【2023年】公務員試験の難易度・合格率・倍率は?難しい理由を解説
- 2020.09.14

公務員の受験を考えた場合に、
「難易度は大学受験でいえばどの程度なのか?」
「合格できそうな受験先ってどこだろうか?」
「やっぱり難関大学出身でないと合格は難しいんじゃないの?」
こんな話をよく耳にしませんか?
ここでは、2022年の現時点で公務員試験の合格率・倍率と公務員試験が難しいといわれる理由を具体的に示しつつ、実際の難易度と合格に必要な知識を解説していきたいと思います。
このコラムを読むことで、いたずらに「公務員の難易度は高いから諦めよう」などと考えず、チャレンジする勇気を持っていただければ幸いです。
目次
公務員試験の難易度・合格率はどれくらい?
公務員には、様々な職種があり、職種によって試験科目・配点・面接試験内容が異なるので、一概に難易度を語ることは難しいです。
また、「高倍率=難易度が高い」「低倍率=難易度が低い」ともなかなか言い切れません。
一般に最高難度と言われる国家総合職の倍率は10倍強に過ぎませんが、市役所試験の中には合格率30倍を上回る自治体もあります。
市役所の中には、年齢制限が非常に高い自治体もあり、そのような自治体では受験者が殺到する割には採用人数が少なく、必然的に高倍率になります。
以上から、倍率だけで難易度を推し量ることはできませんが、合格可能性をはかる指標にはなるので、ここでは合格倍率についてご紹介しましょう。
人事院が発表している「令和4年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況」と「令和4年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)実施状況」を参考に国家公務員の受験者数、最終合格者数を比較し、合格率と倍率を算出しました。
区分 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
国家総合職 | 13,674(5,821) | 1,255(397) | 9.1%(6.8%) | 10.8倍 |
国家一般職(行政職) | 23,711(10,365) | 6,099(2,691) | 25.7%(25.9%) | 3.8倍 |
国家一般職(行政職以外) | 4,392(1,247) | 2,057(580) | 46.8%(46.5%) | 2.1倍 |
国家公務員試験の難易度を合格率(倍率)で比較した際、国家一般職の合格率25.7%(3.8倍)、国家総合職の合格率9.1%(10.8倍)となり、総合職は約11人に1人採用されているため合格率が低く、倍率が高いことがわかります。
行政職以外は46.8%(2.1倍)と国家一般職より合格率が高く、約2人に1人採用されるなど低い傾向にあります。
ただし行政職以外の場合、専門的な知識が必要になるため一般職や総合職とは別に難易度が高い試験になるため注意が必要です。
※出典:2022年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)実施状況
※出典:2022年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況
また、総務省が発表している「競争試験における受験者数、合格者数、採用者数、競争率の推移」の令和3年度の採用情報を参考に地方公務員の地域別受験者数、最終合格者数の比較、合格率・倍率を算出しました。
区分 | 受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
地方公務員(都道府県) | 146,630 | 28,032 | 8.6倍 |
地方公務員(市区) | 287,394 | 44,832 | 6.4倍 |
地方公務員(町村) | 9,656 | 7,062 | 4.4倍 |
一方、地方公務員の中では都道府県採用が16.6%(5.9倍)、市区採用が10.6%(9.3倍)、町村採用が14.7%(6.7倍)となり、市区採用は9人に1人採用されているため合格率が低く、倍率が高いことがわかります。
ただし市区の採用試験内容が難しい、というわけではなく市区の受験者数が他の地域より圧倒的に多いため、合格率が低く倍率が高い傾向にあります。
公務員試験の内容
公務員試験が難しいとされる大きな要因は、どんな就職試験にもある面接試験とは別に、ボリュームのある筆記試験が課されることです。
筆記試験には、大卒程度の職種であれば、教養択一、専門択一、教養記述、専門記述の4パターンがあります。
●教養択一は、高校までに勉強した英数国理社とほぼ同様の内容・レベルの問題が単純五択で問われるものです。(5つの選択肢の中から答えを1つ選択するもの)
●専門択一は、法律や経済など職種によって異なりますが、大学の専門課程で勉強する内容・レベルの問題が単純五択で問われるものです。(5つの選択肢の中から答えを1つ選択するもの)
●教養記述は、時事的な課題や職業観に対して800〜1500字ほどの記述試験が課されるものです。
●専門記述は、専門択一で課される科目の中から1〜数科目の記述試験が課されるものです。
大卒程度区分の公務員試験別に、筆記試験の出題パターンを一覧化しました。
教養 | 専門 | |||
大卒程度区分 | 択一 | 記述 | 択一 | 記述 |
国家一般職 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
国税専門官 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
国立大学法人等職員 | 〇 | × | × | × |
地方上級※ | 〇 | 〇 | 〇 | × |
東京特別区 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
東京都 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
市役所(法令指定都市以外)※ | 〇 | 〇 | × | × |
◯…出題あり ×…出題なし ※いくつかの例外あり
ほとんどの職種では教養択一・教養記述が出題されますが、国税専門官などは教養記述が課されません。
専門択一もほとんどの職種で課されますが、東京都や市役所などでは課されません。
専門記述は、国家一般職以外の国家公務員で課されますが、地方公務員で課されるのは、東京都のみです。
公務員試験の一次試験は何%以上正解すれば突破できる?
公務員は競争試験なので、何%以上正解すれば確実に合格できるとは言い切れませんが、筆記試験の得点目標は、教養6割、専門7割といわれています。
ただ、これもあくまで一般的な目標設定の目安にしか過ぎません。
つまり、「教養6割、専門7割」取れれば、ほぼ確実に合格できるだろうということで、実際はこの数値より低い点数で合格した例は多々あります。
受験倍率の高さからイメージするほど難易度は高くない!
公務員試験は毎年、申込者数や合格者数が公表されます。それゆえ、見た目の倍率に惑わされることが多々あります。
人気があり、難易度が高いと考えられている東京都庁(Ⅰ類B一般方式)の試験は、「令和3年度の職員採用試験(選考)実施状況」によると採用予定者数286人に対して、申込者数3,663人でした。
「倍率12.8倍!?」と一瞬ひるんでしまいそうになりますが、実際には受験者数2,493人で、最終合格者数407人で倍率は6.1倍でした。
6人に1人が採用されていることになり、申込者の約3割近くが実際に受験していません。
理由としては、下記3つが考えられます。
- 記念受験する人が一定数存在する(公務員の受験は無料です)
- 併願を考えてとりあえず申し込みだけはして直前に受験するかを決める人がいる
- 勉強ができないで本試験日を迎える人が相当数いる
以上の理由を考慮すると、実質的な倍率は高くてもせいぜい3~4倍と考えられます。
公務員試験の合格対策
1.公務員の種類・試験内容・日時などの情報収集
公務員には、様々な職種があり、職種によって試験科目・配点・面接試験内容が異なります。
したがって
・どんな職種があるか?(国家公務員か地方公務員か、国家公務員でも行政府か立法府か司法府か、行政府でも総合職か一般職か専門職か、地方公務員でも都道府県か市区町村かなど)
・どんな筆記試験が課されるのか?(専門科目の有無、択一試験かSPIかなど)
・いつ一次試験が実施されるのか?(試験日が異なれば、併願はいくらでもできるのが原則です)
といった情報収拾が必要で、これによって、どこを受験するのか(併願するのか)、どの科目を勉強すべきかが異なってくるからです。
2.試験勉強のスケジュール計画を立てる
受験する職種が決まり、勉強する科目の種類と量が決まれば、一次試験日から逆算して計画を立てましょう。
科目数と専門性を考えると、計画性なしには膨大な筆記試験に効率よく取り組むことはできません。
3.筆記試験対策を始める
公務員試験には情報収拾が必須と申し上げましたが、筆記試験対策にも同じことが言えます。
闇雲に片っ端から勉強していたのでは、息切れもしますし、合格に必要な実力をつける前に時間切れとなってしまいます。
筆記試験対策の最も優れた情報源は「過去問」以外にはありません。
筆記試験対策の第一歩は過去問を「読む」ことから始めましょう。
最初はわけがわからなくとも、とにかく「過去問」に目を通すことです。
出題傾向や、頻出分野、科目ごとの難易度(どの程度までの勉強が必要か)の情報は「過去問」の中に詰まっています。
4.面接対策を行う
公務員試験も就職試験である以上、近年の公務員試験は人物本位・面接重視で、この傾向は年を追って強まっています。
願書提出と同時にエントリーシートの提出を必要とする職種も増加傾向にありますし、そもそも面接対策は一夜漬けが効きません。
なので、筆記試験対策と並行して、自己分析や希望職種に合わせた志望動機の作成は進めておくことが最終合格=内定獲得への近道です。
5.予備校の利用を考える
情報収拾や、自分にあった職種を見つけるのはなかなかハードルが高いものです。
また、知識ゼロの状態で過去問を分析することに躊躇する方もいらっしゃることでしょう。
そのような場合は、受験対策に必要なエネルギーと時間の節約のために、プロの手を借りることも考えてみるといいかもしれません。
公務員試験受験のプロが集まる予備校を利用して、公務員試験に関する情報収拾から、筆記試験対策のコツ、自己分析や志望動機といった面接対策に欠かすことのできない作業や面接シミュレーションに至るまでサポートを受けることで、無駄なく確実に合格に近づけると言えるかもしれません。
まずは、無料の受講相談を利用してみることです。
公務員試験に合格した人の特徴
ここでは、筆者の長年に渡る受験指導の経験から、合格者の特徴について述べたいと思います。
1.主体的に情報収集・取捨選択できる人
公務員試験は、受験できる職種、試験内容、試験科目が多岐に渡りますし、志望動機を考える際にも受験先の取り組み内容を知ることが必須で、情報収集・分析を必要とします。
ここに、合格者の共通点として「情報リテラシーの高さ」があります。
つまり、問題が生じた時、自分の知識に加え、多方面からの情報源を使い、整理して、自分に必要な解を見つけ出すことができる人が多いのです。
具体的には、
①得られた情報を鵜呑みにしない、
②情報はあくまでも「参考」という意識を持つ
③最後は自分で取捨選択・決断をすること
がポイントです。
2.あれこれ迷わない人
合格者に「使用した教材は?」と聞くと、ほぼ全ての方が「アガルート の教材だけ」と答えます。
これは、別にアガルートの受講生に限ったことではありません。
要は受験予備校を利用する以上、そこにある教材を徹底して消化し、悩んだり・教材を買い足したりすることで時間とエネルギーを無駄にしないということです。
受験勉強の鉄則の1つが「悩みはしても迷わない」です。
3.メリハリをつけて勉強することができる人
長丁場の公務員試験。思うように勉強が捗らなかったり、やる気が起きなかったり、「果たして合格できるのか?」と不安になったりと、順風満帆な受験生活なんてほぼありません。
そんな時には、友達に愚痴を聞いてもらったり、趣味に時間を使ったり、気分転換を図ってモチベーションを維持することが必要となります。
時には思い切って全く勉強しない時間を作ることも有益です。全く勉強しないと落ち着かなくて、勉強したくてたまらなくなるからです。
気分転換の方法も、モチベーション維持の方法も千差万別ですが、自分の性格を客観視してこれといった方法を見つけておくことは、長い受験生活を乗り切る上では大切なことです。
4.素直に自分を出せる人
これは、面接対策について声を大にして述べたいことですが、とにかく「素直に」自分を出すことにつきます。
ありのままの自分から目を背けて、面接官受けすることに執着して、自分の本心からかけ離れた回答を用意したり、経歴を隠そうとしたりすると、面接官との信頼関係を築くことに失敗します。
既卒社会人経験があり、年齢制限ギリギリで、縁もゆかりもない鹿児島県庁から内定を頂いた合格者がいます。
素直さで公務員に合格した方の事例をご紹介します。
鹿児島が好きで、地元よりもこの先の人生を鹿児島で過ごしたいと思ったのがきっかけだそうです。
志望動機では、明治維新で活躍した人材を多く排出した鹿児島の歴史に感銘を受けたことを語ると、面接官は「歴史から志望動機を語った人は珍しい」と言いつつ、彼の語る鹿児島愛に感心し、面接は終始和やか、見事内定となりました。
何を語ればウケるか?を考えることなく、自分の気持ちを素直に語ることが内定に直結した好例です。
公務員を目指す方へ
いかがでしたでしょうか?ここまで読まれて、「公務員にチャレンジしてみようかな?」とお考えになられたでしょうか?
とはいえ、まだまだ具体的にはどんなことを、どうやって準備したらいいのか疑問や不安はいっぱいかもしれませんね。
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・筆記試験対策は受験先に応じた科目の組み合わせができるように豊富な科目構成でありながらも、あくまでも筆記試験合格に必要最小限に絞り込んだテキストと講義内容。
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・モチベーション維持に何よりも心強い「内定者には受講料全額返金」などの合格得点。
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そして、迷っている方はぜひ受講相談を。
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