ことわざ検定を実施されている、一般社団法人 ことわざ検定協会にインタビューを行いました。

ことわざ検定の概要や取得のメリットなどについて、詳しくご回答いただいています。

ことわざ検定に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

ことわざ検定とはどのような検定なのでしょうか?

ことわざは、世界各地に存在し、その地域に根差した伝統的な言語文化です。

日本のことわざは、故事や古典などを出典とするものや、庶民の言葉遊びから生まれたものなど、由来はさまざまですが、どのことわざも人生の教訓や生活の知恵などが短い言葉でわかりやすく表現されていています。

ことわざ検定は、日本の伝統的な言語文化である『ことわざ』に加え、『慣用句』『四字熟語』を学び、その知識と技術を客観的に測るための検定試験です。

どのような方が受検されることが多いのでしょうか?

「個人受検」の受検者は、年齢から職業までさまざまです。

小学校の低学年のうちに、学んでおくと良いことわざから、専門家レベルのことわざまで幅広く、10級~1級の中からレベルにあわせて受検することができます。

「団体受検」は、小学生から高校生向けの学習塾や、中学校などが主な受検者です。

ことわざは中学入試にも出題されるので、中学受験専門の学習塾でも活用されています。

基本的にオンライン受検ですので、海外の日本語学校からでも受けていただけます。

ことわざ検定を受けるメリットを教えてください

検定に合格するには、数多くのことわざに触れ、学ぶ必要があります。

小説や新聞記事、改まった席のスピーチはもとより、日常会話においても何気なくことわざや慣用句、四字熟語が数多く使用されています。

これらの言葉の意味を正確に理解することで、文章や人の話への解像度が各段に上がりますし、ことわざを効果的に用いることで、伝えたいことをより的確に伝えられ、コミュニケーション能力の向上につながります。

検定に向けての学習自体が日本語能力のトレーニングになりますので、ことわざ検定は、公立大学や私立大学の入試評価対象資格にも認定されています。

また、ことわざ検定に対する取り組みの努力を評価する「段位」制度と、「言語文化マスター」認定制度を設けて、さらなる高みを目指す仕組み作りも行っています。

ことわざ検定の概要について教えてください

ことわざ検定は、10級~1級までに分かれています。

◆各級のレベル

  • 10級:小学3年生レベル
    試験時間:40分(合格正解率70%)
    小学校の低学年のうちに、学んでおくと良いことわざ
  • 9級:小学4年生レベル
    試験時間:40分(合格正解率70%)
    小学生向け基本ことわざと体に関連したことわざや慣用句
  • 8級:小学5年生レベル
    試験時間:40分(合格正解率70%)
    中学入試に出題される比較的やさしいことわざと動物や昆虫などに関連したことわざ
  • 7級:小学6年生レベル
    試験時間:40分(合格正解率70%)
    中学入試に出題されることわざと植物や天候、季節など、自然環境に関連したことわざ
  • 6級:小学6年生ハイレベル
    試験時間:40分(合格正解率70%)
    中学入試に出題されることわざと家族や食べ物、職業など暮らしに関連したことわざ
  • 5級:中学生レベル
    試験時間:50分(合格正解率70%)
    高校入試に出題されることわざを中心に、現代常用される基本的なことわざ
  • 4級:高校生レベル
    試験時間:50分(合格正解率70%)
    大人になるまでに知っておきたい、実用的かつ一般的なことわざ
  • 3級:一般レベル
    試験時間:50分(合格正解率70%)
    4級までのものに、古典・新語・郷土のことわざを加えたもの
  • 2級:一般ハイレベル
    試験時間:50分(合格正解率80%)
    3級までのものに世界各地のことわざ、日本古来の各職業のことわざを加えたもの
  • 1級:難問チャレンジャー
    試験時間:50分(合格正解率80%)
    一般的なことわざ辞典に記載のないものや、近年発見されたものなど、専門家レベルのもの

◆受検方法

「個人受検」「団体受検」の2種類です。

【個人受検】

オンライン受検のみ。

検定期間内の都合のいい時間にパソコンやスマートフォン、タブレット等から、どこでも何時でも受検することができます。

【団体受検】

オンライン受検とペーパーテストの2種類の受検方法から選んでいただけます。

オンライン受検の場合、必ずしも一斉受検の必要はなく、受検期間内であればご都合のよい時に、各ご自宅から受検していただくことも可能です。

ペーパーテストの場合は、学習塾や学校などの、団体が用意する会場で一斉受検していただきます。

◆検定日程

ことわざ検定の受検日は、2月・5月・8月・11月の年4回開催となります。

直近の検定日程は、以下の通りです。

【第43回】2025年11月15日(土)~ 11月24日(月祝)
 申込期間:2025年10月1日(水)~ 11月14日(金)
 ※ 団体:10月31日(金)まで

【第44回】2026年2月14日(土)~2月23日(月祝)
 申込期間:2026年1月5日(月) ~ 2月13日(金)
 ※ 団体:1月30日(金)まで

受検申し込みは全て公式サイトにて受け付けています。

ことわざ検定は今後どうなる?

ことわざ学習は小学校の国語教育では、3・4年生のごく一部の単元に限られています。

それなのに、その後の社会生活で使用されることわざは膨大です。

かつ、大人になるにつれ、「知っていて当然の知識」として扱われるものでもあります。

けれど「勉強しなくては!」と、難しく考える必要はありません。

そもそもことわざは、『二階から目薬』のように情景を思い浮かべてくすっと笑ってしまうものや、『水清ければ魚棲まず』のように、「なるほどなぁ」と感心したりする楽しいものです。

美しく表現豊かな日本語文化に今一度向き合い、ことわざ検定を受けることをきっかけに、覚えた知識を『素養』として身につけていただき、人格形成の一助にしていただければと思います。

ことわざ検定をより多くの方に認知していただくことによって、ことわざは難しいものではなく、「面白いものだ」「役に立つものだ」ということを広めていきたいと考えています。

実施団体様より一言

ことわざ検定協会では、単にことわざを覚えるだけではなく、「新しく作ってみよう!」という『創作ことわざ』のコンテストも行っています。

創作ことわざを考えることは、身の回りで起こったことを『たとえ』にして、『言葉』を使い、スマートに『表現』するという、国語の思考力・表現力のトレーニングになるのです。

毎年テーマを変えて開催しており、入賞作品は公式HPで発表の上、大賞・優秀賞・佳作には豪華副賞を進呈!

ユニークな作品を掲載しておりますので、ぜひ公式サイトを見に来てください。

<2025年度のことわざ検定>

ことわざ検定の検定日程は、公式サイトでご確認いただけます。

検定について
https://kotowaza-kentei.jp/guide

受検申込は全て公式サイトにて受け付けています。

こと検(ことわざ検定)公式サイト
https://kotowaza-kentei.jp