「公務員に興味はあるけれど、実際どうやってなるの？」
「公務員試験って難しそうで不安…」

そんな疑問や不安を抱えていませんか？

公務員は安定した働き方や社会貢献できる点で、大学生に非常に人気のある進路のひとつです。
しかし、その道のりは民間企業とは大きく異なり、試験の種類も多岐にわたります。

このコラムでは、公務員を目指す大学生のために、

• 公務員試験の種類と基本的な流れ
• 試験対策に必要な勉強時間
• 学年別のスケジュールと戦略
• 合格に近づくための効率的な勉強法

など、公務員になるために必要な情報をわかりやすく整理して解説します。
この記事を読むことで、「自分にもできる！」という自信と、今から何をすべきかが明確になります。

大学生が公務員になるための基本的な流れ（試験合格と内定）

大学生が公務員になるには、「筆記試験（一次）」と「面接試験（二次）」に合格し、採用機関から内定を得る必要があります。

公務員試験は一般的に、一次試験（教養試験や専門試験などの筆記）と、二次試験（面接や論文などの人物評価）で構成されます。

一次試験に合格すると、二次試験に進みます。二次では、個別面接や集団討論、論文試験などを通じて、人柄や志望動機、適性が評価されます。

最終合格者は「採用候補者名簿」に登録され、各機関がこの名簿から採用者を選抜し内定を出します。

ただし、特別区や国家公務員の一部では、最終合格しても内定が出ないケースもあるため注意が必要です。

大学生は「大卒程度」試験に分類される試験区分での受験が一般的ですが、これは学歴に関係なく、年齢要件を満たしていれば誰でも受験可能です。

【大卒程度】国家公務員の概要（総合職・一般職・専門職）

国家公務員は、国の政策立案や行政運営に携わる職種で、「総合職」「一般職」「専門職」の3つに大きく分かれています。

総合職

総合職は、将来の幹部候補として国の中枢で働く職種です。採用後は各省庁の本省に配属され、政策の企画・立案を担います。

全国転勤があり、キャリアパスは非常に専門性が高く、難易度も最も高い区分です。

合格後は「官庁訪問」というプロセスを経て内定を得ます。

一般職

一般職は、全国の出先機関など地域に密着した現場での業務が中心です。行政サービスの実施や調整、事務処理などを担います。

勤務エリアが限定されており、地域に根ざして働きたい人に適しています。総合職より難易度は低めですが、やはり官庁訪問を経て内定に至ります。

専門職

専門職は、特定の分野に特化した国家機関で働く職種です。
例として、国税専門官・財務専門官・労働基準監督官・法務省専門職員・皇宮護衛官・海上保安官などがあります。
専門性が求められる分、試験内容も各職種ごとに異なります。勤務先が特定されているため、合格＝ほぼ内定と考えてよいでしょう。

【大卒程度】地方公務員の概要（地方上級、市役所）

地方公務員は、地域に密着した行政サービスを提供し、住民の生活を支える仕事です。

主な職種は「地方上級（都道府県庁・政令市）」と「市役所職員」に分かれます。

地方公務員は、都道府県や市町村といった地方自治体で働きます。地域の課題解決や、住民サービスの向上に直接かかわる点が特徴です。

地方上級（都道府県庁・政令市）

都道府県庁や政令指定都市では「地方上級」と呼ばれる試験区分で採用されます。

国と市町村の中間に位置し、広域的な政策立案や調整、企画業務を担います。

試験では教養試験に加え、専門試験が課される場合が多く、国家一般職と同程度の難易度とされています。
一方で、教養試験のみで受験できる自治体も増えており、選択肢が広がっています。

市役所職員

市役所職員は、住民と最も近い距離で行政サービスを提供します。

窓口業務や地域事業の企画運営、内部事務など幅広く対応します。政令市以外の多くの市役所では、教養試験のみで受験可能です。

また、国立大学法人などの一部職種も、教養試験のみで採用を行っているため、専門科目が苦手な方にも適しています。

公務員試験の時期はいつから？大学生の勉強開始タイミングとスケジュール

大学生が公務員試験の勉強を始めるタイミングとして最も一般的なのは、「大学3年の春〜夏頃」です。

公務員試験は準備に時間がかかるため、早めのスケジューリングが合否を大きく左右します。

ただし、試験の種類や難易度によって、必要な勉強時間や対策開始の時期は異なります。

ここでは、勉強時間の目安と、大学生がいつから対策を始めるべきか、下記2点を具体的に解説します。

• 公務員試験の勉強に必要な時間（目安300時間～1,500時間）
• 大学生の公務員試験勉強開始はいつからが一般的か

公務員試験の勉強に必要な時間（目安300時間～1,500時間）

公務員試験に必要な勉強時間は、受験する職種によって大きく異なり、300時間〜1,500時間が一般的な目安です。

最も難易度が高い国家総合職では1,500時間程度の学習が必要とされ、専門科目や論文試験に加え、政策課題に関する理解も求められます。

国家一般職や地方上級試験では1,000時間程度が目安です。これらは教養試験・専門試験の両方が課されるため、広範な対策が必要です。

一方、市役所など教養試験のみで受験できる試験では、300〜600時間程度での合格も現実的です。

ただし、科目数が少ない分、得点のブレが大きくなるため、安定した対策が求められます。

また、必要時間は個人の基礎学力や学習スタイルにも左右されます。
たとえば、900時間を目標とした場合、

• 1日3時間なら約10か月（300日）
• 1日2時間なら約15か月（450日）

といったスケジュールになります。

大学生の公務員試験勉強開始はいつからが一般的か

大学生が公務員試験の勉強を始める時期として最も多いのは、大学3年の春〜夏（試験の約1年前）です。

主要な公務員試験は大学4年の春〜夏に集中しています。そのため、1年前となる大学3年の4月〜7月ごろから準備を始めるのが一般的な流れです。

公務員試験合格者を対象としたアンケートでも、「大学3年10月〜大学2年4月」の半年〜1年程度前からの勉強開始が最も多いという結果が出ています。

国家公務員の一次試験は4月末頃、地方上級は6月、市役所試験は9月と、試験日程は段階的に進みます。

多くの受験生が複数の試験を併願するため、最も早い試験に合わせてスケジュールを立てるのが効果的です。

また、難関職種や専門科目が多い場合は、大学2年のうちから準備を始める人もいます。

特に数的処理は苦手とする人が多いため、早めに取り組んでおくと学習がスムーズになります。

【学年別】現役合格を目指す具体的なスケジュールと戦略

現役合格を目指すなら、自分の学年に合った学習スケジュールと戦略を立てることが欠かせません。

大学生の多くが本格的に対策を始めるのは3年生ですが、早めに動き出せば大きなアドバンテージになります。
一方で、4年生からのスタートでも合格は十分可能です。

重要なのは、限られた時間をどう活かすかという視点です。

ここでは、大学2年生・3年生・4年生の学年別に、効果的な学習戦略とスケジュールの組み方を詳しく解説していきます。

大学2年生から目指す場合：早期対策（国家総合職/教養区分）のメリット

大学2年生から公務員試験対策を始めると、時間的な余裕を活かして着実に準備できるうえ、キャリアの選択肢も大きく広がります。

近年、国家総合職（教養区分）の受験年齢が引き下げられたことにより、大学2年生の秋から受験が可能になりました。

早期合格すれば、合格有効期間「6年6か月」を活かし、進学や民間就職との両立も視野に入れられます。

また、2年生のうちは大学入試の記憶や基礎学力が比較的新しい状態のため、自然科学や人文科学などの教養科目も効率よく習得できます。

TOEICなどの語学スコアで加点を狙える制度もあり、入試直後の英語力を活かすチャンスです。

さらに、早期に合格しておくことで、3年生以降は官庁訪問や面接対策にじっくり取り組むことができます。
学習負担も分散できるため、大学生活を楽しみつつ、着実に準備を進められるのが大きなメリットです。

大学3年生から目指す場合：本格対策と効率的なロードマップ

大学3年生からの対策は、現役合格に最も適したタイミングです。1年間の学習期間を前提に、計画的に準備を進めましょう。

3年生の春（4月〜6月）は、公務員試験対策を本格的に始める最適な時期です。

この時期には、数的処理や文章理解といった全試験種共通の科目を中心に、学習習慣の定着を図りましょう。
同時に、憲法・経済学などの専門科目にも触れ始めておくと、夏以降の理解が深まります。

夏（7月〜9月）は、集中的に学習時間を確保できる「勝負の期間」です。

民間企業のインターンシップに参加しておくと、就職活動との併用もしやすくなり、公務員試験に専念できる環境が整います。

秋以降は、国家総合職（教養区分）など早期に挑戦できる試験を予行練習として活用しつつ、筆記・面接の両方を並行して対策します。

年明けからは、過去問や模試で実践力を鍛え、志望動機や面接対応の完成度を高めていきましょう。

1年という限られた期間を最大限に活かすには、早期から計画的に動くことがカギです。

大学4年生から目指す場合：短期合格戦略と間に合わせるためのポイント

大学4年生からの対策でも、戦略的に取り組めば公務員試験に間に合います。限られた時間をどう使うかが合否を分けます。

4年生は多くの場合、卒業に必要な単位を取り終えているため、学習時間を確保しやすいという強みがあります。
試験まで3〜4か月という短期間であっても、毎日10時間以上の集中学習を続けることで現役合格も十分に狙えます。

短期合格を目指す上で重要なのは、「すべてを完璧にしようとしないこと」です。

配点の高い数的処理や文章理解を中心に据え、得意科目を活かした戦略的な科目選択で得点効率を高めましょう。

また、民間就職活動で得た自己分析や面接経験は、公務員試験の人物試験対策に大いに役立ちます。

「なぜ民間企業ではなく公務員を目指すのか」という志望動機を、経験に基づいて説得力ある形にまとめましょう。

限られた時間を活かし、無駄のない学習と実践的な準備を進めることで、大学4年生からでも合格は十分に可能です。

公務員試験に合格するための効率的な対策方法

公務員試験に合格するには、広範な試験範囲を効率よく攻略することが不可欠です。

科目の取捨選択やアウトプット重視の学習法が、合格への近道になるでしょう。

短期合格のための科目選択と優先順位をつける

限られた時間で公務員試験に合格するには、すべての科目を完璧にするのではなく、「得点につながる科目」に絞って対策することが重要です。

筆記試験では特に、教養科目の中でも数的処理・文章理解などの知能分野は配点が高く、安定して得点しやすいため、優先的に取り組むべきです。

数的処理は実力がつくまでに時間がかかる分、早期から毎日継続して学習することが鍵になります。

また、専門試験がある場合は、憲法・民法・行政法・経済学（ミクロ・マクロ）といった頻出科目を中心に絞り込んで学習しましょう。

これらは複数の試験種で共通して出題されるため、効率的に得点源を増やせます。

一般的な合格ラインは6割前後とされており、すべての科目で高得点を狙う必要はありません。

まずは得意科目を固めて得点の土台を作り、苦手科目は合格ラインに届く範囲で最小限にとどめるという「戦略的な配分」が、短期合格の近道です。

過去問を積極的に活用する

公務員試験では、過去問と類似の問題が繰り返し出題されるため、過去問演習は最も効果的な学習法のひとつです。

過去問は単なる練習問題ではなく、出題傾向を分析し、頻出分野を把握するための「教材」として活用するべきです。

学習初期はインプット中心になりがちですが、基礎がある程度固まった段階で、早めに過去問に着手することで、実戦的な対応力が身につきます。

また、問題を解く際は時間を計って取り組み、本番を意識した演習を重ねましょう。

間違えた問題は放置せず、解説を読み込み、どこでつまずいたかを明確にすることで、弱点克服にもつながります。

一度解いた過去問も、繰り返し復習することで理解が深まり、得点力が安定します。過去問中心のアウトプット学習が、公務員試験では合格の決め手となるのです。

公務員通信講座を活用する

独学に不安がある場合や、時間を効率的に使いたい方は、通信講座の活用が合格への近道になります。

通信講座の最大のメリットは、試験に必要な範囲だけに絞ったカリキュラムが組まれている点です。
市販教材を自力で選ぶ手間がなく、迷わず学習に集中できます。

また、学習のペース管理がしやすく、スケジュール通りに進めることでモチベーションの維持にもつながります。

添削指導や模擬面接、論文添削といった独学では難しい人物試験の対策もサポートしてくれる点は大きな強みです。

費用面でも、通学型予備校に比べて比較的安価な講座が多く、忙しい大学生活との両立にも適しています。

「時間をお金で買う」という視点で見れば、通信講座は非常にコスパの高い投資といえるでしょう。

まとめ

公務員試験は、大学生にとって十分現役合格が狙える試験です。大切なのは、自分の状況に合わせた戦略を立て、無駄なく対策を進めることです。

大学生が公務員を目指す場合、まずは「一次試験（筆記）→二次試験（面接）→内定」という基本の流れを理解することが第一歩です。

国家公務員か地方公務員か、試験種や難易度によって必要な勉強時間は300〜1,500時間と幅があります。

勉強開始の目安は大学3年生の春〜夏ですが、2年生から準備を始めれば選択肢は広がり、4年生からでも短期集中で合格を狙えます。

合格に近づくためには、

• 得点効率を意識した科目選択
• 過去問中心のアウトプット学習
• 通信講座などの外部サポート活用

といった効率的な対策が欠かせません。

効率よく合格を目指したい方には、アガルートの公務員試験講座の活用もおすすめです。

出題傾向を押さえたカリキュラムと丁寧な添削指導で、学習の迷いを減らし、合格までの最短ルートをサポートします。

「公務員になりたい」という思いを、確かな戦略と実行力で形にしていきましょう。

今からの一歩が、あなたの未来を大きく変えるはずです。