市役所に採用されれば、高水準な待遇で自治体の運営や発展に携わる仕事に就けます。

しかし、イメージだけで市役所の受験を決定するのではなく、仕事内容や向いている人の特徴、給与などを正しく理解したうえで後悔のない選択をしましょう。

また、市役所の職員になるには、公務員試験への合格が必要です。

試験の内容は自治体によっても異なりますが、いずれも決して簡単ではないため、試験の内容や特徴、対策の進め方などを適切に理解しましょう。

本記事では、市役所の職員の仕事内容や給与、試験の概要、対策の進め方などを解説しています。

「自分は市役所の仕事に向いているか」「採用試験に向けて何をすべきか」などが理解できるため、ぜひご覧ください。

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市役所で働くには?市役所職員になるには?

市役所で働く、市役所職員になるには、市役所で実施される地方公務員の試験に合格する必要があります。地方公務員試験に合格し、採用されることで、市役所で働くことができます。

市役所職員になるための公務員試験には、教養科目や専門科目に関する内容などが出題されます。
「教養科目」は、高校までに学ぶ国語、数学、理科、社会、英語です。専門科目は、大学の専門課程で学ぶ内容です。

市役所で働くには、下記の3つの準備が必要になります。

  • 関連する学問や法律についての学習を進めること
  • 公務員試験の勉強や対策をすること
  • 地方自治体や行政の仕組みについて理解を深めること

【大学卒】市役所で働くには?

大学卒で市役所で働くには、地方上級である「大学卒区分」で市役所の公務員採用試験に合格し、内定をもらう必要があります。

一般行政職、福祉職、技術職など、職種は多岐にわたります。

大学卒区分の市役所公務員試験概要は、各自治体によって異なります。事前に、希望する市役所の採用試験概要を確認し、対策することを推奨します。

【高卒】市役所で働くには?

高校卒で市役所で働くには、地方初級である「高卒区分」または「大卒区分」で市役所の公務員採用試験に合格し、内定をもらう必要があります。

高卒区分の市役所公務員試験概要も、各自治体によって異なります。希望する市役所の採用試験概要を確認し、対策することを推奨します。

【中途採用】市役所で働くには?

中途採用で市役所に働くには、市役所の経験者採用試験に合格し、内定をもらう必要があります。

各自治体によって中途採用の年齢は異なります。年齢によって、受験が可能な自治体、受験が不可能な自治体があるため、事前に確認を行いましょう。

市役所の主な仕事内容

市役所に採用されると、市の運営に携わる業務全般を行うこととなります。

しかし、市役所ではさまざまな職種が採用されており、それぞれ仕事の内容や異動の範囲が異なるため、採用後に何をしたいかを念頭に置いて受験する職種を選ぶことが大切です。

多くの市役所では、事務職と技術職、福祉職などが採用されています。

また、市役所と県庁でも仕事の内容が大きく異なるため、違いを適切に理解しましょう。

事務職(一般事務)の仕事内容

市役所の事務職とは、市の運営に関する行政事務全般を行う職種です。

【事務職の仕事内容の例】

戸籍・住民登録:戸籍や住民票の管理・登録・窓口対応などを行う仕事
社会保険:国民健康保険や国民年金に関する手続きを行う仕事
税務:市税が適切に申告・納税されているかを管理する仕事
福祉:福祉事務所や児童相談所で相談業務や業務協力などを行う仕事
環境:市の環境保全や衛生管理、公害対策などを行う仕事
文化:市内の文化の維持や支援、PRなどを行う仕事
観光:市内の観光地の支援やPRなどを行う仕事
生涯学習:各種教育団体に対する指導等を行う仕事 など

自治体によっては「一般事務」「行政職」「一般行政」などと呼ばれることもあり、すべての自治体で採用が行われています。

担当する仕事の内容は配属される部署ごとに決まっており、数年に一度の間隔で異動を繰り返しながらキャリアを重ねます。

さまざまな仕事を経験できるため、多様な知識や価値観を得られる職種といえるでしょう。

技術職の仕事内容

市役所の技術職とは、採用された職種に関する分野を専門的に行う職種です。

理系の学生や関連業界で働く社会人の転職にも人気があります。

採用がある技術職は自治体によってもさまざまですが、主に以下のような職種が存在します。

【市役所の技術職の例】

土木:道路や河川、ダムなどの管理・維持を行う仕事
建築:建築物の設計や民間企業への委託、指導などを行う仕事
電気:公共施設の電気設備の設計や工事の管理、指導等を行う仕事
機械:公共施設の機械設備の管理やメンテナンス、工事などを行う仕事
造園:公園や街路時などの管理や維持、企画などを行う仕事 など

事務職と同様に定期的な異動はありますが、範囲は限定的です。

また、本庁だけでなく、関連する各種出先機関に配属されるケースも多いです。

福祉職の仕事内容

市役所の福祉職とは、市民の健康や家庭的な問題といった福祉分野の業務を専門的に行う職種です。

【福祉職の仕事の例】

虐待やDVのケース対応
里親に関する相談
非行問題に関する相談
障がい者支援・相談 など

採用の条件として資格の所持を求められる場合も多く、配属先も比較的限定的となっています。

ただし、規模の小さな自治体では募集が行われていないこともある点に留意してください。

市役所と県庁の仕事内容の違い

市役所の仕事は県庁の仕事とは異なり、対市民サービスが基本となります。

窓口対応のように市民と直接接する機会が多いことはもちろん、ほぼすべての業務が市民の生活にかかわる内容となっています。

市民や自治体に密着して仕事をしたい方におすすめです。

一方で県庁の仕事は、国や市町村との連絡調整業務や、法人の対応などが主です。

県民の対応を直接的に行うケースは少なく、比較的スケールの大きな業務に従事できます。

大規模な事業で多くの方に影響を与えたいといった場合は、県庁勤務が向いている可能性もあるでしょう。

市役所で働く人の1日の流れ

市役所の受験を決定する前に、実際に勤務する人がどのような流れで働いているかを確認しましょう。

ここでは、市役所で働く人の一日の流れを紹介します。

横浜市役所 泉区 総務課の職員の例

横浜市役所の泉区 総務課で働く方の一日のスケジュール例は以下の通りです。

8:30出勤・スケジュール確認
9:00メール確認
10:30委託事業者と打合わせ
12:00昼食
14:00資料作成・電話対応
16:00庁内関係課との打合せ
17:15退庁

札幌市役所 北区 保健福祉部健康・子ども課の例

札幌市役所の北区 保健福祉部健康・子ども課で働く横山美音さんの一日のスケジュール例は以下の通りです。

8:45始業
9:00来訪者に対し保育所の申込みについて説明
11:00来訪者への相談対応
12:15昼食
13:00電話にて新制度に関する問合せ対応
15:00保育園の園長と児童の受入相談
16:00保育園入園決定後、通知書を作成
17:15終業

市役所職員の給与・年収・福利厚生

就職先選びでは、給与や福利厚生といった雇用環境の確認も重要です。

ここでは、市役所職員の給与や平均年収、福利厚生などを紹介します。

市役所職員の給与(給料)

総務省の調査によれば、市役所職員(一般行政職)の平均給与月額は「396,793円」です。

平均給与月額とは、基本給である平均給料月額に扶養手当や地域手当といった各種手当を加算した金額を指します。

市役所職員396,793円
県庁職員411,612円
国家公務員404,015円

県庁職員や国家一般職と比較して低水準となっていますが、一言で市役所といっても自治体によって給与が大きく異なる点に留意してください。

特に、政令指定都市を含む大規模な自治体の場合は地域手当が加算されるため、給与が高額になる傾向があります。

市役所職員の平均年収

同じく総務省が発表するデータによれば、市役所職員(一般行政職)の平均年収は「6,316,842円」となっています。

公務員の年収には、給与月額12か月分に加えて、民間企業のボーナスに相当する期末・勤勉手当が加算されます。

市役所職員6,316,842円
県庁職員6,509,843円
国家一般職6,666,248円
民間企業(正社員)約5,080,000円

国税庁が発表している民間企業の平均年収と比較して、100万円以上高額であると確認できます。

また、県庁職員や国家公務員と比較すると低水準ではありますが、地域手当の支給対象地域であれば、これらの公務員よりも高額になる場合も多いです。

市役所職員の福利厚生

市役所職員になると手厚い福利厚生の下で働くことが可能です。

給与面では給料月額の約4.5か月分の期末勤勉手当が支給され、年次休暇や特別休暇、育児休業といった制度も整備されています。

また、公務員宿舎や各種給付制度、貸付制度、健康診断などの福利厚生も充実しています。

ワーク・ライフ・バランスを達成しやすい環境といえるでしょう。

「公務員は常にルーティン業務」と勘違いしている方も多いため注意しましょう。

市役所で働くやりがいとは?

市役所職員の仕事にはさまざまな魅力ややりがいが存在します。

これらが魅力的と感じる場合は、市役所の仕事に向いている可能性が高いです。

ここでは、市役所で働くやりがいを4点解説します。

市民の暮らしを支えられる

市役所の職員になれれば、市民の暮らしを支える業務に従事できます。

市役所の仕事内容はすべて市民に向けた業務となっており、これらがなければ、市民の快適かつ安心できる生活は存在しません。

特に市役所の業務は、県庁職員や国家公務員と比較して、住民との距離が近いという特徴があります。

市民の表情や言葉を直接受け取れる場所で働けるため「市民の暮らしをより良くしたい」というモチベーションにも繋がるでしょう。

市の発展に貢献できる

市役所の業務では、市の制度や環境の管理・整備や課題の改善などが行われます。

そのため、勤務する自治体の発展の一端を担えます。

また、市役所職員の環境整備や土地活用、各種施策の企画運営といった業務は、後世にも長く残る内容が多いです。

これから長期にわたって存在する自治体の歴史に携われる点は大きなやりがいに繋がるでしょう。

幅広い仕事を経験できる

市役所に事務職で採用されると、数年に一度の異動によって幅広い仕事を経験することとなります。

福祉や税務、文化、教育、環境といった多岐にわたる分野に関する経験を得られるため、さまざまな知識や価値観を得られます。

ひとつの業界に特化した事業を行う民間企業と比較した際に、大きな魅力といえるでしょう。

また、多様な側面から物事を考えられるようになり、今後の人生においても広い視野をもって生活できるようにもなる点も魅力です。

多くの人とかかわりながら働ける

公務員の仕事は多くの人とかかわりながら進んでいきます。

同じ部署の職員はもちろん、部署外の職員や民間企業のスタッフとも一緒に働くため、チームでひとつの事業や目標を達成する経験を得られます。

また、ターゲットを定めている民間企業とは異なり、すべての市民に対して平等にサービスを提供する点も特徴です。

さまざまな考え方や経歴をもつ市民と接するため、多様な考え方に触れられ、人間としても成長できるでしょう。

市役所職員に向いている人の特徴とは?

市役所の仕事は民間企業や県庁、国家公務員などとは特性が大きく異なるため、向き不向きがあることも事実です。

そのため「自分は市役所職員に向いているか」を適切に判断しましょう。

ここでは、市役所職員に向いている人の特徴を4点解説します。

社会貢献の意識が強い人

市民や自治体に貢献したい方は市役所の職員に向いています。

市役所と民間企業の大きな違いは「営利性があるか否か」です。

市役所の仕事には営利性がないため、社会的に弱い立場の人にも平等にサービスを提供できます。

また、利益を考えず「いかにより良い自治体にできるか」を念頭において業務に従事できる点も魅力です。

このように、最も仕事に求める要素が「社会貢献」である場合は、市役所という環境が向いている可能性が高いです。

責任感が強く誠実な人

責任感が強く誠実な人も市役所の職員に向いている可能性が高いです。

市役所は市民から受け取った税金で運営されており、非常に多くの人とかかわりながら仕事を行うため、責任感のない行動をしてはいけません。

常に周りから見られているという意識をもって、真摯に仕事に取り組む必要があります。

また、市民の目があることはもちろん、トラブル時も公務員というだけで各種メディアから注目されやすいです。

そのため、勤務時間外であっても誠実な対応を取れることが非常に重要となります。

コミュニケーション能力が高い人

上述した通り、市役所の職員はさまざまな人とかかわりながら業務に従事します。

そのため、円滑に仕事を進めるためにも、コミュニケーション能力は必須となります。

また、市役所の職員はさまざまな人柄や経歴、立場の市民と向き合うため、どのような人に対しても柔軟に対応できる能力も重要です。

実際に、各市役所の求める人物像や目指すべき職員像には、コミュニケーション能力がある人材と掲げている自治体も多いです。

常に学び続ける姿勢を有する人

市役所の職員は常に学び続ける姿勢も重要です。

市役所の職員は数年に一度の異動によって、さまざまな部署に配属されます。

当然各部署では取り扱う業務が異なるため、常に新たな知識の習得が必要です。

また、法律や制度が更新された場合は迅速な対応が求められるため、最新の法律改正や制度、情報を学び続ける必要があります。

市役所職員になりたい人のよくある質問

ここでは、市役所職員になりたい人のよくある質問を紹介します。

採用試験では学部によって優劣はあるのか

市役所試験では、学部による優劣はありません。

どのような学部に在籍していても、試験で高得点を得た方が平等に採用されます。

また、法律学部や経済学部などに在籍していれば、学習時間を多少圧縮できますが、公務員試験で問われる問題は初学者でも十分に理解できる内容です。

そのため、公務員試験に関係ない学部に在籍していても、大きく不利になる可能性は少ないでしょう。

市役所の仕事はきつい?楽?

市役所の仕事は決して楽ではありません。

定期的な異動や制度改正があるため、常に学び続ける姿勢が必要です。

また、多様な市民と接する機会も多いため、柔軟に対応する力も重要となります。

加えて、財務課や福祉課、人事課、国民健康保健課といった一部の忙しい部署は、残業が必要となるケースも多いです。

そのため「公務員はルーティンワークで定時退社」というイメージをもっている方は、採用後に後悔する可能性があるため注意しましょう。

市役所の公務員試験対策にはアガルートがおすすめ!

今回は市役所の仕事内容や、採用試験の概要などを解説しました。

市役所の採用試験は決して簡単ではないため、自分に合った効率的な学習が必須となります。

そして、おすすめの対策方法は、通信講座のアガルートの活用です。

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この記事の執筆者 渡邉新太

渡邉新太(わたなべ あらた)

大学現役時に以下の公務員試験に独学で合格。
・国家公務員一般職
・国税専門官
・東京特別区
・地方上級(地元県庁)

そして、公務員としての勤務を経た後に、フリーランスのWebライターとして独立。
現在は公務員時代の知識や経験を活かして、多くの方の人生の選択に役立てるよう日々奮闘しています。

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