広く浅くよりも、専門を極めたい。
そう考えている公務員志望者に人気のあるのが国家「専門職」です。

ですが、どんなスペシャリストの道があるのかよくわからない 、 人気職種で倍率も高くて難易度が高そう、こんな悩みをお持ちではないしょうか。

本稿では、国家公務員「専門職」について、種類一覧や試験制度、日程、難易度等を徹底解説致します。
ぜひ参考になさって、倍率や試験科目に惑わされず、ご自身の特性や志望にあった仕事を見つけるきっかけにしてください。

公務員試験をオンラインで攻略!期間限定カリキュラム30%off

2年で合格者数7.56倍!

資料請求で公務員試験の対策ができる講義とテキストを無料でプレゼント!

公務員試験(国家総合職)大卒向け

 ・サンプル講義約5時間分、サンプルテキスト、公務員試験ガイドブック

公務員試験(地方上級&国家一般・専門職)大卒向け

 ・サンプル講義約3時間分、サンプルテキスト、公務員試験ガイドブック

公務員試験(国家一般職+専門職・地方初級)高卒向け

 ・サンプル講義約1.5時間分(高卒区分数的処理対策講座:判断推理)

最短1分で資料請求!

国家公務員「専門職」とは?

国家公務員は、行政府・立法府・司法府のそれぞれで別個に採用が行われます。
行政府の国家公務員の中でも 、 勤務先官庁を限定して職員を募集している場合を「国家専門職」といいます。

行政府で働く国家公務員の大多数は「国家総合職」や「国家一般職」といった職種で試験が実施されますが、官庁訪問で内定を取るまでは、どの官庁で働くかは定かではありません。

ですが、国家専門職は合格すれば、確実に希望の官庁で採用されます。

国家公務員の採用試験は、人事院という機関が実施します。

少し変わった試験として、外務省が独自に実施している外務専門職試験があります。

外交官になるには、国家総合職に合格して外務省から内定をもらうルートもありますが、総合職に合格しても確実に外務省の職員になれるとは限りません。
ですが、外務専門職試験に合格すれば、確実に外務省で活躍することができます。

本稿では、国家専門職(大卒程度)と、外務省専門職員採用試験について説明します。

国家公務員専門職(大卒程度)の種類一覧

職種 職務内容
皇宮護衛官 皇宮警察本部に所属し、皇族の護衛と皇居、御用地、御用邸などの警備を専門に行う。
法務省専門職員(人間科学) 法務省専門職員(人間科学)には、矯正心理専門職・法務教官・保護観察官がある。矯正心理専門職は、非行を犯した少年や刑事施設に収容されている受刑者に対し、更生のための改善指導、カウンセリング等の職務に従事する。法務教官は、少年院・少年鑑別所に収容されている少年や刑事施設に収容されている受刑者に対し、様々な指導、教育に従事する。保護観察官は、地方更生保護委員会や保護観察所において、罪を犯した人や非行のある少年の再犯・再非行を防ぎ改善更生を図るための業務に従事する。
財務専門官 財務局において、財政、金融等のプロフェッショナルとして、財政に関する業務や、金融に関する業務に従事する。
国税専門官 国税局や税務署において、適正な課税の維持、租税収入を確保のため、税務のスペシャリストとして国税調査官、国税徴収官、国税査察官いずれかに従事する。
食品衛生監視員 全国の検疫所において、輸入食品監視業務等に従事する。受験資格として、薬学、畜産学、水産学または農芸化学の課程の卒業(見込み)が必要。 
労働基準監督官 全国各地の労働局、労働基準監督署等において、労働条件の確保・改善を図る業務に従事する。
航空管制官 全国各地の航空交通管制部や空港などにおいて航空交通管制業務に従事する。職務上、語学力が要求される。
海上保安官 海上における犯罪の取り締まり、海難救助、海洋汚染の防止、海上交通の安全確保などに従事する。
外務省専門職員 高い語学力を武器に、特定地域(担当言語を母語とする赴任先)の社会、文化、歴史などに精通したスペシャリストとして、担当地域の情報収集・分析を行い、政策立案を支える。

待遇・給与

国家公務員の給与は身分保障の観点から、法律で定められていますが、一般職の公務員より「専門職」ということから、基準となる給与が高めと言われています。

もちろん職種による違い、勤務地による手当などから差は生じますが、参考までに国税専門官の初任給は以下の通りです。

出典:国税庁資料より

採用区分俸給区分俸給月額東京都特別区勤務の場合
国家公務員総合職採用(行一)2-1189,700円249,600円
国税専門官採用(税務)1-22212,200円269,640円
令和6年度予定

もっとも、勤務成績や昇任、移動などにより勤務年数を経るにつれ、個人差が生じてきます。

勤務地

国家公務員といえば、全国転勤と思われがちですが、採用官庁や採用区分によって異なります。

国税専門官は、転勤は原則として採用された全国12の国税局(事務所)管内に限定されます。
他方、労働基準監督官は全国転勤とされています。

また、外務専門職は、採用後は本省に配属され、研修と併せて1年余り国内で勤務。
その後は在外公館に外交官補として配属されます。
異動はおおむね2~3年ごとで、5~6年おきに本省勤務と在外公館勤務を繰り返すことが多いようです。

令和5年度(2024年度)国家専門職(大卒程度)試験日程

  皇宮護衛官 法務省専門職員
(人間科学)
財務専門官 国税専門官
申込受付期間 令和6年2月22日(木)~3月25日(月)
第1次試験日 令和6年5月26日(日)
第1次合格発表日 6月26日(水) 6月18日(火)
第2次試験日 7月9日(火)

7月17日(水)
※土日祝を除く
7月1日(月)

7月4日(木)
6月24日(月)

7月5日(金)
※土日を除く
最終合格者発表日 8月13日(火)
  食品衛生監視員 労働基準監督官 航空管制官 海上保安官
申込受付期間 令和6年2月22日(木)~3月25日(月)
第1次試験日 令和6年5月26日(日)
第1次合格発表日 6月26日(水) 6月18日(火) 6月26日(水)
第2次試験日 7月9日(火)

7月17日(水)
※土日祝を除く
7月9日(火)

7月12日(金)
7月3日(水) 7月9日(火)

7月17日(水)
※土日祝を除く
第2次合格発表日 8月13日(火)
第3次試験日 8月22日(木)

8月23日(金)
最終合格者発表日 8月13日(火) 10月2日(水) 8月13日(火)

国家公務員「専門職」の試験制度~筆記試験と面接試験が基本~

総合職や一般職同様に、筆記試験と面接試験が実施されます。

ただ、採用後の職務内容に応じて、課される科目や重視される科目に特徴があります。

例えば、
国税専門官であれば専門科目において商法、民法、会計学が必須科目とされますし、
労働基準監督官では労働法関係の出題が多くを占め、
法務省専門職員(人間科学)であれば心理学領域の知識が必須になります。

また、外務省専門職員や航空管制官は想像できるように、語学試験のウェイトが高くなります。

更に、海上保安官であれば、筆記試験に専門科目はないものの、2次試験で身体検査・身体測定・体力検査が課されます。

国家公務員専門職の難易度・倍率

試験区分倍率受験者数合格者数
皇宮護衛官6.5倍383人59人
法務省専門職員2.8倍1,320人472人
財務専門官2.8倍1,583人560人
国税専門官3.0倍9,818人3,274人
食品衛生監視員2.9倍267人93人
労働基準監督官3.4倍1,419人413人
航空管制官10/2公開418人10/2公開
海上保安官2.9倍237人82人
2023年度国家公務員採用試験実施状況

※出典:2023年度国家公務員採用試験実施状況

何を持って、難易度が高い・低いというかは一概には言えませんが、受験者が多いと人気度が高い、採用予定人数が多ければ倍率は低くなって難易度が低い、と評価されがちです。

例えば、2022年の国税専門官の受験者数は、11,098人でした。
人気職種と言えそうで、専門科目の特徴からすれば、難易度も高いと評価されがちです。

ですが、倍率は3.0倍で、他の公務員試験と比べると低い水準です。

単純に判断すれば、人気度も低く、倍率だけからすれば難易度もさして高くないように感じます。

このように、公務員試験の難易度や人気度は、単なる申込者数や合格率から推し量ることはできません

各職種の詳細な情報は以下をご参照ください。
・専門職の試験情報について→人事院の試験情報
・専門職の採用人数について→人事院の採用予定情報
・外務専門職の試験情報・採用予定人数について→外務省の試験案内

最後に

ここまで読んでこられていかがだったでしょうか。

試験科目の特殊性や難易度から、国家「専門職」の受験を躊躇される方がいます。

でも、もしやってみたい仕事、働きたい場所が国家「専門職」の中にあるなら、試験科目に左右されずチャレンジしてみてください。
決して人知を超えた難しい試験ではありません。

やりたいことに蓋をせず、可能性を信じるてトライすることが後悔しない就職につながります。
みなさんの人生の岐路において、本稿がお役に立てば幸いです。

アガルートアカデミーでは、国家「専門職」対策として2つのカリキュラムをご用意しております。最短で国家「専門職」に合格したいという方はぜひご検討ください。

アガルートのカリキュラムはこちら!「教養+専門型ワイド・スタンダード対策カリキュラム【公務員試験】

公務員試験をオンラインで攻略!期間限定カリキュラム30%off

2年で合格者数7.56倍!

資料請求で公務員試験の対策ができる講義とテキストを無料でプレゼント!

公務員試験(国家総合職)大卒向け

 ・サンプル講義約5時間分、サンプルテキスト、公務員試験ガイドブック

公務員試験(地方上級&国家一般・専門職)大卒向け

 ・サンプル講義約3時間分、サンプルテキスト、公務員試験ガイドブック

公務員試験(国家一般職+専門職・地方初級)高卒向け

 ・サンプル講義約1.5時間分(高卒区分数的処理対策講座:判断推理)

最短1分で資料請求!

この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

難解な法律用語は平易な表現とたとえ話でかみ砕き,理解しにくい内容はオリジナルの挿絵でわかりやすく説明する。

テンポの良いメリハリの効いた講義で多くの合格者を輩出。時間が限られる受験生のために,エッセンスが詰まった学習効率が高い講義を展開する。

公務員講座を見る