【社会福祉士国家試験】「相談援助の理論と方法」の基本情報と勉強法
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本記事では社会福祉士国家試験の1つである「相談援助の理論と方法」についての概要や勉強法について紹介します。
当科目は全21問と試験科目の中でもっとも問題数が多く、合否を左右する重要な科目です。
実際の現場でも役立つ知識も多いため、本記事を参考にしていただき難関試験対策のお役に立てれば幸いです。
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目次
「相談援助の理論と方法」科目とは?
相談援助の理論の概要
「相談援助(ソーシャルワーク)」は社会福祉士にとって重要な知識となります。
出題数は21問と最も多いことから当科目の知識を重視していることが分かります。
学習を通して相談者のさまざまな相談場面において、悩みや不安を把握し、支援につなげていく手法を学ぶことになります。
相談援助を理論的に整理し、事例問題を通し具体的な知識を身につけましょう。
相談援助の理論の重要度
当科目は、出題数がもっとも多く、どれだけ正解できるかが合否の分かれ目となることから、重要度は高いといえます。
実際の業務においても、実際の相談援助に関わる部分なので高齢、児童などのほか、いずれの職場でも活かされる知識になります。
相談援助の理論の難易度
広範囲で事例問題が多いものの、馴染みやすい問題も多く難易度は低めといえます。
目安としては全21問中15点以上を正解できるようにしましょう。
実際の場面をイメージしながら、何が問われているのか読み取り答えられるよう、過去問題を中心に知識を深めていきましょう。
関連コラム:社会福祉士試験の19の試験科目(共通科目・専門科目)について解説
「相談援助の理論と方法」の勉強法
続いてに相談援助の理論と方法ついての勉強法をポイントを絞り紹介します。
1 実践で必要になるという気持ちで学習する
当科目の学習するうえでポイントになるのが「試験のためよりも、実践を意識しながら学習をする」ということです。
出題傾向に目を向けると全体の3〜4割ほどが事例問題形式になっており、実際の現場で問われる問題が多いです。
過去問題を解きながら、この事例問題は何を意図しているのかを読み取れるようになると正解につながりやすくなります。
「実践の相談現場にいるつもりで解く」ことを意識しながら問題に慣れていきましょう。
2 バイステックの7原則を根拠に事例問題を解く
当科目の事例問題において根拠となる考え方がバイステックの7原則です。
バイステックの7原則 | |
個別化 | 一人ひとりが異なる人、状況であると捉え、個別的に対応する |
意図的な感情表出 | (相談者が)あらゆる感情を自由に表出・表現できるように働きかける |
統制された情緒的関与 | 援助者自身の感情を念入りに調べ、吟味し把握した上で相談者に対応する |
受容 | 相談者のありのままを受け入れる。反社会的な行動や逸脱を同調や許容するのではなく、そのような側面があることを認識し理解する |
非審判的態度 | 援助者がもっている価値観を基に、相談者を批判や攻撃をしてはいけない |
自己決定 | 相談者が自らの人生に関する選択と決定ができるように援助する |
秘密保持 | 援助者の情報は漏らさない |
これらの7つの項目を覚えておくことで、選択肢を選ぶ際に迷いを減らすことができます。
2 相談援助の過程の一連の流れを理解する
つづいて、相談援助はどのように始まり、進められて終結に向かっていくのか、一連の流れを理解する必要があります。
○相談援助の流れ
- 受理面接(インテーク)
- 事前評価(アセスメント)
- 支援の計画(プランニング)
- 支援の実施(インターベンション)
- 経過観察(モニタリング)と評価(エバリュエーション)
- 支援の終結(ターミネーション)
- アフターケア
各過程での特徴はもちろん、順番などを問う出題もあるので注意しましょう。
漢字だと比較的理解しやすいですが、試験ではしばしば横文字で出題されるので、そのような場合でも惑わされないようにしましょう。
3 各モデル・アプローチの特徴と違いを理解する
相談援助(ソーシャルワーク)の歴史的にどのように発展してきたかを踏まえつつ、代表的なモデル(見本)やアプローチについての理解も深めましょう。
3−1 主なモデル(見本)
相談援助の考え方の基本となるのがモデルです。
それぞれの違いや特徴を押さえておきましょう。
治療モデル
医療をメインとしており、診断から始まり最終的には治療を目的としたモデル
生活モデル
生活をメインとしており、その人の日常に重点を置き「人と環境」との相互作用を取り入れつつ問題解決にあたるモデル
ストレングスモデル
強み(ストレングス)を土台に問題解決にあたるモデル
3−2 主なアプローチ
相談援助は、相談者と共に目標を定めて計画を立て、社会資源を活用しながら目標に近づいていく活動です。
このとき、どのように目標に向かう方法はいくつもあり、その中でも主要なものには「○○アプローチ」と名前が付いています。
○主なアプローチ(このほかにも多くあります)
- 心理社会的アプローチ
- 機能的アプローチ
- 課題中心アプローチ
- 危機介入アプローチ
- 行動変容アプローチ
- エンパワメントアプローチ など
中には名前から読み取れるものもありますが、選択肢の中には紛らわしい記述、いわゆるひっかけがあるので、正確に特徴と違いについて理解しましょう。
4 スーパービジョンの機能と形態を押さえる
スーパービジョンとは、福祉業界において新人職員(スーパーバイジー)が施設長・管理者などの指導者(スーパーバイザー)から教育・指導を受ける一連の過程を指します。
簡単な例を挙げると、新しく入った職員に教育担当が就いたとします。
業務をおこなう上で分からないこと、不安なことを教育担当の職員に聞きアドバイス(助言)を受けます。
この一連の流れがスーパービジョンになります。
こちらも横文字になると最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう。
5 相談援助の基盤と専門職と一体的に学ぶ
当科目と「相談援助の基盤と専門職」は関連性が強く一体的に学習することで効率よく知識を深められます。
両科目を合わせると「28問」となり全150問ある試験においてかなりの割合になります。
1点も多く獲得するためにも2つの科目を効率的に学習しましょう。
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この記事の監修者 遠藤 愛 講師
全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。
現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。