合格者インタビュー

受講されていたカリキュラム

下記リンクは最新版となります。合格者の方の受講年度と異なります。

内定先

特別区(江東区)

公務員をめざした理由・契機

私は元々広告業界を志望しており、大学3年次には大手広告会社のインターンシップに数多く申し込んでいましたが、最終面接で落ちるなどして結局その年には1社にも合格しませんでした。広告業界以外に全く興味がなかったたこともあり、4年生の3月から本当にこの道1本で行くべきか迷っていました。
そんなときに、大学の授業で見たNHKの『縮小ニッポンの衝撃』を見ました。そこでは、北海道夕張市が財政難によって市営住宅など諸々の行政サービスを切り詰める姿と、それに対する住民の不満が描かれていました。
また、東京都豊島区が消滅可能性都市に認定されたという話題もありました。区の状況を調べてみると、豊島区には地方から職を求めて出てきた若い単身世帯が多く、しかし非正規雇用などの低賃金の職業ばかりで、家庭を築く余裕もなく、またすぐにどこかへ移ってしまうという現実があるためだと報じられていました。
このような現実を目の当たりにして、理系じゃないからと思って諦めていた「まちづくり」の仕事に対し、「行政職員」という形で貢献することができるのではないか、むしろそれが自分の進むべき道なのではないかと衝撃を受けたのを覚えています。
その時点で2021年の10月でしたが、そこからすぐにアガルートの講座を申し込み、試験に向けた対策を始めました。

アガルートアカデミーの講座を受講しようと思ったきっかけ

独特なCMをテレビやYoutube上で見ていたため、なんとなく存在は知っていました。自分の周りに3人ほど公務員試験の受験者がいましたが、それぞれTACが2人、LECが1人でした。
金額もそれぞれから大体聞いていましたが、もっと低価格なところはないかとインターネット上で探していると、アガルートの速習講座ならば遅くから始める自分でも効率的に進められそうな上比較的低価格で始められそうであり、さらに内定すれば返還も受けられるとのことだったため、受講を決めました。

勉強の方針と進め方

教養科目は、現代文や英語は大学受験時の実力のまま突破しようと考えて数的処理に絞り、専門科目は憲法・民法・行政法・ミクロ・マクロは最低限勉強し、余裕があれば何か他の科目を足すといった進め方をしていました。
数的処理は、まず1週間程度で授業を1周し、過去問を解き、苦手だと思った部分のみ再度受講するという形で勉強していました。
専門科目の法律系に関しては小林講師のアドバイス通り、授業を進めつつ同時に過去問を解き続けました。経済系については、授業を一通り進めた後に過去問を解いて実力をつけようとしていました。平均的に、1日5,6時間は勉強していたと思います。

失敗経験や挫折とそれを乗り越えるための工夫

私の場合、第一志望であった広告業界を諦めて公務員に切り替えるという、ある意味で挫折した経験があります。
今振り返ってみて我ながら良かったなと思うのは、下手に広告業界に未練を残さず、自分は絶対に公務員になるんだという意志を持って、スピーディに気持ちを切り替えたところです。挫折するということは、それまで追っていた夢などを諦めるということだと思いますが、次に進むためにできる工夫は、限られた時間の中でいかに早く自分の覚悟を決め、今まで積み上げてきた過去への執着を捨てることを考えられるかだと思いました。

教養試験対策講座のご感想・ご利用方法

主に数的処理を受講していましたが、柴崎講師の授業はとてもわかりやすく、なおかつ「テクニックだけを教えることはせずに、ちゃんと一般的な解き方を教える」というスタイルだったために、初見の問題にも対応できる力がついたのではないかと考えます。
まずは他の科目と同時並行で授業を1周し、そこから志望自治体の過去問に触れ、自分が苦手だと思うところ、解き方がわからなくなってしまったところのみを授業で復習する、という形で受講していました。自分はバイト先にWi-FI環境もあったため、スマホやPCを持ち込んで隙間時間に受講を進めるようにしていました。

専門試験対策講座のご感想・ご利用方法

専門試験については、法律系科目も経済系科目も大学では一切触れてきませんでした。さらに速習講座を申し込んだため、ちゃんと理解しきることができるか不安でした。しかし受講を進めるうちに気付いたのは、授業で覚えきるというよりも、授業である程度掴んだらすぐに過去問を解いて身に付けていくのが大切だということです。
そのため、授業でなんとなく法律や経済について理解した後、過去問を解いて実際に知識を使うことで曖昧な部分をなくし、もしわからなければ解説や授業の振り返りをしてしっかり理解し直すということを繰り返していました。大学で習ったことがなくても、スピーディに進めなければならない状況でもしっかり身に付けることができました。

人物試験対策講座のご感想・ご利用方法

人物試験対策講座は、実際に特別区人事院面接で使用される面接カードを使っての模擬面接ができるところがすごく実践的で良いと思います。
私の大学のキャリアセンターでは、公務員対策と銘打ってはいるものの、民間対策とあまり変わりがなかった部分が大きかったため、より本番に近い対策ができるということがこの講座の強みだと思います。
講座には模擬面接だけではなく映像での授業が十数コマあったので、そちらは1次試験の後すぐに受講を始めました。
合否を待っていたら面接までの期間がとても短くなってしまうため、1次試験の出来に関わらず早めに受講を済ませ、模擬面接にもしっかり準備をしてから臨むと良いと思います。

学習時間をどのように確保し,一日をどのように過ごしていましたか?

私は昔から家だと集中して勉強することができなかったため、近所でWi-Fiのある自習室を契約しました。そこは24時間開いていたため、朝の9時には入室して20時ごろまで滞在することで、休憩時間などを差し引いて10時間程度は勉強時間を確保することができました。
前述していますが、アルバイト先もWi-Fi環境や勉強できるスペースが整っていたため、バイトの前後に受講を進めたり、過去問を持ち込んで解き進めたりなどしていました。
バイトのない日は朝から夜まで自習室、バイトのある日はなるべく早く行って勉強してからバイトをし、余裕があれば少し残って勉強する、といった具合でした。

直前期の過ごし方

直前期にはひたすら過去問を解き、不安なところをなるべく手短にテキストや授業を見て復習する、といった勉強をしていました。直前になって新しいことを覚えようとしても気が気じゃなくほとんど入ってこないため、既に学習した内容について試験で出題された時に絶対に答えられるようにしよう、と思っていました。
また、論文で出題されそうなテーマについてスマホで調べるなどして知識を深めようとしていました。私は比較的周りよりも遅く勉強を始めましたが、逆に「冬から初めてここまで一気に勉強してある程度できるようになったんだから十分すごい」という気持ちで、落ち着いて試験を迎えることができました。

試験期間中の過ごし方

特別区の試験は、1次試験が終わると1カ月半後くらいに結果が届き、約2カ月後に2次試験の人事院面接が控えています。一旦手放しでリフレッシュするには短く、かといって次の面接に向けて対策を頑張るには少し長い期間だと思います。
私は4月いっぱいはアルバイトを休んで勉強に集中していましたが、5月以降はアルバイトを徐々に増やし、強制的に気分転換をしながら空いた時間や暇なときになんとなく面接対策を進めるようにしていました。
その時には、志望動機や自己PRなどを固めるというよりは自分が志望している区の政策について調べたり、過去の特別区受験者の面接体験談を読むなどしてざっくりと面接対策のためのイメージを膨らませていました。

教養試験を受験した時の手ごたえ

現代文や英語はセンター試験よりも難易度が低く感じられて安心しましたが、やはり本番になると緊張も相まって数的処理の何問かは解き方が一切わからなくなってしまい、空白がいくつかできてしまいました。これはまずいなと思いながら後半の社会科学や自然科学のなかで解けそうな問題のみをピックアップして解いていました。
家に帰って自己採点してみるとやはり数的処理は自信があるところ以外はほとんど間違っていました。意外だったのは現代文です。手ごたえはあったと思っていたところがほとんど間違っていたりしたため、「現代文は大学受験でやったから」と高を括るのは良くないと思いました。

人物試験を受験した時の手ごたえ

特別区の人事院面接は、とにかく面接カードの内容を深堀りされると聞いていたため、あらゆる質問を想定して自分なりの回答を用意していきました。それでも自分の想定とは違う訊き方をされたり、想定外の質問がきたりなどと焦る場面もありました。
一番やってはいけないのは「相手の質問を無理やり自分が用意した回答と合致するように解釈すること」と小林講師の授業で聞いていたため、落ち着いて、時には数秒間時間をもらいながら丁寧に答えました。
それもあって終わった直後には「もしかして結構いけたんじゃないか?」と思いましたが、後になって思い出してみると「あの言い方はまずかったかな」「あれってもしかして自分の解釈と違う意味だったんじゃないか」などと嫌な考えばかりよぎってきました。
江東区の区面接も同様で、面接の帰り道には「結構スムーズに話せたし、五分五分かな」と思っていたのが、日が経つにつれて「あの時言ったあの言葉、印象が悪いんじゃないか…」「あそこまで喋る必要あったかな…」とこちらもまた嫌な考えがよぎってくるようになりました。
過ぎたことに関しては考えすぎないようにする工夫が、メンタルを保つために必要だと思います。

合格・内定した時の気持ち

人事院面接の合格発表日には京都に旅行中で、ホテルで友人と一緒に合格発表を見たのですが、中々アクセスしにくい中自分の受験番号を見つけ、ホテルの客室でしばらく大きな声を出して喜んでしまいました。友人も一緒に喜んでくれたのがとても嬉しかったです。
内々定の電話を頂いたときはアルバイト中で、急いでお客さんの目につかないところに隠れて電話を取り、手と足を震わせながら「ぜひ江東区で働いて頂きたいと思い~」という言葉を聞いたときは、膝から崩れ落ちそうなほど嬉しかったのを覚えています。
公務員試験は民間に比べ期間が長く、気持ちもすり減っていた中での合格・内々定発表だったため、人生で3本の指に入るほど嬉しい経験です。

いま振り返ると,合格の決め手は何だと思いますか?

民間企業から公務員に切り替えたタイミングが良かったのだと思います。もちろん早ければ早いほど良いのですが、私の場合は大学3年の冬に公務員試験合格を決意し民間への就職を全て諦めたため、受ける自治体も比較的筆記試験の比率が低い特別区や市役所B・C日程に絞っており、背水の陣で臨んだことが自分を追い込むことに繋がり、試験勉強に励むことが出来たのではないかと考えます。
また、本当に行きたい自治体を第一志望に据えたことも合格の決め手だと思います。
江東区は大学生の頃に何度か行って、下町の雰囲気が残る亀戸周辺や閑静で落ち着いた住宅街、お洒落なカフェなどのある門前仲町、清澄白河周辺、発展的で洗練された豊洲周辺など、町全体に魅力を感じていたため、志望動機を話すのにも自然と熱が入ったような気がします。
合格に向けて自分を奮い立たせること、本当に行きたい自治体を受験することが、私の合格の決め手だと思います。

公務員として実現したいこと,取り組みたいこと

そもそも私が公務員を目指したキッカケは、その町の財政難や、そこに住む人たちが安心して家庭を築くことができないという現実を知ったことです。子供の頃は、良い高校に行って良い大学に行けば普通に就職できて普通に親と同じように家庭を築けて普通に幸せになれると信じていました。しかし自分もあくまで恵まれた環境にいたからこそそう思えたのであって、世の中にはそうでない人たちもたくさんいるのだと気づきました。
そういった人たちが安心して家庭を築けるまちづくりを実現したいです。
具体的には、子育て関連の支援や、高齢者の支援、地域住民同士の繋がりづくりです。全国的に人口減少が続く中、江東区は常にその人口を増やし続けています。しかし現代は多様なニーズがあり、増えていく人口の分だけ子育て支援や高齢者支援が必要になってくると思います。それらに対して、当事者から話を直接伺うなどして、本当に必要なものは何なのかを見極めつつ、適切な支援を考えます。さらに人口が増えていくということは、地元住民と新しく移り住んできた住民との間でトラブルが起きかねないということでもあります。
江東区は東京オリンピックでの開発や豊洲周辺の大規模な発展により、地元住民との摩擦が起きていると聞いています。町にはたくさんの魅力があるのにそこに住む住民が心穏やかでないということは大変残念なことです。そういった問題をできる限り解決し、町も人も健やかに育ち続けるように働きかけたいです。

受験生に対するメッセージ

私が受けたのは特別区と地元の市役所のみですが、特別区に関しては3月頃に面接カードを考え、5月頭に1次試験を受け、6月に合格発表が出たら7月に2次試験(人事院面接)を受け、8月に合格発表が出たら8月中か遅い場合は9月の頭に区面接を受け、早ければ9月中に内々定が出る、という恐ろしく長いスケジュールです。その間に大学の授業やプライベートでしなければならないこと等もたくさんあり、とても忙しく、とても気持ち的に不安になる日々が続くと思います。
しかし合格すれば非常に安定し、国から守られた(と言っても過言ではない)立場が与えられ、人々の生活の根底を支えるという立派な仕事に就くことができます。自分が公務員となった未来を考え、時には初任給をどう使うか妄想するなどして、少しでも前向きに頑張りましょう!
自分は3年の冬から始め、合格最低点で1次試験を突破し、最下位の順位で2次試験を突破しましたが、第一志望の区に呼ばれそのまま内定しました。気持ち次第でどうにでもなるとは言い切れませんが、本当にそこの自治体に行きたいんだという気持ちと諦めずに精いっぱい試験対策を行うことが大事だと思います!頑張りましょう!

公務員試験の対策と併行していくにあたって工夫したこと、大変だったこと

自分は併行はしていませんでしたが、もしどちらも進めるとなると、大学3年の初めにはどちらもスタートしていないと厳しいのではないかと考えます。
よっぽどストイックに努力できる人は別ですが、そうでない人はいつかどこかでどちらかに妥協する形でどちらかを諦めることになり、結局どちらも十分な対策ができなかった…という形になってしまうことを防ぐために、しっかり自分で目標を定め、スケジュールを決めて併行していくのが良いのではないかと思います。

使用していた教材とおすすめの使い方

●アガルートテキストの数的処理・憲法・民法・行政法の問題集
授業と同時並行で解き進めていました。シンプルな構成でひたすら問題が解けるので、電車の中等隙間時間にも使えます。

●実務教育出版『東京都・特別区1類 教養・専門試験 過去問500』
特別区の過去問です。まだ学習内容が固まっていないと思っていても、とにかく過去問を解きながら知識を固めていくと良いと思います。

●後藤和也『公務員試験 大事なことだけシンプル面接術(実務教育出版)』
面接対策の基礎として、アガルートの面接対策講座と併せて読んでみると良いと思います。具体的な志望動機の書き方や考え方なども書いてあり、とても参考になります。