裁判所で働く公務員は裁判官だけではありません。
全国に、最高裁1庁、高裁15庁、地裁253庁、家裁330庁、簡裁437庁(2020年時点)もある裁判所では、多くの公務員が日本の司法制度を支えています。

このコラムでは、裁判所職員(裁判所事務官・家庭裁判所調査官補)の仕事内容や試験制度、試験科目、日程、難易度等を解説していきます。

裁判所は決して身近な機関ではないけど(身近でないのが通常ですよね)、何かのきっかけで裁判所での仕事に興味を持った方、本稿を参考に裁判所職員の扉を開けてみてください!

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「裁判所」で働く公務員の種類とは?仕事内容は?

「裁判所」で働く公務員の種類と受験資格(2020年データより)

試験名 受験資格
総合職 院卒者区分 裁判所事務官 ・30歳未満
・大学院修士課程又は専門職大学院の
 課程修了(見込み)
家庭裁判所調査官補
大卒程度区分 裁判所事務官 ・30歳未満
家庭裁判所調査官補
一般職 裁判所事務官

他の国家公務員同様、院卒者区分を除けば、学歴制限はありません。
たとえ高卒であっても、総合職を受験することができます。

つまり、裁判所としては学歴に関係なく広く人材を募集しているので、学歴・学科にとらわれず、チャレンジしてもらえることを期待されているようです。

筆者の教え子の中にも、既卒・社会人経験あり・修了学科は全く無関係の学科でありながらも、家庭裁判所調査官補に合格された方もいます。

裁判所事務官とは

裁判所事務官は、裁判の円滑な進行をサポートする業務に従事します。

その組織は裁判部門と司法行政部門に分けられ、裁判部門に配属されると、裁判所書記官の下で、裁判関係文書の送付など裁判事務を担当します。

また、司法行政部門に配属されると、事務局(総務課、人事課、会計課など)で裁判が円滑に進行するよう、人材や設備などの面で裁判部門を支える業務に従事します。

裁判所書記官とは

法律の専門家として、法廷に立会い、調書を作成するほか、法令や判例を調査したり、弁護士や検察官と打合せを行うなどして、裁判の円滑な進行を確保する役割を担う職員です。

事務官として一定期間勤務したのち、試験・研修を経て裁判所書記官になる道が開かれています。

家庭裁判所調査官とは

家庭裁判所は少年事件と家事事件を扱う特別な裁判所です。

家庭裁判所調査官(家裁調査官)は、心理学、社会学、社会福祉学、教育学などの専門的な知識や技法を使い、家庭内の問題の解決や非行少年の立ち直りに向けた「調査」や「調整」に従事します。

裁判官や裁判所書記官等と協力し合いながら仕事をし、必要に応じて、学校や児童相談所、保護観察所といった関係する機関の職員とも連携します。

裁判所職員における総合職と一般職の違い

総合職試験は、政策の企画立案に係る高い能力を有するかどうかを一般職試験は、的確な事務処理に係る能力を有するかどうかを重視して行う試験です。

また、裁判所では、従前から、成績主義・能力主義に基づく人事管理が徹底されていますので、採用試験の種類(総合職試験・一般職試験)にかかわらず、その能力と勤務成績次第で昇進の道が大きく開かれています。

※関連コラム:国家公務員とは?種類(職種)や仕事内容を紹介!

裁判所職員(裁判所事務官・家庭裁判所調査官補)の待遇や勤務地とは?

初任給比較

※【令和4年4月1日現在】東京都特別区内勤務の場合

行政府 裁判所
国税専門官 国家公務員総合職 総合職(院卒) 総合職(大卒) 一般職(大卒)
250,560円 224,020円 255,600 円 224,040 円 218,640 円
※他に、期末・勤勉手当(4.5ヶ月分)、通勤手当、住居手当、扶養手当、超過勤務手当等。

勤務地・転勤

総合職試験(裁判所事務官)及び一般職試験に最終合格して採用された場合は、希望する勤務地を管轄する高等裁判所の管轄区域内の裁判所で勤務することになります。

かつては、総合職だと全国転勤とされたようですが、近年は一般職とで違いはなくなりました。
ただ、総合職は、所属の高等裁判所所在地での勤務が中心となり、また、多くが最高裁判所での勤務も経験します。

異動のローテーションは、概ね3年を目安に行われ、採用された裁判所の所在する都道府県内での異動が一般的です。
上位ポストに昇進するにつれて、県単位を異にした異動が行われることもあります。

家庭裁判所調査官補の場合は、全国の家庭裁判所等で勤務することになるので、全国転勤は覚悟しておいた方が良いようです。

もっとも、筆者が合格者から聞いた情報によりますと、婚姻、親の介護など家庭の事情は比較力考慮してもらえるようで、民間企業並の無理難題な転勤を押し付けられることはあまり無いようです。

裁判所職員(裁判所事務官・家庭裁判所調査官補)の採用試験概要

令和6年度(2024年度)裁判所職員(裁判所事務官・家庭裁判所調査官補)試験日程

  裁判所事務官 家庭裁判所調査官
総合職 一般職
院卒・大卒程度 大卒 院卒・大卒程度
出願開始 3月15日(金)10:00
出願締切 4月8日(月)
一次試験 5月11日(土)
一次発表 5月30日(木)
二次試験 筆記試験
6月8日(土)
人物試験
6月10日(月)~
6月21日(金)
人物試験
6月10日(月)~7月8日(月)
筆記試験
6月8日(土)
人物試験
6月10日(月)~
6月24日(月)
二次発表 7月4日(木) 7月31日(木) 7月11日(木)
三次試験 7月16日(火)~
7月17日(水)
三次発表 7月31日(水)

裁判所事務官と家庭裁判所調査官は併願できる?

裁判所の職員は一斉に同一日程で実施されるのが通例で、ここ数年間は5月の第二土曜に実施されています。

そのため、裁判所の職員どうしの併願は基本的には不可です。

ただし、裁判所事務官・総合職には受験の特例があります。
受験の特例とは、受験申込の際に、本人の希望で総合職試験の各試験種目を有効に受験すると、同試験に加え、一般職試験の受験者としても合否判定を受ける制度です。

つまり、一般職を滑り止めにしつつ、総合職を受験できるわけです。
試験日程が同一でかつ、一般職の試験問題は総合職の試験問題と重なることからできる制度と言えます。

試験科目

  裁判所事務官 家庭裁判所調査官補
総合職 一般職 総合職
院卒者 大卒程度 大卒程度 院卒者 大卒程度
1次試験 基礎能力試験(5肢択1)
専門試験(5肢択1)
2次試験 論文試験
専門記述
政策論文
人物試験
3次試験 人物試験

裁判所職員の基礎能力試験は、他の国家公務員試験と出題内容・難易度はあまり異なりません

また、一般知能分野のウェイトが高いことも共通しています。
特に総合職は、一般知能27題に対して一般知識は3題と、異様なまでに一般知能重視です。
(事務官で特例希望者は、一般職同様に一般知識を13題解答する必要があります)

裁判所事務官は、いずれも1次試験で専門試験(5肢択1)が課されますが、配点比率が基礎能力試験1:専門試験1となっています。
なので、専門試験だけでなく、基礎能力試験でもある程度得点せねばならず、一般知能対策は手を抜くことができません。

他の公務員試験に比較して、専門科目(5肢択1)の出題科目が少なく(民法、憲法、刑法または経済原論)1科目あたりの出題数が多いので、各科目を深く学習しておく必要があると言えます。

※各試験の詳しい試験科目・配点に関しては、最高裁判所の裁判所職員採用試験受験案内を参考になさってください。

2020年から家庭裁判所調査官補の試験科目変更に注目!

2020年度から試験科目が変更になりました。

これまで、1次試験で実施されていた専門記述がなくなりました。

また、2次試験の専門記述が試験当日に問題を見た上で2題を選択する形式になり、選択の制限もなくなりました。
つまり、自分の得意分野だけで受験が可能になったわけです。

さらに人物試験が、個別面接のみの人物試験Iと集団討論及び個別面接を実施する人物試験IIの2つになりました。

倍率から見る試験の難易度【2023年度試験結果】

裁判所職員=難易度が高い公務員試験とよく言われます。
倍率も何十倍と書かれてあるサイトも散見します。

まずは、以下の表をご覧ください。

裁判所事務官(総合職)の倍率

試験種別申込者受験者1次合格者2次合格者最終合格者倍率
院卒者7244321167.3倍
大卒程度557351156411918.5倍

裁判所事務官(一般職)の倍率

務地申込者受験者1次合格2次受験最終合格倍率
札幌高裁管轄3602872472251212.4
仙台高裁管轄6715294273972022.6
東京高裁管轄4,3953,0981,9981,8131,0722.9
名古屋高裁管轄1,1799144644281715.3
大阪高裁管轄1,9441,5138798012945.1
広島高裁管轄7816094003271494.1
高松高裁管轄586462211189746.2
福岡高裁管轄1,5531,1636665632684.3
合   計11,4698,5755,2924,7432,3513.6

家庭裁判所調査官補の倍率

試験区分申込者受験者1次合格2次受験最終合格倍率
院卒者1331175955148.4
大卒程度561454240199617.4

※参考:試験の実施結果 | 裁判所

確かに、申込者数に対する最終合格者数を見るとすごい倍率のように見えます。

ですが、受験者数をご覧ください。
相当減っていますよね。

裁判所職員の一次試験は例年5月第2土曜で、他の主要な公務員試験と日程が重なることがほぼないので、併願を考えて、とりあえず願書を提出する人が多いからだといえるでしょう。

実際の倍率は、特に一般職では驚くほど低くなっています。
もちろん、倍率低い=難易度低いとは判断できないのが、公務員試験の常です。

  • 一般知能が重視されること。
  • 専門記述が課されること。
  • 専門科目の科目数は少ないため、深く勉強しておく必要があること。
  • 総合職では政策論文が課されること。

こういった試験内容の特徴を知った上でしっかりと戦略を練る必要があります。

ただ、公務員試験一般に要求される「広く浅く満遍なく」よりも「狭く深く」勉強する方が得意な受験生には有利かもしれませんね。

受験地と勤務希望地

裁判所事務官の試験は、願書提出時に全国8つの高等裁判所管轄から「勤務希望地」を選択することができます。

勤務希望地にかかわらず、試験地を選択することができます。
例えば、卒業後に広島で就職を希望する受験生が、東京の大学に通学している場合、東京で受験して、勤務希望地を「広島高裁管轄」とすることができます。

このあたりは、国家公務員一般職と異なるので注意が必要ですね。

裁判事務官から別の道へも

裁判事務官として一定年数以上勤務し、特定の要件を満たせば、司法書士、弁護士の資格取得や、検察官への道が広がることも最後に付け加えておきます。

司法府のスペシャリストとして培った経験を活かせるステップアップや資格取得も、裁判所で働くことの魅力の一つと言えます。

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この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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