国民の権利や自由に大きく関わることから、身近な法として認識されていることの多い憲法。小学生の頃、授業で習ったのを覚えているという人もいるでしょう。

しかし憲法は奥が深く、思うように得点できないという悩みを抱えている人が多い科目でもあります。

このコラムでは、行政書士試験における憲法の勉強法や憲法対策におすすめの書籍について解説します。講師による解説動画とともにお話するので、ぜひ最後までご覧ください。

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【行政書士試験】憲法とは?

憲法とは、国民の権利や自由を守るために定められた国の最高法規です。法律や命令などの法規は憲法に違反しない範囲で定めなければならず、憲法に反するものは無効です。

憲法は、大きく人権分野統治分野の2つに分けられます。

動画:【行政書士試験】憲法 攻略の極意とは?分野別出題パターンと対応策を解説!|アガルートアカデミー

人権分野では基本的人権の内容や、その人権について争われた最高裁判所の判例を学習し、統治分野では、国会・内閣・裁判所の仕組みやそれぞれの権能、財政や地方自治についても学習します。

また、行政書士試験においては5肢択一式から5問、多肢選択式から1問出題され、配点は300点満点中28点と、全体の1割近くを占める科目です。
5肢択一式では、5問中3〜4問の正解を目標に学習するとよいでしょう。

憲法は、民法や行政法などと異なり、国会・内閣・裁判所や天皇、人権など、多くの人にとってなじみのあるテーマばかりです。ぜひポイントを押さえて効率よく学習し、憲法を味方につけましょう。

【行政書士試験】憲法 の勉強法

ここでは、行政書士試験における憲法の勉強法について解説します。分野ごとに学習のポイントを紹介するため、しっかりとポイントを押さえましょう。また、判例の読み方や学び方についても解説しているため、そちらも確認してください。

人権-学習のポイント

動画:【行政書士試験】憲法 攻略の極意とは?分野別出題パターンと対応策を解説!|アガルートアカデミー

人権分野からは、とにかく判例に関する問題が多く出題されます。そのため、過去問演習と並行して判例学習も進めていく必要があります。

注意しなければならないのは、一口に「判例」といっても、その問われ方はさまざまなパターンがあるということです。
例えば、肢ごとに異なる判例について問うタイプの問題や、まるまる1問使って1つの判例を掘り下げるタイプの問題、現場で考えさせるタイプの問題などがあります。

この中でも、現場で考えさせるタイプの問題には特に注意が必要です。
なぜなら、現場で考えさせるタイプの問題は難易度が高いケースが多く、答えが閃かない場合は時間ばかりを取られてしまう可能性があるためです。

無理だと思ったら思いきって飛ばし、すべて解き終わってからまた戻ってじっくり考えてもよいでしょう。
取れないかもしれない問題に時間を費やすより、取れる問題を1問でも多く取ることが試験戦略としては重要です。

簡単に得点できないような問題は他の受験生も解けないため、わからない問題が出てきたからといって不安になる必要はありません。
しっかり気持ちを切り替えて、取れる問題や取るべき問題を落とさず正解できるようにしましょう

統治-学習のポイント

動画:【行政書士試験】憲法 攻略の極意とは?分野別出題パターンと対応策を解説!|アガルートアカデミー

統治分野からは、条文問題が非常に多く出題されます。
そのため、条文学習の強化は必須です。
基本的な条文知識はもちろん、条文の趣旨や制定に至った事情なども理解しておく必要があるでしょう。
条文の問われ方はさまざまで、単純な条文知識を問うものや判例の知識を問うもの、人権分野と同様に、現場で考えさせるものなどがあります。

条文の勉強にについては、下記の動画もおすすめです。

動画:【行政書士試験】豊村慶太の憲法統治条文一気読み[フルver.] 豊村慶太講師|アガルートアカデミー行政書士試験

単純な条文知識を問うシンプルな正誤問題は、5肢択一式の問題を5問中3〜4問取ろうと思ったら、落とせない問題です。丁寧に学習し、確実に取れるようにしておかなければなりません。

また、判例の知識を問う問題も、ぜひ取っておきたいところです。特に、「司法権」で学習する判例は重要なものが目白押しなのでしっかりと習得しましょう。

現場で考えさせる問題については、やはり問題を読んでみて閃くかどうかで対応を変えることをおすすめします。
問題を読んでもピンとこない、何も閃かないといった状態であれば、時間をかけて考えてもプラスにならない可能性があります。
何も閃きそうにない場合は早めに見限って、次に進んだほうがよいでしょう。

なお、どのような問題が「現場で考えさせる問題」なのかは、問題を読めばすぐにわかります。過去問をチェックし、どういった問題が該当するのかを一度確認してみることをおすすめします。

判例の読み方・学び方

動画:【行政書士試験】憲法 攻略の極意とは?分野別出題パターンと対応策を解説!|アガルートアカデミー

判例を読む際や学ぶ際に大切なのは、事案→結論→論理の流れの順番で進めることです。

以下のように、まずは事案を掴み、次に結論を押さえ、最後に論理の流れを把握します。

  1. 事案を掴む
  2. 結論を押さえる
  3. 論理の流れを押さえる

3.論理の流れを押さえるについては、判例はどのような点に着眼して規範を導き出したのか?その規範は何か?その規範へのあてはめはどのようなものか?あたりを意識してみると良いでしょう。

上記の進め方は、判例全般に共通する方法です。憲法だけでなく、民法や行政法の学習にもぜひ活かしてみてください(もっとも上記の1~3を丁寧に押さえていく作業は憲法が最も有用です)。

判例をただ読むだけの学習や、ただ丸暗記するだけの学習では、なかなか自分の知識として定着しません。
流れを理解しながら判例を読み、1つのストーリーとして記憶することが大切なのです。

判例学習は、憲法を攻略するうえで特に重要といえるポイントです。重要判例や本試験でよく出る判例については、必ず押さえておきましょう。

注意しなければならないのは、どのような事件でどのような条文が問題となったのか、という事案の部分と、それが結局合憲だったのか違憲だったのか、という結論だけを押さえておくのでは不十分である点です。

憲法から出題される判例問題の中には、結論に至るまでの経緯を理解していないと解けないような問題もあります。

事案と結論を押さえることはもちろん、さらに結論に至った経緯まで理解していることが求められます。

【行政書士試験】憲法の対策に参考書は必要?おすすめ3選

憲法学習において、憲法に特化した科目専門テキストは特に必要ありません。全科目が一冊にまとまったオールインワンテキストが一冊あれば、十分対応できるためです。

民法や行政法、会社法などの理解が難しい法律であれば、もうワンランク上の学習をするために科目専門テキストを追加したほうがいい場合もあります。

しかし憲法に関しては、不必要に手を広げることでかえって学習の効率が落ちてしまう可能性があります。

大切なのは、本当に必要かどうかです。本当に必要なテキストや問題集を揃え、手持ちのものを繰り返し読み込んだり解いたりすることが合格への近道です。

ただ、オールインワンテキストの目的は試験に合格するためであり満点を取るためではないため、憲法を極めて満点を目指したい場合は購入を検討してもよいかもしれません。

もしも科目専門テキストを使用する場合は、以下で紹介する参考書がおすすめです。
また、憲法は判例や条文からの出題が多い科目であるため、判例集や条文集を一冊ずつ購入しておいたほうがよいでしょう。

憲法 第八版(岩波書店)

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憲法 第八版(岩波書店)は、累計104万部を誇る憲法教科書の定番です。

憲法学専門の法学者である芦部信喜氏の著書であることから「芦部憲法」と呼ばれ、憲法を学ぶ多くの学生たちに親しまれています。

数年に一度のペースでこれまでに幾度か改訂されており、この第八版が2024年1月時点での最新版です。

488ページと、分量だけを見ればそれほどボリュームはないものの、内容は充実しており、受験生だけではなく実務家も満足できる一冊です。

行政書士試験の受験勉強に使用する場合、すみずみまで読み込む必要はありません

あくまでもオールインワンテキストをメインに使用し、物足りないと感じる箇所を補填するための教材として使用するとよいでしょう。

これまでよりワンランク上の学習を目指す人におすすめです。

判例START UP!憲法50(有斐閣)

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憲法判例50!(START UP)(有斐閣)は、憲法の重要判例50個を解説している判例集です。

厳選された50個の判例を「事案をみてみよう」「読み解きポイント」「判決文を読んでみよう」「この判決が示したこと」「解説」の5ステップで分かりやすく教えてくれるシリーズとなっています。

①事案をみてみよう→判例学習はともすれば結論を暗記して終了になりがちですが、実際の判例は生身の人間が必死に争ったわけです。その具体的な事案を嚙み砕いて解説してくれます。

②読み解きポイント→その判例で何が争点だったのかを端的に示してくれます。言ってみれば「Q」の部分です。

③判決文を読んでみよう→実際の判決文を提示しつつ、重要部分は青字+アンダーラインを引いてビジュアル的に分かりやすくしてくれています。

④この判決が示したこと→判例が示した結論を端的に示してくれています。言ってみれば「A」の部分です。

⑤解説→その判例を理解する上でのポイントを解説してあります。欄外の記載も勉強になります。

普段は本書の全部を学習して、直前期は②と④のみを使ってQ&Aとして何度も回転させれば憲法の判例学習は盤石です。

ただ過去問を解いていくだけではなく、判例の「使い方」が身につくため、判例の知識が深まるとともに応用力も養われます。

同シリーズの行政法版は、行政法の対策にもおすすめです。
関連コラム:【行政書士試験】行政法の勉強法を解説!分野別学習のポイント&おすすめ問題集・テキスト3選

伊藤塾 1分マスター 行政書士 重要条文編(KADOKAWA)

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伊藤塾 1分マスター 行政書士 重要条文編(KADOKAWA)は、法律系資格専門の大手資格予備校・伊藤塾から出版された条文学習のための問題集で、「重要条文編」の名前のとおり、530もの重要条文が掲載されています。

左側のページに問題、右側のページに解答という構成で、付属の赤シートで解答やキーワードなどを隠しながら学習できるため、見開きで重要条文の学習が完結します。

また、項目別に分かれており、科目ごとの学習や苦手分野に集中した学習方法も可能です。

「重要」「注意」マークにより、条文ごとの重要度や要注意度もわかるため、直前期の追い込みにも適しています。

条文をマスターしたい人や条文問題を得意にしたい人におすすめです。

この書籍は本当にオススメで、憲法のみならず行政法・民法の条文知識習得にも非常に役立ちます。過去の豊村クラス合格者もこの書籍を愛用されている方は多いです。

まとめ

動画:【行政書士試験】憲法 攻略の極意とは?分野別出題パターンと対応策を解説!|アガルートアカデミー

憲法の学習ポイントや、憲法対策におすすめな書籍について解説しました。

人権分野では判例、統治分野では条文を中心に学習しましょう。

判例、条文の学習をする際は、丸暗記するのではなくストーリーを思い描き、理解しながら読み込んでいくと効果的です。

判例学習においては、事案と結論だけではなく論理の流れも含めて頭に入れるようにしましょう。

また、憲法から出題される問題の中には、条文知識や判例知識を問う問題以外に「現場で考えさせる問題」が出題されることがあります。現場で考えさせる問題に直面した場合、何か閃くものがあれば挑戦するのもありですが、何も閃かない場合は深入りしないほうが無難でしょう。

憲法全体でどの程度時間をかけるか、何問取れればよいかなどをあらかじめ決めておくと、時間をかけるべきではない問題に深入りしてしまうことを避けられます。

関連コラム:行政書士は独学でも合格可能!勉強時間&効果的な勉強法とは?

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この記事の監修者 豊村 慶太 講師

豊村 慶太講師


行政書士受験指導のカリスマ。早稲田大学3年次にわずか2か月の学習期間で行政書士試験に合格。
大手資格予備校LECで12年以上にわたり、行政書士試験の受験指導を行い、基幹講座・単科講座・全国向け収録講座のみならず、大学学内講座(成城大学・学習院大学)も担当。
LEC時代・アガルート移籍後を通じて、19年以上の講師歴を通じて、のべ1万人以上の受験生を指導(2023年4月時点)。高い合格率に定評がある。

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常に「過去問」「問題演習」を意識しながら、受講生と一緒に手を動かして、自然に理解しやすく記憶が定着しやすい講義は、歴代の数多くの「豊村クラス」出身合格者の非常に高い支持を得ている。

グルメを中心としたブログも人気。趣味は、サーフィン・スキューバダイビング・ゴルフ・トランペット・神社仏閣めぐり。

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