「公務員試験って、有名大学じゃないと不利なのかな？」
「自分の学部では対策しにくいって聞いたけど、本当？」

そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
特に大学生や高校生にとって、将来の進路を決めるうえで「大学名」や「学部」が公務員試験の合否にどう関係するのかは、非常に気になるポイントですよね。

結論から言えば、公務員試験は出身大学や学部に関係なく、誰にでも平等にチャンスがある試験です。
実際に多くの試験で学歴や専攻の制限はなく、重要なのは試験対策や面接でのアピール内容といった「個人の努力と実力」です。

このコラムでは、公務員試験における大学名や学部の影響の有無をわかりやすく解説するとともに、例外的に関係してくるケースや、大学名よりも重視すべき合格のポイントについても詳しくご紹介します。

あなたの努力がきちんと評価される公務員試験。正しい情報を知って、不安を解消しましょう。

【結論】公務員試験に大学名や学部は関係ない！

公務員試験において、出身大学や学部が合否に影響することは基本的にありません。
合格に必要なのは「どこで学んだか」ではなく、「何をどれだけ準備したか」です。

多くの公務員試験は、学歴を問わず誰でも受験できるよう設計されています。
実際に「大卒程度」という表現が使われている試験もありますが、これは学力の水準を示すだけで、学歴そのものを要件としているわけではありません。

また、面接段階でも出身大学を記載する必要がない場合がほとんどで、評価されるのは志望動機や人物的な魅力、社会人としての資質です。

ただし、職種によっては特定の資格や学部が必要とされるケースも存在します。
その点については、次の項目で詳しくご紹介します。

公務員試験に大学名や学部は関係ない理由5つ

公務員試験では、出身大学や学部によって有利・不利が生じることはほとんどありません。
以下の5つの理由から、公務員試験と学歴は無関係であると言えます。

• 受験資格に学歴制限がほぼ存在しない
• 「大卒程度」はあくまで難易度を示すものであり、学歴要件ではない
• 面接カードに出身大学を記入しない制度がある
• 試験科目が広範囲にわたるため、学部の専門性が直接有利にはなりにくい
• 採用後のキャリアにおいても、出身大学や学部は重視されない

下記より詳しく解説します。

公務員試験の受験資格に出身大学や学歴の制限はない

多くの公務員試験では、受験資格に学歴は関係なく、年齢制限のみが設けられているのが一般的です。

国家公務員・地方公務員を問わず、「大卒程度」「高卒程度」といった区分は存在しますが、これは出題される問題の難易度を示すだけであり、実際に大学を卒業している必要はありません。
つまり、高卒や専門学校卒の方でも、十分な実力があれば「大卒程度」の試験に合格することは可能です。

さらに、国家公務員採用総合職（キャリア官僚）といった最難関の試験ですら、出身大学による制限は一切設けられていません。
誰でも受験可能な制度になっているという点が、公務員試験の最大の特徴です。

このように、学歴や大学名によって受験そのものを制限されることがないため、「どこの大学か」「何学部か」という点を気にする必要はないのです。

「大卒程度」は試験の難易度を示すもので学歴要件ではない

「大卒程度」という表現は、受験者の学歴を問うものではなく、出題内容のレベルを示しているにすぎません。

公務員試験では、「大卒程度」「高卒程度」などの試験区分が設けられていますが、これらは学歴そのものを要件としているわけではありません。
実際には、「大学を卒業した人」だけが受験できるのではなく、大学を卒業していない人でも、その水準の問題に対応できる力があれば受験可能です。

たとえば、通信制大学に在学中の方や、高卒で社会人経験を積んだ方などでも、大卒程度の区分を受けて合格する例は珍しくありません。
このことからも、公務員試験では「持っている学位」ではなく、「持っている実力」が重視されていることがわかります。

つまり、「大卒程度」という名称に惑わされず、自分の実力に合った試験区分を選ぶことが大切です。
試験制度としても、誰もが実力次第で上位試験にチャレンジできる、開かれた仕組みになっています。

採用試験の面接カードに出身大学を記入する項目がない

国家公務員試験などでは、面接時に提出する「面接カード」に出身大学を書く欄が設けられていません。
これは、採用における公平性を確保するための重要な仕組みです。

たとえば、国家公務員採用総合職試験では、面接時に使われる面接カードに「出身大学」や「企業名」など、受験者の所属が特定される情報を書かないようにと明記されています。
実際に、「出身校や勤務先名などがわかるような記述は避けてください」という注意書きが公式に記載されています。

これはつまり、「大学名によって評価が変わることがないようにする」という運用ルールの表れです。
評価の対象となるのは、学歴ではなく、志望動機や自己PR、過去の経験を通じて何を学んだかといった人物的な資質です。

また、面接官も公平な評価を行うよう訓練されており、学歴に基づくバイアスが入らないよう配慮されています。
このように、採用の現場では制度的にも運用面でも「学歴を評価に含めない」姿勢が徹底されています。

専門科目があるため学部による有利不利は限定的

公務員試験では一部に専門科目が課されるため、学部との親和性が多少影響することはありますが、全体としてはごく限定的です。

たとえば、法学部出身者であれば法律科目に、経済学部出身者であれば経済科目に慣れているケースが多く、初学者よりもスムーズに学習を進められる可能性があります。
しかし、公務員試験は出題範囲が非常に広いため、一部の科目に詳しいからといって全体で有利になるとは限りません。

実際には、教養科目・専門科目ともに対策が必要であり、大学で扱わない科目や、入門から学ばなければならない内容も多く含まれます。
そのため、どの学部出身でも対策のスタートラインはほぼ同じといえるでしょう。

さらに、試験区分によっては「教養区分」や「人文科学区分」など、専門性に依存しにくい構成になっていることもあります。
つまり、学部ごとの知識が活かせる場面はあるものの、それが試験全体の合否に決定的な影響を与えることはほとんどないのです。

受験対策をしっかり行えば、どの学部からでも合格できる仕組みが整っていると考えてよいでしょう。

公務員として採用された後も学歴はあまり関係ない

公務員として働き始めてからは、出身大学や学部による待遇の差はほとんどありません。

民間企業では、入社後の配属や昇進に学歴が影響する場合もありますが、公務員の世界ではそのようなことは基本的にありません。
初任給や昇給、昇格の基準はすべて「職種」「年次」「勤務実績」によって定められており、誰にでも同じチャンスが与えられます。

たとえば、公立学校の教員や市役所の職員、警察官など、現場で活躍する多くの公務員は、日々の業務の中で学歴を意識する機会はほぼありません。
重要なのは、地域住民との信頼関係を築く力や、チームで協力して仕事を進める力、法令を正しく理解し執行する能力などです。

また、公務員のキャリアは年功序列に基づく部分も大きく、長く働き続ける中で着実に評価され、昇進していく仕組みになっています。
つまり、学歴よりも「現場での実績」や「誠実な働きぶり」がものを言う世界なのです。

このように、公務員としてのキャリアにおいても、学歴の有無や大学名の違いはほとんど意味を持ちません。
合格後も、公平な評価制度の中で、誰もが自分の力を発揮できる環境が整っているといえるでしょう。

大学名や学部が関係する（有利になる）例外的な2つのケース

公務員試験は原則として学歴不問ですが、一部の専門職では大学名や学部が関係してくる例外も存在します。

• 資格免許職や技術職などの特定の職種を目指す場合
• 大学・学部の進路を「出口」から逆算して選ぶ場合

これは制度としての例外ではなく、職種や採用の特性上、特定の学部出身者や大学で学んだ内容が直接役立つケースがあるためです。
特に、資格や専門知識が必要な職種、または採用実績に偏りがある試験区分では、結果的に学部や大学の影響が表れやすくなっています。

ただし、これらはあくまで「一部の例外」にすぎず、一般的な行政職や事務系の公務員を目指すうえで、学歴が足かせになることはありません。

資格免許職や技術職などの特定の職種を目指す場合

公務員試験の中には、特定の資格や専門知識が必要とされる職種があり、この場合は大学名や学部が間接的に関係してきます。

たとえば、以下のような資格免許職では、受験資格として国家資格の取得や取得見込みが条件になります。

• 保育士（児童福祉司）
• 看護師、保健師
• 薬剤師
• 臨床心理士、公認心理師
• 獣医師、管理栄養士　など

これらの職種は、該当する資格を得られる学部・学科（例：看護学部、薬学部、心理学部など）で学ぶ必要があるため、学部選びがそのまま将来の受験資格に直結します。

また、技術職（技官）についても、理工系の専門知識が求められるため、土木職・建築職・機械職・電気職などでは、工学部などの専門性がある学部での学びが大きな強みになります。
試験内容も理系科目中心で構成されているため、学部での学習経験があると、対策がしやすく有利になる傾向があります。

ただし、これはあくまで職種の特性によるものです。
一般的な行政職・事務職ではこうした条件は課されておらず、文系・理系を問わず誰にでも平等なチャンスがあります。

大学・学部の進路を「出口」から逆算して選ぶ場合

公務員を目指すという明確な目標がある場合、「どの大学・学部に進むか」をあらかじめ戦略的に選ぶことが有利に働くこともあります。

たとえば、伝統的に公務員志望の学生が多い大学や学部では、受験対策に適した環境が整っていることが多く、以下のようなメリットがあります。

• 公務員試験対策に強いカリキュラムやゼミがある
• 教員や先輩に受験経験者が多く、アドバイスを得やすい
• 同じ目標を持つ仲間が集まり、学習のモチベーションを保ちやすい
• 模試や面接対策などの支援制度が充実している

たとえば、法学部は行政職を目指す学生が多いため、自然と公務員試験を意識した学びができる傾向にあります。
また、地方国公立大学の中には、地域貢献意識が高く、公務員輩出数の多い学部も存在します。

このように、大学名や学部そのものが評価されるわけではありませんが、「公務員を目指すうえで有利な環境」を選ぶという観点では関係してくると言えます。

公務員という進路を「出口」として意識し、逆算して進学先を選ぶことは、効率的な準備や仲間との切磋琢磨につながり、結果的に合格率を高める要因となります。

大学名よりも重要！公務員試験の合格に必要なこと

公務員試験の合否を決めるのは、大学名や学部ではなく「個人の努力と準備の質」です。
ここでは、公務員試験の合格を勝ち取るために必要な下記の5つのポイントを解説します。

• 筆記試験で高得点を取るための対策（勉強時間の確保や学習計画を含む）
• 人物試験（面接）を突破できる説得力のある志望動機・自己PR
• 大学時代に様々な経験を積み、そこから何を学んだかを言語化する力
• 基礎学力の向上と正しい日本語での作文能力
• 公務員受験指導講座を活用した効率的な学習

筆記試験で高得点を取るための対策（勉強時間の確保や学習計画を含む）

筆記試験は公務員試験の第一関門です。
出題範囲が非常に広いため、計画的に長期間の勉強時間を確保することが合格のカギになります。

• 必要な学習時間：一般的な行政職で約1,000時間、国家総合職では1,500時間以上が目安。
• 対策開始の理想時期：大学2年生のうちに本格的に始めると余裕をもって取り組めます。
• 計画の立て方：1日○時間×週何日など、数値化された学習目標を持つことが重要です。

漫然と勉強するのではなく、「いつまでに・何を・どのようにやるか」を明確にすることで、継続しやすくなります。

人物試験（面接）を突破できる説得力のある志望動機・自己PR

筆記試験に合格しても、最終的な合否を左右するのは人物試験です。
評価のポイントは、公務員としての適性と人間性、そして志望理由の明確さです。

• 志望動機は、具体的なエピソードに基づいて組み立てる
• 自己PRでは、チームでの経験や粘り強く取り組んだ実績を盛り込む
• 面接練習を重ね、話し方や印象にも気を配る

表面的な言葉ではなく、自分の価値観や行動とリンクした話ができることが説得力につながります。

大学時代に様々な経験を積み、そこから何を学んだかを言語化する力

官庁訪問や面接で重視されるのが、これまでの経験から何を学び、それをどう公務員の仕事に活かせるかという視点です。

• 部活動、アルバイト、ボランティアなど、経験の種類は問われない
• 重要なのは「その経験を通じて何を考え、どう成長したか」
• それを論理的に、簡潔に言語化できるスキルが求められます

内容よりも「思考の深さ」や「言葉の整理力」が評価される場面が多くあります。

基礎学力の向上と正しい日本語での作文能力

筆記試験だけでなく、エントリーシートや作文・論文試験でも、日本語の表現力が問われます。
また、論理的に文章を構成し、自分の意見を適切に表現する能力は面接でも重要です。

• 語彙力、文法力、読解力をバランスよく高める
• 過去問や模範解答を分析して、よい文章の型を身につける
• 書いた文章を他人に見てもらい、フィードバックを受けることも効果的

特別な才能よりも、日々の積み重ねが結果に直結する分野です。

公務員受験指導講座を活用した効率的な学習

独学でも合格は可能ですが、限られた時間で確実に合格を狙うなら、受験指導講座を活用することは大きなメリットになります。

• 出題傾向を踏まえた効率的なカリキュラム
• 模擬面接やグループワークなどの人物対策も充実
• 同じ目標を持つ仲間と学ぶことでモチベーションを維持しやすい

「どこを重点的に学ぶべきか」「どの順番で進めるか」といった戦略面でも、講座のサポートは非常に心強い存在です。

まとめ

公務員試験において、出身大学名や学部が合否を左右することは基本的にありません。
制度として学歴による制限はなく、評価されるのはあなた自身の努力や適性です。

一部の専門職や国家総合職では、学部の専門性や学力水準が影響するケースもありますが、それはあくまで例外。
ほとんどの職種では、実力があれば誰にでも合格のチャンスがあります。

だからこそ、今の大学や学部にとらわれず、筆記試験・面接対策・自己分析といった「合格に必要な準備」に集中することが何より大切です。

独学での対策に不安を感じる方や、効率よく合格を目指したい方には、アガルートの公務員試験対策講座の活用もおすすめです。
出題傾向に基づいた的確なカリキュラムと、面接対策・添削指導など実践的なサポートで、あなたの合格を力強く後押しします。

あなたの努力は、大学名よりもずっと大きな武器になります。
正しい情報と準備で、自信を持って公務員への一歩を踏み出しましょう。