「大学を中退してしまったけれど、公務員を目指せるのだろうか？」
そんな不安や疑問を抱えていませんか？

大学中退という経歴を持つ方の中には、安定した職業を求めて公務員への道を検討する方が少なくありません。

ですが、「学歴で不利になるのでは？」「そもそも受験できるの？」といった不安を感じている方も多いでしょう。

実は、公務員試験は学歴不問で受験できるケースが多く、大学を中退していても十分にチャンスがあります。
また、職種によっては高卒程度の受験枠が設けられており、実際に大学中退者として採用されている方も多数存在します。

このコラムでは、大学中退からでも目指せる公務員の職種や、合格に必要なステップ、注意点までをわかりやすく解説します。
あなたが公務員を志すうえでの不安を解消し、前向きな一歩を踏み出せるような情報をお届けします。

【結論】大学中退していても公務員になれる！

大学を中退していても、公務員になることは十分に可能です。

多くの公務員試験では、最終学歴が合否を左右することはなく、受験資格に「大卒」が必須とされる試験は一部に限られています。

実際には、能力や適性、そして公務員としての熱意が評価の対象となり、学歴だけで判断されることはありません。

大学中退という経歴が気になるかもしれませんが、それを理由に公務員の道を諦める必要はないのです。

むしろ、試験制度は学歴による不公平をなくす仕組みが整っており、中退後の経験や志望動機を前向きに伝えることで、十分に合格を狙えます。

まずは「中退＝不利」という思い込みを捨て、しっかりと情報を集めて計画的に対策を進めることが、公務員への第一歩です。

大学中退していても公務員になれる理由5つ

大学を中退していても公務員を目指せるのは、試験制度が学歴にとらわれず、公平に評価されるからです。

中退後の空白期間や学歴を理由に不利になることは基本的にありません。

大学中退していても公務員を目指せる理由は、以下の5点にあります。

• 公務員試験の受験資格に学歴は関係ない
• 公務員試験は能力や適性、熱意が評価される
• 大学中退後の空白期間（フリーター期間）があっても受験可能
• 試験区分は難易度を示すものであり、大学中退者も「大卒程度」を受験できる
• 実際に高卒（大学中退含む）の公務員が全体の2〜3割程度存在する

公務員試験の受験資格に学歴は関係ない

ほとんどの公務員試験では、受験資格に「大卒」や「短大卒」などの最終学歴は求められません。
代わりに設定されているのは「○歳以上○歳以下」といった年齢条件が中心です。

この背景には、公務員の採用は「競争試験による選考」が法律で定められており、学歴による不当な差別を避ける制度設計になっていることがあります。
つまり、誰にでも平等にチャンスがある仕組みです。

ただし一部の専門職や総合職では、大学卒業や大学院修了などが条件となる場合もあります。
そのため、志望する職種の受験資格は必ず事前に確認しましょう。

公務員試験は能力や適性、熱意が評価される

公務員試験では、筆記試験だけでなく面接試験でも評価が行われます。
ここで重視されるのは、学歴ではなく「能力」「適性」「人柄」「志望動機」といった人物面です。

たとえば面接では「なぜ公務員になりたいのか」「どのように地域や社会に貢献したいか」といった質問が中心です。

大学中退という経験も、自分を見つめ直す転機として捉え、それをどう活かしたいかを語れると、他の受験者と差をつける強みになります。

つまり、単なる「履歴」ではなく、「あなたがこれからどう働きたいか」が評価の軸なのです。

大学中退後の空白期間（フリーター期間）があっても受験可能

大学中退後に空白期間がある方も心配はいりません。

公務員試験では、直近の職歴や学歴の空白が合否に直結することはありません。

面接で空白期間について質問されることはありますが、そこでの受け答え次第で印象は大きく変わります。

たとえば、「将来の進路を見つけるための準備期間だった」「資格取得のために勉強していた」といったように、目的意識を持って過ごしていたことを伝えれば、前向きに評価されることも多いです。

重要なのは、空白をどう過ごしたか、そしてそれをどう説明するか。

誠実かつ前向きな姿勢が、信頼を得るポイントです。

試験区分は難易度を示すものであり、大学中退者も「大卒程度」を受験できる

公務員試験には「高卒程度」「短大・専門卒程度」「大卒程度」といった区分がありますが、これはあくまで試験問題のレベルを表しているだけです。
最終学歴を問うものではありません。

そのため、大学中退者でも「大卒程度（上級）」の試験に挑戦することが可能です。

特に22歳以上の方の場合は、年齢制限の都合上、「高卒程度（初級）」の試験を受けられないケースもあるため、自然と「大卒程度」が受験対象になります。

大卒程度区分の試験に合格すれば、初任給やキャリアの面でも有利になる場合があります。

実力と戦略次第で、中退という経歴に関係なく上級職を目指すことも十分に可能です。

実際に高卒（大学中退含む）の公務員が全体の2〜3割程度存在する

「中退者は少数派だから不利では？」と感じるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
国家公務員のうち約26.4%、地方公務員では約20.6%が高卒者で構成されており、大学中退者もこの中に含まれます。

特に国家公務員の中でも税務職員や刑務官などは高卒者の割合が高く、現場で活躍している職員の中にも大学中退者が多く存在します。
この実績は、大学を卒業していなくても現場で評価され、長く活躍できる証拠です。

経歴を気にして受験をためらう必要はありません。

中退の過去よりも、「これからどう働くか」に目を向けて行動することが、合格への近道になります。

大学中退者が目指せる公務員の職種

大学中退者でも挑戦しやすい公務員職は、国家・地方問わず数多く存在します。
以下は、特におすすめの職種を分類した一覧表です。

公務員の種類	主な職種	特徴
地方公務員	行政事務職（市役所・県庁職員）	地域密着型、事務系中心。住民サービスの窓口対応や書類処理など。
地方公務員	警察官・消防官	体力と責任感が求められる。治安維持や災害対応などを担う。
国家公務員	国家専門職（刑務官・税務職員など）	特定の機関での勤務。高卒程度試験での採用枠も多い。
国家公務員	一般職（中央省庁勤務など）	国の政策実行部門。書類作成・調整業務など。
国家・地方公務員	技術職・技能職	資格や技術を活かせる。土木、電気、建築など多様な分野あり。

それでは、ここから各職種を個別に詳しく見ていきましょう。

地方公務員：地域に密着した行政事務職（市役所・県庁職員など）

市役所や県庁で住民サービスを支える行政職は、大学中退者に人気の職種です。

主な業務は、窓口での対応、書類処理、庶務、経理など。

市民と直接関わる機会が多く、地域に貢献したい方に向いています。

自治体ごとに採用試験が行われるため、地元での就職を希望する方にとって非常に魅力的な選択肢です。

地方公務員：身体能力を活かせる警察官・消防官

正義感や体力を活かしたい方には、警察官や消防官といった職種が適しているでしょう。

警察官は、交通の取り締まりや犯罪捜査、地域パトロールなど幅広い業務を担当します。

消防官は、火災や災害の現場での対応に加え、救助活動や防災指導なども行います。

いずれも公務員としての使命感と現場対応力が求められ、大学中退者でも多くの方が目指している職種です。

国家公務員：採用割合が高い国家専門職（刑務官・税務職員など）

国家専門職は、大学中退者でも受験しやすく、特定の職務に特化しているのが特徴です。

刑務官は刑務所や少年院などの施設で、被収容者の監督や更生支援を行います。

税務職員は国税庁や税務署で、税の申告指導や調査、徴収などを担当します。

これらの職種は、高卒程度試験でも多くの採用枠があり、現実的に合格を目指しやすい職種です。

国家公務員：中央省庁の政策実行を担う一般職

国家公務員一般職は、中央省庁や出先機関で事務業務を担います。

国の政策実施に関わる業務や、法律・予算・人事管理などの補助業務が中心です。

試験には高卒程度の区分もあるため、大学中退者でも受験可能です。

安定した環境で国の仕組みに関わる仕事に就きたい方に適しています。

資格や専門知識を活かせる技術職・技能職

専門的な知識や資格を活かしたい方には、技術職・技能職がおすすめです。

たとえば、土木・建築・機械・電気などの分野で、インフラの整備や施設の保守点検などを行います。

また、技能職として清掃や運転、修繕といった現業職もあります。

専門性が評価される職種であり、実務経験や資格取得を通じてキャリアアップを目指せる分野です。

大学中退者が公務員になるメリットとデメリット

公務員という働き方は、大学中退者にとって非常に魅力的な選択肢の一つですが、当然ながらメリットとデメリットの両面があります。

ここではその両方を客観的に整理し、自分に合った働き方を見極めるヒントを提供します。

公務員として働くメリット（安定性・福利厚生・社会的信用）

高い安定性と雇用保障

公務員最大の魅力は、なんといっても雇用の安定性です。
公務員は、法律に基づく雇用形態のため、民間企業のように業績悪化でリストラされることはほとんどありません。

懲戒処分に該当するような重大な問題がない限り、長期間安定して働き続けることができます。

充実した福利厚生と働きやすい制度

公務員は各種手当（住宅・扶養・通勤など）が支給されるほか、育児休業や介護休暇、病気休暇などの制度も整っています。
また、有給休暇の取得率も高く、ワークライフバランスを保ちやすい点も魅力です。

子育てや家族の介護との両立を考える方にとっても、安心して働ける環境が整っています。

社会的信用の高さ

公務員という立場は、社会的にも高い信用を得られます。
たとえば、住宅ローンの審査やクレジットカードの契約においても、公務員は安定職として好条件で扱われるケースが多いです。

中退という経歴に不安を感じている方でも、「現在の職業」が公務員であれば信用面で大きな後押しとなります。

公務員として働くデメリット（昇給・汎用スキル・転職）

年功序列による昇給の遅さ

多くの公務員職は、成果主義よりも年功序列が基本です。
努力や成果を出しても、民間企業のようにすぐ昇給・昇進に結びつくことは少なく、給与アップには年数がかかります。

特に「早く年収を上げたい」という方には不向きかもしれません。

学歴による初任給の差

高卒程度試験で採用された場合、同じ業務をしていても「大卒程度採用者」よりも初任給が低く設定されているケースが多いです。

差額は月3万円以上になることもあり、長期的に見ると生涯年収にも影響を及ぼします。

民間で通用するスキルが身につきにくい

公務員は法令や制度に基づいて働くため、マニュアル的な業務が中心になりがちです。
そのため、プレゼンテーション力や営業力、マーケティング力など、民間企業で重視される「ポータブルスキル（持ち運びできる汎用スキル）」が身につきにくい傾向があります。

転職やキャリアチェンジの難しさ

上記のように民間向けのスキルが乏しくなりがちなため、公務員からの転職はややハードルが高いといえます。

特に長年同じ職場で働いていた場合、民間企業側が評価しづらくなる可能性があります。

また、公務員は定期異動が多いため、特定の業務に深く専門的に携わりたい方にとっては不満を感じる場合もあるかもしれません。

大学中退者が公務員試験に合格するためのポイント3つ

大学中退という経歴があっても、公務員試験に合格する人は多くいます。
重要なのは、自分に合った勉強法と対策を選び、計画的に準備することです。

ここでは、合格に向けた3つの実践的なポイントを紹介します。

合格のために押さえておきたい3つのポイントは以下のとおりです。

• 筆記試験対策は出題範囲を把握し、戦略的かつ計画的に学習を進める
• 面接では大学中退理由を正直かつ前向きに伝え熱意と適性をアピールする
• 予備校や専門講座を活用する

筆記試験対策は出題範囲を把握し、戦略的かつ計画的に学習を進める

公務員試験の筆記試験は、教養試験を中心に科目数が多く、内容も幅広いため、無計画に勉強を始めてしまうと効率が悪くなります。

まずは志望先の試験区分（高卒程度・大卒程度）を明確にし、出題科目と傾向をしっかり把握しましょう。
とくに数的処理、文章理解、時事問題は多くの試験で出題される重要分野です。

学習のポイントは以下の通りです。

• 出題範囲をリスト化して優先順位をつける
• 過去問を何度も繰り返し解き、出題パターンを把握する
• 苦手分野に集中するよりも、得意分野で確実に得点を取る戦略も有効

長期間の学習計画を立てることで、モチベーションを保ちつつ着実に実力を伸ばせます。

面接では大学中退理由を正直かつ前向きに伝え熱意と適性をアピールする

公務員試験の最終関門である面接試験では、大学中退の理由について高確率で質問されます。
ここで重要なのは、ネガティブな印象を与えず、正直かつ前向きに伝える姿勢です。

例えば、

• 「自分に合った道を模索する中で中退を選んだ」
• 「中退後、進路を見直し公務員という目標にたどり着いた」

といったように、自らの選択に責任を持ち、それを糧にしていることを示せば、むしろ評価を高めることができます。

また、以下のようなポイントも面接では評価されます。

• 公務員志望の明確な理由
• 地域や職種への理解と貢献意欲
• コツコツと真面目に取り組む姿勢や社会性

中退経験も含め、あなたの人生経験をどれだけ前向きに伝えられるかが鍵です。

予備校や専門講座を活用する

独学に限界を感じている方や、学習のブランクが長い方には、予備校や専門講座の活用をおすすめします。

予備校では、合格までの学習スケジュールや効率的な勉強方法が体系的に組まれており、講師から直接指導を受けられる点が大きな魅力です。
また、模擬試験や面接対策、最新の試験傾向など、独学では得づらい情報も手に入ります。

さらに、同じ目標を持つ仲間がいることでモチベーションも維持しやすくなります。
費用はかかりますが、短期間で合格を目指す場合や、確実に成果を出したい方にとっては大きな投資効果が期待できる選択肢です。

まとめ

大学を中退しても、公務員になることは十分に可能です。
実際、多くの公務員試験では学歴不問とされており、あなたの能力や意欲が評価の対象になります。

大学中退という経歴は、不利に思えるかもしれませんが、それをどう捉え、どう活かすかが重要です。
中退の理由を前向きに説明し、公務員としての志望動機や適性をしっかり伝えることで、高い評価につながる可能性があります。

また、職種の選択肢も豊富で、行政職から警察官、技術職まで幅広く挑戦できます。
筆記試験対策を戦略的に進め、面接でも自分の強みをしっかり伝えられれば、合格は十分に現実的な目標です。

もし独学に不安を感じているなら、アガルートの公務員試験対策講座の活用をおすすめします。
出題傾向に精通した講師陣による映像講義や、充実した教材・質問サポート体制で、学習初心者でも効率よく合格を目指せます。

大学中退という経験をネガティブに捉えず、公務員という道も一つの可能性として、積極的に情報収集や対策を進めていきましょう。