「社会福祉士の試験って範囲が広いって聞くけどどんな科目が出るんだろう」と疑問に思ったことはありませんか?

確かに社会福祉士国家試験は、全19科目(18科目群)と範囲が広いのが特徴の1つです。

今記事では全19科目(18科目群)それぞれの特徴や重要点を分かりやすく紹介します。

社会福祉士国家試験は範囲が広い分、計画的に試験対策をすすめていく必要があります。

試験範囲のどの部分が出題されるのか知っておくことでイメージがわき、科目それぞれの理解に繋がります。

社会福祉士を目指そうと考えている方、参考にしていただければ幸いです。

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社会福祉士試験の科目は?

最初に基本的な概要について紹介します。

試験は全19科目(18科目群)で構成されています。

150点満点のうち正解率6割が合格基準となり、合格点は毎年変わります。

また、試験には共通科目、専門科目に分けられます。

19の試験科目 共通科目

1 人体の構造と機能及び疾病(7問)

「人体の構造と機能及び疾病」は、身体は体調や疾病など健康に関しする大切な要素で、多くの場面で必要となる科目です。

身体機能、身体構造の概要や国際生活機能分類(ICF)など幅広い知識が必要になる科目です。

近年、よく耳にする生活習慣病などの出題もあり、私たちの身体について基本的な理解が必要です。

重要さや難易度

他の科目と重複する部分があり、重要度は高いといえます。

重要な用語は確実に覚えていくことがポイントです。

人体構造や、疾病に関する項目など覚えることが多く暗記するにはある程度時間がかかるでしょう。

2 心理学理論と心理的支援(7問)

「心理学理論と心理的支援」は、近年問題になっているストレス症状(うつ症状など)に関わる際に必要になる科目です。

相談場面ではクライエント(相談者)の心理をできる限り正確に把握し、適切な支援に繋げる必要があります。

「動機づけ」「認知」など人の心理学理解や心理的支援の方法などの知識が問われます。

重要さや難易度

理学の基本的理解から実戦での心理的支援方法まで出題範囲が広いのが特徴です。

「心理学用語」の暗記、人間の行動から読み解く問題などもあり、単語だけでなくその意味も理解する必要があります。

範囲が広いこともあり難易度は高めです。

3  社会理論と社会システム(7問)

「社会理論と社会システム」は、福祉の変化してきた過程を知ることで相談時に適した福祉サービスが何か探すときに関わる科目です。

現代までの社会論に関する歴史の発展から現代の社会構造についての知識が問われます。

重要さや難易度

社会や生活、社会問題など大きいテーマが出題範囲となるため、覚える範囲は非常に広いです。

また、統計に関する出題もあり、取り組みが難しい科目でもあります。

4 現代社会と福祉(10問)

「現代社会と福祉」は、福祉サービスは時代と共に変化しています。最新の福祉サービスを知ることは生活をより豊かにする上で必要な科目となります。

社会福祉の歴史から現代の社会福祉制度を中心に出題されます。

また、日本だけでなく諸外国の福祉制度を問う問題も出題され出題範囲は広いです。

重要さや難易度

10問出題されるため、高得点を狙いたい科目です。

範囲が広い分、基礎学習を重ねることが重要になってきます。

日々福祉に関する新聞報道や政府の白書類などにも目を通す習慣をつけるようにすると得点力に繋がりやすくなります。

範囲が広く難易度は高いといえます。

5 地域福祉の理論と方法(10問)

「地域福祉の理論と方法」は、現在の福祉は地域で協働し、創り上げていく制度に進んでいます。お住まいの地域の機能やサービスを知るうえで必要となる科目です。

地域福祉には個別支援といわれる、地域住民のニーズ把握やサービス調整、地域支援といわれる住民を主体とした地域組織化活動の両方の知識が求められます。

また、地域福祉における課題、災害時の支援などの出題もあり、対策していく必要があります。

重要さや難易度

こちらも10問出題される科目です。

現代の地域福祉の抱えている問題は何か、どのような歴史を歩み地域福祉の基本的な考え方はでききたかなど広範囲に渡ります。

10点科目ということもあり、地道な暗記で得点を重ねることが重要な科目です。

6 福祉行財政と福祉計画(7問)

「福祉行財政と福祉計画」は、利用するサービスのお金の流れを知ることで、税金から補助が受けれるもの、実費が必要なものを知る時など金銭面で必要となる科目です。

福祉における財政を問う科目で「行政」「計画」との関連性を知る上でも必要な科目です。

重要さや難易度

「行政」「財政」「計画」の3つのポイントを押さえつつ対策に取り組む必要があります。

社会福祉の様々なサービスの資源や財源などの知識が求められます。

他の科目と横断的に関係しており、他の科目と関連して学ぶことで効率的に学ぶことができ、こちらも重要な科目になります。

7 社会保障(7問)

「社会保障」は、社会不保障の基本的な枠組みとなる「年金」「医療」「介護」「労災」「雇用」についての知識が問われます。

社会保障は複数の制度が関わる部分があり、上の5つの保障を活用する際や関連性を知りたい時に必要となる科目です。

重要さや難易度

上記の5の概要の知識に合わせて、事例問題も出題されます。

中には具体的な保険給付の取り扱いや金額なども問われるため、注意が必要です。

過去問でどのような問題が出題されているか確認しましょう。

8  障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問)

「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」は、障害をお持ちの方、ご家族に障害をお持ちの方に関わりのある科目になります。

障害者総合支援法を基本に障害に関する出題があり、障害全般の知識が必要になります。

重要さや難易度

他に比べ、的を絞って学習することができる科目です。

各障害者法の対象者、障がい者手帳については頻出なので基本的な事項を中心に確実に知識を深めていきましょう。

的が絞りやすい分、比較的得点を稼ぎやすい科目です。

事例問題も出題されるので知識の応用が必要となる問題もあります。

9 低所得者に対する支援と生活保護制度(7問)

「低所得者に対する支援と生活保護制度」は、低所得者に関する科目となり、生活保護制度や低所得者向けのサービスを活用する時に関係してくる科目になります。

生活保護法を概要を基本とした知識を要します。

重要さや難易度

出題範囲はある程度限定的で比較的得点を重ねやすい科目です。

生活保護法の概要から、自立に向けた取り組みの理解などがポイントになります。

難易度が他と比べて低い分、出来るだけ多くの正解を狙いましょう。

10 保健医療サービス(7問)

「保健医療サービス」は、様々な医療サービスを活用する時に関係し、病院などの医療サービスを受ける際に必要とする知識です。

重要さや難易度

こちらも出題範囲は限定的で、過去問を確認することで出題傾向を掴みやすい科目です。

保険医療に関する最新のデータを問われる出題もあるので最新情報を知っておくと有利です。

事例問題も出題されるので言葉の暗記だけでなくどの場面で該当するのかの知識も必要です。

11 権利擁護と成年後見制度(7問)

「権利擁護と成年後見制度」は、人権や財産などの様々な権利が関わる相談、近年注目されている成年後見制度を利用する際に必要となる科目です。

高齢者や障害者などの生活上重要な権利に関わる全般の知識が問われます。

重要さや難易度

「憲法」「民法」「行政法」の基本的な知識、そして成年後見制度などの知識が求められます。

事例問題も出題されるため、実際の援助場面における法律の解釈を具体的に知っておく必要があります。

19の試験科目 専門科目

12 社会調査の基礎(7問)

「社会調査の基礎」は、福祉においても調査は重要で様々な調査結果が今日の福祉に活かされています。

分野関係なく様々な福祉サービスを活用する際に関わる科目になります。

重要さや難易度

調査、統計に関する耳慣れない言葉が出てきます。

しかし、基本項目を丁寧に学習することで比較的得点を狙いやすい科目です。

量的・質量調査の方法や分析方法関する出題が頻出するので過去問を中心に知識を深めていきましょう。

13 相談援助の基盤と専門職(7問)

「相談援助の基盤と専門職」は、社会福祉士を規定する基本となる法律や、ソーシャルワークの定義、倫理などが問われる科目です。

相談する場合、直接関係はありませんが、社会福祉士の基礎のなる知識なので様々な分野で援助する際に必要となる科目です。

重要さや難易度

比較的馴染みやすい問題が多く得点を獲得しやすい科目です。

他と比べると難易度はやや低めです。倫理的ジレンマなどの出題もあります。

事例問題も出題されているので言葉の暗記だけでなく、意味まで理解しましょう。

14 相談援助の理論と方法(21問)

「相談援助の理論と方法」は、相談援助は社会福祉士の最重要な知識となります。

出題数も21問と最も多いことから重要な科目であることが分かります。

相談者にとって、様々な相談場面で悩み、不安を把握、支援していく上で活かされます。

重要さや難易度

出題数が21問と最も多く、確実に得点につなげたい科目です。

範囲は広く援助の展開、援助関係、援助技術などが出題されますが、馴染みやすい出題が多く、事例問題も多いのが特徴です。

実際の場面をイメージしながら適切な解答を重ねていくとことで高得点が狙えるでしょう。

15 福祉サービスの組織と経営(7問)

「福祉サービスの組織と経営」は、社会福祉法人やNPOなど福祉組織に関する知識が問われる科目です。

高齢・障害・児童などの福祉サービスで広く展開しており、利用されている方も多いのではないでしょうか。

様々な福祉サービスを利用する際に必要になる科目です。

重要さや難易度

社会福祉法人に関する制度、組織、運営に関する問題が出題されます。

また、労働環境の整備に関する出題もあり、初めは取り組みにくいかもしれません。

過去問を繰り返し解くことで傾向を掴み、理解に繋がっていきます。

16 高齢者に対する支援と介護保険制度(10問)

「高齢者に対する支援と介護保険制度」は、高齢者に関する介護保険制度などの知識が問われる科目です。

超高齢化社会の日本において高齢者に対する制度の仕組みや保険に関する知識は必要になってくる場面が多くなっています。

自身が高齢者は場合はもちろん、身近に高齢者の方がいる場合も関りが生まれる科目になります。

重要さや難易度

10問出題があり、設問の多くが介護保険制度に関することです。

その為、介護保険制度の知識を深めていくことがポイントになります。

高齢者の生活実態や老人福祉法を含む歴史に関する出題もあります。

現代までの一連の流れを理解していきましょう。

17 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(7問)

「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」は、児童全般に関わる科目です。

近年問題になっている虐待や、児童の権利などの出題があります。

家族に子供がいる方はもちろん、児童に関わる仕事をしている方にも関係してくる科目です。

重要さや難易度

児童は関係法令が多く対策が難しい科目です。

児童の定義から児童福祉法など児童全般に関わる知識が求められます。

時事的な問題として児童虐待などの出題もあることから最新の児童関係の流れを理解しておくことも大切です。

18 就労支援サービス(4問)
19 更生保護制度(4問)

「就労支援サービス」は、主に障害者や低所得者就労に関わる科目です。

「更生保護制度」は、保護観察などが必要とされる方が必要となる科目となります。

それぞれ各4問ずつ、合計8問出題されます。

合格基準では 「就労支援サービス」と「更生保護制度」の2科目を合わせて1科目群とされます。

重要さや難易度・重要さや難易度

共に4点科目のため、0点なりやすく不合格になってしまう危険があるため、注意が必要です。

就労支援サービスは障害者・低所得者に対する就労支援が中心に出題されます。

更生保護制度は保護観察、社会復帰調整官についての出題があります。

範囲自体はそれほど多くありません。

過去問を繰り返し傾向を掴みましょう。

条件によって免除される科目

社会福祉士の試験の共通科目は、福祉国家資格の1つである「精神保健福祉士」と共通の試験内容です。

既に精神保健福祉士をお持ちの方は共通科目は免除されます。

専門科目は社会福祉士の専門試験なので全員が受ける必要がある科目です。

共通科目となっている1~11科目は「精神保健福祉士」の資格を既にお持ちの方は免除されます。

従って12項目以降の専門科目のみの受験で合格点以上であれば社会福祉士の資格を取得することができます。

関連コラム:社会福祉士と精神保健福祉士の違いは何?ダブルライセンスについても解説

令和5年度合格率81.25% 全国平均の1.40倍

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この記事の監修者 遠藤 愛 講師

遠藤 愛 講師

全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。

現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。

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