読んでもなかなか対立点を見つけることができないという受験生の話をたびたび聞きます。その原因としては,上述の通り,抽象論の勉強から抜け出せないことが挙げられると思います。
確かに,憲法は抽象的な学問ではあるものの,憲法上の問題は日頃の生活という生の事実から生じるものなのです。
従って,抽象論に終始した勉強をしたままでは,憲法上の対立点をなかなか発見することはできません。

 

司法試験・論文式試験 憲法の勉強法③~判例の使い方~

1 憲法判例の重要性

憲法の勉強を始めると,判例が重要であるということをしばしば聞くことがあると思います。実際に,平成27年の司法試験の出題趣旨にも「判例上で議論されている当該判断枠組みがどのような内容であるかを正確に理解していることが必要である。」と書かれています。しかし,受験生の中には,判例が重要であることは知っているものの,なぜ判例が重要であるかを理解している人が多くないように思います。では,なぜ憲法の勉強をする上で判例は重要なのでしょうか。
第1に,条文が少なく,抽象的な学問である憲法においては,問題を解決する上で判例が果たす役割が大きいということが挙げられます。先ほども述べたように,憲法13条は国民の幸福追求権を保障していますが,幸福追求権とは何かについて憲法には何も書いてありません。そこで,このような抽象的な文言を具体的に形付けてくれるのが判例なのです。
第2に,前述の通り,司法試験における憲法では,原告・被告・私見の三者間の立場からそれぞれの主張を論じることが要求されますが,私見を論じる場合には原告と被告の言い分を踏まえなければなりません。これは,問題となっている紛争について,裁判官の立場から判決を書くようなものです。すなわち,三者間の対立点を学ぶためには実際に問題となった紛争,すなわち判例が最も適切な素材であるということになります。

 

2 憲法判例の勉強法

では,憲法判例はどのように勉強すればよいのでしょうか。先に述べた通り,判例は抽象的学問である憲法を具体化することに加え,三者間の対立点を学べる点で重要です。
このことから,憲法判例を学ぶ上で,①判例の具体的な事案,②問題の所在,③それぞれの当事者の主張,④裁判所の判断を意識することが重要です。つまり,抽象的な憲法を具体的にイメージする上では,実際にどのような事実の下で(①),憲法上の問題が生じるのか(②)を理解する必要があります。そして,三者間の対立を学ぶために,判例で各当事者が何を主張し(③),これに対して裁判所がどのようなルールを示したか(④)を理解することが大切です。