司法試験合格のためには「論文式試験」で合格しなければなりません。

ではその論文式試験とはどのような試験なのでしょうか。
また、司法試験の論文式試験と司法試験予備試験(以下「予備試験」と言います。)の論文式試験とは何か違いがあるのでしょうか。

まず、そのような疑問をこのコラムでは解消していきます。

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司法試験の論文式試験とは?わかりやすく解説

まず、司法試験を受けるためには?

司法試験の受験資格を得るためには、原則として法科大学院を修了しなければなりません。

しかし、法科大学院を卒業するためには時間やお金が多くかかってしまいます。
そのため、時間や金銭等の理由により法科大学院を卒業するのが困難な人も多くいます。

このような人たちにも司法試験の受験資格を得る道を開くために、平成23年から予備試験が実施されています。
この予備試験に合格すると、法科大学院を修了した者と同様に司法試験の受験資格を得ることができます。

したがって、司法試験を受験するためには①法科大学院を修了することもしくは②予備試験に最終合格することが必要になります。

※関連コラム:司法試験とは

司法試験の試験概要とは?

司法試験には「①マークシート式の短答式試験」と「②記述式の論文式試験」があります。

②論文式試験は①の短答式試験で一定の点数以上を獲得した人のみが採点対象になります(大学受験を経験したことがある人は、①がセンター試験での足切り、②が二次試験に対応するとイメージするとわかりやすいと思います)。

司法試験の合否判定は①②の成績を総合して判断されますが、配点比率は①:②=1:8。
圧倒的に論文式試験の重要性が高くなっています。

では、その論文式試験とは具体的にどのような試験なのでしょうか。

論文式試験は、3日間に渡って選択科目(倒産法・租税法・経済法・知財法・労働法・環境法・国際私法・国際公法から1科目選択)、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の8科目で実施されます。

特別措置等がない限り、すべて手書きでA4判の解答用紙片面8枚分(選択科目は4枚分)の答案用紙に論述することになります。(答案用紙のサンプルについては法務省のホームページに掲載されていますので参照してみてください)。

予備試験と司法試験の論文の相違点

予備試験にも論文はある

先ほど司法試験を受験するためには、法科大学院を卒業するか予備試験に合格する必要があることについて述べました。

その予備試験にも論文式試験はあります。
そして、「司法試験の論文式試験」と「予備試験の論文式試験」では、科目数・試験時間など多くの相違点が存在します。

そのため、司法試験の論文に関する情報収集する際には、その違いを意識することが重要です。

※関連コラム:予備試験とは

予備試験の論文と司法試験の論文の相違点

科目の違い

司法試験・予備試験ともに、論文式試験では基本7法(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)及び選択科目が試験範囲になっている点では共通しています。

ただし、予備試験ではそれらに加えて、法律実務基礎科目が試験科目となります。
科目数でいえば、予備試験の方が司法試験よりも多いということになります。

試験時間の違い

  試験時間
試験科目 予備試験 司法試験
憲法 2時間20分 各科目2時間
行政法
民法 3時間30分
商法
民事訴訟法
刑法 2時間20分
刑事訴訟法
選択科目 1時間10分 3時間
実務基礎科目 3時間 実施なし

予備試験と司法試験の論文では勉強の進め方は変わる?

ここまで司法試験と予備試験の論文式試験の違いについてみてきました。

では、このような違いから、司法試験と予備試験の論文式試験では勉強の進め方や勉強法に違いは出てくるのでしょうか。

結論から言うと大きな違いはありません。

もちろん、科目の内容が異なりますので勉強する科目に差はでます。
しかし、それぞれの科目で問われることに大きな差はなく、司法試験と予備試験の勉強の進め方や勉強法に決定的な差はないと考えられます。

司法試験・予備試験共に、具体例を思い浮かべながら、淡々と必要な知識をインプットし、過去問や答練を通じてアウトプットの訓練を積むことが最も重要となります。

そこで、次に、司法試験・予備試験の論文が書けるようになるためには、どのようなステップを踏む必要があるのか、見ていきましょう。

司法試験・予備試験の論文が書けるようになるための勉強法

①知識をインプットする

司法試験・予備試験の論文が書けるようになるためには、法学の基本的な知識のインプットが必要になります。
なお、インプットの補助ツールとしては、「論証」を活用することをお勧めします。

司法試験に合格するための論証集の使い方についてはこちら

なお、知識はインプットしてそれで終わりではありません。

下記の各過程で、自分の知識や理解が不十分であることが判明すると思います。
アウトプットをした後は、必ずインプットに戻り、テキスト等を用いて知識や理解を定着させましょう。


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論証集のサンプルについてはこちら(PDF)


②論文答案の「書き方」を学ぶ

知識のインプットと同時に進めるべきなのが、論文答案の「書き方」を学ぶことです。

法学の論文式試験は、暗記した知識を「使って」解答しなければならないという意味で、「知識」のほかに「書き方」も学ぶ必要があります。

この「書き方」を学ぶ際には、なるべく短く「ひねり」がない問題を選びましょう。
この段階は、論文答案作成のイロハの「イ」ですので、長い問題文を読みこなす力を養うことや、「ひねり」への対応力を磨くことを目的としていません。

まずは、論文答案の型を身につけて、練習問題を解き、訓練を積んだ後に、そのような応用的な学習にステップアップしましょう。
焦りは禁物です。


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論文答案の「書き方」テキストのサンプルについてはこちら(PDF)


③論文の重要問題(基本問題)を習得する

答案の「書き方」を学んだ後は、実践が必要です。

基本的で重要な問題をしっかりと習得しなければ、司法試験や予備試験で問われるような難易度の高い問題に対応することはできません。

重要問題で訓練を積む過程で知識や理解に問題があれば、インプットに戻る必要がありますが、解き方に問題があるのであれば、答案の「書き方」に戻って確認するようにしましょう。

なお、この段階でも司法試験や予備試験で問われるような「ひねり」が利いた難易度の高い問題はできる限り避けるようにしましょう。あくまでも論文答案の「型」を体にしみこませることが目的だからです。


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④論文過去問を解く

基本問題を習得することができれば、最後の関門である過去問が残るのみです。

過去問は今まで習得してきた知識や論文答案作成のノウハウをすべてつぎ込んでもなお、完全に解ききることが難しい「ひねり」が利いた難問ばかりです。

ただし、いくら難問ぞろいとはいえ、上記のステップで身につけた論文答案の「型」がしっかりと身についていれば、完全解は難しいにしても、ある程度の答えは書けるものです。
過去問を通じてもう一度「型」がしっかりと身についているのか確認してみましょう。

なお、現行の司法試験、予備試験の過去問に取り組んだ後は、いわゆる旧司法試験の問題に取り組んでいただきたいです。
司法試験や予備試験では旧司法試験で出題された問題意識が再度出題されることがありますし、過去問独特の「ひねり」への対処が求められるのは、現在の司法試験や予備試験と共通するからです。


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司法試験論文過去問解析講座テキストのサンプルについてはこちら(PDF)
旧司法試験論文過去問解析講座テキストのサンプルについてはこちら(PDF)


⑤司法試験・予備試験の予想論文問題を解く

過去問まで一通り回した後は、司法試験・予備試験の予想問題を使って、時間を計って答案を作成しましょう。

司法試験や予備試験は、アウトプットが非常に難しい試験なので、インプットだけではなくアウトプットも反復練習する必要があります。厳しい時間制限に慣れるため、できる限り本番に近い環境に身を置いて、制限時間内で答案を仕上げる訓練をしましょう。

以上の過程を繰り返す中で、不十分な部分を発見するたびに、それぞれの段階に戻って確認することで、少しずつ論文答案が書けるようになります。
なお、答案作成の過程で、知識のインプットに問題がある、書き方に問題がある、重要問題が十分習得できていないという課題が発見された場合には、それぞれの段階に戻って確認してください。


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この記事の監修者 富川 純樹 講師

富川 純樹 講師


関西学院大学法科大学院(未修)を卒業後,平成27年に司法試験に合格(69期)。


アガルートアカデミーでは,ラウンジ(個別指導)や受験生の受講相談も担当している。


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Twitter:@dsx79079

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