【現役大学生の方必見】今こそ民間・公務員併願のススメ！｜公務員試験

日本企業は不況に強いし，若年労働者層が不足すれば即経営に響くから新規採用に影響はない……といった意見もあります。確かにそうかも知れません。ですが，コロナ渦の影響は様々な業界にじわじわときています。

2012年卒業予定の方も，5月はじめの内定率は堅調といった報道もあります。それは3年生でインターンシップを経験し，早々と複数企業から内定をもらっている人とそうでない人の格差の上に成立している数値といえます。

多くの企業では，採用した新卒者をこれまでのように数年かけて教育して戦力に育て上げる余裕は，しばらくはないと考えていいでしょう。

もし，このコラムを読んでくださっている時点で就職活動に苦戦をされているなら，やみくもに活動するのではなく，手堅く採用を続ける自治体も視野に入れるといいかも知れません。つまり，公務員の併願を考えるのです。

他方，今の採用状況が厳しいからといって，留年したり，大学院へ進学して就職活動を先延ばしにすることはお勧めしません。なぜなら，来年，再来年が好転するとは限りませんし，仮に追加募集があった時など，卒業していなければ就職できないからです。 予定通りに卒業できるなら，卒業しておくべきです。

先に述べましたように，公務員も就職活動の候補に挙げるなら，仮に就活がうまく行かなくて，既卒職歴なしになってしまっても，可能性は広がります。なぜなら，公務員試験の受験資格は年齢制限だけなのが基本（一部例外もありますが）で，既卒職歴なし，大学中退者，高卒でも，内定をもらっている方が多くいるからです。

「え？公務員を併願するの？公務員試験って難しいんじゃないの？」
このように思われる方が非常に多いのですが，それは誤解です。

まず，既卒職歴なしでも，大学中退職歴なしでも，問題はありません。筆記試験に合格し，面接対策をしっかりしておけば大丈夫です。そういう意味で公務員試験は非常に公平な採用試験です。

「大卒レベル」とあっても，あくまで「レベル」にすぎません。筆記試験に合格すれば「大卒レベル」の知識と教養があると認めてもらえます。
実際，筆者の教え子の中には，高卒で国税専門官に合格された方，鬱が原因で大学を中退したけれども地方上級に合格された方など，民間なら難しいシチュエーションで内定をもらった方は決して少なくありません。

確かに，公務員の採用試験は，大なり小なり筆記試験が実施されます。ですが，公務員試験は資格試験ではなく，就職試験です。
合格点は，巷でささやかれている情報より低いと考えて構いません。筆記試験の後にある面接試験が重要なのは，民間の就職活動となんら変わるところはありません。筆記試験の倍率はほぼ2倍で，エントリーシートと面接でふるいにかけるといった自治体もあります。

すでに内定をもらっている方も，そうでない方も，民間企業の就職活動に不安を感じられたならば，並行して公務員試験用の対策をされることをお勧めします。

政令指定都市を除く市役所のほとんどが，9月に筆記試験を実施します。全国でほぼ同一期日に試験が実施されるのですが，中には7月や10月に実施する市役所もあります。

また，今からコツコツと受験対策をはじめておいて，来年の公務員試験の受験を考えておいても良いかもしれません。仮に，来年4月から働き始めたとしても，公務員試験の一次試験（筆記試）は日曜・祝日に実施されるので，土日休みの企業であれば，受験に困ることはありません。

ここまで読んでこられていかがだったでしょうか。
公務員も就職活動の一つの選択肢として考えてみようかな？
そう思われたでしょうか？

身分保障や安定した収入，というだけで公務員を選べと申し上げる気は全くありません。それだと，大企業の方が潰れなくていいから……と選択するのと何ら変わりがないからです。
ただ，国民全体が大変な時こそ，国や自治体の職員でないとできないことが多くあります。北海道の鈴木知事が，都庁に就職されたのも，行政に助けられたことがあったからと語られています。
もちろん，民間でないとできないことも多くあります。

就職すれば，人生のほとんどの時間を仕事に費やすことになります。これからの人間関係は仕事を介して作られていきます。
よく，大企業に就職したり，公務員になれば「安定」するという人がいます。ですが，安定しているのは大企業や国・自治体なだけで，貴方の人生が安定することとは異なります。
仕事を通じて自分を磨き，必要とされる人間になることが，本当の意味での「安定」なのです。

大変な時代だからこそ，精一杯働ける仕事を見つけていただきたいです。
公務員には様々な仕事，組織，働く地域があります。
民間企業と同列に並べて，就職活動の選択肢を広げていってください。