公務員保育士とは、市区町村などが運営する公立保育園などで働く、地方公務員の身分を持つ保育士のことです。

公立保育所の常勤保育士の平均給与月額は、賞与込みで365,542円です。換算すると、年収は約439万円になります。

公務員保育士になるには、自治体の職員採用試験に合格し、採用される必要があります。

この記事では、公務員保育士の年収や給料、私立保育士との違い、メリット・デメリット、なるための方法などを解説します。

※出典:「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>」こども家庭庁

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目次

公務員保育士とは?公立保育園などで働く地方公務員

公務員保育士とは?公立保育園などで働く地方公務員

公務員保育士とは、市区町村などが運営する公立保育園や児童福祉施設で働き、地方公務員の身分を持つ保育士を指します。

「保育士」は国家資格の名称で、公務員かどうかは勤務先と雇われ方次第です。

なお、地方公務員法では地方公務員の職を一般職と特別職に分けており、公務員保育士は一般職の地方公務員にあたります。

※出典:「地方公務員法」e-Gov法令検索

公立保育園で働いていても公務員じゃない保育士がいる

公立保育園で正規職員として働く保育士は、地方公務員にあたります。

ただし、公立保育園で働く保育士がすべて公務員とは限りません。

公立保育園で働いていても公務員でない保育士は、運営を民間に任せている公設民営の園の保育士と、派遣会社を通じて働く保育士です。

公立保育園で働く保育士の雇用形態は、主に次の3つに分かれます。

  • 正規職員:常勤の地方公務員として働く
  • 会計年度任用職員:1会計年度ごとに任用される非常勤の地方公務員で、フルタイムとパートタイムがある
  • 公設民営の園・派遣の保育士:勤務先は公立でも、身分は民間の職員になる

会計年度任用職員は地方公務員ですが、任期付きのため、正規職員とは身分の安定性が違います。

公務員保育士として安定した身分で長く働きたい場合は、正規職員の採用試験を受けることになるでしょう。

※出典:「地方公務員法」e-Gov法令検索

公務員保育士と私立保育士の違い

公務員保育士と私立保育士の違いは、運営主体・給料の決まり方・異動の有無・採用方法の4点が中心です。

加えて、保育方針の決まり方にも違いがあり、主な違いは次のとおりです。

項目公務員保育士私立保育士
運営主体市区町村などの自治体社会福祉法人・株式会社など
保育方針自治体の方針に沿う運営法人ごとの方針に沿う
異動自治体内の公立保育園や施設の間で定期的にある同じ法人の系列園の間に限られる
給料の決まり方自治体の条例で定める給料表運営法人ごとの給与規定
採用方法自治体の職員採用試験(一次選考・二次選考)に合格して採用各園・法人の面接などで採用

採用方法の詳細は、「公務員保育士になるには?採用までの3ステップ」で紹介します。

保育方針の違い

公務員保育士と私立保育士では、保育方針を決める主体が異なります。

公務員保育士は自治体の方針に沿って運営される公立保育園で働くため、自治体内の園で保育の進め方がそろいやすくなります。

一方、私立保育士が従うのは運営法人ごとの理念や方針です。

私立保育園の中には、モンテッソーリ教育などの特色ある保育に取り組む園も見られます。

そのため、どの園でも一定の保育を届けたい人と、特色ある保育を深めたい人とでは、合う職場が変わってくるでしょう。

異動の有無の違い

公務員保育士は自治体内の公立保育園などへ異動することがあり、私立保育士は同じ園で長く働きやすい傾向があります。

公務員保育士には自治体内の公立保育園の間で定期的な異動があり、保育園以外の施設へ配属される場合もあります。

異動のたびに職場が変わるため、さまざまな園の子どもや職員と関わる経験を積めるでしょう。

一方、私立保育士の異動は同じ法人の系列園の間に限られ、同じ園で長く働きやすいのが特徴です。

給料の決まり方の違い

公務員保育士の給料は自治体の給料表に基づいて決まり、私立保育士の給料は運営法人ごとの給与規定によって決まります。

公務員保育士の給料は、自治体の条例で定める給料表に沿って、経験年数とともに上がっていきます。

一方、私立保育士の給料は運営法人ごとの給与規定で決まるため、同じ経験年数でも法人によって差が出ることもめずらしくありません。

公務員保育士の年収・給料はいくら?

公務員保育士の年収・給料の目安は、公立保育所の常勤保育士の平均給与月額(賞与込み)で365,542円、年換算で約439万円です。

私立保育所の常勤保育士(348,119円・年換算約418万円)を上回る水準といえます。

※出典:「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>」こども家庭庁

公務員保育士の年収と給料の平均

こども家庭庁の調査によると、公立保育所で働く常勤の保育士の平均給与月額(賞与込み)は365,542円で、公務員保育士の年収の目安となる年換算額は約439万円でした。

職種別の平均勤続年数と給与は、次のとおりです。

職種平均勤続年数平均給与月額(賞与込み)年換算額(月額×12)
公立・保育士10.6年365,542円約439万円
公立・主任保育士23.9年564,357円約677万円
公立・施設長30.1年643,192円約772万円
私立・保育士11.2年348,119円約418万円

※金額は令和6年3月分の月額給与に、令和5年度分の賞与の1/12を含めた額です。

公立の保育士は私立の保育士より月額で約1.7万円高く、平均勤続年数は私立より短いものの給与は上回っています。

また、主任保育士や施設長になると月額が50万円を超えるため、役職に就くと年収が大きく伸びることがわかります。

※出典:「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>」こども家庭庁

公務員保育士の給料の手取りと初任給

公務員保育士の初任給は、世田谷区の福祉(保育士・児童指導)2類の例で約255,600円で、手取りはこの額面から所得税・住民税・共済組合の掛金などを差し引いた額になります。

※令和8年4月1日現在の給料月額に、地域手当を加えた金額。

また、職務経験などがある人は、一定の基準により初任給が加算される場合があります。

共済組合の掛金は、民間企業でいう健康保険料や厚生年金保険料にあたります。

新卒で採用された1年目は、前年に一定以上の所得がなければ、住民税は差し引かれません。

ただし、2年目からは前年の所得に応じた住民税が引かれ始めるため、手取りが1年目より少なく感じる場合もあるでしょう。

さらに、給料とは別に住居手当・扶養手当・通勤手当も支給されます。

※出典:「令和8年度 世田谷区職員2類『福祉』(保育士・児童指導)の募集」世田谷区

公務員保育士のボーナス

公務員保育士のボーナスは期末手当と勤勉手当として支給され、世田谷区の年収モデルでは25歳・係員で年間約138万円です。

支給月数は、国家公務員を対象とする人事院勧告を参考に、各自治体の人事委員会勧告と条例で決まる仕組みです。

令和7年の人事院勧告では、ボーナスの年間支給月数が4.60月分から4.65月分へ引き上げられました。

なお、勤勉手当は人事評価の結果を反映して支給額が決まり、練馬区の一般行政職では評価が上位の職員ほど高い成績率が適用されます。

※出典:「令和7年 人事院勧告・報告の概要」人事院

※出典:「令和8年度 世田谷区職員2類『福祉』(保育士・児童指導)の募集」世田谷区

※出典:「令和7年度 人事行政の運営等の状況」練馬区

【年代別】公務員保育士の年収

公務員保育士の年収は給料表に沿って年齢・経験年数とともに上がり、主任・副園長・園長などの役職に就くと大きく上がります。

ここでは、世田谷区が保育士・児童指導の募集で公表している年収モデル(行政職給料表(一)適用者)をもとに年代別に紹介します。

年収は、例月給与の12か月分に期末・勤勉手当を加えた金額。

なお、世田谷区は地域手当の支給割合が高い東京23区の自治体のため、地域手当の低い自治体では、同じ年齢・役職でもこのモデルより年収が低くなる場合があります。

自治体による違いは、「地方公務員保育士の年収は自治体によって変わる」で確認してください。

※出典:「令和8年度 世田谷区職員2類『福祉』(保育士・児童指導)の募集」世田谷区

公務員保育士の年収【20代】

20代の公務員保育士の年収は、世田谷区のモデルでは25歳・係員で約477万円です。

内訳は、例月給与の12か月分が約338万円で、残りが期末・勤勉手当になります。

20代は初任給から毎年の昇給を重ね、月給が少しずつ上がっていく時期にあたります。

ただし、同じ20代でも、前職の職務経験が初任給に加算された人は、加算のない人より月給が高くなるでしょう。

公務員保育士の年収【30代】

30代の公務員保育士の年収は、世田谷区のモデルでは30歳・主任で約554万円です。

例月給与の12か月分が約388万円、期末・勤勉手当が約166万円という内訳でした。

30歳の給料(月額)の目安は、例月給与の12か月分の約388万円を12で割った約32万円です。

30代は主任に昇任し、年収が一段上がる時期といえます。

公務員保育士の年収【40代】

40代の公務員保育士の年収は、世田谷区のモデルでは45歳・副園長で約800万円です。

例月給与の12か月分が約555万円、期末・勤勉手当が約245万円となっています。

40代は、副園長などの管理職に就くかどうかで年収の差が開きやすくなります。

主任のまま働き続ける場合は、モデルより年収が低くなることも考えておきましょう。

公務員保育士の年収【50代】

50代の公務員保育士の年収は、世田谷区のモデルでは50歳・園長で約886万円です。

例月給与の12か月分は約612万円、期末・勤勉手当は約275万円にのぼります。

園長などの役職に就くことで、50代は年収が大きく上がる年代になります。

地方公務員保育士の年収は自治体によって変わる

地方公務員保育士の年収は、勤める自治体の給料表と地域手当で決まるため、同じ経験年数でも自治体によって差が出ます。

給料表は各自治体が条例で定めており、国や他の自治体の職員、民間企業の従業員の給与などを考慮して決められます。

また、地域手当は主に民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給されるため、都市部の自治体ほど給与が高くなりやすい傾向があります。

前述した世田谷区・大田区の初任給や年収モデルも、地域手当を含んだ金額です。

そのため、全国平均より年収が高い自治体もあれば、低い自治体もあります。

志望先の給与水準は、職員募集案内に記載された初任給や年収モデルのほか、各自治体が毎年公表する「人事行政の運営等の状況」などの資料でも確認できます。

練馬区のように、保育士などの職種別に平均給料月額を公表している自治体もあります。

複数の自治体を比較すると、勤務地による収入の違いを把握しやすくなるでしょう。

※出典:「地方公務員法」e-Gov法令検索

※出典:「国家公務員の給与制度の概要」人事院

公務員保育士の仕事内容と配属先

公務員保育士の中心業務は、公立保育園での乳幼児の保育です。

自治体によっては、児童館・児童相談所の一時保護施設・区役所などへ配属される場合もあります。

どの配属先でも子どもの育ちと家庭を支える点は共通しています。

公務員保育士の仕事内容

公務員保育士が公立保育園で担う仕事は、主に次の3つです。

  • 乳幼児の保育
  • 延長保育
  • 地域の子育て支援

まず乳幼児の保育では、保護者が仕事や病気などで保育できない乳幼児を預かり、生活と遊びを支えます。

延長保育は通常の利用時間を超えて子どもを預かる取り組みで、子ども・子育て支援法に基づいて市町村が行う事業の一つです。

さらに地域の子育て支援として、公務員保育士は地域の住民に保育の情報を提供し、子育ての相談にも応じています。

※出典:「児童福祉法」e-Gov法令検索

※出典:「子ども・子育て支援法」e-Gov法令検索

公務員保育士の配属先!保育園以外にも配属される?

公務員保育士は保育園だけでなく、児童館や児童相談所の一時保護施設など、子どもに関わるさまざまな施設へ配属される場合があります。

児童福祉法では、保育所のほかに児童厚生施設(児童館など)・児童養護施設・児童家庭支援センターなどを児童福祉施設と定めています。

保育園以外の主な配属先と仕事は、次のとおりです。

  • 児童館:子どもに健全な遊びを提供し、健康の増進や情操を豊かにすることを支える
  • 児童相談所の一時保護施設:一時的に保護された子どもの生活を支える
  • 役所の子育て・福祉の部署:子育てや福祉に関する相談に対応する

どの施設に配属されるかは自治体の組織や人事によって異なるため、志望先の募集案内で勤務先の例を確認しておきましょう。

なお、一時保護施設は子どもが生活する施設のため、夜勤を含む交替制勤務になる場合がある点に注意が必要です。

保育園以外への配属は、保育士資格を生かしながら子育て支援の経験の幅を広げる機会になるはずです。

※出典:「児童福祉法」e-Gov法令検索

公務員保育士のメリット・デメリット

公務員保育士のメリットは給料・福利厚生の安定とキャリアの幅、デメリットは異動・採用試験・副業の制限です。

それぞれの中身を順に確認していきましょう。

公務員保育士のメリット

公務員保育士のメリットは、次の3つです。

  1. 給料が経験年数とともに上がり、ボーナスも支給される
  2. 共済組合・退職手当・休暇制度などの福利厚生が整っている
  3. 保育園以外の施設も経験できる

まず1つ目は、給料表に沿って経験年数とともに昇給し、ボーナス(期末手当・勤勉手当)も支給される点です。

将来の収入の見通しを立てやすく、金額の目安は「公務員保育士の年収・給料はいくら?」で確認してください。

2つ目に、福利厚生が整っている点が挙げられます。

具体的には、公務員保育士は共済組合に加入し、「公務員保育士の給料の手取りと初任給」で紹介した掛金を納めることで、健康保険や年金にあたる給付を受けられます。

退職時には条例に基づく退職手当が支給されます。

各自治体の条例で休暇制度が定められている点もポイント。

3つ目は、保育園以外の施設も経験でき、子育て支援のキャリアの幅が広がる点です。

児童館や児童相談所の一時保護施設などで働いた経験は、保育園での保護者支援にも生かせるでしょう。

公務員保育士のデメリット

公務員保育士のデメリットは、次の3つです。

  1. 定期的な異動で職場が変わる
  2. 正規職員は採用試験に合格する必要がある
  3. 副業が制限される

1つ目は、定期的な異動で職場や人間関係が変わる点です。

慣れた園を離れると、子どもや保護者との関係を一から築き直すことになります。

2つ目に、正規職員として働くには採用試験に合格しなければなりません。

しかも、受験できる時期は自治体の募集時期に限られるため、計画的な準備が求められます。

3つ目は、副業がしにくい点です。

正規職員の場合、地方公務員法第38条により、任命権者の許可を受けずに営利企業の役員を兼ねたり、自ら営利企業を営んだり、報酬を得て事業や事務に従事したりすることは制限されています。

そのため、休日に別の仕事で収入を得たい人は、許可が必要になる点に注意してください。

公務員保育士に向いている人の特徴

公務員保育士に向いているのは、異動で新しい環境を経験したい人・安定した給料で長く働きたい人・保育園以外の子育て支援にも関わりたい人です。

3つとも、異動・給与制度・配属先という公務員保育士ならではの働き方と深く関わる特徴です。

自分の希望と照らし合わせながら確認してみてください。

異動で新しい環境を経験したい人

公務員保育士は定期的に異動があるため、さまざまな園で子どもや職員と関わる経験を積めます。

異動のたびに、園ごとの保育の進め方や職場の雰囲気に触れられることも魅力です。

さらに、複数の園で働いた経験は子どもや保護者への関わり方の引き出しを増やすことにもつながります。

変化を成長の機会として前向きに捉えられる人なら、公務員保育士の働き方が合うでしょう。

安定した給料で長く働きたい人

公務員保育士は給料表に沿って経験年数とともに昇給し、ボーナスや退職手当も条例に基づいて支給されます。

そのため、将来の収入の見通しが立てやすく、結婚・子育てなどのライフプランも考えやすいはずです。

保育園以外の子育て支援にも関わりたい人

公務員保育士は、児童館・児童相談所の一時保護施設・区役所などへ配属される場合があります。

保育園の外でも子どもや家庭を支える仕事に関われる点は、大きな魅力です。

例えば児童館では遊びの指導や子育て支援、区役所では福祉に関する指導・相談業務に携わります。

公務員保育士に向いていない人の特徴

公務員保育士に向いていないのは、同じ園で長く働き続けたい人・独自の保育方針で働きたい人・保育園での保育だけに専念したい人です。

「公務員保育士は自分に向いてないかもしれない」と感じた場合は、私立保育園も含めて職場を検討してみましょう。

同じ園で長く働き続けたい人

公務員保育士には定期的な異動があるので、同じ園で子どもや保護者と長く関わりたい人には負担になりやすい面があります。

子どもの成長を同じ場所で見守りたい気持ちが強いほど、異動のたびに寂しさを感じるかもしれません。

異動先の園でも新しい出会いはありますが、職場に慣れるまでには時間がかかるものです。

そのため、同じ園で長く働きたい場合は、私立保育園のほうが希望をかなえやすいでしょう。

独自の保育方針で働きたい人

公務員保育士が働く公立保育園は自治体の方針に沿って運営されるため、モンテッソーリ教育などの特色ある保育を実践したい人には合いにくいといえます。

園で新しい取り組みを始めるにも、自治体の方針との調整が欠かせません。

行事や日々の保育の工夫で園らしさを出すことはできても、保育方針そのものを大きく変えるのは簡単ではありません。

したがって、特色ある保育に取り組みたいなら、方針が合う私立保育園を選ぶほうが希望をかなえやすいはずです。

保育園での保育だけに専念したい人

公務員保育士は児童館・児童相談所の一時保護施設・区役所などへ配属される場合があり、保育園での保育だけを続けたい人には合いにくい仕事です。

例えば区役所では福祉に関する指導・相談業務を担うこともあり、保育とは違う業務に向き合う場面も出てきます。

公務員保育士になるには?採用までの3ステップ

公務員保育士になるには、①保育士資格を取得して受験資格を満たす、②自治体の募集を確認して採用試験を受ける、③最終合格後に採用される、の3ステップで進みます。

最終合格後は、原則4月1日に採用される流れです。

また、正規職員の採用試験とは別に会計年度任用職員として公立保育園で働く方法もあります。

任期は原則1会計年度ごとのため、まずは公立保育園の働き方を知りたい人の選択肢になるでしょう。

①保育士資格を取得して受験資格を満たす

公務員保育士として働くには、保育士資格を取得し、都道府県知事の登録を受けている必要があります。

保育士資格を持つ人が保育士として働くための都道府県の保育士登録簿への登録は、児童福祉法で定められた手続きです。

自治体の保育士の採用区分では、採用日までに資格を取得・登録する見込みの人や、児童指導員の資格を持つ人でも受験できる場合があります。

また、受験できる年齢に要件を設けている自治体もあるため、志望先の募集案内で確認しておきましょう。

保育士資格は主に指定保育士養成施設を卒業するか、保育士試験に合格すると取得できます。

※出典:「児童福祉法」e-Gov法令検索

②自治体の募集を確認して採用試験を受ける

公務員保育士を目指すなら、志望する自治体の職員募集ページで募集時期と採用予定数を確認し、期間内に申し込みます。

申し込んだ後の大まかな流れは、次のとおりです。

  1. 一次選考を受ける
  2. 一次選考の合格者が二次選考を受ける
  3. 二次選考に合格し、最終合格となる

なお、試験科目や選考方法は自治体ごとに異なるため、募集案内で内容を確かめておきましょう。

東京23区の場合は、特別区人事・厚生事務組合のページで、福祉(保育士、児童指導等)区分の各区の募集状況をまとめて確認できます。

※出典:「福祉(保育士、児童指導等)(II類)」特別区人事・厚生事務組合

③最終合格後、原則4月1日に採用される

公務員保育士は最終合格して採用内定を得たあと、原則として翌年度の4月1日以降に採用されます(特別区の採用試験の例)。

ただし、採用されるまでに保育士資格の取得・登録を済ませておかなければなりません。

資格の取得見込みで受験した人が採用日までに取得・登録できない場合は、採用されないため注意が必要です。

※出典:「採用試験の概要」特別区人事・厚生事務組合

公務員保育士はなくなる?民営化の動きと今後

公立保育園の民営化は進んでいるものの、公務員保育士の採用は各自治体で続いており、仕事がなくなるわけではありません。

民営化の背景と、採用の現状を見ていきます。

公立保育園の民営化が進む理由

財政負担の軽減や保育の受け皿拡大などを理由に、公立保育園の運営を社会福祉法人などへ移す自治体があるとされています。

民営化された園は運営主体が民間になるため、その園で働く保育士の身分も民間の職員です。

その園で働いていた公務員保育士は、自治体内のほかの公立保育園や施設へ異動するケースが多いとされます。

そのため、民営化によって公務員保育士がすぐに職を失うわけではありません。

公務員保育士の採用は今も続いている

公務員保育士の採用は今も各自治体で行われており、東京23区では各区の福祉(保育士、児童指導等)区分の採用選考の予定が、特別区人事・厚生事務組合のページにまとめて掲載されています。

公立保育園は自治体の子育て支援の拠点として、児童館や子ども家庭支援センターなどと連携する役割も担っています。

地域の子育てを支える存在として、公務員保育士は今後も必要とされるでしょう。

採用予定数は自治体や年度によって異なるため、志望する自治体の募集案内でその年度の予定数を確認しておくと安心です。

※出典:「福祉(保育士、児童指導等)(II類)」特別区人事・厚生事務組合

まとめ

公務員保育士は、公立保育園などで働く地方公務員です。

私立保育士との違いは、運営主体・保育方針・異動・給料の決まり方・採用方法の5点でした。

公立保育所の常勤保育士の平均給与月額(賞与込み)は365,542円で、年換算すると約439万円です。

主任・副園長・園長などの役職に就くと、年収は大きく上がります。

一方で、定期的な異動・副業の制限など、私立とは違う働き方になる点も押さえておきたいところです。

公務員保育士を目指すなら、保育士資格を取得したうえで、志望する自治体の募集時期を押さえて採用試験に臨みましょう。

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