「社会福祉士ってどんな試験なんだろう」という疑問をお持ちの方も多いのではないのでしょうか。

今記事では3つある福祉国家資格のうちのひとつ「社会福祉士」の試験内容を分かりやすく紹介します。

合格した時のメリットは活躍できる場所が広がるなど様々な恩恵を受けることができます。

「全く福祉のこと知らない」という方でも分かりやすいよう丁寧に解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

令和4年度合格率67.74% 全国平均の1.53倍

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目次

社会福祉士とは

最初に社会福祉士について紹介します。

社会福祉士とは国家資格の1つで「日常生活する上で困ったこと、問題を抱えている人の相談にのり、解決に導くよう助言や援助をする資格」です。

生活するうえで「このサービスってどこに相談したらいいの?」「生活で困ったことがあるけど解決方法が分からない」と感じたことはありませんか?

そのような時は各行政機関や病院、教育機関などの相談員(ソーシャルワーカーともいいます)がおり、相談することができます。

相談業務をするうえで専門的な知識を学び、試験に合格した人のことを社会福祉士といいます。

注意したいのが「社会福祉士の資格がないと相談員ができない」というわけではありません。

無資格でも同様の仕事ができ、活躍されてる方もいます。

関連コラム:社会福祉士とは?仕事内容や相談業務の流れや将来性についても解説

社会福祉士試験の受験資格

社会福祉士試験は申し込めば誰でもすぐに受験できるわけではありません。

試験を受けるには一定の要件があります。

福祉系の大学・短大での指定科目履修により受験資格を得る場合

  • 4年制の福祉系大学で指定科目を履修・卒業
  • 3年制の福祉系短大で指定科目を履修・卒業+相談援助実務経験1年以上
  • 2年制の福祉系短大で指定科目を履修・卒業+相談援助実務経験2年以上

短期養成施設等での修学によって受験資格を得る場合

  • 4年制の福祉系大学等で基礎科目を履修・卒業+短期養成施設等6か月以上
  • 3年制の福祉系短大で基礎科目を履修・卒業+相談援助実務経験1年以上+短期養成施設等6か月以上
  • 2年制の福祉系短大で基礎科目を履修・卒業+相談援助実務経験1年以上+短期養成施設等6か月以上
  • 社会福祉主事養成機関(2年以上)を修了した後、相談援助実務(2年以上)を経験し、短期養成施設等で6カ月以上必要な知識及び技能を修得する
  • 指定資格の実務を経験4年以上経験し、短期養成施設等で6カ月以上必要な知識及び技能を修得する

一般養成施設等での修学によって受験資格を得る場合

  • 4年制の福祉系大学以外の大学を卒業+一般養成施設等1年以上
  • 3年制の福祉系短大以外の短大を卒業+相談援助実務経験1年以上+一般養成施設等1年以上
  • 2年制の福祉系短大以外の短大を卒業+相談援助実務経験2年以上+一般養成施設等1年以上
  • 相談援助実務経験4年以上+一般養成施設等1年以上

4年制大学を出た場合以外は、実務経験が必要となります。

実務経験として認められる職種として挙げられるのは、高齢者分野、障害者分野、児童分野、その他の分野、現在廃止事業(すでに廃止されている事業・職種)の分野です。

高齢者分野では生活相談員や支援相談員等、障害者分野では身体障害者福祉司等の実務経験が認められます。

児童分野では、保育士や児童指導員等の職種の実務経験が該当します。

その他にも様々な職種が該当するため、あらかじめ確認しておく必要があります。

詳細は社会福祉振興・試験センターのHPか、こちらのコラムをご確認ください。

関連コラム:働きながら社会福祉士資格を取得するには?おすすめのルートを紹介

社会福祉士試験の試験内容

【令和5年度】実施時期・日程

社会福祉士国家試験は、年に1回、2月上旬の週末に実施されます。

第36回令和5年度の社会福祉国家試験は令和6年2月4日(日曜日)でした。

合格発表は社会福祉振興・試験センターのホームページで、令和6年3月5日(火)2時に行われました。

また、令和6年3月8日(金)に結果通知が発送されました。

申し込み受け付けは9月から約1ヶ月間しかなく、申し込みを逃してしまうと該当の試験は受けられなくなるので注意が必要です。

合格発表は試験の約1ヶ月後、3月中旬頃にインターネットにて確認することができます。

申し込み受け付け令和5年9月7日(木)~10月6日(金)
試験日令和6年2月4日(日)
合格発表令和6年3月5日(火)

最新年度の社会福祉士試験の日程、申し込み方法は社会福祉振興・試験センターのHPか、こちらのコラムをご確認ください。

受験費用

社会福祉士のみ受ける方、精神保健福祉士と一緒に受ける方、共通科目免除の方の3種類があり、費用が異なります。

社会福祉士のみ受験19,370円
社会福祉士と精神保健福祉士を同時に受験16,840円
社会福祉士の共通科目免除により受験16,230円

合格率・合格点

令和5年度、社会福祉士国家試験の合格率は58.1%でした。

以前まで、社会福祉士国家試験の合格率は例年25~30%前後でしたが令和5年度は58.1%と高い合格率となりました。

合格基準は「問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者」となっており、正解率60%を基準に毎年補正をかけた点数が合格点になります。

合格するには6割以上の正解率が1つの基準になります。

実施年 合格率  受験者数  合格者数 合格基準点
(150点満点)
令和5年度 58.1% 34,539人 20,050人 90点
令和4年度 44.2% 36,974人 16,338人 90点
令和3年度 31.1% 34,563人 10,742人 105点
令和2年度 29.3% 35,287人 10,333人 93点
令和元年度 29.3% 39,629人 11,612人 88点
平成30年度 29.9% 41,639人 12,456人 89点

難易度

国家資格の中で社会福祉士の難易度は高いといえます。

難しい理由として「試験範囲の広さ」が挙げられます。

同じ福祉国家資格である介護福祉士は11科目、精神保健福祉士が16科目に対し社会福祉士は19科目と一番多いのが特徴です。

また、「0点の科目が1つでもあると合格できない」点も難しいといわれる原因の1つです。全19科目(18科目群)の中で0点の科目を出してしまうと不合格となるので、知識に偏りが出ないよう学習していく必要があります。

※就労支援サービス(4点)と更生保護制度(4点)は2科目合わせて1科目群になるのでどちらかが0点でも不合格にはなりません。

残念ながら不合格の場合でも、「受験資格」が無くなることはなく、次年以降に再挑戦することになります。

関連コラム:社会福祉士試験の難易度・合格率は?福祉系国家資格と比較してみた

試験時間は午前の部(10:00~12:15)と午後の部(13:45~15:30)に分かれ1日を通して実施されます。

午前の部10:00~12:15
午後の部13:45~15:30

1日を通しての試験なので体力・集中力が必要になる試験です。

※弱視等受験者・点字等受験者は試験時間に配慮があります。

出題形式

気になる出題形式ですが五肢択一が基本となります。

5つの選択肢の中から正解を1つ選びチェックを入れる形式です。

気を付けたいのが近年では正解が1つではなく「2つ選ぶ」問題も多くなっており、各設問をしっかりと確認する必要があります。

科目・問題数

社会福祉士国家試験は23科目の範囲から出題されます。

2023年度(第36回)の試験までは19科目の範囲から全150題が出題されていましたが、2024年度(第37回)の試験からは、新カリキュラムの内容となります。

2023年度(第36回)の試験までは、午前中に共通科目と呼ばれる11科目(全83問)、午後に専門科目と呼ばれる7科目(全67問)を時間内に解く必要がありました。

関連コラム:社会福祉士試験にはどんな問題が出る?形式や内容、問題文について解説

関連コラム:【社会福祉士試験の時間配分】1問あたりの秒数や時間の使い方を解説!

-共通科目と専門科目の違いって?-

共通科目は同じ福祉国家資格の1つである「精神保健福祉士」と共通の試験内容です。

既に精神保健福祉士をお持ちの方は共通科目は免除されます。

専門科目は社会福祉士専門の試験なので全員が受ける必要がある科目です。

試験の特徴として全19科目と幅広いことが挙げられます。

また、問題数も各科目毎に違います。

4問のみの問題もあれば「専門科目の相談援助の理論と方法」は21問とバラつきがあります。

共通科目(出題数)

※2023年度(第36回)までの旧カリキュラムの情報となります。新カリキュラムでの設問数などが分かり次第、更新予定です。

1 人体の構造と機能及び疾病(7問)

人の身体についての知識や国際生活機能分類(ICF)などに関する知識が求められます。

相談者の体調状況はあらゆる場面で切っては切れず、身体の構造は基本的な知識になります。

2 心理学理論と心理的支援(7問)

心理に関する幅広い知識が求められます。

近年問題になっているストレス症状(うつ症状、アルコール依存など)に関する問題が出題され、生活上ストレスで困っている方に対し必要になる科目です。

3 社会理論と社会システム(7問)

現代までの社会論に関する発展の歴史、現代の社会構造について知識が問われます。

福祉におけるシステムの流れを理解することで相談時に適したサービス提供に必要になる科目です。

4 現代社会と福祉(10問)

現在の福祉の置かれている状況を問われる出題です。

福祉サービスは時代と共に日々変化しており、最新の福祉状況を相談者が活用したい時に関係する科目です。

5 地域福祉の理論と方法(10問)

近年、福祉は地域が協働し、創り上げていく方向で制度が進んでいます。

地域の機能を理解しどんなサービスがあり活用できるのか知りたい時に必要になる科目です。

6 福祉行財政と福祉計画(7問)

福祉のお金の流れについての知識が問われます。

相談者においても税金補助を受けれるのか、いくら自己負担が必要なのかなど金銭面で関係のある科目です。

7 社会保障(7問)

これまでの社会保険の歴史や実例を通して社会保障の知識が必要になります。

福祉制度は複雑に制度が関わる部分もあり、相談者にとってあらゆる行政サービスを利用するときに関係する科目です。

8 障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問)

障害に関する福祉制度の知識が求められます。

身体・知的障害など自分自身はもちろん、家族などが何らかの障害サービスを利用する場合に関わることになる科目です。

9 低所得者に対する支援と生活保護制度(7問)

生活保護などの低所得者の福祉知識が問われます。

経済的に苦しく、行政のサービスが必要になった場合に関わることになる制度です。

10 保健医療サービス(7問)

医療保険の現状や、地域での保健活動についての問題が出題されます。

病院などの医療機関を利用する時や、地域の保健と関わる場面などで必要な知識となる科目です。

11 権利擁護と成年後見制度(7問)

人権や財産などの様々な権利や、近年注目されている成年後見制度のに関する出題です。

高齢者や障害者が成年後見人などの制度を利用する時に関わる制度です。

専門科目(出題数)

12 社会調査の基礎(7問)

様々なデータの集計方法や基礎知識が求められます。

福祉においてもデータは重要であり多くの場面で活用されます。

13 相談援助の基盤と専門職(7問)

相談を受ける際の基礎となる技法や、過去にどのような発展を歩んできたか問われる問題です。

相談する際に相談者の悩みや不安をどのように汲み取るかが重要で、様々な面談場面で活かされます。

14 相談援助の理論と方法(21問)

実際の相談場面を想定し、どのような援助が適しているか問われる科目です。

相談に関するあらゆる場面で相談者側により適した援助方法に活かされます。

15 福祉サービスの組織と経営(7問)

福祉には様々な団体や組織があり、それに関連した問題が出題されます。

福祉サービスは多くの繋がりがあり、非営利活動法人や社会福祉法人などを利用する場合に関係する科目です。

16 高齢者に対する支援と介護保険制度(10問)

超高齢化社会である日本の現状や高齢者保健制度などの出題がある科目です。

高齢者サービスを利用する際に関わる科目です。

17 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(7問)

近年問題になっている児童虐待や、児童福祉法など児童に関する知識が問われます。

児童相談所などの児童に関する福祉サービスを利用する時に関係する科目です。

18 就労支援サービス(4問)
19 更生保護制度(4問)

各4問ずつの出題になります。

就労支援サービスは障害者雇用や労働法に関する問題、更生保護制度は保護観察を必要とする人たちなどに関わる科目になります。

※「就労支援サービス」と「更生保護制度」の2科目は、試験の合格基準では合わせて1科目群とされます。

気を付けたい点として「18科目群中1つでも0点の科目があった場合、その時点で不合格になってしまう」ことです。

他の科目で合格点以上の点数でもひとつでも0点科目があると合格することができなくなってしまうので、全科目の知識を学ぶ必要があります。

配点

試験は全19科目で構成され、試験には共通科目(11科目)、専門科目(8科目)に分けられます。

配点は1問1点です。

科目毎に設問数にバラつきがあり、特に配点の低い科目は0点になる可能性が高いので注意が必要です。

午前の部 共通科目の配点

共通科目(午前:10時00分~12時15分)配点(設問数)
人体の構造と機能及び疾病7点
心理学理論と心理的支援7点
社会理論と社会システム7点
現代社会と福祉10点
地域福祉の理論と方法10点
福祉行財政と福祉計画7点
社会保障7点
障害者に対する支援と障害者自立支援制度7点
低所得者に対する支援と生活保護制度7点
保健医療サービス7点
権利擁護と成年後見制度7点
合計83点

午後の部 専門科目の配点

専門科目(午後:13時45分~15時30分)配点(設問数)
社会調査の基礎7点
相談援助の基礎と専門職7点
相談援助の理論と方法21点
福祉サービスの組織と経営7点
高齢者に対する支援と介護保険制度10点
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度7点
就労支援サービス4点
更生保護制度4点
合計67点

※「就労支援サービス」と「更生保護制度」の2科目は、試験の合格基準では合わせて1科目群とされます。

受験するうえでの注意点

申し込み時期に注意しよう

受験の申し込みは毎年9月から受付を開始しています。

受付期間は一か月ほどで終了し以降の申し込みはできません。

せっかくの努力が無駄になってしまうので「申し込み忘れた」ということが無いよう注意しましょう。

※申し込み時期は変わる可能性があります。社会福祉振興・試験センターの最新情報を確認してください。

令和4年度合格率67.74% 全国平均の1.53倍

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・「障害者福祉」「人体の構造と機能及び疾病・心理学理論と心理的支援」より抜粋  
・サンプル講義:約4.5時間

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この記事の監修者 遠藤 愛 講師

遠藤 愛 講師

全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。

現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。

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