本記事では社会福祉士国家試験の1つである「社会調査の基礎」についての概要や勉強法について紹介します。

社会調査が実施される意義や、相談業務においてどう活かされるのか学ぶ科目です。

聞き慣れない用語が多い科目ですが、本記事を参考にしていただき難関試験対策のお役に立てれば幸いです。

令和5年度合格率81.25% 全国平均の1.40倍

資料請求でサンプル講義とテキストを無料でプレゼント!  
・「障害者福祉」「人体の構造と機能及び疾病・心理学理論と心理的支援」より抜粋  
・サンプル講義:約4.5時間

1分で簡単!今すぐ見れます(会員登録→お申込み→講座視聴)

20日間無料で講義を体験!

「社会調査の基礎」科目とは?

社会調査の基礎の概要

当科目は社会調査の意義から実践方法などを学ぶ科目です。

そもそも「なぜ社会福祉士試験で社会調査を学ぶのか」と思われるかもしれませんが、現代では福祉を含めあらゆる調査結果を基にして根拠が生まれます。

社会福祉士においても、関連する調査データを根拠に相談業務を実践していく必要があり重要な知識になります。

社会調査の基礎の重要度

覚えるべき用語が多く、また多くの方が馴染みのない領域となるため重要度は高めといえます。

実際の業務においても、地域や社会に求められるニーズを調査し、応えていくことは社会福祉士の役割の1つです。

そのために必要な調査についての仕組みを知ることは重要なポイントになります。

社会調査の基礎の難易度

調査、統計に関する耳慣れない言葉が出てきますが、基本項目を丁寧に学習することで比較的得点を狙いやすい科目です。

量的・質量調査の方法や分析に関する出題が頻出するので過去問を中心に知識を深めていきましょう。

全7問の出題で、午後試験の最初に解くことになる科目なので良いスタートダッシュを切れるようにしましょう。

関連コラム:社会福祉士試験の19の試験科目(共通科目・専門科目)について解説

「社会調査の基礎」の勉強法

続いてに社会調査の基礎ついての勉強法をポイントを絞り紹介します。

1 社会調査とは何か、意義を理解する

まず、科目名になっている社会調査について知りましょう。

社会調査とは、社会的な問題意識に基づいてデータを収集し、収集したデータを公表する一連の過程を指します。

代表的なもので国勢調査が該当します。

時間も手間も費用もかかる社会調査をやる意義も押さえておきましょう。

私たちの日常は多くの不確定な情報に満ちており、その情報が正しいかどうかを判断する情報、根拠が必要です。

社会調査によって得た情報を基に将来の展望や課題を考えるまでの過程を知ることが、当科目を学ぶ意義の1つです。

2 量的調査・質的調査の方法の特徴・違いを理解しよう

つづいて、社会調査の具体的な方法について紹介します。

当科目において量的調査・質的調査の方法の理解は必須です。

2つの違いを理解し選択肢に惑わされないようにしましょう。

2−1 量的調査

量的調査は、数値化できるデータを集め調査対象の性質を統計学的に探ろうという社会調査の方法です。

多数の調査対象者から、定型化された調査票などを用いて実施され、調査結果の数量的なデータさまざまな場面で活かされます。

量的調査は、統計的にデータ解析を行うので統計調査とも呼ばれます。

2−2 質的調査

質的調査は、限定された比較的少数の事例や調査対象者に対して、調査対象者の主観的な意味などを全体的に把握し、調査課題の質的構造の解明を図ろうとする方法です。

事例研究を重視するという意味から事例調査とも呼ばれます。

併せて、量的調査と質的調査を組み合わせたミックス法という方法もあることを覚えておきましょう。

3 多くの耳慣れない用語に惑わされないようにする

当科目は慣れない用語が多く苦手意識を持ってしまう方も多いですが、継続的に学習することで理解が進み得点力を高めることができます。

そこで、特に気をつけて欲しい用語を紹介するので参考にしてください。

3−1 面接法の種類

面接方法はその目的や面接者によって方法が異なります。

それぞれの意味と違いを理解しましょう。

構造化面接
質問項目や質問順序をあらかじめ決め、そのとおりに進めていく方法

半構造化面接
あらかじめ詳細な質問項目は用意せず、大まかな質問項目だけを決めておき、状況に応じて質問を変えていく方法

非構造化面接
質問項目を定めず、状況に応じて自由に質問する方法

3−2 4種類の尺度

尺度については初めて耳にする方も多いと思いますが、下記の例にある様に「性別」や「温度」など馴染みの深いものが多いです。

4種類の定義を曖昧にせず確実に押さえましょう。

名義尺度
カテゴリーの区別に用いられる尺度
例:性別、郵便番号、血液型

順序尺度
大小関係を示すための尺度
例:評価の推移(良い・変わらない・悪い、など)、順位

間隔尺度
数値の差が等間隔で、間隔に意味がある尺度
例:温度、年齢、偏差値

比較尺度
数値の差とともに、絶対ゼロの値をもつことから数値の比率にも意味がある尺度。
比率が計算できるため「比率尺度」ともいう。マイナスの値はない。
例:体重、所得金額、経過時間

3−3 標本調査の方法(抽出法)

標本調査は、ある集団の中から一部の対象だけを抽出して調査するもので、日本でおこなわれている統計調査の多くはこの方法が用いられています。

主な標本調査の方法(抽出法)についても試験に問われるので代表的なものを紹介します。

無作為(確率)抽出法

多段(二段)抽出法
何段階の抽出作業をおこなって抽出する方法

層化抽出法
母集団を複数のグループに分け、グループの大きさに応じて調査対象者を抽出する方法

有意(非確率)抽出法

応募法
応募に応じた協力者を調査対象者にする方法

スノーボール法
調査対象者から知人や友人を紹介してもらい、雪だるま式に対象者数を増やす方法

4 倫理、個人情報保護、ITの活用も近年注目されている

インターネットの普及により、個人情報の取扱いについての知識も出題される可能性が高く、こちらも押さえておく必要があります。

社会福祉士は、仕事の性質上個人情報を取り扱う機会が多いため、倫理や個人情報に関し十分理解する必要があります。

利用者のプライバシーなど過去問題でどのような問題が出ているのか確認し、周辺知識を深めていきましょう。

他科目の勉強法、過去問の活用法を知りたい方はこちら!

令和5年度合格率81.25% 全国平均の1.40倍

資料請求でサンプル講義とテキストを無料でプレゼント!  
・「障害者福祉」「人体の構造と機能及び疾病・心理学理論と心理的支援」より抜粋  
・サンプル講義:約4.5時間

1分で簡単!今すぐ見れます(会員登録→お申込み→講座視聴)

20日間無料で講義を体験!

この記事の監修者 遠藤 愛 講師

遠藤 愛 講師

全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。

現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。

講座を見る