公務員を目指す人のなかには、国家総合職・国家専門職・国家一般職・地方上級・市役所・警察官・消防官・高卒程度など、どの試験がどれくらい難しいのかわからず、受ける試験を決めかねている人もいるでしょう。

公務員試験の難易度ランキングは、1位が国家総合職、2位が国家専門職、3位が国家一般職(大卒程度)と地方上級、4位が市役所・警察官・消防官、5位が高卒程度の試験です。

順位は、申込者数に対する最終合格者数の割合(合格率の目安)と、専門試験や記述式試験の有無などの試験の内容をもとに付けました。

なお、合格率は人事院・東京都・特別区人事委員会の公表資料から計算した目安で、年度によって変わります。

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公務員試験の難易度ランキング

公務員試験の難易度ランキング

公務員試験の難易度ランキングは、1位国家総合職、2位国家専門職、3位国家一般職(大卒程度)・地方上級、4位市役所・警察官・消防官、5位高卒程度の順で、国家総合職の合格率は申込者の約1割にとどまります。

順位試験合格率の目安主な特徴
1位国家総合職(大卒程度)約10〜14%(教養区分を除く)専門試験(記述式)と政策論文試験などが課される
2位国家専門職(国税専門官・労働基準監督官・法務省専門職員など)約14〜35%(国税専門官・労働基準監督官・法務省専門職員(人間科学)の値)職種ごとの専門試験(記述式を含む)がある
3位国家一般職(大卒程度)・地方上級(都道府県・政令市・特別区)約29〜40%(地方上級は東京都・特別区の値)専門試験と論文試験が課されることが多い
4位市役所・警察官・消防官(大卒程度)自治体ごとに公表教養試験やSPI3が中心で、警察官・消防官は体力検査がある
5位高卒程度(国家一般職(高卒者試験)・税務職員など)約24〜40%(国家一般職(高卒者試験)・税務職員の値)基礎能力試験が高卒程度の出題

なお、合格率の目安は「申込者数に対する最終合格者数の割合」で、人事院・東京都・特別区人事委員会が最終合格者数まで公表した直近の複数年度から計算した幅です。

この公務員試験の難易度ランキングは、申込者数に対する最終合格者数の割合(合格率の目安)と、専門試験・記述式試験・論文試験の有無などの試験の内容を組み合わせて順位を付けたものです。

たとえば、合格率の目安が近い試験のうち、国家専門職は記述式を含む専門試験があるため国家一般職(大卒程度)より上に、高卒程度は出題が高卒程度で事務区分の第1次試験に専門試験がないため国家一般職(大卒程度)より下に置いています。

市役所・警察官・消防官は全国共通の公表値がなく、自治体ごとに公表されるため、試験の内容で順位を付けています。

公務員の難易度ランキング1位〜5位の試験の特徴

公務員の難易度ランキングの上位ほど、専門試験や記述式試験、政策論文試験などの試験種目が増え、1位の国家総合職は合格率の目安も最も低い水準です。

1位から5位の順に試験の内容と合格率の目安を紹介し、合格率が自治体ごとの公表になる4位は試験の内容を中心に説明します。

1位:国家総合職は合格率が約1割で記述式の試験も多い

国家総合職(大卒程度・教養区分を除く)の合格率は申込者の約10〜14%で、公務員試験の難易度ランキングで合格率の目安を示した試験のなかで最も低く、第2次試験でも専門試験(記述式)や政策論文試験が課されます。

大卒程度試験(教養区分を除く)の試験種目は、次のとおりです。

  • 第1次試験:基礎能力試験(30題・2時間20分)、専門試験(多肢選択式・40題・3時間30分)
  • 第2次試験:専門試験(記述式)、政策論文試験、人物試験、英語試験(外部英語試験のスコア等に応じて加算)

なお、合格率の目安は、人事院が公表した教養区分を除く大卒程度試験の申込者数・最終合格者数(2023〜2026年度)から計算した幅です。

2位:国家専門職は職種ごとの専門試験がある

国家専門職の公務員試験のうち、国税専門官・労働基準監督官・法務省専門職員(人間科学)の合格率は申込者の約14〜35%で、職種ごとに専門的な知識を問う専門試験が課されます。

2023〜2026年度の公表値から計算した職種別の合格率の目安は、次のとおりです。

  • 国税専門官:約23〜35%
  • 労働基準監督官:約14〜19%
  • 法務省専門職員(人間科学):約24〜26%

たとえば、国税専門官の第1次試験では、基礎能力試験・専門試験(多肢選択式)に加えて専門試験(記述式)も課されます。

3位:国家一般職(大卒程度)と地方上級は合格率3〜4割が目安

国家一般職(大卒程度)の合格率は申込者の約29〜35%、地方上級は東京都・特別区の例で約32〜40%で、いずれも専門試験と論文試験が課されることが多い試験です。

地方上級の合格率の目安は、次のとおりです。

  • 東京都Ⅰ類B(行政・一般方式):約32〜35%(令和7〜8年度)
  • 特別区Ⅰ類(事務(一般事務)):約35〜40%(令和6〜8年度)

特別区は東京23区の区役所などの職員を採用する試験のため、区役所を目指す人は特別区Ⅰ類の公務員試験の難易度を目安にするとよいでしょう。

国家一般職(大卒程度)の合格率の目安は、2022〜2026年度の公表値から計算しました。

また、国家一般職(大卒程度)の行政区分では、第1次試験で基礎能力試験・専門試験(多肢選択式)・一般論文試験が課されます。

特別区Ⅰ類【春試験】の事務(一般事務)でも、第1次試験で憲法・行政法・民法・経済学などから出題される専門試験が課されます。

地方上級の試験科目の型は、次の記事を参考にしてください。

4位:市役所・警察官・消防官は教養試験やSPI3が中心

市役所・警察官・消防官(大卒程度)は、第1次試験が教養試験やSPI3などの適性検査を中心に組まれ、専門試験を課さない試験も多いため、3位の国家一般職(大卒程度)・地方上級より下の4位に置きました。

たとえば、市役所では、堺市の大学卒程度(事務)の第1次試験が適性検査(SPI3)です。

警視庁の警察官Ⅰ類は、第1次試験が教養試験またはSPI3と論(作)文試験で、第2次試験で面接試験・身体検査・体力検査が行われます。

消防士(消防官)では、東京消防庁の消防官Ⅰ類が教養試験方式と適性検査(SPI3)方式から受験方法を選べます。

市役所・警察官・消防官の公務員試験の合格率は自治体ごとに公表されるため、受験する自治体の実施状況で確かめてください。

5位:高卒程度の試験は基礎能力試験が高卒程度の出題

国家一般職(高卒者試験)の合格率は申込者の約24〜40%で、基礎能力試験は高卒程度の出題になるため、大卒程度の公務員試験と比べて難易度が低い試験です。

国家一般職(高卒者試験)の合格率の目安は、2021〜2025年度の公表値から計算しました。また、事務区分の第1次試験は、基礎能力試験(40題・1時間30分)・適性試験・作文試験です。

公務員試験の難易度ランキングを見るときの注意点

公務員試験の難易度ランキングの合格率は申込者数をもとにした目安で、自治体や年度によって変わるため、受験する試験の実施状況もあわせて確かめましょう。

合格率の計算方法、地方公務員の自治体差、年度による変化の順に紹介します。

合格率は申込者数に対する最終合格者数で計算している

この記事の公務員試験の合格率の目安は申込者数に対する最終合格者数の割合で、申込みをして受験しなかった人も分母に入るため、受験者数をもとにした割合より低く出ます。

たとえば、特別区のⅠ類【春試験】では申込者数より第1次試験の受験者数が少なく、受験者数をもとにすると合格率は高くなる計算です。

人事院の年度別資料は申込者数・合格者数・採用者数をまとめた資料で受験者数を載せていないため、国家公務員と地方上級の比較をそろえる目的で、申込者数を分母にしました。

地方公務員の難易度ランキングは自治体ごとに異なる

地方公務員の難易度ランキングは、自治体・試験区分・試験方式ごとに倍率が異なるため、同じ地方上級でも受験先によって難しさが変わります。

たとえば、東京都のⅠ類B採用試験(令和7〜8年度)では、受験者数に対する倍率が行政の一般方式で約2.0〜2.1倍、新方式で約4.5〜6.1倍と、試験方式で分かれています。

令和6〜8年度の特別区のⅠ類【春試験】も、受験者数に対する倍率が試験区分ごとに約1.4〜4.0倍と開きのある試験です。

東京都と特別区では試験方式・試験区分の分け方も倍率の範囲も違うため、地方公務員の難易度は受験する自治体の実施状況をもとに判断するとよいでしょう。

紹介した倍率は受験者数をもとにした値で、申込者数をもとにした合格率の目安とは分母が違う点に注意してください。

合格率は年度によって変わる

合格率は申込者数と最終合格者数で年度ごとに上下し、同じ試験でも年度によって数ポイントの差が出ます。

たとえば、国家一般職(大卒程度)の合格率の目安も、直近5年度(2022〜2026年度)で最も低い年度と最も高い年度に約6ポイントの開きがあります。

具体的な幅は、「3位:国家一般職(大卒程度)と地方上級は合格率3〜4割が目安」で紹介しました。

受験する年度の実施状況は、人事院や各自治体の人事委員会の公表資料で確かめてください。

国家公務員と地方公務員の倍率や、公務員試験の難易度が高い理由は、次の記事で紹介しています。

公務員試験の難易度ランキングを併願先選びに活かす方法

公務員試験の難易度ランキングは、専門試験がある試験どうしを組み合わせたり、教養試験やSPI3が中心の試験を加えたりして、併願先を選ぶ目安に使えます。

専門試験がある試験の併願と、教養試験・SPI3が中心の試験の併願の順に見ていきましょう。

専門試験がある試験どうしは対策を共通にしやすい

国家一般職(大卒程度)・国税専門官・特別区Ⅰ類などは、憲法・行政法・民法・経済学などの専門試験の出題分野が重なるため、併願すると筆記試験の対策を共通にしやすいでしょう。

たとえば、国家一般職(大卒程度)の行政区分(3位)・国税専門官の国税専門A区分(2位)・特別区Ⅰ類【春試験】の事務(一般事務)(3位)では、専門試験に憲法・行政法・民法・経済学の分野がそろって出題されます。

公務員試験の種類と試験の内容は、次の記事で紹介しています。

教養試験やSPI3が中心の試験は併願先に加えやすい

市役所・警察官・消防官などの教養試験やSPI3が中心の公務員試験は、専門試験の対策が要らない分、専門試験がある試験の併願先に加えやすいでしょう。

4位の堺市の大学卒程度(事務)や東京消防庁の消防官Ⅰ類のように、SPI3で受けられる試験もあります。

ただし、警察官・消防官は第2次試験で体力検査があるため、筆記試験に加えて体力の準備も進めておきましょう。

まとめ

公務員試験の難易度ランキングは、1位国家総合職、2位国家専門職、3位国家一般職(大卒程度)・地方上級、4位市役所・警察官・消防官、5位高卒程度の順です。

国家総合職の合格率は申込者の約1割で、国家一般職(大卒程度)と地方上級は約3〜4割が目安になります。

上位の試験ほど専門試験や記述式試験、政策論文試験などが増え、市役所・警察官・消防官は教養試験やSPI3が中心です。

合格率は申込者数をもとにした目安で、自治体や年度によって変わる点に注意しましょう。

また、専門試験がある試験どうしは対策を共通にしやすく、教養試験やSPI3が中心の試験は併願先に加えやすいでしょう。

まずは受験したい試験の受験案内と実施状況を確かめ、併願先を決めてください。

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