司法試験・予備試験における論文式試験の勉強法(総論)
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司法試験・司法試験予備試験の論文式試験の出題形式・特徴,出題傾向を踏まえ,その勉強法を説明します。
予備試験では,法律実務基礎科目も試験科目となっていますが,基本的な勉強法は法律基本科目と変わりません。
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【勉強法・攻略法解説】論文の型とは?
合格に必要な学習を把握する
合格に必要な学習を把握することの重要性
最難関の国家試験ともいわれる司法試験ですが,その中でも多くの受験生が苦労するのが論文式試験です。
選択科目を含めると受験科目が8科目もあることに加えて,それぞれの科目における基本的知識や判例の正確な理解が要求されるので,論文式試験を突破するためには,できるだけ無駄な勉強を省き,合格に必要な学習を見誤らないことが重要です。
予備試験においては , 司法試験と同じ8科目に,法律実務基礎科目民事と法律実務基礎科目刑事が加わり10科目となります。
関連コラム:司法試験の難易度・合格率をアガルート講師がお答えします
合格体験記を読む
合格に必要な学習といっても,何が必要な学習かを把握することは難しいと思います。
そこで,論文式試験に合格するために必要な学習を把握する上で合格体験記が参考になります。
合格体験記には,複数の合格者がそれぞれ採ってきた勉強法やおすすめの基本書等が記載されており,合格に必要な学習を把握する上で有用です。
もっとも,合格に必要な学習は人によって異なるので,合格体験記を参考にしながら,自分に合った勉強法を確立することが大切になります。
関連コラム:合格者の声
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法律基本科目の論文式試験の総論
法律基本科目で求められる知識の範囲は,短答式試験より狭いといえます。
しかし,そもそも解答形式が選択式ではなく,論述式であるため,法学に関する知識・理解を法律文書という特殊な文書の形で表現しなければなりません。
また,問われる知識の範囲が広いわけではないのですが,専門家の間でも議論が尽くされていないような未知の問題が出題されます。
見たことも聞いたこともない問題について,基本的な知識をベースとして,自分の頭で考えて答えを導き出す能力(論理的思考力・応用力)と,自分で考えた結論を法律文書の形で表現する能力(文章表現力)の双方が求められます。
このように,論文式試験問題を解くことができるようになるためには,基本的な知識のインプットを前提として,問題文を読んでから実際に答案を作成するまでの技術も身につけなければなりません。
上記のように,論文式試験も「試験」である以上,ある程度客観的な正解があります。
客観的な正解があるということは,それに対応する解法があるということです。
そして,解法があるということは,それを身に着けるための学習法もあるということです。
具体的には以下の①~④の流れで学習するのが効率的です。
① 知識をインプットする
論文式試験の問題は,法律を使って解いていかなければなりません。
そのためには,最低限の法学の基本的な知識が必要になります。
そこで,まずはその知識をインプットすることが必要になります。
日本史・世界史,英語,数学……,どんな科目でも問いに答えることができるようになるためには,その科目の知識のインプットをする必要があります。
それと同じことです。
知識のインプットのための講座が,総合講義100,総合講義300,論証の使い方を学ぶための講座が,「論証集の『使い方』」になります。
ちなみに,知識はインプットしてそれで終わりではありません。
下記の各過程で自分の知識や理解が不十分であることが判明すると思います。
アウトプットをした後は,必ずインプットに戻り,テキスト等を用いて知識や理解を定着させましょう。
② 論文答案の「書き方」を学ぶ
知識のインプットと同時に進めるべきなのが,論文答案の「書き方」を学ぶことです。
法学の論文式試験は,大学入試における日本史・世界史の記述式の試験のように暗記した知識をただ単に答案用紙に書き写せば○がもらえるようなものではなく,暗記した知識を「使って」解答しなければならないという意味で,「知識」のほかに「書き方」も学ぶ必要があります。
数学の試験で公式を覚えただけでは問題が解けないように,論文式試験もこの「書き方」が分からなければ書けるようになりません。
論文答案の「書き方」を学ぶための講座が,「論文答案の『書き方』」になります。
動画で分かる!論文の書き方
③ 重要問題を習得する
答案の「書き方」を学んだ後は,実践が必要です。
数学では,公式を習得した後は,練習問題で公式を使いこなすことができるように練習したと思いますが、これは、法学の論文式試験でも同じです。
各科目について,基本的な条文の使いこなしが問われる問題や,重要な最高裁判所の判例を素材とした問題など,重要問題(典型問題・基本問題)と呼ばれる問題があり,それが数学の練習問題に相当します。
司法試験や予備試験の論文式試験では,短答式試験ほどではないにせよ,要求される知識の範囲がかなり広いので,こなさなければならない練習問題の数も自然と多くなってしまいます。
これが法学の論文式試験の1つの特徴です。
予備試験では,条文や判例をそのまま使うだけで解けてしまう簡単な問題は出題されないのでは?と思われるかもしれませんが,基本がなければ応用もありません。
重要問題をしっかりと習得しなければ,司法試験で問われるような難易度の高い問題に対応することはできません。
重要問題を習得するための講座が,「重要問題習得講座」になります。
ちなみに,上記のように,重要問題で訓練を積む過程で知識や理解に問題があれば,インプットに戻る必要がありますが,解き方に問題があるのであれば,答案の「書き方」に戻って確認するようにしましょう。
④ 実際に答案を作成する
重要問題で十分訓練を積んだ後は,いよいよ実際に答案を作成していきます。
大学受験において,数学などでも練習問題を解いた後は,応用度の高い演習問題を解いたことと思います。
ただし,大学受験との重要な違いがあります。
大学受験の場合には,あまり制限時間を気にして演習問題を解いたことはなかったと思います。
大学受験などでは,年に数回の模擬試験がありますが,制限時間を意識するのはその時くらいでしょうか。
これに対して,司法試験の場合には,模擬試験に相当する予備校が提供する「答練」というものがあり,非常に回数が多いのが特徴です(本番と同じタイムテーブルで実施する模擬試験も別途実施されています)。
毎週のように,場合によっては毎日のように,模擬試験を受けている感覚です。
司法試験は,アウトプットが非常に難しい試験なので,インプットだけではなくアウトプットも反復練習する必要があります。
毎日,毎週のように模擬試験があるというと奇異に感じるかもしれませんが,理にかなった学習法なのです。
答案を作成する場合には,できる限り本番に近い環境に身を置く必要があります。
試験本番では,制限時間内で答案を仕上げなければならないので,時間無制限で答案を作成しても実践的な訓練にはなりません。
そのため,制限時間を意識する,六法以外は何も見ないで解くなど,できる限り本番に近い環境を作り出すように意識してみてください。
実際に答案を作成するための講座が,「予備試験答練」,「司法試験答練」になります。
【法律基本科目】科目ごとの勉強法
以下では各科目の勉強法について説明します。
こちらはある程度学習が進んでいる方を対象としているので,これから学習を始める方は飛ばしてしまってください。
憲法
「判例学習の重要性」
司法試験や予備試験の憲法においては,判例を題材とし,その理解を問う問題が多く出題されているため,判例学習が特に重要です。
ただし、判例の学習とは、判例の言い回しをそのまま覚えることではありません。
判例も他の知識と同じく、使いこなせるようになることが大事です。
そのためにはまず、判例の事案と、判旨を正確に押さえる必要があります。
判旨についても、規範部分、それに対する理由付け、事実の引用と評価というように、憲法以外の科目で求められる三段論法を意識して読み込んでいくと効率的です。
これを踏まえて、問題にアプローチをしていく必要があります。
例えば、人権分野では、ある法令が憲法の条項に反し違憲か否かという問題が出題されます。
まずは、事案を読み込み、似た事案の判例を想起し、その判例の事案と似ているのであれば、判例と同様の論理展開をしていくことになります。
ただし、ここで重要なことは、判例を覚えていることではなく、判例を踏まえた三段論法を展開することができるかです。
例えば表現の自由を制約する法律が出てきたら、
①この法律は21条に反し違憲か
②21条に反するか否かの規範定立(いわゆる違憲審査基準の定立)
③あてはめ
④結論という大枠を作り、
この①~④の枠組みの中で、学習してきた判例のエッセンスを落とし込んでいくことが重要です。
ですから、必ずしも判例名を答案の中で示さなければならないわけではなく、上記のような意識をしていれば、判例を踏まえた論述として評価されます。
出題形式としては、司法試験、予備試験が実施されてから、長らく『三者間方式』(ある法律やそれに基づく処分の憲法適合性が問題となる事案につき、原告(被告人)、被告(検察官)、私見(裁判所)について、三者それぞれの立場から、憲法上の主張を論じさせるもの)が採用されていました。
ただし、予備試験では令和元年から、三者間方式での出題がされなくなっています。
もっとも、この三者間の視点は、問題点を見つけ出す、すなわち、答案で厚く論じる部分を見つけ出すためには格好の視点といえますので、意識しておくと良いでしょう。
以上から,憲法の論文式試験の勉強法としては,有名判例について,その事案や判旨を把握するとともに,これを、自分なりの法的三段論法に落とし込むことを意識しながら学習することが重要です。
行政法
「個別法の『仕組み解釈』を身につける」
行政法も,憲法と同様に,有名な判例を題材とした問題が多く出題されているため,判例学習が特に重要です。
また,行政法の特徴として,試験現場で,未知の個別法に対して,法令の趣旨や構造等の仕組みを紐解く,「仕組み解釈」を行うことを求められる問題が出題されます。
「仕組み解釈」を身につけるためにも,判例学習が最適です。
判例学習の際には,事案や判旨を把握することはもちろんのこと,問題となっている法令に対して,どのような条文を挙げ,どのような理由により,どのようにその仕組みを解釈しているのかを意識して,学習することが重要です。
なお,司法試験の行政法では,問題文に「誘導」が付されています。
「誘導」とは,その問題について,どのような方向性で解答すべきかという指示・ヒントのことをいいます(会話形式で呈示されていることがほとんどです)。
この「誘導」をいかに素早く読み解き,論ずべき事項を特定できるのか,という事務処理能力も重要となります。
行政法で求められているこれらの事項をマスターするには、一通りの行政法の知識を学んだあとは、司法試験、予備試験ともに、「過去問」の演習を繰り返すことです。
これにより、知識の範囲、問題文の読み方、発想の仕方がほぼすべて身につきます。
民法
「基本的知識と当事者の立場に立った考察」
民法は,学習しなければならない知識や範囲が多岐にわたるだけでなく,司法試験や予備試験では見たこともないような未知の問題が出題される傾向にあるため,対策が難しい科目の一つです。
まずは,普段の学習において,論文式試験で出題される範囲の知識を地道に身につけることが重要です。
次に,本試験で出題される未知の問題に対応する下地を作るために,典型問題(重要問題)をしっかりと習得してください。
これらは他の科目でも重要なのですが,上記のような特徴を持つ民法では特に重要です。焦らず地道に学習を進めてください。
上記のような基本的な学習を終えた後,本試験で出題される未知の問題を処理する際には,当事者の生の主張と結論の妥当性を考えてみるとよいでしょう。
難しい問題になればなるほど,正解に至る筋道が見えにくくなります。
そこで,当事者の主張から出発し,法的根拠を特定するという民法の基本に戻るべきです。
その上で,どちらの当事者の主張が認められるのかという結論の妥当性を考えてみることによって,論じるべき筋道が見えてきます。
商法
「条文知識と典型論点に対する理解の重要性」
商法の学習の中心は,会社法です。
会社法は,条文の多さや,その規定の複雑さ,さらにはイメージの持ちにくさから,学習を始めたばかりの方にとって,取っつきにくい科目です。
もっとも,司法試験や予備試験の過去問を分析すると,問われる条文や知識の範囲がそれほど広くないことに気が付きます。
論点もいわゆる典型論点が出題されることが多く,民法のような未知の問題が問われることはあまりありません。
そのため,普段の勉強においても,細かい知識や論点にとらわれることなく,頻繁に問われる条文や典型論点についての理解を磐石にするという方法をお勧めします。
また,条文数が多く,規定も複雑なので,学習に際してはこまめに条文を引くことを意識してください。
なお,商法で出題される法律には,会社法以外にも商法総則・商行為(商法典),手形小切手法がありますが,論文式試験における出題頻度は高くありません。
過去問において頻出の条文や典型論点だけを押さえる程度に止めておきましょう。
民事訴訟法
「手続の流れと実体法とのリンクを意識する」
民事訴訟法は,これといった問題処理のパターンがなく,また出題形式が多様であるため,対策が難しい科目です。
もっとも,民法のような複数の分野にまたがる融合問題が出題されることは多くありません。
どの分野のどの知識や論点を聞いているのかを特定することができれば,比較的早く正解に至ることが可能です。
そのため,日ごろの学習においてもどの分野にどのような知識・論点があるのかを意識することが重要です。
その基本となるのが手続の流れと実体法との関係性です。
手続の流れとは,訴え提起→口頭弁論→判決→上訴又は確定というどの段階の問題なのかということです。
また,実体法との関係性とは,実体法上どのような権利利益・法律関係が問題となっており(訴訟物の特定,処分権主義),それがどのような要件によって成立するのかを意識するということです(弁論主義・立証責任)。
なお,司法試験の民事訴訟法にも「誘導」があります。
ただし,行政法の「誘導」とは異なり,解答のヒントというよりは,方向性の限定がなされています。
過去問の中には,「最高裁判例の立場には立つな」という指示が記載されていることもありました。
この「誘導」に従って解答しなければ,正しい知識・理解が表現されていたとしても正解に至ることができませんので,「誘導」には十分に注意する必要があります。
刑法
「事案の迅速・正確な処理」
刑法は,理論的には難解ですが,他の科目と比べ,答案の書き方がある程度固まっています。
また,未知の論点が問われることがほとんどないため,点数を取りやすい科目です。
具体的には、予備試験も司法試験も「罪責を論ぜよ」という出題がなされます。
ここで求められているのは、問題となる行為を抜き出し、検討すべき犯罪を決定し、そのすべての要件検討が終わったのちに、罪数処理をするというものです。
ただし、司法試験では、犯罪が成立する立場からの立論、犯罪が成立しない立場からの立論という形での論理展開が求められる問題も出題されています。
この場合は、いわゆる典型論点についての反対説を踏まえた立論が求められることになります。
自分のよって立つ見解が固まったら,後はひたすら問題演習を積んでください。
ただし、上記のように、司法試験対策としては、典型論点については、反対説の理由についても押さえておく必要があります。
いずれにせよ、刑法の問題は,未知の論点が問われることが少ない分,多数の論点を処理しなければならない問題が多いといえます。
そのため,時間内に万遍なく論点を網羅するという事務処理能力が求められます。
問題演習の際には,時間や答案スペースの使い方に十分注意してください。
刑事訴訟法
「判例理解の正確性」
刑事訴訟法も,刑法と同様に,未知の論点が問われることは少なく,点数を取りやすい科目です。
もっとも,刑法より,重要判例の事案を少し変えた,判例の射程を問う問題が出題される傾向にあります。
また、司法試験では、刑法同様、典型論点について、反対の立場からの論述を踏まえた論述が出題されることもあります。
そのため,判例学習の際には,判例の事案を正確に押さえ,その射程距離を理解するように心がけましょう。
(予備試験)法律実務基礎科目の論文式試験の総論
法律実務基礎科目では,法律基本科目で出題される知識をより実務的な観点から使いこなせるかという点を問う問題が出題されます。
法律実務基礎科目民事では、民事訴訟実務が、法律実務基礎科目民事では、刑訴訟実務が出題されています。また、例年、民事及び刑事のいずれかの設問で、法曹倫理の問題が出題されています。
ザックリとしたイメージですが,民事訴訟実務は民法と民事訴訟法を掛け合わせたもの,刑事訴訟実務は刑法と刑事訴訟法を掛け合わせたものをベースとして,実務的な能力を問うものだと考えればよいでしょう。
なお,法曹倫理は,弁護士としての職業倫理を問うものと誤解されがちですが,弁護士法や日弁連が定めている弁護士職務基本規程の条文の使いこなしを求めるものです。
法律実務基礎科目民事では民法・民事訴訟法,法律実務基礎科目刑事では刑法・刑事訴訟法の知識が前提とされていますので,法律基本科目の学習が終わった後に,知識のインプットを行うと良いでしょう。
なお,論文答案作成のための技術が必要になるという点では,法律基本科目と大差ありません。
ただし,やや特殊なスタイルで論述しなければなりませんので,その点は別途対策をする必要があります。
実務基礎科目は、範囲を限定しなければ、学習範囲が膨大となります。
しかし、この範囲を明確に限定してくれるツールが存在します。
それが、「過去問」です。
実務基礎科目については、早めに過去問の演習に入り、そこからテキストに戻るという勉強方法をとる必要があり、かつ、それで試験対策としてはほぼ終了となります。
(予備試験) 【法律実務基礎科目】科目ごとの勉強法
以下では各科目の勉強法について説明します。こちらはある程度学習が進んでいる方を対象としているので,これから学習を始める方は飛ばしてしまってください。
民事
「要件事実を意識して,民法・民事訴訟法との学習効率を高める」
実務基礎科目民事は,実際の民事事件を処理するに当たって遭遇する場面を切り取って,その場面で,実務家(主に弁護士)であれば,どのような立ち振る舞いをするべきかを解答する問題です。
内容は,民法・民事訴訟法の知識を前提として,主に要件事実についての理解が問われます。
学習に当たっては,裁判官が執筆した「新問題研究要件事実」(法曹会)という書籍を読むのがよいでしょう。
この本は,要件事実を学ぶほとんど全ての人が手にとるもので,平易な文章で要件事実の初歩的な知識が書かれていますので,これから要件事実の学習を始める方にとっては,必携の書です。
もっとも,「新問題研究要件事実」(法曹会)のみでは,知識として十分ではありません。
さらにステップアップを図るための教材は,難易度が高いものが多いので,学習に当たり,苦戦する方が多いです。
一般的には,「紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂」(法曹会)が利用されるのですが,説明が省略されている部分が多く,独学で進めるのは難しいかもしれません。
「新問題研究要件事実」(法曹会)の通読を終えたら,過去問,予備校の答練を活用し,問題演習中心の学習に切り替えるのもよいと思います。
本科目は,民法と民事訴訟法の知識を前提とするため,学習の順序として,後手に回ってしまいがちです。
しかし,要件事実を意識することで,民法・民事訴訟法の理解が促進されるという相乗効果も期待できます。
そこで,民法・民事訴訟法を一通り学習した段階で,できるだけ早く本試験の問題を見て,形式に慣れておくのがよいでしょう。
刑事
「教材が充実していない事実認定は,実戦で習得」
実務基礎科目刑事は,実際の刑事事件を処理するに当たって遭遇する場面を切り取って,犯罪の成立の有無や裁判の手続に関する知識について解答する問題です。
内容は,事実認定の問題や,刑事訴訟法の知識を前提とした手続の問題に大別でき,中心は事実認定問題になります。
事実認定の問題は,非常に難易度の高い問題が出題されています。
にもかかわらず,現在,刑事事実認定に関する初学者向けの教材は,数える程度しか出版されておらず,予備試験で問われているような問題に対応するための知識がまとまっている教材はほとんど存在しない状況です。
一方,事実認定では,何らかの知識を暗記する必要はそれほどなく,むしろ,その手法を習得することが必要になります。
そこで,過去問や予備校の答練で問題演習を積み,解説講義を聞くという実戦を繰り返すことが重要になります。
一方,手続の問題は,刑事訴訟法の知識が問われますので,刑事訴訟法の学習の延長線で対応できるため,学習しやすいと思います。
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【講座紹介】採点実感から読み解く合格答案の「型」習得講座
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▶資料請求して特典を受け取るこの記事の監修者 谷山 政司 講師
平成23年度に(新)司法試験に合格後、伊藤塾にて主に予備試験ゼミを中心とした受験指導業務を担当。
谷山ゼミ受講者のうち、およそ70名ほどが予備試験に合格。谷山ゼミ出身者で、最終的な予備試験の合格率は7割を超える。
自身の受験経験だけでなく、答案の徹底的な分析やゼミ生への丁寧なカウンセリングの結果確立した論文作成ノウハウをもとに、アウトプットの仕方はもちろん、インプットの仕方までをも指導するスタイルは、ゼミ生の圧倒的支持を受けた。
また、期をまたいだゼミ生の交流会等を定期的に行うなど、実務に出た後のフォローも積極的に行っている。
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