難易度・合格率・ダブルライセンス

行政書士の難易度とは?合格するとすごいのか合格率・他資格比較・偏差値で例えて解説

行政書士 難易度

法律系の資格に興味がある、という人は行政書士試験も選択肢のひとつではないでしょうか?

行政書士試験は合格率が低い難易度が高い国家試験のひとつですが、法律系の国家資格の中では比較的挑戦しやすいと言われています。実際はどれくらい難しい試験なのでしょうか?合格するのはすごいことなのでしょうか?

ここでは、行政書士試験の難易度について、合格率や試験内容中心に、他の資格と比較しながら解説します。

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行政書士試験の難易度とは?合格するとすごい?

結論から言って、行政書士試験合格はすごいことです。行政書士試験の合格率は例年10%程度であり、その難易度は決して低いとはいえません。しかし行政書士試験は司法書士や社労士など、他の士業と比べると挑戦しやすいレベルの難易度であり、法律系資格の入門として最初に受ける人も多い試験です。

令和4年度(2022年11月13(日)実施)の合格率は、12.13%でした。

過去5年の合格率は、下記のようになっています(小数点第二位以下四捨五入)。

年度合格率受験者数合格者数
2022年度
(令和4年度)
12.13%47,850人5,802人
2021年度
(令和3年度)
11.2%47,870人5,353人
2020年度
(令和2年度)
10.7%41,681人4,470人
2019年度
(令和元年度)
11.5%39,821人4,571人
2018年度
(平成30年度)
12.7%39,105人4,968人

行政書士試験は絶対評価の試験であるため、合格率に多少幅があります。

一部調整が入ることもありますが、基本的に合格基準点(300点中の180点)を超えれば合格となり、その年度の試験の難易度によって合格率が変動します。

ただ、直近5年の合格率は常に10%を超えているため、合格率10%強が一つの目安といえるでしょう。

近年の傾向として、4~5万人程度が受験して、そのうち1割強の人が合格しているイメージです。

10人中9人位は不合格となってしまうので、難関資格ということは間違いありません

行政書士・行政書士試験とは?基本をおさらい

行政書士と行政書士試験の概要を簡単にご紹介します。

行政書士とは

まず、行政書士とはどんな資格かというと、法律系の国家資格のひとつで、他人の依頼を受けて官公署(都道府県庁など)に提出する許認可申請書類などを作成・提出するなどの仕事ができる資格です。

顧客の立場からいうと、自分で申請する代わりに、行政書士にお金を払って書類作成や提出を依頼するということです。

行政書士資格を取るメリットは、国家資格者となり独立開業できることもありますが、難関資格を取得することで一般企業などへの就職活動で有利になったり、自分に合ったスタイルで働くことができる点などもあります。

行政書士になるためには、基本的には行政書士試験に合格することが必要です(一定期間を超える行政事務経験者や他士業合格者など、試験が免除される制度もあります)。

合格後に行政書士会に登録することで、行政書士として仕事を受けることができます。

行政書士試験とは

行政書士試験は年1回、例年11月に実施されます。

受験資格は特になく、年齢、国籍、学歴などを問わず受験できます。

試験科目は、法令等科目(5科目)と一般知識等科目(3科目)があります。

配点が高く最重要科目となるのは、行政法・民法で、この2科目が合否を左右すると言っても過言ではありません。

試験は300点満点で、180点以上が合格となりますが、総合点の前に、法令科目、一般知識科目それぞれで基準点(足切り点)があります。

関連コラム:行政書士試験日はいつ?日程・申込方法・試験の基本情報を解説!

行政書士試験で知っておくべきこと

行政書士試験が難しさを考えるにあたり、知っておくべきポイントを紹介します。

1.試験範囲が広い

行政書士試験は試験科目が8科目で、他の国家資格と比べても多めです。

最重要科目である行政法や民法は、ボリュームのある法令で、それぞれ学習範囲が広く、暗記しなければならない知識量も膨大です。

2.受験資格がない

行政書士試験は受験資格がないため、様々な学歴、職業、年齢の人が受験します。

自分の学歴に自信がない人が一念発起して受験するケースも多く、これまでし烈な受験を経験したことがない人にとっては、受験慣れしていないこともあり、学習量の多さなどから行政書士試験はとても難しいと感じるでしょう。

逆に、高学歴者など受験慣れしている人にとっては、合格率が1割の割には易しく感じるかもしれません。

3.絶対評価なので年度により難易度が変動する

行政書士試験は、基準点(300点満点中180点)を取れば合格できる絶対評価の試験です(一部修正が入る年もあります)。

そのため、難問が多く出る年は合格率が1割未満と低くなることがあります

ただし、逆の見方をすると、絶対評価なので自分が目指すべき得点が明確となり、対策を立てやすいとも言えます。

パーフェクトを目指す必要はなく、科目ごとにどの程度の点数を目指すのかを想定して取り組むことができます。

行政書士試験の難易度を他の国家資格と比較

行政書士試験の合格率は9~15%程度ですが、他の国家資格と比較して難易度はどの程度なのでしょうか。

ここでは、他の文系の国家資格(司法書士、宅建士、社労士、中小企業診断士)と比較してみましょう。

資格合格率必要な勉強時間(目安)試験科目
行政書士9~15%600~1000時間7科目
司法書士3~5%3000時間11科目
社労士5~7%1000時間8科目
宅建士15~16%300~400時間4科目
中小企業診断士4~8%1000時間11科目

行政書士試験に合格するためには、法律初学者の場合600~1000時間程度の学習時間が必要です。

合格率、学習時間、試験科目を見ると、難関資格ではあるものの、行政書士試験は比較的挑戦しやすいといえるのではないでしょうか。

一般的な難易度の順は、高い方から①司法書士、②中小企業診断士、③社労士、④行政書士、⑤宅建士となります。

司法書士と比較

司法書士は、登記申請や裁判所への提出書類の作成などを行います。

行政書士試験を検討する人は、同じ法律系資格で文書作成がメインである仕事として、司法書士試験も検討するかもしれません。

ただ、合格率と勉強時間を見ればわかるとおり、行政書士試験に比べて難易度は格段に高くなります

司法書士の試験科目は11科目で出題範囲は広範囲にわたります。

行政書士試験と同じ科目の民法や会社法などにおいても、行政書士試験よりもより難易度が高く踏み込んだ内容の問題が出題されます。また、実際に登記申請書を記述する問題があり、ただの暗記では対応できません

不動産登記法や商業登記法などの馴染みのない科目が多いこともあり、行政書士試験よりハードルは高いでしょう。

司法書士試験を受験する場合、講座の受講をせずに合格する人はほとんどいません。また、行政書士試験は1発合格者も少なくありませんが、司法書士の場合5回以上受験して合格する人も決して珍しくありません

関連コラム:行政書士と司法書士の違いは?難易度・業務内容・ダブルライセンスのメリットを解説

宅建士と比較

宅建士は、不動産の取引の際に重要事項説明などを行う仕事です。

合格率は行政書士よりも高く、必要な勉強時間も短めです。

独立を目指す人に限らず、不動産会社に勤務する人などが働きながら受験するケースが多く見られます。

必要な学習時間を考えると、たとえ働きながらであっても半年程度で合格することも不可能ではありません。行政書士の場合、通常1年程度の学習は必要です。

宅建士試験はすべてマークシート方式で、記述式問題はありません。

出題科目は4科目と国家資格の中では少なめです。また、試験の問題数も行政書士試験より少ないことから、比較的取り組みやすいでしょう。

講座を受講せずに合格する人も比較的多いでしょう。1発合格者も珍しくありません。

関連コラム:宅建と行政書士はどっちが難しい?違いとダブルライセンスの魅力を解説

社労士と比較

社労士は、社会保険や労務管理に関する専門家です。

一般企業の人事部や総務部で働きながら受験する社会人受験生が多く見られます。

社労士試験は、行政書士とは異なり、受験資格があります学歴または実務経験のいずれかの受験資格を満たしていなければなりません。

関連コラム:社労士試験の受験資格とは?大卒・高卒・専門学校・国家資格保有者は?

合格率は行政書士より低めで、目安となる学習時間は行政書士よりも長めです。

試験科目は、労使関連の法律で、行政書士試験に比べて専門性の高い詳細な知識が問われます。

試験科目は8科目です。

試験はすべてマークシート方式で、記述式問題がない点は行政書士試験より易しく感じるかもしれませんが、必ずしもそうとは言えません

具体的な数字を選択する問題も多く、あやふやな知識では対応できず、完璧に暗記しなければいけない内容が多いのが特徴です。

1回で合格できる人は少数派で、2回以上受験して合格する人が主流です。

中小企業診断士と比較

中小企業診断士は、中小企業の経営助言や診断を行うスペシャリストで、経営コンサルタントの一種です。

試験科目は11科目です。

1次試験と2次試験の2段階で行われ、1次試験、2次試験ともに合格率は20%程度で最終合格率は4~8%程度です。

1次試験は7科目のマークシート方式で2日にわたり、2次試験は4科目の筆記試験とそれを元にした口述式試験です。

試験科目の内容は、会計学や経営学等となり、一般的な法律系資格試験とは一線を画します。

経営コンサルタント自体に高学歴志向があるためか、受験資格はないものの難関大学出身者などが多い傾向があり、合格率の低さ以上の難関資格です。

難易度の順では、一応司法書士を1番としましたが、見方によっては中小企業診断士の方が難しいとも言えます

1度の受験で合格できる人は少なく、何度も挑戦する人も多い試験です。独学での合格も困難です。

関連コラム:【行政書士と中小企業診断士】のダブルライセンスの活かし方

行政書士試験の難易度を大学の偏差値に例えると?

資格試験の難易度は大学入試などとは比べられるものではありませんが、イメージしやすいように、ここでは行政書士を含む資格試験の難易度と、大学入試の難易度をまとめました。

大学偏差値試験
東京大学、京都大学68~司法試験・予備試験
慶應大学・早稲田大学・上智大学65~67不動産鑑定士・司法書士・弁理士
明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学60~64土地家屋調査士・中小企業診断士・社労士・行政書士
技術士二次試験・通関士・マンション管理士・ケアマネジャー
日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学55~56技術士一次試験・宅建・測量士・管理業務主任者・社会福祉士・インテリアコーディネーター

※偏差値はあくまでも弊社で算出した数値です。

行政書士の難易度を偏差値で例えると60~64のエリアです。偏差値60~64といえば、1,000人の受験生の中で60番から150番以内の順位にいる必要があり、かなり高い位置にいなければなりません。
大学受験に例えるならば、MARCHくらいと考えられます。難関大学と呼ばれる大学群であり、行政書士も難関資格であることがうかがえます。

司法試験などの東京大学や京都大学、司法書士などの早稲田大学や慶応義塾大学などよりは難しくないといえます。
宅建試験の難易度はその他の大学、例えば日本大学や近畿大学といった中堅大学及び地方国立大学と同じ位と考えられますので、行政書士試験は宅建試験より難しいといえます。
司法試験や司法書士となどと比べると易しいですが、やはり十分な対策が必要です。

行政書士試験合格に偏差値や出身大学は関係ない

実際、行政書士試験合格に偏差値や出身大学との関係はありません。

行政書士試験は毎年4,000人以上が合格していますが、合格者は10歳代~60歳代以上まで性別を問わず幅広い属性の方々が合格しています。

この中には様々な偏差値や出身大学の方が存在しており、ペーパーテストにより決められる行政書士試験においてこれらの事情が有利あるいは不利に働くことはありません。

行政書士試験は、誰でもしっかりと勉強し、備えを万全にして受験することで合格できる試験といえ、偏差値や出身大学に左右されない試験といえるでしょう。

行政書士の勉強法は?選択肢3つ

行政書士試験の勉強の手段は、大きく分けて1.独学、2.予備校に通学、3.通信講座(オンライン予備校)の3つの選択肢があります。

それぞれの特徴やどんな人に向いているかを解説します。

1.独学

独学は、自分で市販のテキストを購入して自宅などで勉強する方法です。

自分で試験までのスケジュールを立て、それに沿って勉強する必要があるため、自己管理がしっかりできる人、他の国家資格の受験経験者などで試験慣れしている人に向いています。

メリットは、コストが少ないことと、自分のペースで勉強を進められることです。

一方、デメリットは、予備校や通信講座の利用者と比べると、どうしても効率的な学習が難しく、モチベーションを維持するのも人によっては難しいことです。

関連コラム:行政書士は独学でも合格可能!勉強時間&効果的な勉強法とは?

2.予備校に通学

実際に教室がある予備校に通学する方法もあります。

決まった時間に学校に通うことが出来る時間的余裕のある人や、講師の生の声を聴いて学習したいという人に向いています。

メリットは、受講後に生で講師に質問することができたり、他の受講生と一緒に学習することでモチベーションを維持しやすいことです。

一方、デメリットは、受講料が高いこと、決まった時間に通わなければならず、忙しい人には不向きであることです。

3.通信講座

通信講座を受講して、自宅や好きな場所で学習する方法もあります。

自分の都合に合わせた場所、時間に学習したい人、独学には不安があるもののコストパフォーマンス重視でスクールに通う時間的、経済的負担は避けたい人に向いています。

メリットは、いつでもどこでも学習することができるため、スキマ時間を活用してより効率的な学習ができることや、リーズナブルな価格でスクールに通うのと同等の効果的な学習ができることです。

通信講座によっては質問制度などのフォローアップもあるため、勉強に行き詰る心配もありません。

アガルートの行政書士試験講座の受講生は、合格率が56.17%(全国平均12.46%の約4.63倍)となっています。※令和4年度の実績

なお、アガルートの講義を受講してから1発で合格した方は205名(令和4年度)でした。

▼アガルートの行政書士講座担当豊村講師が、動画で行政書士試験の難易度や合格率、勉強法などについても触れています。

効率よく合格を目指す方は、ぜひチェックしてみてください。

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受講生の合格率56.17% 全国平均の4.63倍

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