行政書士は、意味のない資格ではありません。中には「役に立たない」「いらない」と評価する人もいますが、就職や独立・開業など、さまざまなキャリアを描けるおすすめの資格です。

本記事では、行政書士が「意味ない」と言われる理由について詳しく解説します。

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「行政書士を取ったけど意味ない」と言われる理由

「行政書士を取ったけど意味ない」と言われる理由

「行政書士は取っても意味ない」「役に立たない」と言われる理由は以下のとおりです。

  • 就職や転職の役に立たない
  • 独立しないなら意味ない
  • 独立しても廃業する
  • 行政書士の数が多い
  • 資格を取っても行政書士にならない人も多い

1.就職や転職の役に立たない?

行政書士は意味がないといわれる理由のひとつ「行政書士資格を取っても就職や転職の役に立たない」というものがあります。なぜなら、行政書士は独立開業向けの職業であるためです。

独立開業向けであるぶん、行政書士の求人はほかの職業と比べると少ない傾向にあります。そのため、独立は一切考えていない場合は、資格を活かす機会がないかもしれません。

特に、以下のような考えを持っている人は要注意です。

  • 行政書士資格取得後は一般企業への就職を考えている
  • 行政書士の資格が就職や転職の際アピールポイントになると思っている

行政書士資格は、一般企業への就職や転職にはそれほどプラスになりません。

計画性や一貫性がないととらえられたり、いずれ独立開業のために退職するのではないかと勘繰られたりと、かえってよくない印象を与える可能性もゼロではないでしょう。

ただし、行政書士資格が採用の決め手になることはあまりないかもしれませんが、企業によっては、試験に合格した経緯を評価してくれることもあります。

なお、独立したいという気持ちが少しでもあるなら、行政書士はおすすめの資格です。自宅での開業も可能であるため、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

2.独立しないなら意味ない?

「行政書士資格を取っても独立しないなら意味がない」という意見もあります。たしかに、独立開業しか道がないのであればそのとおりかもしれません。

しかし、行政書士が独立開業向けの資格とはいえ、求人がまったくないわけではありません。行政書士事務所や司法書士事務所、弁護士事務所など、行政書士として働ける就職先や転職先は存在します。

就職先や転職先が行政書士事務所や他士業事務所なら、行政書士資格を持っていることは就職活動でプラスになる可能性があり、立派なアピールポイントにもなります。

また、補助者ではなく行政書士として働く場合、行政書士資格は必須です。

そのため、たとえ独立開業の予定がなくても、行政書士として士業事務所への就職や転職を考えているのであれば、行政書士資格を取る意味は十分にあるといえるでしょう。

3.独立しても廃業する?

「独立しても廃業する」というのも、行政書士資格は意味がないといわれる理由のひとつ。行政書士の廃業率は高く、独立開業した人のうち8割が3年以内に廃業するといわれているためです。

行政書士は、ただ事務所を構えただけで簡単に仕事が舞い込んでくる楽な仕事ではありません。日々実務をこなすかたわら事務所を経営し、仕事を獲得するには自ら営業活動を行わなければなりません。

そのため、営業力に長けていれば継続的に仕事を獲得できますが、逆に営業力がなければうまく仕事を獲得できず、まったく収入のない状態になる可能性も否めないでしょう。

しかし、営業がうまくいかなければ稼げないのは行政書士に限らず、ほかの仕事でもいえることです。
例えば飲食店でも美容院でも、営業がうまくいかず集客できなければ廃業してしまいます。

つまり、行政書士だから廃業しやすいというわけではなく、いち経営者として事業を運営していくためにはそのためのスキルや努力が必要だということです。

裏を返せば、高度な営業力やマーケティングスキルがあれば、行政書士でも十分食べていけます。

4.行政書士の数が多い?

「行政書士の数が多く、すでに飽和状態だから資格を取っても意味がない」といった意見もあります。

行政書士は令和7年4月1日の時点で5万人を超えており、日本の人口が減少していく中、登録者数は以下のように増加し続けているためです。

年度登録者数(個人+法人)前年との比較
2026年55,905人+3,171人
2025年 52,734人+1,115人
2024年51,619人+781人
2023年51,041人+1,729人
2022年50,286人+806人
参照:日本弁護士連合会「隣接士業の人口の推移」各都道府県の行政書士会所在地・会員数等

行政書士が全国に55,000人もいれば、今から独立開業したとしても仕事が回ってこないのではないか、新人の入り込む余地などないのではないかと思うのは無理もありません。

しかし、数だけ見れば同業者は5万人以上ですが、全員が自分にとってライバルになるとは限りません。行政書士の業務は幅広く、得意分野や力を入れている分野は人によって異なるためです。

例えば行政書士の代表的な業務である許認可申請は、1万以上の種類が存在します。また、現在行政書士登録している全員が積極的に行政書士業務を行っているわけではありません。

週末のみ活動している人や実際は稼働していない人なども含まれます。

さらに行政書士の高齢化も進んでおり、2018年に日本行政書士連合会から発行された「月刊日本行政10月号」によると、61〜70歳の会員が全体の35.6%ともっとも多くの割合を占めています。

一方で20〜30歳の若い行政書士は全体の0.8%しかいません。

行政書士は飽和状態ではなく、むしろこれからがチャンスだとも考えられるでしょう。

5.資格を取っても行政書士にならない人も多い?

行政書士が意味ないといわれる理由のひとつに、「資格を取っても行政書士にならない人も多い」というものがあります。

行政書士試験に合格したからといって、全員が行政書士登録をするわけではありません。実際に行政書士登録を行うのは合格者の半数以下で、半数以上の人が行政書士登録を行わないのが現状です。

そのため、「行政書士にならないなら意味ない」という人がいても当然でしょう。

たしかに、行政書士登録をしなければ行政書士として活動できず、行政書士とは名乗れません。行政書士登録をしなければ、本当の意味で資格を活かすことはできないでしょう。

しかし事実として、行政書士の資格取得に何らかのメリットがあるから試験を受ける人がいるのです。

なかには、司法試験や司法書士など、より難易度の高い法律系の資格を取得する前に「練習」のような感覚で資格を取得する人もいて、一概に「意味がない」とは言い切れません。

行政書士試験に合格するまでの努力や、一度決めたことをやり遂げたという事実は決して無駄にはなりません。合格者の人生を豊かにし、可能性を広げてくれるはずです。

また、資格に有効期限はありません。今行政書士にならなくても、将来独立開業したいと思ったときには資格を活かせるため、何も行動しないよりは資格取得に向けて努力することをおすすめします。

まとめ

行政書士が「意味ない資格」といわれる理由について解説しました。

本当に意味ないかは資格を取ったあとの行動により、結局のところは本人次第です。現在受験を迷っている人は、行政書士資格を取得するメリットを考えたうえで検討することをおすすめします。

なお、行政書士資格を取得するメリットを簡単にまとめると以下のとおりです。

  • 実務経験がなくても独立開業が可能
  • 弁護士や司法書士など、ほかの法律系の資格よりも取得しやすい
  • 行政書士試験で学んだことをベースにダブルライセンスを目指せる
  • 法律の基礎が身につく
  • 自分のペースで自由に働ける
  • 自分に自信が持てるようになる

行政書士資格を取得しただけで人生が突然激変することはありませんが、人生がよい方向に向かうきっかけになる可能性があります。

現時点では行政書士になるかわからない、独立開業を目指すかわからないという方も、行政書士という仕事に興味があるのなら、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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