地方公務員を目指す方に向けた最大の注意点として、政令指定都市と各都道府県庁は一次試験の日程が同じで併願受験ができない点が挙げられます。

最近では両者の筆記試験日を別にしている都道府県も出てきましたが、現状ではどちらか一方を選んで受験することになる可能性の方が高いでしょう。

政令指定都市と県庁はともに「地方上級」に分類され、試験内容や業務内容に共通点も多いです。

地方上級」を目指す受験生の中には、「政令指定都市と県庁、どちらがいいかな?」と迷う人もいるのではないでしょうか?

今回は、

  • 政令指定都市と都道府県庁の特徴
  • どちらを選ぶか決めるポイント

について、詳しく解説していきます。

政令指定都市と県庁、どちらを選ぶか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

公務員を目指している方へ

  • 国家一般職・専門職や地方公務員になりたいけど何から始めていいかわからない
  • なるべく試験対策にかかる費用を抑えたい
  • 学校や仕事と試験勉強を両立できるか不安

アガルートの公務員試験講座を
無料体験してみませんか?

約3.5時間分の ミクロ経済学・行政法・数的処理対策などの講義が20日間見放題!

実際に勉強できる! 公務員試験のフルカラーテキスト

公務員試験の全てがわかる! はじめての公務員ガイドブック

実際の試験問題が解ける!「 実践ミニ問題集」がもらえる!

地方上級・一般職合格者の「 面接再現レポート」がもらえる!

合格体験記」をプレゼント!

約40分の 公務員試験テクニック解説動画で必勝勉強法がわかる!

割引クーポンsale情報が届く

1分で簡単!無料

▶資料請求して特典を受け取る

政令指定都市とは?

政令指定都市とは、地方自治法に基づき、政令で指定される人口50万人以上の市のことを言います。

1956年に政令指定都市制度ができたときは、五大都市と呼ばれる大阪・京都・神戸・名古屋・横浜の5市のみでした。

その後、「平成の大合併」の際に国が人口要件を引き下げ、現在は20市にまで広がっています。

現在の政令指定都市一覧

現在の政令指定都市は、

  • 札幌市
  • 仙台市
  • さいたま市
  • 千葉市
  • 横浜市
  • 川崎市
  • 相模原市
  • 新潟市
  • 静岡市
  • 浜松市
  • 名古屋市
  • 京都市
  • 大阪市
  • 神戸市
  • 岡山市
  • 広島市
  • 北九州市
  • 福岡市
  • 熊本市

上記20市です。

政令指定都市の特徴

政令指定都市が一般的な市ともっとも違う点は、「県の業務の一部を市で担っている」という点です。

政令指定都市の主な特徴としては、

  • 事務権限がほかの市町村役場に比べて大きい
  • 行政組織
  • 自由に使える財源が増える

の3点が挙げられます。

事務権限が大きい

政令指定都市では、都道府県が行う事務のうち、市民に直接関わるような事務の権限が移譲されます。

たとえば、

  • 児童相談所の設置
  • 精神保健福祉センターの設置
  • 療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の発行
  • 国道・都道府県道の管理

などです。

市町村の業務と県庁が担う業務の一端を担う現場のため、一般的な県庁や市役所、役場勤務よりもさまざまな業務を体験できる可能性があります。

行政区がある

政令指定都市になると、行政区・区の選挙管理委員会・人事委員会などを設置できるようになります。

つまり、政令指定都市は「市」であるにもかかわらず「区」を置くことができるのです。

たとえば、

  • 札幌市中央区
  • 横浜市鶴見区

といった感じです。

政令指定都市に設置された区を「行政区」といい、各行政区には区役所を設置できます。

地域の特色を活かしたまちづくりや地域の実情に沿った取り組みといった、区役所主導の小回りの効く政策を実現することも可能です。

東京23区との違い

東京都の23区は、「特別区」と呼ばれ、政令指定都市の行政区とは別物です。

東京23区は「特別地方公共団体」、すなわち各区ごとに独立した自治体であり、市町村の役所とほぼ同じ機能を持っています。

議会も設置されますし、区長は住民の選挙で選ばれます。

一方、政令指定都市の行政区は市の一部なので、区ごとの議会はありません。

また、区長は市長が市の職員から任命します。

政令指定都市の仕事内容

政令指定都市の仕事は、大きく分けて、

  • 市の業務
  • 都道府県庁の業務の一部

の2種類があります。

政令指定都市は、ほかの市町村と同じ地域自治体です。

ですから、基本的には市町村役場が担う業務内容をこなします。

一方で、政令指定都市は都道府県庁の一部の業務が移譲されています。

本来なら都道府県庁が担う業務のうち、

  • 子育て
  • 福祉
  • 健康

といった行政サービスに関する権限が、政令指定都市に譲られているのです。

そのため、本来なら都道府県庁が一括して施策を行うところを、政令指定都市では、地域の状況に合わせて独自の施策を展開できます。

政令指定都市で働く職員の給与・年収・待遇

総務省の令和6年度地方公務員給与の実態によると、政令指定都市で働く職員の平均基本給与月額は367,472円、平均給与月額は435,054円で、平均年収は約722万円(7,221,896円)でした。

平均基本給与月額には、扶養手当、地域手当のみ含まれています。

地域手当とは、地域に応じて加算される手当です。地域手当は、民間企業の賃金が高い、物価が高いといった地域ほど、金額が高くなる傾向があります。

政令指定都市は、人口50万人以上の大都市で、主要な交通、機関もあり、地方の中枢的ポジションです。

そのため、地域手当が高くなるのは、当たり前と言えるでしょう。

政令指定都市別の平均給料・平均給与・平均年収は下記のようになります。

政令指定都市名平均基本給月額平均給料平均年収
札幌319,901301,9055,278,367
仙台349,708321,6235,770,182
さいたま377,579318,8396,230,054
千葉374,679316,2006,182,204
横浜374,158315,2436,173,607
川崎387,120324,5236,387,480
相模原356,169309,1485,876,789
新潟347,777328,4815,738,321
静岡346,845318,5665,722,943
浜松348,698329,1715,753,517
名古屋372,078314,7376,139,287
京都371,530328,2836,130,245
大阪380,490318,3986,278,085
358,586316,3385,916,669
神戸380,976329,6236,286,104
岡山362,305341,1075,978,033
広島353,586313,0785,834,169
北九州368,772346,9746,084,738
福岡352,333310,8035,813,495
熊本329,872319,8005,442,888
出典:令和6年4月1日地方公務員給与実態調査結果|第5表 職種別職員の平均基本給月額

政令指定都市で働く公務員になるメリット

政令指定都市で働く公務員のメリットは、仕事のスケール感とキャリアの多様性です。

都道府県並みの権限を持つため、福祉や教育、大規模なまちづくりといった市民生活に直結するダイナミックな政策に直接携われます。

国と連携するような影響力の大きな事業に関われるチャンスも豊富です。

また、部署が多岐にわたるため、異動を通じてさまざまな経験を積み、自身の専門性を高められるのもポイント。

住民に近い区役所の仕事から市全体の未来を描くスケールの大きな仕事まで、幅広いフィールドで活躍できます。

安定した環境で大きなやりがいを求める方に、最適な職場です。

都道府県庁とは?

都道府県庁は、市町村役場と同じ地方公共団体です。

市役所や町役場は「市」「町」といった狭い範囲の自治体ですが、都道府県庁は「都」「県」など、より広い範囲で地域を良くするための業務を行う機関です。

都道府県庁の仕事内容

主な仕事は、

  • 国と市区町村の間を調整する役割
  • 民間企業の窓口としての業務

が中心となります。

たとえば、

  • 市町村を超えた県単位の開発計画
  • 県道や河川の管理
  • 教育や福祉サービスの水準を決める
  • 都道府県立の公共施設の管理

のほか、講演会やお祭りといったイベントのとりまとめなど、仕事の内容は多岐にわたります。

給与・年収・待遇

総務省の令和6年度地方公務員給与の実態によると、都道府県公務員(一般行政職)の平均基本給与月額は346,090円、給与月額と諸手当を足した給与月額合計は410,148円で、平均年収は約492万円(410,148円×12か月=4,921,776円)でした。

平均基本給与月額は、給与月額(321,156円)に扶養手当(7,279円)・地域手当(17,655円)を足したものです。

政令指定都市と比べて県庁職員の手当が低めな理由は、時間外手当や地域手当に差があることです。

地域手当については、政令指定都市の待遇のところで述べたように、地域の特性によるので、地方の都道府県庁では、地域手当が低くなる傾向があります。

また、時間外手当についてですが、一部の職員が時間外労働をしても申告しない、といったケースが問題視されています。

時間外手当は予算で上限が決まっているため、予算の上限を超えないように「サービス残業をしよう」と考える職員もいるようです。

もちろん、サービス残業は許されません。

時間外手当は労働に対する正当な対価としてきちんと申請するべきです。

「県庁に行ったら、サービス残業しなきゃいけないの?ブラックだ・・・」

といった誤解はしないでくださいね。

サービス残業については、昨今、国が「サービス残業禁止」の方向で動き出しているので、改善されています。

政令指定都市と県庁は併願できない

県庁と政令指定都市の併願は、一次試験日が同じ日に設定されているため併願ができません

そのため、多くの受験生は出願の段階でどちらか一方を選択する必要があります。しかし、全ての自治体の組み合わせで併願が不可能というわけではありません。

自治体によっては独自の日程で試験を実施している場合もあり、その際は併願が可能です。

まずは受験を希望する自治体の募集要項で試験日程を確認しましょう。

公務員自治体の選び方

公務員は働く場所によって仕事内容や働き方は大きく変わります。後悔しない自治体選びの3つのポイントをご紹介します。

1. 「仕事の規模」で選ぶ

広域的な課題解決や制度設計に携わりたいなら「都道府県庁」、住民の暮らしに直接寄り添いたいなら「市町村役場」が向いています。

政令指定都市なら、その両方の魅力を持ち、大規模なまちづくりに関われるのが特徴です。自分がどんな仕事にやりがいを感じるか考えてみましょう。

2. 「働き方と暮らし方」で選ぶ

都道府県庁は県内全域、市町村は原則その域内が異動の範囲です。

「地元に根差して働きたい」のか、「広いエリアで活躍したい」のか、ご自身のライフプランと照らし合わせて考えることが大切です。

3. 「試験制度や待遇」で選ぶ

県庁と政令指定都市は、試験日程が違えば併願も可能です。また、給与や福利厚生も自治体によって差があります。

まずは各自治体の説明会に参加したり、ホームページを比較したりして、情報収集から始めましょう。

政令指定都市と都道府県庁、どちらを目指すかを決めるポイント

ここからは、政令指定都市と都道府県庁、どちらを受けるか決めるときに参考にしたいポイントを紹介します。

試験内容

公務員試験でいう「地方上級」とは、一般的に政令指定都市、都道府県庁、東京特別区を指します。

基本的には、政令指定都市と道府県庁の公務員試験の科目は、一次試験が「教養試験+専門試験」という形式であり、一次試験日程が同じで 、 共通問題で試験を実施します。

つまり、政令指定都市と道府県庁の筆記試験対策はほぼ同じです。

これまで、政令指定都市と道府県庁は、一次試験の日程が被っていたため、併願受験ができませんでした。

しかし、最近では、政令指定都市と道府県庁の試験日が違うところもあります。

そのため政令指定都市と道府県庁で別日程で試験が行われている自治体は、両者の併願受験が可能です。

さらに 、 最近は「新方式」を採用する急増しています「新方式」とは 、 これまでの教養や専門といった負担の思い筆記試験を不要として民間企業と併願しやすい試験方式です。

「新方式」の日程を「一般方式」(これまでと同様の試験方式)と別日程とする自治体もあります。

この「新方式」の日程を組み合わせれば 、 道府県庁と政令指定都市の併願も可能になります。

既に志望する自治体がある人は、どのような試験が行われているかチェックしましょう。

試験の倍率と難易度

2025年度の関東圏内の政令指定都市と県庁の倍率を見てみると、

  • 東京都庁(1類B採用試験一般式)|2.0倍
  • 東京都 特別区Ⅰ類(一般事務)  |早期SPI:5.6倍/春試験:2.4倍
  • 千葉県(一般行政A) |2.8倍
  • 千葉市(行政A)   |2.5倍
  • 神奈川県(1種行政) |3.4倍/秋季:7.3倍
  • 横浜市(事務)    |3.1倍
  • 川崎市(行政事務)  |2.2倍
  • 相模原市(行政)   |4.8倍/秋試験:9.1倍

となっています。

概ね、政令指定都市は3~20倍、県庁は2~4倍と、地域によって差がありますが、政令指定都市の方が、倍率が高くなる傾向があります。

政令指定都市と県庁の難易度は、倍率だけを見ると政令指定都市の方が難易度が高いと考えられます。

受験資格は年齢制限のみ

一般行政職(大卒程度)の受験資格は、ほとんどの自治体で年齢制限のみです。

学歴は関係なく、高卒や専門学校卒の方も受験できます。

受験資格は各自治体によってバラつきがあります。同じ道府県下でも、政令指定都市と道府県庁で年齢制限が違うこともあります。

志望する自治体の年齢要件を調べておきましょう。

また、自治体によっては、社会人経験のある人を募集しているところもあります。

社会人区分だと、年齢の上限はもっと高くなります。

近年は、年齢制限が緩和されてきており、幅広い年齢の人が公務員試験にチャレンジできるようになってきました。

仕事内容

県と市の最も大きな違いは、何だと思いますか?

それは、「住民との距離」です。

  • 政令指定都市は住民対応がメイン
  • 都道府県庁は、国や民間企業対応がメイン

県庁では、住民と直接関わる機会がほぼありません。

県庁の仕事は、国と市の仲介役、民間企業の窓口がメインだからです。

一方、市役所は、対住民サービスが基本です。

住民に対する窓口対応や、住民の地域活動のサポートなど、市役所業務は、必ずと言っていいほど、住民の生活と関わりがあるのです。

あなたが、地元で働きたい、住民と直接やり取りすることにやりがいを感じるなら、政令指定都市がおすすめです。

対住民よりも、国や民間企業といった、もっと大きな組織と仕事をしたいなら、県庁が合っていると言えるでしょう。

通勤・転勤の有無

政令指定都市と県庁では、転勤の有無も異なります。

大まかな目安ですが、

  • 政令指定都市は引っ越しを伴う転勤はほぼなし
  • 都道府県庁は、県内で転勤の可能性あり

といった特徴が挙げられます。

都道府県庁に勤める場合、本庁に勤務するパターンと、県内の出先機関へ出向するパターンがあります。

そのため、 都道府県庁は人事異動で勤務先が変われば、引っ越しする必要がでてくることもあります。

一方、政令指定都市は、異動も原則市内に限られます(例外あり)。

市内の異動なら、引っ越しが必要になることも少なく、マイカー通勤も可能でしょう。

転居を伴う転勤を避けたい人には、政令指定都市がおすすめです。

政令指定都市も県庁も、素晴らしい仕事であることに変わりありません。

両者の特徴と違いを正しく理解し、自分の理想の働き方に合う方を選ぶことが重要です。

公務員は、試験に受かったらおしまい、ではありません。

公務員として、やりがいを持って働けるよう、あなたの働きたい姿に合う職種を選んでくださいね。

公務員を目指している方へ

  • 国家一般職・専門職や地方公務員試験に合格・内定もらえるか不安
  • 勉強をどう進めて良いかわからない
  • 勉強時間も費用も抑えたい

アガルートの公務員試験講座を
無料体験してみませんか?

約3.5時間分の ミクロ経済学・行政法・数的処理対策などの講義が20日間見放題!

実際に勉強できる! 公務員試験のフルカラーテキスト

公務員試験の全てがわかる! はじめての公務員ガイドブック

実際の試験問題が解ける!「 実践ミニ問題集」がもらえる!

地方上級・一般職合格者の「 面接再現レポート」がもらえる!

合格体験記」をプレゼント!

約40分の 公務員試験テクニック解説動画で必勝勉強法がわかる!

割引クーポンsale情報が届く

1分で簡単!無料

▶資料請求して特典を受け取る

▼アガルートアカデミーの
公務員試験講座はこちら▼

【一般職・地方上級多数】3年累計内定者469名!内定率は全体約75%大学生約80%

フルカラーのオリジナルテキストがスマホやタブレットで閲覧可能!

学習の相談や質問が気軽にできる充実したフォロー制度!

模擬面接・面接カードの添削・官庁訪問など万全の二次試験対策あり!

内定特典でお祝い金贈呈or全額返金!                    

2027年1月31日までの申込で10%OFF!

▶公務員試験講座を見る

※2026年合格目標

この記事の監修者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

難解な法律用語は平易な表現とたとえ話でかみ砕き,理解しにくい内容はオリジナルの挿絵でわかりやすく説明する。

テンポの良いメリハリの効いた講義で多くの合格者を輩出。時間が限られる受験生のために,エッセンスが詰まった学習効率が高い講義を展開する。

講座を見る