【土地家屋調査士】基本情報

土地家屋調査士とは?資格の基本情報と仕事内容

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土地家屋調査士という資格をご存知でしょうか。

あまり聞いたことのない資格かもしれません。

でも実は、我々国民の大切な財産を守ってくれている重要な存在なのです。

決して有名ではないけれど、縁の下の力持ちのような働き方をしている資格。

本コラムではそんな土地家屋調査士についてご説明します。

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土地家屋調査士とは?

土地家屋調査士は登記の専門家

土地家屋調査士とは何か?を一言でいえば、「不動産登記の専門家」です。

「登記って何?」

と思われるかもしれません。

登記とは、住所や所有者や、不動産の詳しい情報を記したものです。
これは請求すれば誰でも見られるようになっています。

例えば道を歩いていて、
「あの建物カッコイイ!どこの誰が持っているんだろう!中の広さはどれくらいかな!」

と思ったら、登記所に行ってその建物の登記記録を交付してもらうことができます。

これは土地についても同様です。

なぜこのような制度があるかというと、不動産に関するやり取りをスムーズにするためです。

・どこにある?
・広さは?
・大きさは?
・誰が持ってる?
・ローンを組んでる?

こうした情報を明らかにすることで、その不動産について取引をしたり、自治体が税金を課す際に問題が起きないようにしているのです。

そして、土地家屋調査士はこの不動産登記の専門家の一人なのです。

表示に関する登記と権利に関する登記

不動産の登記と一口にいっても、実はその中身は2つに分かれています。

1 不動産が「どのような大きさか」「どのような形か」など、物理的な状況を表す登記
2 不動産に「どのような権利が付いているか」を表す登記

このうち、1の登記のことを「表示に関する登記」といいます。

そして「表示に関する登記」を担当しているのが土地家屋調査士です。

不動産はとても重要な資産ですから、不正確な情報だと大きな問題が起きます。
そのため、まずは正確な情報を登記する必要があるので、その専門家として土地家屋調査士がいるのです。

一方で、②の権利に関する登記を担当しているのは司法書士という資格です。
(こちらは「目にしたことがある」のではないでしょうか?)

土地家屋調査士と司法書士は、不動産登記を担当する2つの専門家なのです。

公示するもの専門家登記は義務か任意か
1 表示に関する登記物理的現況土地家屋調査士義務
2 権利に関する登記権利関係司法書士任意

土地家屋調査士は難関資格

土地家屋調査士は国家資格です。
年に1回行われる試験に合格することで、土地家屋調査士になる資格を得ることができます。

合格者は例年400名程度と少なく、合格率も9%程度で難関資格に位置づけられています。

土地家屋調査士試験について詳しくはこちらをご覧ください。

土地家屋調査士の業務内容

では実際に、土地家屋調査士がどのような仕事をしているかをご紹介しましょう。
大きく分けて以下の5つとなります。

1.不動産の調査や測量

表示に関する登記(土地や建物の現況を示すもの)をするには、正確な情報が必要です。

そのために、明治時代に作られた地図まで見て位置や形を調査したり、ミリ単位で現地の測量をしたりします。

土地家屋調査士は不動産登記にまつわる法律職ですが、デスクワークだけでなく現地でフィールドワークを行う技術職でもあります。

これは同じ不動産登記の専門家である司法書士と大きく違う部分ですし、他の法律系の資格と比べても非常に珍しい特徴です。

2.表示に関する登記の申請の代理

表示に関する登記の申請は、所有者がしなければなりません。

でも、普通そんな専門知識は持っていませんし、ミリ単位で測量をするなんてこともまずできません。

そこで土地家屋調査士がその申請の代理を請け負っています。

この表示に関する登記の申請代理は、あらゆる資格の中で土地家屋調査士にしかできません。司法書士でもできないのです。

これは土地家屋調査士の最大の強みです。

ちなみに表示に関する登記にはどのような種類があるかというと、

土地でいえば
・表題登記(国有地の払下げや埋立によって土地を取得した時)
・変更登記(地目や面積が変わった時)
・更正登記(情報が間違っていた時)
・分筆登記(土地を切り分ける時)
・合筆登記(土地をくっつける時)
・滅失登記(土地が海や川に沈んだ時)

建物でいえば
・表題登記(新築した時)
・変更登記(増改築した時)
・合併登記(他の建物を附属建物にした時)
・分割登記(附属建物を他の建物にした時)
・区分登記(一つの建物を複数に区分した時)
・合体登記(複数の建物を合体させた時)
・滅失登記(建物が無くなった時)

などの登記があります。

また、文字だけでは位置や形状などが分からないため、土地の測量結果を図入りで示した「地積測量図」や、建物の位置が描かれた「建物図面」、建物のフロアごとの形が示された「各階平面図」といった図面も作成します。

3.表示に関する登記の審査請求手続の代理

表示に関する登記を申請したのに、登記所がちっとも登記してくれなかったり、不当な処分をされるといったこともありえます。

そんなとき、所有者は「審査請求」という名の不服申立てを行うことができます。

もし申立てが認められれば、ちゃんと登記してくれたり、適正な処分に直してくれたりします。

土地家屋調査士は、この手続の代理も行うことができます。

4.筆界(ひっかい)特定の手続代理

隣の土地との筆界(公的な境界)が曖昧な場合、トラブルになりがちです。

そんなとき、土地の所有者は「筆界特定」という手段を取ることができます。

これは筆界調査委員という専門家に、本来の筆界はどこかを調査してもらうものです。

土地家屋調査士は、この手続きの代理も行うことができます。

5.土地の境界についての争いに関する民間紛争解決手続の代理

土地の境界でトラブルが起きた際、訴訟を起こして筆界を確定させるという方法もあります。(これを「筆界確定訴訟」といいます)

でも訴訟には費用も時間もかかりますし、できればしこりが残らないように解決したいところです。

そこで、土地の所有者同士が話し合いによって解決を図る「裁判外紛争解決手続(通称:ADR)」という手段があります。

こちらは、ADRの認定を受けた土地家屋調査士が相談に応じることができ、弁護士と共同で代理します。

土地家屋調査士のキャリアパス・将来性

土地家屋調査士としてキャリアを形成する第一歩は、まず補助者です。

独立開業向きの資格であるため、未経験で資格を取得される方もいますが、高度な知識と技術が必要なため、最初は補助者として経験を積むのが一般的です。

登記測量事務所で実務を学びながら資格を取得し、晴れて土地家屋調査士の登録を行う、というのがよくあるケースといえます。

土地家屋調査士として活動する場合、大きく分けて3つのケースがあります。

1.個人事務所にする

土地家屋調査士の仕事は少人数でも行えるものが多いため、個人事務所の形を取っているところは多いです。

その場合は、土地家屋調査士1人に補助者が数名、という規模が一般的です。

2.法人にする

土地家屋調査士が2人以上集まった場合は、土地家屋調査士法人という形にすることができます。

信頼感が増し、より規模の大きな案件の受注も期待できます。

なお、法改正により、近々1人でも法人化が可能となります。

3.他資格者と一緒に合同事務所にする

不動産の登記や測量については、関連する業務が多くあるため、他の資格者と組んで合同事務所にする形もよく見られます。

特に司法書士や行政書士が多いパターンとなります。

土地家屋調査士は独立開業が前提の資格

土地家屋調査士は認知度が高くない資格なので、宅建士のように多くの方が受験したり、司法書士のように憧れやチャレンジで受験する方はあまりいません。

そのため、受験生はほぼ実務で使用することを目的としていて、それ以外で資格を活用するケースは少ないといえます。

一般企業の従業員として土地家屋調査士の業務をおこなうことはできない

なお、土地家屋調査士が一般企業の従業員として働くことはありません。

なぜかというと、土地家屋調査士は公正に調査や測量を行わなくてはならないからです。

営利を目的とした一企業の従業員になってしまうと、その企業に有利な判断をしてしまう恐れがあります。

もし土地家屋調査士を雇用して業務をさせ、その報酬を企業が得ると、罰則を受けることになります。

あくまで土地家屋調査士は独立した存在でいなければならないのです。

土地家屋調査士の将来性と今後求められる能力

表示に関する登記は法律で所有者に義務付けられているため、今後も仕事がなくなることはありません。

そして表示に関する登記は土地家屋調査士しかできないという点は、資格として最大の強みです。

平成18・19年に筆界特定とADR代理業務が追加され、活躍の場はさらに広がりました。

また、近年社会問題化している「所有者不明土地問題」「空き家問題」の解消についても、土地家屋調査士の力が必要とされています。

土地家屋調査士は日本全国に16000人ほどしかいないので、その人数の少なさもあって、引き続き重要な存在であることは間違いありません。

ただ一方で、土地家屋調査士法人の数が増えてきており、今後は一部の法人に業務が集中することも考えられます。

差別化を図るためには、IT化などに柔軟に対応し、ドローン測量や新しい技術を積極的に取り入れる必要が出てくるでしょう。

より早く、より正確に調査・測量を行える能力が求められます。

土地家屋調査士と関連のある職種

土地家屋調査士は、司法書士や行政書士と関わることが多いです。

合同事務所を開く人も多いですが、自らダブルやトリプルライセンスを取得している土地家屋調査士も多くいます。

ここでは、複数資格を取得した場合のメリットについて記載します。

●司法書士

先ほどもお伝えしましたが、司法書士は権利に関する登記の専門家です。

例えば建物を新築した場合などは、土地家屋調査士が表示に関する登記を行った後、司法書士が、誰が所有者か明示する所有権保存登記や、誰が抵当権を設定したかを明示する抵当権設定登記等を行います。

ダブルライセンスで司法書士資格を取得すれば、これらの不動産登記をすべて行うことができるようになります。

業務の幅が増えることはもちろん、依頼者も登記の依頼を一度に行えるというメリットがあるため、信頼感にも繋がります。

●行政書士

行政書士は、役所に提出する申請書や権利関係の書類を作成する資格です。

不動産に関する許認可でいえば、農地を宅地や駐車場などに使用したい場合の農地転用許可の申請や、開発許可申請が主に挙げられます。

また、相続に伴う遺産分割協議書の作成も行います。

これらは土地の登記や測量業務に密接に関わってくるため、行政書士資格を持っていれば、業務の幅が広がる上に、土地家屋調査士の業務もスムーズに行えるというメリットがあります。

とにかく職域が広く、実務上とても役に立つのが行政書士です。

●建築士

建築士は建築物の設計・工事監理を行う資格です。

建築士資格を持っていれば、自ら建築した建物を登記することができ、利益率が大変高くなります。

特にマンションを扱う場合は、戸数が多いためそのメリットは絶大です。

また、建物の設計だけに限らず、建築前の関連業務も行うことができるため、行政書士と同様、農地転用や開発許可の申請を行うこともできます。

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この記事の著者 中里 ユタカ 講師

中里 ユタカ 講師

宅建士試験・行政書士試験・測量士補、土地家屋調査士試験にすべてストレートで合格。

まったくの初学者から、中山講師の講義を受けて8ヶ月で土地家屋調査士試験に合格。(択一13位、総合29位)

自らの受験経験で培った短期合格のためのテクニックを提供している。

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