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国内MBAの倍率から見る難易度と人気大学院合格に必要な勉強期間

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本コラムでは、国内MBAの難易度について説明します。難易度と言いましても、大学受験のような偏差値という概念は、国内MBA受験にはありません。

そこで国内MBAの難易度を測る目安として、ここでは受験倍率を取り上げて、倍率が高い大学院を難易度が高い国内MBAと定義します。

その上で、難易度が高い国内MBAはどこの大学院か、その大学院を素人が目指すには、受験の何か月前くらいから勉強を開始すべきかについて説明します。

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アガルートアカデミー国内MBA試験の飯野一講師が、人気のビジネススクール、青山学院大学、神戸大学、慶應義塾大学、筑波大学、東京都立大学、一橋大学、早稲田大学の倍率について解説します。

合格倍率を公開しない大学も多いですが、気になるポイントかと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

MBAは資格ではなく学位

MBAとは、Master of Business Administrationのことで、ビジネス・スクールの修了生に対して授与される修士号です。

資格ではなく、学位なので、弁護士や公認会計士のようにその資格を持っていないとできない仕事があるというわけではありません。

しかし、欧米有名大学でのMBAは、その取得の難しさと、世界のビジネス界に広がる同窓生の人脈をも含め、ビジネスエリートのパスポートと称されるなど、自身のキャリアアップのために絶大な効果を持っています。

関連コラム:MBA(経営学修士)とは

MBA入試の特徴

MBA受験では、各大学院のプログラムごとに様々な試験が課されるのが普通です。一般には、以下のような試験や書類の提出が求められます。

研究計画書

研究計画書は、MBAに在学したあと、どんな研究をどのような方法で行うことを計画しているのかを示したものです。

修士論文の執筆が求められない大学もあるものの、論文の提出が求められる大学では必ず提出が求められます。

研究には通常時間がかかるものですが、MBAの時間は限られていますから、在学期間中に十分研究が完遂できるかどうかが判断されます。

一般に、面接において研究計画書に関する質問が行われます。

小論文

小論文は、経営現象に関して議論を組み立てる能力をみるために出題される試験です。

小論文では、最近の経営現象を題材として、その現象を既存の理論を使って説明せよという問題が出題されるのが最もオーソドックスな内容となります。

たとえば、不正を行う経営組織にはどのような特性があるか?という出題があった場合、経営学でよく知られている不正のトライアングルの3要素の観点から、その特性を説明するといった問題が出題されます。

英語

研究活動には、語学力が欠かせません。

経営学の理論研究は米国の方が進んでおり、世界的に認められている研究論文のほとんどは英語で書かれています。

したがって、MBAの取得には英語の能力が欠かせないのです。

少なくとも英語がある程度読めるという能力が必要となります。

面接

面接試験では、研究計画書の中身を確認するケースが多いです。

場合によっては、小論文や英語試験の出来について問われるケースもあります。

面接の目的は、MBAの取得を目指す動機を確認すること、どのような学修をしたいのかというモチベーション、MBA取得後のキャリアなどを知ることにあります。

したがって、合否に大きな影響を与えるというよりも、他の試験の確認などを行う場というケースがほとんどです。

MBA受験と中小企業診断士やUSCPA、公認会計士との試験科目の違いや難しさについて

国内MBAの試験において問われるのは、幅広い基本的な経営学を中心とする理論です。

特定の経営現象を分析したり、説明したりするために必要となる理論が試験において出題されます。

一方、中小企業診断士やUSCPA、公認会計士といった試験においては、それぞれの分野の専門家として必要不可欠となる実務で役立つ知識に関して出題されるケースがほとんどです。

ですが、経営学の理論は、必ずしも実務の役に立つものばかりではありません。

なぜなら、それは経営現象を理解するためのツールだからです。

実務に役立つものばかりを学ぶのがMBAではないのです。

このように、MBAと資格試験では、目的が異なっていることから、試験制度も異なります。

国内MBAの難易度

国内MBAの難易度を測る目安として、受験倍率をMBA大学院ごとに紹介します。

国内MBAを開講する大学院も近年は数が増えて50校を超えています。

この50校がすべて難易度が高いかというと、そんなことはありません。
国内MBAの場合は、難易度が高い大学院はごく一部です。

そこで、本コラムでは、難易度が高い(倍率が高い)国内MBAをご紹介します。

難易度(倍率)が高い国内MBA

  • 京都大学経営管理大学院
  • 慶應義塾大学大学院
  • 神戸大学大学院
  • 筑波大学大学院
  • 一橋大学大学院
  • 早稲田大学大学院

京都大学経営管理大学院

1つ目は、京都大学経営管理大学院です。

京大は実務経験がなくても受験できる一般選抜と、社会人が対象の特別選抜に分けられます。

2021年度の一般選抜は203名出願して、27名の合格者ですから、倍率は7.52倍となっています。
特別選抜は、71名受験して、31名合格ですから、受験倍率は2.29倍となっています。

2020年度2021年度
一般選抜5.80倍7.52倍
特別選抜2.00倍2.29倍

※参考:入試データ

慶應義塾大学大学院

2つ目は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)です。

KBSには全日制のMBAと実務経験15年以上の方を対象としたE-MBAがあります。

全日制の方は、2021年度は391名受験して104名の合格ですから、3.76倍となっています。
E-MBAは、81名受験して58名の合格ですから、1.40倍となっています。

2019年度2020年度2021年度
MBA2.70倍3.08倍3.76倍
EMBA1.28倍1.43倍1.40倍

※参考:入学試験要項

神戸大学大学院

3つ目は、神戸大学大学院経営学研究科です。

2021年度の入試は、141名受験して、71名合格ですから、受験倍率は1.99倍となっています。

2019年度2020年度2021年度
1.87倍1.80倍1.99倍

※参考:2021年度入学生情報

筑波大学大学院

4つ目は、筑波大学大学院ビジネス科学研究科です。

ビジネス科学研究科には、経営学専攻と国際経営プロフェッショナル専攻の2つのコースがあります。

2021年度入試の経営システム科学専攻は95名受験して、38名合格ですから、受験倍率は2.5倍
国際経営プロフェッショナル専攻は90名受験して、35名合格ですから、受験倍率は2.57倍となっています。

2019年度2020年度2021年度
ビジネス科学研究群3.50倍2.78倍2.50倍

※参考:入学試験実施結果

一橋大学大学院

6つ目は、一橋大学大学院経営管理研究科です。

一橋大学大学院経営管理研究科には、実務経験がなくても受験できる経営分析プログラム、社会人対象の経営管理プログラム、金融・財務を学ぶ金融戦略・経営財務プログラムがあります。

2021年度の経営分析プログラムは、132名受験して、62名合格ですから、受験倍率は2.13倍となっています。

経営管理プログラムは、317名受験して、65名合格ですから、受験倍率は4.88倍となっています。

金融戦略・経営財務プログラムは秋入試と冬入試に分かれていまして、2021年の秋入試は76名受験して、31名合格ですから、受験倍率は2.45倍となっています。
冬入試は34名受験して、11名合格ですから、受験倍率は3.09倍となっています。

2019年度2020年度2021年度
経営分析プログラム2.48倍2.26倍2.13倍
経営管理プログラム3.27倍3.14倍4.88倍
金融・財務プログラム
(秋入試)
3.35倍3.03倍2.45倍
金融・財務プログラム
(冬入試)
3.67倍4.22倍3.09倍

※参考:合格実績

早稲田大学大学院

7つ目は、早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)です。

早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)には全日制、夜間主総合、夜間主プロフェッショナルの3つのコースがあります。

受験者数、合格者数などの受験情報は大学ホームページ等では公式に発表されていません。
そこで筆者が以下の方法で2021年度の秋入試に関する情報を入手して独自に倍率を計算しましたので、その結果を掲載します。

多少の誤差はあるかもしれません。
この点をご理解いただいたうえで、以下の数字を参考にしてください。

2021年度の秋入試は、夜間主総合が212名受験して66名合格で倍率3.21倍となっています。
夜間主プロフェッショナルは、100名受験して42名合格で倍率2.38倍となっています。

なお、全日制に関しては、合格発表の受験番号情報だけでは正確に把握することはできませんでした。
そのため全日制の掲載は控えておきます。

2021年秋
夜間主総合3.21倍
夜間主プロフェッショナル2.38倍

中小企業診断士を取得できるコースも倍率が高い

その他、倍率が高い国内MBAとして、兵庫県立大学大学院経営研究科があります。

同研究科の地域イノベーションコースは114名受験して31名合格で3.68倍となっています。
同研究科が倍率が高くなっている理由は、中小企業診断士の2次試験が免除になるため。

同様のことが、法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科にも言えます。

倍率が2倍未満の国内MBA

では、受験倍率が2倍未満の大学院(例えば、1.4倍)はどこがあるのでしょうか。

こちらも大学院では公開していませんので、アガルートの受講生でその大学院を受験した方々から得た情報をもとに本コラムは執筆します。

は、アガルートから受験している方がいますが、その方々に聞くと、倍率は2倍に届いていないようです。

中には、1.2倍とほぼ全入の大学院もあります。
国内MBAでは、こういった倍率が低く全入に近い大学院がけっこうあると筆者は推測しています。

経営学を1から学ぶ人が難易度の高いMBAに合格するには?

最後に、経営学に関する知識がない方が、先に説明した倍率2倍以上の難易度の高い国内MBAに合格するには何ヶ月前から受験勉強をすればよいか説明します。

先ほど説明した難易度が高い国内MBAでは、筆記試験として小論文が課せられています(神戸大学と一橋大学経営分析プログラムは英語も筆記試験があります)。

そして、この小論文以外に、志望理由書や研究計画書といった出願書類、そして面接の計3つが課せられています。

小論文、研究計画書、面接、どれをとっても経営学の基本的な知識が必要になります。

そのため、経営学の知識がない方が、難易度の高い国内MBAを受験する場合は、出願の6か月前には受験勉強を開始するのが望ましいです。

まずは、経営学の基礎知識をインプットして、それができたら小論文の論述の練習、そして研究計画書の作成という順番で勉強すればいいと思います。

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この記事の著者 飯野 一 講師

飯野 一 講師

ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。

国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。

国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。

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