士業資格の難易度・年収ランキング!8士業・10士業にて比較【2025年最新】
本ページにはプロモーションが
含まれていることがあります

みなさんは士業というと、どのような職業が思い浮かべるでしょうか?
また、士業というと試験の難易度が高いため合格率も低く、自分には関係ないと考えている方も多いかもしれません。
士業の中には代表的な8士業・10士業というのが存在します。
この記事では8士業・10士業の難易度や年収についてランキング形式でご紹介しています。
士業とは?8士業・10士業を解説
士業とは、弁護士や司法書士のように「〜士」という名前を用いる職業の俗称です。
中でも住民基本台帳法に基づいて戸籍や住民票などについて、職務上必要な場合において請求を行う権限が認められている職業8種を8士業といいます。
具体的には弁護士・司法書士・弁理士・税理士・社会保険労務士・行政書士・土地家屋調査士・海事代理士の8つです。
また8士業から海事代理士を除いた7つの士業に、公認会計士・中小企業診断士・不動産鑑定士の3士業を加えて10士業と読んでいる例もあります。
今回は8士業・10士業を中心に士業の合格率や年収について、ランキング形式で見ていきましょう。
士業一覧!8士業・10士業の仕事内容は?
士業といっても、弁護士や税理士といった馴染みのあるものから、不動産鑑定士や海事代理士といった専門性の高いものまで、幅広い分野があります。
ここでは、代表的な8士業・10士業を中心に、それぞれの仕事内容や役割を詳しく解説します。
「どんな場面で活躍できるのか」「取得までの道のりはどんな流れか」が分かれば、自分に合った資格が見えてくるはずです。
法律系の士業一覧
法律系の士業は以下の4つです。
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 弁理士
弁護士
弁護士は法律のプロフェッショナルとして、依頼人の代理人となり裁判や交渉を行うほか、企業の法務をサポートする役割も担います。
近年は訴訟だけでなく、企業のコンプライアンスやM&Aなどの分野でも活躍の場が広がっています。
取得までの流れは非常にハードルが高く、大学法学部などで学んだ後、法科大学院または予備試験を経て司法試験に合格する必要があります。
その後1年間の司法修習を経て弁護士登録となります。
努力が求められる一方で、社会的信用度や収入面での魅力は非常に高い資格です。
司法書士
司法書士は、不動産や会社に関する登記業務を中心に、相続や成年後見制度に関わる手続きまで幅広く扱います。
日常生活に密接する場面も多く、不動産売買や会社設立時には欠かせない存在です。
取得の流れは、受験資格がなく誰でも挑戦できるのが特徴。
合格率は3〜4%程度と難関ですが、独学や予備校での学習を経て合格を目指すことが可能です。
合格後は司法書士会に登録し、独立開業を目指す方も多い資格です。
行政書士
行政書士は、官公庁に提出する許認可申請や契約書の作成を代行します。
建設業や飲食業の許可申請、外国人の在留資格関連など、幅広い業界に関わるため、地域に根差して活躍できる資格です。
受験資格は不要で、法律知識がゼロからでも挑戦できます。
合格率は10%前後で、独学・通信講座・予備校の利用など、学習スタイルに応じて合格を狙えます。
資格取得後は独立開業する人が多いのも特徴です。
弁理士
弁理士は特許や商標など知的財産を守る専門家です。
企業の研究開発部門や特許事務所などで、発明やブランドを保護するための出願手続きを行います。技術革新が進む現代において、需要が高まっている分野です。
試験は短答式・論文式・口述試験と複数段階に分かれており、理系のバックグラウンドを持つ人に有利とされます。
法律と技術の両方に強くなれるため、専門性を磨きたい方に人気です。
会計・税務系の士業一覧
会計・税務系の士業は以下の2つです。
- 公認会計士
- 税理士
公認会計士
公認会計士は、企業の財務諸表監査を行う唯一の国家資格であり、会計の透明性を担保する役割を担います。
監査法人で働くほか、コンサルティング業務やIPO支援など、多様なキャリアを描けます。
試験は短答式と論文式があり、合格率は約10%。大学在学中から受験でき、若いうちに取得してキャリアを積む人も多いです。
合格後は2年以上の実務経験と修了考査を経て登録できます。高収入・高難度ですが、その分得られるリターンも大きい資格です。
税理士
税理士は税務の専門家として、法人や個人の税務申告、相続税対策、節税アドバイスなどを行います。
会計事務所や企業の経理部門で活躍できるほか、独立開業のチャンスもあります。
試験は11科目から選択し、5科目に合格すれば取得可能。
科目合格制のため、働きながら少しずつ合格を積み重ねて資格を得られるのが特徴です。
長期的な計画で取り組むことで、安定したキャリアにつながります。
不動産・建築系の士業一覧
不動産・建築系の士業は以下の2つです。
- 不動産鑑定士
- 土地家屋調査士
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、土地や建物の経済的価値を評価し、適正な価格を提示する専門家です。
不動産取引、相続、担保評価など、取引の公正性を守るために欠かせません。
試験は短答式・論文式・口述試験で構成され、合格率は10%前後。
経済学や法律の知識が必要で、難易度は高いですが、専門性が高いため希少価値のある資格です。
土地家屋調査士
土地家屋調査士は、土地や建物の測量や調査を行い、登記の申請代理を担います。
境界を明確にする仕事も多く、トラブル防止に大きく貢献します。
試験は択一式・記述式・口述試験があり、合格率は約8%程度。
測量士補など関連資格を持っていると一部免除もあります。
不動産業界や測量業界に進みたい人におすすめです。
その他の士業一覧
その他の士業は以下の3つです。
- 社会保険労務士
- 中小企業診断士
- 海事代理士
社会保険労務士
社会保険労務士は、人事・労務・社会保険の専門家です。
企業の労働環境整備や社会保険手続きを代行し、労使トラブルを防ぐ役割を担います。
試験は選択式と択一式からなり、合格率は5〜7%程度。
法律や労務管理に関心がある人に人気で、独立開業のほか、企業の人事部や社労士事務所で活躍できます。
中小企業診断士
中小企業診断士は「経営コンサルタントの国家資格」として、企業の課題を分析し、改善提案を行います。
経営戦略、マーケティング、人材育成など幅広い分野に携わるため、経営者の右腕として活躍できます。
試験は一次試験(7科目)と二次試験(筆記・口述)があり、合格率は約4%。
難易度は高いですが、MBAに近い知識を体系的に学べる点が魅力です。
コンサルティングや独立志向の方に人気があります。
海事代理士
海事代理士は、船舶に関する登記や登録、入港手続き、船員に関する申請などを代行します。
船舶や海運業に関わる唯一の国家資格であり、港町や国際物流の現場で活躍します。
試験は筆記・口述があり、法律や海事知識が必要です。
知名度は低いですが、専門性が高いため、海運関連業界では非常に重宝される資格です。
8士業・10士業の難易度ランキング:合格率より
ここでは士業の中でも代表的な「8士業・10士業」の難易度について見ていきます。例年の合格率を元に、8士業・10士業の難易度をランキング形式で紹介していきます。
士業と聞くと「かっこいい」「羨ましい」と感じる人も多いでしょう。
その一方で「試験の難易度が高く、合格するのは難しいのでは?」と思う人もいるかもしれません。
なお合格率は一般的に合格者数を受験者数で割って計算されています。
一般論として、難しい資格はそもそも受験するのをやめておくと考える人も多いですよね。
また弁護士のように、そもそも受験までのハードルが高い試験もあります。
このような理由により、分母となる受験者数が少なることによって合格率が高く見える場合もあります。
その意味で真の難易度・序列・格付けといったものを考えるのは難しいです。
今回のランキングはあくまで合格率に基づいた参考値となります。
第1位:司法書士
難易度ランキング1位は司法書士。例年の合格率は3〜4%となっています。
試験の時間が足りないという声もあり、難易度の高さに拍車が掛かっていることが予想されます。
第2位:不動産鑑定士
第2位は不動産鑑定士です。例年の合格率は5%となっています。
また合格後の実務修習も難易度が高いといわれています。
第3位:社会保険労務士
第3位は社会保険労務士。
例年の合格率は4〜6%と、かなり低い水準になっています。
第4位:弁理士
第4位は弁理士。例年の合格率は6〜10%ほどです。
合格率が10%に満たない年もよくあることから、難関資格として知られています。
第5位:土地家屋調査士
第5位は土地家屋調査士。例年の合格率は7~9%です。
こちらも問題に対して時間が足りないという声が聞かれました。
第6位:公認会計士
第6位は公認会計士。難易度は10%前後です。
試験が3日間にわたって行われる難関試験です。
第7位:行政書士
第7位は行政書士です。例年の合格率は8~15%。
合格率がそこまで低いというわけでもなく、比較的取りやすいとされています。
第8位:税理士
第8位は税理士。例年の合格率は12~15%です。
税理士の試験は1科目から受験できるなどユニークなものになっています。
第9位:中小企業診断士
第9位は中小企業診断士。合格率は20%ほどです。
面接試験がある珍しい試験内容になっています。
第10位:弁護士
第10位は弁護士。例年の合格率は22~39%となっています。
なお合格率の高さの理由については前述の通りです。
第11位:海事代理士
第11位は海事代理士です。
例年の合格率は48~54%と、約半数が合格する難易度となっています。
8士業・10士業の平均年収ランキング
ここからは、8士業・10士業を合わせた計11士業の平均年収をランキング形式でご紹介します。
ここで紹介する平均年収のデータは厚生労働省jobtagのものです。
雇用形態ごとの平均年収などの詳しい情報については、各資格の最後に掲載している、アガルートの関連コラムをご覧いただくことをオススメします。
第1位:弁護士 1121.7万円
1位となったのは弁護士。
弁護士の年収は年々減少傾向にあると言われていますが、サラリーマンの年収と比較すると、その差はまだまだ大きなものです。
場合によっては年収1000万円超え、独立して軌道にのれば1億円を超える可能性もあります。
初任給も、年代によってばらつきはありますが20〜55万円程度となっています。
新卒者の初任給は大学卒の場合20万円ほどが相場とされているので、比較すると弁護士の初任給が高額ということが分かるかと思います。
参考:厚生労働省 弁護士 – 職業詳細
第1位:司法書士 1121.7万円
司法書士も同じく第1位となりました。司法書士は独立開業する場合と雇われて勤務する場合とで、年収が大きく異なります。
まず開業司法書士の年収を推測すると、全体の38.9%に1000万円以上の年収があるということがわかります。
司法書士は難関資格のわりに稼げないと言われることもありますが、実際には年収が1000万円を超えている開業司法書士が全体の3分の1以上の割合でいるのです。
次に勤務司法書士の年収についてですが、勤務司法書士で年収1000万円以上の割合は2.9%となっており、開業司法書士と比べて遥かに少ないことが分かります。
令和5年分民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均年収は460万円となっているため、一般的なサラリーマンと比べてもさほど変わりません。
参考:厚生労働省 司法書士 – 職業詳細
第1位:弁理士1121.7万円
弁護士、司法書士と同じく第1位になったのが弁理士です。
弁理士もまた雇用形態によって年収が大きく変わってくる職業です。
第一に企業に勤務する弁理士ですが、こちらの年収は800〜1000万円といわれています。一般的な大企業勤務のサラリーマンの年収と、ほぼ同等ですね。
次に特許事務所で勤務する弁理士の年収は、平均600〜800万円程度と推測されます。ちなみに弁理士の40%以上を、この勤務弁理士が占めています。
最後に独立弁理士ですが、こちらの平均年収は1000〜2000万円くらいになりそうです。ただし独立弁理士の年収は青天井で、年収1億円越えの弁理士も少なくありません。
参考:厚生労働省 弁理士 – 職業詳細
第1位:土地家屋調査士 1121.7万円
土地家屋調査士も、同じく第1位にランクイン。
年収の高さの理由として、土地家屋調査士の業務が独占業務であり、参入障壁が高いことが考えられます。
土地家屋調査士の業務は、不動産の測量をして土地の地積の登記を申請したり、土地や建物を活用目的に応じて分けたりくっつけたりする「表題部の登記」の申請をすることです。
この業務は専門性が高く、誰でもできてしまうと依頼者の権利などを損なうおそれがあるため、土地家屋調査士だけの独占業務となっています。
そして、このような独占業務によって参入へのハードルがさらに高くなるため、土地家屋調査士の年収が高くなっていると考えられます。
参考:厚生労働省 土地家屋調査士 – 職業詳細
第5位:中小企業診断士 947.6万円
5位となったのは、中小企業診断士です。
中小企業診断協会『中小企業診断士活動状況アンケート調査 結果について』のデータによると、1000万円を超える売上記録を持つ中小企業診断士は34%となっています。
この売上から見ても、中小企業診断士が高い年収を手にしていることが分かりますよね。
その理由として、他の資格と併用して専門領域を広げていることや、経営コンサルとしての集客が挙げられるでしょう。
中小企業診断士を持っているだけで、仕事に対する説得力や安心感をもたらすことができます。
また、独立せずとも、自社の経営コンサルに携わることによって昇給が期待でき、結果的に年収が高くなるケースもあります。
もちろん、独立することでその年収はさらにアップすることが期待できるでしょう。
参考:厚生労働省 中小企業診断士- 職業詳細
第5位:社会保険労務士 947.6万円
続いて、同じく5位となったのは、社労士です。
社労士は、独立して個人で働いている場合と、会社や事務所に所属して働く場合では所得に大きな差が生まれる場合もあります。
どちらの働き方が自分に合っているかよく見極めることが大切ですね。
また、他の士業が男女別で年収差が大きいのに比べ、社労士はその差が少なく、女性にとってもキャリアアップしやすい職業と言えます。
参考:厚生労働省 社会保険労務士 – 職業詳細
第7位:税理士 746.7万円
第7位は税理士です。
税理士として働くまでには、受験資格を得ることや難関試験を突破しなければならないことを考えると、高水準の給料が得られるのも納得ですよね。
また税理士の場合も独立開業するか雇われとして働くかによって、年収に違いが現れます。
一昔前は税理士受験をしている人の多くが独立開業を目指すという状況でしたが、近年は税理士法人での勤務や企業内税理士を目指している人も増えています。
参考:厚生労働省 税理士 – 職業詳細
第8位:行政書士 551.4万円
第8位は行政書士。
平均は551.4万円である一方、行政書士も多種多様な働き方がある職業です。
行政書士事務所に勤務する場合、1年目の年収の目安は250万円程度となります。
一方、独立開業する場合は事務所に勤務する場合と比較して高年収を狙いやすいのですが、こちらも開業1年目の年収はそれほど高くないでしょう。
また行政書士以外の資格も所持し、ダブルライセンスで働いている場合は、行政書士のみの場合と比べて年収が高くなる傾向があります。
参考:厚生労働省 行政書士 – 職業詳細
第9位:不動産鑑定士 551.4万円
第9位は不動産鑑定士です。不動産鑑定士の場合も一般的なサラリーマンと比べると年収は高いといえます。
不動産鑑定士は年間100認定度の合格者しか出ない国家資格です。
その上、大きな資産となりうる不動産の評価を行う重要なポジションを担っていることを考えると、不動産鑑定士の年収が比較的高いのも納得ですよね。
参考:厚生労働省 不動産鑑定士 – 職業詳細
測定不能:海事代理士
海事代理士の平均年収は500万円などとする情報もあります。
しかし、根拠となる「公的な」データを見つけることができなかったため、アガルートとしては測定不能といたします。
独学が難しいと思ったら予備校講座も!
ここまで、8士業・10士業の難易度や年収をランキング形式でご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
難易度が高いものも多くありましたが、その分年収や仕事のやりがいにも影響が出てくることが分かりましたよね。
もしかすると、「自分で勉強をするのは難しそう」「働きながら勉強をするのは時間が足りないかも」と不安に思った方もいるかもしれません。
移動不要(どこでも視聴可能)、時間を問わないため、忙しい社会人でも隙間時間に勉強ができます。
また、分かりやすい講義で疑問点をすぐに解決。取得へのモチベーションアップにも繋がります。
まずは、気軽に完全無料の資料請求や受講相談をしてみるのもオススメです。
今日の一歩が、貴方の新しい未来に大きく繋がります。
ぜひ、アガルートで大きな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
この記事の校正 コンテンツチーム

アガルートでは資格試験に関するコラムを日々投稿しています。
コンテンツチームは主に
①コラム題材の選定
②コラム構成案の作成
③専門家への執筆依頼
④文章の校正・公開
などの作業を担当。
10名程度のメンバーにより、専門家の文章をより分かりやすく適切に皆さんに送り届けています!