国家公務員総合職とは?春試験・秋試験の内容と気になる疑問を講師が解説!
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【国家公務員総合職のエキスパート】池田俊明講師による受験生応援コラム第1弾
キャリア官僚または幹部候補生ともいわれる国家公務員総合職。
長年、東大出身者が大半を占めていましたが、近年は、地方大学の採用者も増加しています。
このコラムでは、国家公務員総合職になるためにはどうすればよいのか、出身大学や試験区分による有利不利は存在するのか等、総合職受験生が気になる話題についてお話しします。
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国家総合職とは?
キャリア官僚または幹部候補生ともいわれる国家公務員総合職(以下、総合職と表記します)ですが、そもそも総合職の仕事とは、どのようなものなのでしょうか。
人事院のホームページによると、「主として政策の企画立案等の高度の知識、技術又は経験を必要とする業務に従事する係員」とあり(ちなみに、総合職との併願者も多い国家公務員一般職は、「定型的な事務をその職務とする係員」とあります)、かつての国家公務員Ⅰ種に事実上相当します。
すなわち、キャリア官僚といった場合、その多くは、総合職として入省した人が該当し、経済、教育、社会保障、環境、外交、防衛など様々な国の政策立案にかかわる仕事に従事することになります。
国家公務員総合職試験の概要
総合職になるためには、毎年春と秋に実施される採用試験のいずれかに最終合格した上で、民間企業の就活における会社訪問に相当する「官庁訪問」という採用面接で内定を得る必要があります。
受験に際しては、数多くの試験区分の中から1つを選択する必要があります。
いずれの試験区分で採用されても、政策の企画立案・法律制定・改正など、入省後の業務に大きな違いはありませんが、試験科目と採用者数はそれぞれ異なります。
春試験
国家総合職は、2段階に分けて実施されます。
例年、4月最終週に実施される第1次試験は、全問マークシート式で、基礎能力(教養)試験と専門試験から構成されます。
そして、1次試験合格者は、5月下旬~6月中旬に実施される第2次試験を受験します。
2024年以降の国家公務員総合職(教養区分を除く)の試験日は、第1次試験が3月中・下旬、最終合格者発表が5月下旬と、例年より早くなります。
試験は、専門記述試験、政策論文試験(院卒区分は政策課題討議試験)および人物試験から構成され、最終合格発表は6月下旬となっています。
多くの公務員試験では、「最終合格=採用」ですが、総合職の場合、最終合格は「官庁訪問(採用面接)」の権利を獲得したに過ぎません。
昔ほどではありませんが、国家総合職が司法試験、公認会計士と並ぶ3大国家試験とよばれるのは、試験問題の難易度ではなく、官庁訪問の存在にあります。
なお、試験科目の詳細については人事院のHPをご覧ください。
令和5年(2023年度)「国家公務員総合職」1次試験の総評
秋試験(秋実施の教養区分試験)
次に、秋に実施される教養区分試験について説明します。
教養区分試験は大学3年次の秋に受験し、4年次に春試験合格者とともに官庁訪問を行う(一部、12月官庁訪問での採用者もいます)というもので、春試験と異なり、専門試験が課せられない一方、政策課題討議試験や企画提案試験等、通常の筆記試験にはない科目が課せられているのが特徴です(試験科目の詳細については人事院のHPをご覧ください)。
専門試験が課せられないことから、負担が軽いと思われがちで、事実、総合職人気が凋落している近年においても唯一申込者数が堅調に推移しています。
しかし、次章に掲載の試験結果をご覧になれば明らかなように、かなりの難関ですので、本気で合格を目指すのならば入念な準備(特に2次試験対策)が必要になります。
春試験と秋試験(教養区分)のどちらで受験すべき?
ここまでの話で、一般的な大学生が総合職を目指す場合、3年次秋と4年次春の2度チャンスがあることがわかりました。
ただ、どちらで合格しても採用されるためには官庁訪問で内定を獲得する必要があります。
それゆえ、受験生心理としては、少しでも内定獲得に有利な試験での合格を目指したくなるものです。
下表は、事務系(法文系)のみに限定した近年の試験結果です。
院卒行政区分の試験結果
年度 | 申込者(人) | 最終合格者(人) | 倍率 | 採用予定人数(人) |
---|---|---|---|---|
2023年 | 314 | 164 | 1.9倍 | 60 |
2022年 | 344 | 154 | 2.2倍 | 55 |
2021年 | 338 | 140 | 2.4倍 | 50 |
政治経済区分の試験結果
年度 | 申込者(人) | 最終合格者(人) | 倍率 | 採用予定人数(人) |
---|---|---|---|---|
2023年 | 1,308 | 211 | 6.2倍 | 75 |
2022年 | 1,300 | 196 | 6.6倍 | 70 |
2021年 | 1,066 | 154 | 6.9倍 | 55 |
法律区分の試験結果
年度 | 申込者(人) | 最終合格者(人) | 倍率 | 採用予定人数(人) |
---|---|---|---|---|
2023年 | 7,834 | 352 | 22.3倍 | 125 |
2022年 | 7,594 | 380 | 20.0倍 | 135 |
2021年 | 7,601 | 406 | 18.7倍 | 145 |
経済区分の試験結果
年度 | 申込者(人) | 最終合格者(人) | 倍率 | 採用予定人数(人) |
---|---|---|---|---|
2023年 | 1,071 | 142 | 7.5倍 | 50 |
2022年 | 1,342 | 154 | 8.7倍 | 55 |
2021年 | 1,258 | 168 | 7.5倍 | 60 |
〈注〉 採用者数は当該年4月1日現在の数値であり、例えば、各区分における2022年採用者数の多くは、2021年試験の最終合格者が占めているように、大半は前年実施試験の最終合格者から選ばれている。
教養区分試験
年度 | 申込者(人) | 最終合格者(人) | 倍率 | 採用予定人数(人) |
---|---|---|---|---|
2022年 | 2,952 | 255 | 11.6倍 | 45 |
2021年 | 3,084 | 214 | 14.4倍 | 40 |
2020年 | 3,172 | 163 | 19.5倍 | 97 |
2019年 | 2,893 | 148 | 19.5倍 | 94 |
2018年 | 2,928 | 145 | 20.2倍 | 79 |
〈注〉 採用者数は当該年4月1日現在の数値。教養区分の場合、採用者の多くは3年次に受験することから、例えば、2022年採用者数の多くは、2021年試験の最終合格者が占める。
どの試験区分であっても、最終合格すると官庁訪問の権利は3年間有効ですので、採用者には過年度試験の合格者もいます。
そのため一説には、官庁訪問の競争倍率は4倍近いとも言われていますが、採用者の多くは、直近の試験の合格者(教養区分の場合は2年前)が占めてます。
また、最終合格者に対する採用者数の比率(ここでは内定率と呼ぶことにします)を見ると、教養区分の数値の高さが目立ちます。
このことから、受験生および予備校の間では、総合職を目指すのならば、教養区分合格がかなり有利であると見なされていますが、各省庁の採用担当者は、試験区分による有利不利はないと公にしています。
なお、両方の試験合格でもって、自分の優秀さをアピールする受験生もかつてはいましたが、2つ合格していても採用には全く有利に働かないので、その暇があれば人物面を磨き上げることを強く勧めます。
令和6年度(2024年度)国家総合職(院卒者・大卒程度)試験日程(春)
概要 | 日程 |
---|---|
申込受付期間 | 2024年2月5日(月)~2024年2月26日(月) |
第1次試験日 | 2024年3月17日(日) |
第1次試験合格者発表日 | 2024年4月1日(月)9:00 |
第2次試験日 筆記 | 2024年4月14日(日) |
第2次試験日 政策課題討議・人物 | 院卒者:4月30日(火)~5月15日(水) 大卒程度:4月22日(月)~5月15日(水) |
最終合格者発表日 | 2024年5月28日(火)16:00 |
令和5年度(2023年度)国家総合職(大卒程度)教養区分試験日程(秋)
概要 | 日程 |
---|---|
申込受付期間 | 2024年7月26日(金)9:00~8月19日(月)受信有効 ※申込みはインターネットより |
第1次試験日 | 2024年9月29日(水) |
第1次試験合格者発表日 | 2024年10月16日(水)9:00~10月22日(火)17:00 |
第2次試験日(企画提案試験) | 2024年11月16日(土)又は23日(土) |
第2次試験日(政策課題検討試験、人物試験) | 2024年11月17日(日)又は24日(日) |
最終合格者発表日 | 2024年12月12日(木)9:00 |
出身大学による有利不利はあるのか?
私は、かねてより、教養区分における合格者の属性(要するに出身大学)の違いが、内定率の差に直結しているとみていましたが、教養区分の大学別合格者が公開されていなかったこともあり、憶測の域を出ることはありませんでした。
しかし、教養区分合格発表に合わせ、人事院は2021年の総合職試験全区分合計の大学別最終合格者数を初めてHP上に掲載しました。
夏試験に関しては以前より公開していましたので、2つのデータの差が秋試験分、すなわち教養区分と法務区分合計となります。
下表は2区分の大学別合格者数を示していますが、2021年の教養区分最終合格者は214名であるのに対し、法務区分は全国で8名しかいないので、下表で教養区分の大学別合格者の実態をおおよそ把握することができます。
【2022年度国家公務員<教養区分/法務区分>試験 出身大学別最終合格者数】
大学名 | 人数 |
東京大学 | 106 |
京都大学 | 27 |
早稲田大学 | 21 |
一橋大学 | 17 |
慶応義塾大学 | 7 |
東北大学 | 6 |
大阪大学 | 4 |
横浜国立大学 | 4 |
東京工業大学 | 3 |
東京外国語大学 | 3 |
九州大学 | 3 |
中央大学 | 3 |
北海道大学 | 2 |
千葉大学 | 2 |
神戸大学 | 2 |
同志社大学 | 2 |
東京都立大学 | 1 |
東京海洋大学 | 1 |
大阪市立大学 | 1 |
※出典:人事院資料を基に池田作成
※総合職全区分合計で合格者10名以上の大学のみ記載。教養区分および法務区分合計の合格者は222名のため、表と数値があわないが、これは上記区分における合格者を輩出しているものの、全区分での合格者数が10名未満の大学が存在するためである。
一方、教養区分と法務区分以外の試験区分の大学別合格者数は下表のとおりです。
【2021年度国家公務員総合職試験<夏実施分> 出身大学別最終合格者数】
大学名 | 人数 |
東京大学 | 256 |
京都大学 | 115 |
北海道大学 | 80 |
岡山大学 | 78 |
早稲田大学 | 77 |
慶應義塾大学 | 68 |
東京工業大学 | 67 |
東北大学 | 65 |
千葉大学 | 57 |
九州大学 | 56 |
中央大学 | 56 |
広島大学 | 54 |
立命館大学 | 48 |
東京理科大学 | 38 |
大阪大学 | 37 |
名古屋大学 | 36 |
神戸大学 | 35 |
一橋大学 | 32 |
合計 | 1,834 |
※出典:人事院資料
※最終合格者数30名以上の大学のみ掲載
教養区分の場合、合格者を輩出している学校が限られていることに加え、合格者数に占める東大出身者の占める割合が5割近くに上っています。
これに対し、夏試験の場合、合格者の出身学校数が137校とかなり広範にわたっていることもあり、合格者数に占める東大出身者の占める割合が15%にも満たない状況にあります。
令和3年度の教養区分は初の200名超えと、過去最高の合格者数でかつ、出身大学数もこれまでに比べ多岐にわたっていますが、それでも、夏試験と比べると、東大等、一部の大学に合格者が偏っている実態が一目瞭然です。
こうした属性の違いが教養区分の内定率の高さの一因とみるのは自然な流れだといえましょう。
ただし、これはあくまで平均的な属性の違いが内定率の差になっていると言っているだけであり、教養区分合格=他区分合格者よりも採用に有利、と言っているわけではないので、勘違いしないでくださいね。
合格後の行動次第では、普通に官庁訪問で切られますので…。
いずれにせよ、データからは、出身大学による有利不利を完全否定することは難しそうです。
しかし、近年はどの省庁においても、採用大学の多様化が進んでいます。
懐疑的な方は、各省庁の内定者パンフレットを取り寄せるなどして、ご自身の目で確認してみてください。
数年前までとは異なり、現在では内定者パンフレットをHPに公開している省庁もあるくらいです(そうでないところも、申請すれば送ってくれます)。
パンフレットを確認すれば、いろんな省庁で、地方国公立大学からの採用が増えていることが明らかです。
世間の認識はまだまだ昔のままなので、SNS上では、やる気を削ぐような記述が多数を占めていますが、地方の学生にとって、採用の門戸は確実に広がっています。
むしろ、霞が関よりもクローズな採用活動を行っている企業もこの国にはたくさんあるし、そうした企業の存在が目立ってきているくらいです。
学生時代の努力を正当に評価してほしいと願うのならば、総合職は最適な職業の一つだといえましょう。
そのためにも、真偽不明な情報に惑わされることなく、総合職試験に向き合ってもらえたらと切に願っています。
池田俊明講師による受験生応援コラム
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