本記事では、長野県庁の仕事内容や求められる人材、採用試験の概要などを解説しています。

「長野県庁で働きたいが、採用情報や試験内容がわからない」などと考えてはいませんか。

長野県庁で働くには公務員試験に合格する必要がありますが、難易度は決して低くありません。そのため、試験概要や仕事の内容を適切に理解して、効果的な対策を行うことが重要です。

本記事を参考にして、公務員試験の準備を進めてはいかがですか。

長野県庁の仕事内容・給与・福利厚生・求められる人材

公務員試験の面接試験では、自治体や仕事内容の理解も問われます。そのため、まずは長野県庁の仕事内容や求められる人材を適切に理解しましょう。

また、給与や福利厚生などの職場環境を理解しておけば、入庁後の後悔も防げるでしょう。

ここでは、長野県庁の仕事内容や給与、福利厚生、求められる人材などを解説します。

長野県庁の仕事内容

長野県庁では市町村や国との連絡調整や、市町村の域を超えた業務など、幅広い仕事を行います。

しかし、個々の職員が行う業務は採用された職種によって異なります。長野県庁で採用されている職種は、大きく「行政職」と「専門職」です。

行政職

長野県庁の行政職では、各種政策の企画・立案や県税の賦課徴収、国や市町村との連絡調整などの幅広い業務を行います。県庁各課をはじめとした、ほぼすべての県の機関に配属されます。

行政職では数年に一度の異動がある点が特徴です。移動先の候補はほぼすべての部署であるため、多様なスキルや価値観を習得できます。

最も募集が多い職種であり、幅広い受験生に人気の区分といえるでしょう。

専門職

長野県庁の専門職とは、特定の分野の仕事を専門的に行う業種です。専門的な知識を活かせる仕事であり、理系の方にも人気があります。

行政職と同様に数年に一度の感覚で異動がありますが、範囲は限定的です。

また、一言で専門職といっても以下のようにさまざまな職種が募集されています。

• 心理
• 電気・機械
• 化学
• 農業
• 水産
• 総合土木
• 建築
• 林業
• 社会福祉
• 薬剤師
• 保健師
• 管理栄養士
• 獣医師

この中で「社会福祉」「薬剤師」「保健師」「管理栄養士」「獣医師」は従事するために特定の資格が必要な「資格免許職」です。

一方で、そのほかの職種は、特定の資格を要さない「技術職」と呼ばれることが一般的です。

長野県庁の給料・年収

長野県が発表している「長野県の給与・定員管理等について」によれば、長野県庁の平均給与月額は「398,943円」です。

平均給料月額の「332,500円」に扶養手当や住居手当などの諸手当を加算した額が平均給与月額となっています。

ここから想定される年収は「620万円～660万円」程度です。

また、大卒程度の行政職で採用された際の初任給は「約195,800円」です。ここに扶養手当や住居手当などの諸手当を加算した額が最終的な給与となります。

初任給	大学卒：約195,800円 高校卒：約160,700円
平均給料月額	332,500円
平均給与月額	398,943円
想定年収	約620万円～660万円（弊社で算出）

ただし、公務員の給与は勤続年数や手当の受給状況によっても大きく異なります。

また、上記の想定年収は弊社が独自に算出した値であるため、参考として考えてください。

※「平均給料月額」とは、各職種ごとの職員の基本給の平均
※「平均給与月額」とは、給料月額と毎月支払われる扶養手当、地域手当、住居手当、時間外勤務手当等の全ての諸手当の合計
※平均年収は「平均給与月額×12ヶ月+平均給与月額×4.5ヶ月（ボーナス）」で算出
※出典：長野県職員の給与等の状況／長野県

長野県庁の福利厚生

長野県庁での勤務は、福利厚生が充実している点も魅力です。

給与面では、毎年給料月額の約4.5か月分程度の期末・勤勉手当が支給されます。6月と12月に約半分ずつ支給される仕組みです。

また、年次休暇のほかにも特別休暇・療養休暇などの提供や、テレワーク、時差出勤の実施も行われています。

ほかにも、公務員寮の提供や健康管理、共済・互助制度、レクリエーションなどの福利厚生制度も魅力です。

新規採用職員研修やキャリア形成研修などの各種研修も充実しているため、ワーク・ライフ・バランスを達成しながら成長できる環境であるといえるでしょう。

長野県庁で求められる人材

長野県庁では、以下の7つの人物像を求める人材としています。

• 県民生活の向上や地域の発展に喜びを感じられる熱意のある人材
• 向上心を持って高いレベルを追求できる人材
• 周りの人と協力し合える人材
• 責任感を持って主体的に行動できる人材
• 粘り強く取り組む実行力のある人材
• 困難にも果敢に挑戦できる人材
• 前例に固執せず柔軟な発想ができる人材

これらの人材は面接試験でも重要視される可能性が高いです。普段から意識した生活や対策を行いましょう。

長野県庁の職員になるには

長野県庁の職員になるには、長野県が行う公務員試験に合格する必要があります。

試験の内容は主に筆記試験が行われる一次試験と、主に面接試験が行われる二次試験で構成されます。

試験内容の詳細は採用区分によっても異なりますが、いずれにせよスケジュールと試験内容を理解して効果的な対策を行いましょう。

また、試験対策を始める前に公務員試験のイメージをもつことが大切です。しかし、公務員試験の雰囲気や流れがわからない方も多いでしょう。

以下の記事では、アガルートで公務員試験に合格した方の体験談がまとめられています。勉強の方針や試験期間中の過ごし方なども紹介されているため、公務員試験のイメージ作りに活用してください。

※関連コラム：【地方公務員】県庁職員になるには？仕事内容・年収・試験情報・難易度は？

長野県庁の職員になるには？試験概要を解説

一言で公務員試験といっても、受験区分や職種によって日程・試験内容が異なります。

効率的な対策を行うためにも試験内容を理解し、試験日から逆算した計画を立てましょう。

長野県庁の試験日程

長野県庁の採用試験は受験区分によってスケジュールが異なります。

以下では令和4年の長野県庁における代表的な試験の日程を表にまとめています。ただし、技術職については日程が異なる場合もある点に留意してください。

また、令和5年以降も似たスケジュールで試験が実施されると予想できますが、詳細はホームページの確認をしましょう。

スケジュール	大卒程度（一般方式）	大卒程度（SPI方式）	高校卒・短大卒	中途/社会人
受付期間	5月2日～5月23日	4月1日～4月13日	7月15日～8月26日	7月15日～8月8日
一次試験	6月19日	4月1日～4月13日	9月25日	【自己セールス考査】 8月31日～9月16日 【SPI3】 9月7日～7月16日
一次試験 合格発表	6月30日	4月27日	10月7日	10月上旬
二次試験	【1回目】 7月中旬～下旬 【2回目】 7月下旬～8月上旬	【論文試験】 5月9日 【口述試験1回目】 5月11日～5月16日 【口述試験2回目】 5月23日～5月26日	【1回目】 10月16日 【2回目】 10月下旬～11月上旬	【1回目】 10月16日 【2回目】 11月6日または11月13日
最終合格発表	8月中旬	6月上旬	11月中旬	12月上旬

長野県庁の試験概要（大卒）

長野県庁の大卒程度試験は複数の採用区分を提供している点が特徴です。自分に合った採用区分を選択しましょう。

以下では、長野県庁の大卒程度試験の試験概要を解説します。

長野県庁 大卒の採用区分・受験資格

長野県庁の大卒程度試験では行政職や専門職など、幅広い職種が募集されています。

【長野県庁 大卒程度の採用職種（令和4年）】

• 行政A（一般方式）：40名程度
• 行政B（SPI方式）：35名程度
• 行政B（秋季チャンス）：10名程度
• 社会福祉：5名程度
• 心理：若干名
• 産業技術：5名程度
• 化学：5名程度
• 農業：10名程度
• 総合土木：20名程度
• 建築：5名程度
• 林業：5名程度
• 薬剤師：若干名
• 保健師：10名程度
• 管理栄養士：若干名

行政職（一般方式）の基本的な受験資格は「22歳以上35歳以下」の方です。

ただし、SPI方式と秋季チャンスは29歳までしか受験できません。また、SPI方式と一般方式は併願できない点に注意しましょう。

長野県庁 大卒の試験内容

長野県庁の大卒程度試験では、一般方式とSPI方式で試験の内容が異なります。

一般方式は公務員試験独自の教養試験と専門試験が課される一方で、SPI方式は公務員試験独自の試験が課されず、民間企業と併願しやすい内容となっています。

SPI方式と一般方式の併願はできないため、自分に合った試験区分を選択しましょう。

【行政A 一般方式の試験内容】

一次試験	【教養試験（120分）】 知識分野：30題中20題選択回答 知能分野：20題必須回答 【専門試験（120分）】50題中40題選択回答 【論文試験（90分）】1,200字以内の記述式試験
二次試験	【適性検査】職務遂行に必要な適性を検査 【口述試験】グループワークと2度の個別面接 【資格調査】受験資格の有無および申込書記載事項の真否を調査

【行政B SPI方式の試験内容】

一次試験	【自己アピール試験】期間中に電子ファイルを提出 【SPI基礎能力検査】自宅等でのWEB実施
二次試験	【論文試験】1,200字以内の記述式試験 【口述試験】グループワークと2度の個別面接 【適性検査】職務遂行に必要な適性を検査 【SPI基礎能力検査】能力検査のみを実施 【資格調査】受験資格の有無および申込書記載事項の真否を調査

なお、秋季チャレンジ試験は、行政B（SPI方式）と同様の試験内容となっています。一般方式およびSPI方式との併願ができるため、内定が出ていない場合はこちらも視野に入れると良いでしょう。

長野県庁 大卒の採用倍率

長野県庁の大卒程度 行政職の倍率は、一般方式で「4倍〜5倍程度」、SPI方式で「7倍〜10倍程度」です。SPI方式は民間企業との併願がしやすいため倍率が高まると予想できます。

以下では過去3回の試験結果を紹介します。

【行政A（一般方式）】

年度	一次試験受験者数	一次試験合格者数	最終合格者数	倍率
令和5年	178名	124名	59名	3.0倍
令和4年	201名	135名	50名	4.0倍
令和3年	254名	154名	54名	4.7倍

【行政B（SPI方式）】

年度	一次試験受験者数	一次試験合格者数	最終合格者数	倍率
令和5年	376名	177名	65名	5.8倍
令和4年	350名	151名	43名	8.1倍
令和3年	348名	99名	33名	10.5倍

長野県庁の試験概要（中途/社会人）

長野県庁では民間企業等での就業経験がある方を対象とした試験も実施しています。

一部の方は大卒程度（一般方式）と中途/社会人採用のいずれの受験資格を有している場合もあります。そのため、どちらの採用区分で受験すべきかを適切に判断しましょう。

長野県庁 中途/社会人の採用区分・受験資格

長野県庁の中途/社会人採用では、行政職の一部の専門職を募集しています。

【長野県庁 中途/社会人採用の採用職種（令和4年）】

• 行政：10名程度
• デジタル：若干名
• 社会福祉：10名程度
• 心理：5名程度
• 電機総合：若干名
• 産業：若干名
• 化学：若干名
• 農業：若干名
• 林業：若干名
• 総合土木：若干名
• 建築：若干名
• 薬剤師：若干名
• 保健師：若干名

また、長野県庁では10月採用の中途/社会人採用試験も実施されています。採用数は多くありませんが、こちらも視野に入れると良いでしょう。

行政職の基本的な受験資格は、60歳以下で一定期間の民間企業等での職務年数を有している方です。必要な職務経験の年数は以下のように学歴によって異なります。

• 大学卒の方：5年以上
• 短大卒：7年以上
• 高校卒：9年以上
• それ以外：12年以上

長野県庁 中途/社会人の試験内容

長野県庁の中途/社会人採用では公務員試験独自の試験が課されません。

SPIで試験が行われるため、基礎的な学力と民間企業等で得た経験などが重要視されます。

一次試験	【自己セールス試験】期間中に電子ファイルを提出 【SPI基礎能力検査】自宅等でのWEB実施
二次試験	【論文試験】1,200字以内の記述式試験 【口述試験】個別面接 【適性検査】職務遂行に必要な適性を検査 【SPI基礎能力検査】能力検査のみを実施 【資格調査】受験資格の有無および申込書記載事項の真否を調査

また、外国語試験等にかかる点数加算も行われます。

TOEFL®やTOEIC®、中国語検定試験、韓国語能力試験などの資格を有している場合は一次試験が有利になる可能性があります。

長野県庁 中途/社会人の採用倍率

長野県庁の中途/社会人採用の倍率は10倍を超える年がほとんどです。

ここでは過去3回の試験結果を紹介します。

年度	一次試験受験者数	一次試験合格者数	最終合格者数	倍率
令和5年	140名	35名	14名	10.0倍
令和4年	132名	42名	11名	12.0倍
令和3年	192名	39名	11名	17.5倍

長野県庁の試験概要（高卒・短大卒）

長野県庁では高校卒・短大卒の方を対象とした試験も実施されています。

以下では、長野県庁の高校卒・短大卒程度の試験概要を紹介します。

長野県庁 高卒・短大卒の採用区分・受験資格

長野県庁の高卒程度・短大卒程度試験では、行政職と一部の専門職が採用されています。

【長野県庁 高卒程度・短大卒程度の採用職種（令和4年）】

• 臨床検査技師（短大卒）：若干名
• 行政（高卒程度）：若干名
• 電機総合（高卒程度）：若干名
• 農業（高卒程度）：若干名
• 総合土木（高卒程度）：若干名
• 林業（高卒程度）：若干名
• 小中学校事務：20名程度

行政職は高卒程度のみの募集です。短大卒の年齢の方は高卒程度試験を受験することとなります。

そして、行政職の基本的な受験資格は「18歳以上21歳以下」の方です。

長野県庁 高卒・短大卒の試験内容

長野県庁の高卒程度 行政職の試験では、教養試験から構成される一次試験と、主に作文試験、口述試験から構成される二次試験が実施されます。

ただし、短大卒程度や行政職以外の高卒程度試験では専門試験も課される点に留意しましょう。

一次試験	【教養試験】 知識分野：25題必須回答 知能分野：25題必須回答
二次試験	【作文試験】800字以内の記述式試験 【口述試験】2度の個別面接 【適性検査】職務遂行に必要な適性を検査 【資格調査】受験資格の有無および申込書記載事項の真否を調査

長野県庁 高卒・短大卒の採用倍率

長野県庁の高卒程度 行政職の倍率は例年「8倍～15倍程度」です。

以下では、過去3回の試験結果を紹介します。

年度	一次試験受験者数	一次試験合格者数	最終合格者数	倍率
令和5年	26名	15名	8名	3.3倍
令和4年	55名	16名	6名	9.2倍
令和3年	55名	15名	7名	7.9倍

長野県庁の採用試験対策・勉強方法

長野県庁の採用試験は人物重視の試験となっています。

一次試験の倍率は1.5倍～1.8倍程度である一方で、二次試験の倍率は2倍〜2.5倍程度であるためです。また、面接試験もグループワークと個別面接2回と回数が多いため、仕事や自治体への理解が重要です。

しかし、筆記試験対策を疎かにして良いわけではありません。

一次試験を突破しないと人物試験を受けることができません。公務員試験は範囲が広いため、効率的な学習を行いましょう。

公務員試験の対策は過去問中心の学習がおすすめです。公務員試験は過去問と似た問題が出題される傾向にあるためです。

また、出題数が多い科目を重点的に学習することも重要です。

具体的には、教養試験で「数的処理」専門試験で「憲法」「民法」「経済原論」などです。網羅的に対策をしようとすると、時間が足りない事態に陥る可能性があるため、優先順位を付けて学習を進めましょう。

以下の記事では数的処理の勉強方法やコツを解説しているため、ぜひ参考にしてください。

また、論文試験は第三者の添削、人物試験は模擬面接を繰り返す対策がおすすめです。大学の就職支援やハローワーク、公務員予備校などを積極的に活用しましょう。

特に公務員予備校であれば、公務員試験のツボを押さえた指導をしてもらえます。筆記試験のサポートも受けられるため、ぜひ検討しましょう。

長野県庁職員を目指す人へ

今回は長野県庁の採用情報や試験の概要、仕事内容などを解説しました。

長野県庁の職員になれれば高水準な給与と充実した福利厚生の下、ワーク・ライフ・バランスを達成した働き方ができます。

しかし、倍率が決して低くないため、試験日から逆算した効率的な学習が必須です。

対策の方法はさまざまですが、特に公務員予備校の活用がおすすめです。

公務員予備校を活用すれば、公務員試験の専門家の指導によって、効率的な学習を行うことができます。

しかし「公務員予備校は高額だから失敗したくない」「自分に合った対策方法かわからない」といった方も多いでしょう。

そこでアガルートでは、無料の受講相談を実施しています。公務員試験の悩みや対策方法を無料で相談可能です。電話やZoom、メールを用いて活用できるため、気軽に利用してはいかがでしょうか。

また、資料請求も可能であるため、サポート内容や対策の進め方を確認してから、対策方法を決定することもおすすめです。