結論からいうと、行政書士の就職先はおもに3つあります。

  • 法務事務所
  • 弁護士事務所
  • 一般企業

本記事では、行政書士の就職先について詳しく解説します。就職活動のやり方や失敗しないポイント、キャリアアップなどについてもまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。

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行政書士の就職先は少ない?

行政書士の就職先は少ない?

結論からいうと、行政書士の求人は一般企業に比べると少ない傾向にあります。一般企業と比較して求人数は限定的であり、地域や時期によっては募集が一件も出ないケースも珍しくありません。

求人が少ない理由は、行政書士が独立開業型の資格であり、事務所の多くは個人事務所だから。

日本行政書士会連合会の統計によると、行政書士法人の登録数は約1,700件であるのに対し、個人事務所の数は約5万件と圧倒的に多く、依然として個人開業が主流です。そのため、大規模な求人が出にくい構造にあります。

法人化している事務所や、個人でも規模の大きな事務所であれば何人も行政書士を抱えています。

しかし、個人事務所では行政書士本人が1人で業務を行っていることが多く、人を入れるとしても家族が手伝ったり補助者としてパートを雇ったりするくらいしかありません。

そのため、個人事務所で大々的に求人を出し、行政書士を募集することはごくわずかです。

ただし仕事がないわけではなく、法務事務所や一般企業など、求人も探せばいくつか見つかります。

資格を活かせる仕事!行政書士の主な就職先3つ

行政書士の主な就職先は、法務事務所、弁護士事務所、一般企業の3つです。

1. 法務事務所

行政書士のもっとも一般的な就職先といえば法務事務所でしょう。法務事務所とは、行政書士や司法書士など、弁護士以外の士業が開業する事務所を指します。

法務事務所に行政書士として就職する場合、使用人行政書士として行政書士会に登録し、雇用される立場になります。資格の取得後、事務所で実務経験を積みたいと考えている人にはうってつけです。

実務だけでなく、事務所の経営方法や営業方法など、学べる部分はたくさんあります。

普段の職務は開業行政書士と変わらず、さまざまな許認可申請や相続など、その事務所が得意としている分野の業務を担当する可能性が高いです。

しかし、あくまでも従業員であるため、自分の考え方よりも事務所の方針に従って仕事をしなければなりません。行政書士として採用されても、実際には事務作業などの雑務に終始してしまう可能性も否定できません。

開業のための下積み期間として働くにしても、自分に合った事務所選びは重要です。

2. 弁護士事務所

弁護士事務所に就職するのもひとつです。弁護士事務所で働く場合、行政書士としての仕事ではなく、パラリーガルとして弁護士をサポートする可能性が高いでしょう。

弁護士の指示を受けて法律事務業務を行うアシスタントのこと。電話応対や裁判所への書類提出、契約書や遺言書などの書類作成や校閲、事件に関する法令・判例の調査や資料探しなどをします。

将来的に司法試験も視野に入れている場合や、弁護士の仕事に興味がある場合などはプラスになるかもしれませんが、行政書士として活躍したいのであればあまりおすすめできません。

ただし、事務所によっては在留資格や入管問題など、行政書士が対応できる業務を取り扱っている事務所もあるため、ある程度任せてもらえる可能性もあります。

事務所を選ぶ際は、具体的な業務内容を確認したうえで決めることをおすすめします。

3. 一般企業

行政書士としてではなく、一般企業に就職し、資格を活かす方法もあります。

建設会社や運送会社、不動産会社など、行政書士の業務と結びつきが強い企業に就職すれば、許認可申請や契約書の作成など、行政書士業務に携わる機会があるかもしれません。

また、法務部のような部署に配属されれば、資格や法律知識を活かして活躍できる可能性があります。法務部の職務は、法律相談や契約書の作成や法令改正の自社への影響調査などです。

安定した収入を得ながら行政書士資格を活かしたいなら悪い選択肢ではありませんが、必ずしも希望の部署に配属されるとはかぎらないことを念頭におく必要があります。

就職行政書士の平均年収・給与

行政書士事務所や法人に雇用されて働く「就職行政書士」の年収は、一般的に300万円から500万円前後がボリュームゾーンとされています。公的なデータは存在しないため、求人情報などのデータによる推定値です。

未経験からのスタートであれば月給20万円から25万円程度が相場ですが、特定の許認可業務に精通したり、営業担当として顧客獲得に貢献したりすることで、賞与やインセンティブによる年収アップも十分に期待できます。

就職にあたって必ず確認しておくべきポイントは、行政書士の登録に関わる費用の負担形態です。

行政書士として実務を行うには、日本行政書士会連合会への登録が義務付けられており、入会金や登録免許税などで初期費用として25万円から30万円程度のまとまった資金が必要となります。

さらに、登録後も毎月数千円の会費が発生し続けます。

この費用を事務所側が全額負担してくれるのか、あるいは自己負担となるのかによって、実質的な手取り額は大きく変動します。

事務所負担の場合は福利厚生が手厚いと言えますが、早期退職時に返金を求められる特約が設定されているケースもあります。

一方、自己負担の場合は初期の経済的負担が重くなるため、求人票に明記がない場合は、面接や条件交渉の段階で補助の有無を明確に確認しておくことが重要です。

行政書士の就職活動の進め方と失敗しないためのポイント

行政書士として就職活動を進める際は、まずは求人の探し方や就職先の選び方が重要です。応募後、履歴書の書き方や面接での注意点をおさえる必要があります。

求人の探し方

前章で紹介した就職先それぞれに適した求人の探し方は以下のとおりです。

就職先求人の探し方
法務事務所・弁護士事務所・求人サイトや就職エージェントを利用する
・ハローワークで探す
・事務所のホームページから直接応募する
・知人から紹介してもらう
・人材派遣会社に斡旋してもらう
一般企業・求人サイトや就職エージェントを利用する
・ハローワークで探す
・人材派遣会社に斡旋してもらう

応募後は、基本的に書類選考→面接→採用の流れで選考が進みます。合否の連絡は後日電話で届くパターンが一般的ですが、中には面接時そのまま合否を伝えられるケースもあります。

求人サイトや就職エージェントを利用する

求人サイトや就職エージェントは、行政書士の求人を効率的に探すための最も一般的な手段です。

利用するポイントは、就職先に合わせてエージェントを使い分けること。

法務事務所や弁護士事務所への就職を希望している場合は士業専門のエージェント、一般企業への就職を希望している場合は法務などの管理部門に特化したエージェントの利用をおすすめします。

ただし、求人数は地域差があり、地方ではなかなか見つかりません。地方で探す場合は、ハローワークや事務所のホームページなど、別の方法で探したほうが見つかりやすい可能性があります。

ハローワークで探す

ハローワークには、地域密着型の個人事務所による求人が多く掲載される傾向にあります。

事務所によっては直接の応募も可能であるため、ハローワークに掲載されている事務所に、ハローワークを通さず直接連絡をとってみるのもおすすめの手法です。

事務所のホームページから直接応募する

事務所のホームページから直接応募するという手段もあります。

中には、求人サイトやハローワークなどを利用していない場合もあるため狙い目です。

求人サイトやハローワークなどで募集している場合は多くの求職者が殺到する可能性がありますが、ホームページのみでの募集の場合、応募のタイミングが何人も重なる可能性はあまりないでしょう。

比較対象がいないぶん、採用のハードルが上がりにくいというメリットがあります。

知人に紹介してもらう

知人の紹介で就職できるケースもあります。

知人に法務事務所を営んでいる人や勤めている人がいれば、募集はないか聞いてみてもよいでしょう。

人材派遣会社に斡旋してもらう

人材派遣会社が扱う案件の中には、法務事務所や弁護士事務所の案件もあります。

派遣社員として働く場合、派遣会社の担当者から事前に事務所の雰囲気や所長の人となりを聞けるため、事務所のイメージをある程度掴んだうえで面接に挑めるでしょう。

また、派遣社員として採用された場合でも、紹介予定派遣であれば正社員や契約社員などといった直接雇用のチャンスもあります。

就職先の選び方

行政書士の就職先を選ぶ際は、自分が携わりたい業務内容と事務所の雰囲気が合致しているかを最優先に確認すべきです。

事務所によって特色ややり方は大きく異なり、扱っている業務もそれぞれです。そのため、自分がやりたい業務を扱っている事務所や事務所の雰囲気、条件などを見てよく検討する必要があります。

行政書士事務所であればどこでもよい、といった気持ちで応募すると、せっかく採用されても「何か違う」と感じてしまい結局長続きしません。

士業事務所の雰囲気ややり方には、所長の人柄が大きく反映されます。内部に入らないと見えない部分もありますが、面接の際は事務所の雰囲気や対応方法から、所長の人柄を見極めましょう。

履歴書の書き方

行政書士の履歴書を作成する際は、未登録であれば『合格』、登録済みであれば『取得』と正確に記載することが最も重要です。

開業せず就職する場合、前者に該当することがほとんどでしょう。

「取得」と記入してしまうと誤解を招くおそれがあるため、「合格」と書きましょう。

また、履歴書はミスなく記入することが大前提です。

行政書士業務の中で扱う書類には複雑なものが多く、少しのミスが命取りになるケースもあるため、「肝心なところでミスをする」といった第一印象を持たれないよう気をつけなければなりません。

面接で注意すべきこと

面接の際に聞かれそうな質問に対する答えは、あらかじめ用意しておきましょう。

行政書士資格を活かして就職する場合に聞かれやすいのは、以下のような質問です。

  • なぜこの事務所を選んだのか
  • 行政書士になりたいと思う理由
  • 行政書士資格を取ろうと思った理由
  • 今後どんな業務を行っていきたいか
  • 将来的に独立を考えているかどうか

下手に飾らず、純粋な思いを伝えられるようにしましょう。

志望理由がない場合でも、しっかりとリサーチをして前向きな理由を考えることが重要です。

また、多くの場合は最後に「質問はないか(いわゆる逆質問)」と聞かれます。

募集要項を読めばわかるようなことは避け、いくつか質問を用意しておくとよいでしょう。

将来は独立したいと考えている場合

将来的に独立を考えているなら、まずは就職して実務経験を積むことがリスクを抑える有効な手段です。。

行政書士試験と実務は別物です。

いくら試験で高得点を叩き出せても、実務に関しては0からのスタートとなるのが現実です。そのため、まずは就職し、ある程度実務経験を積んでから独立することは賢明な判断といえるでしょう。

就職先として、弁護士事務所での経験は法律知識の習得には役立ちますが、行政書士固有の許認可業務などの実務経験を積むなら、法務事務所への就職が最も近道です。

下積み期間は人によって異なり、2〜3年で独立する人や5年以上の下積み期間を経て独立する人などさまざま。はじめに目安を決めるのも、必要な知識が身についたと思った時に独立するのもOKです。

面接時に独立の意志について確認された際は、正直な気持ちを打ち明けましょう。たとえば、1年後に独立予定だったにもかかわらず「独立の意思はない」と答えるとトラブルになる可能性があります。

多くの場合、事務所側はできるだけ長く勤めてもらいたいと思っているため、提示する期間があまりにも短いと採用を見送られる可能性があります。

また、当然ながらノウハウだけ盗んで辞めるという目的が見え見えの場合はよい印象を持たれません。有料級のノウハウを働きながら教えてもらえるため、感謝の気持ちを持つことが大切です。

行政書士としてのキャリアアップ

行政書士としてのキャリアアップの方法として、代表的なものとして以下の2つが挙げられます。

  • ダブルライセンスを取得する
  • 特定行政書士になる

ダブルライセンスを取得する

1つ目は、他の法律系資格とのダブルライセンスを取得することです。

これにより、取り扱える業務の範囲が大きく広がります。たとえば社会保険労務士の資格も取得すると、会社設立から労務管理まで一貫してサービスを提供することが可能です。

また、顧客の利便性を高めるだけでなく、より専門的なアドバイスができるようになるため、他の行政書士と差別化を図ることで、仕事の受注にもつながるでしょう。

特定行政書士になる

2つ目は、特定行政書士になることです。特定行政書士とは、通常の行政書士では行えない、国に対する「不服申立て手続き」を扱える資格を持つ行政書士のことを指します。

たとえば、顧客からの申請が不許可となった場合、一般の行政書士では不服申立てを代行できません。しかし特定行政書士であれば、国に不服申立て手続きを行い、顧客の権利を守ることが可能です。

特定行政書士になるには、所定の研修を受講し、試験に合格する必要があります。簡単には取得できませんが、行政書士としての専門性を高め、キャリアを広げるうえでおすすめな選択肢です。

まとめ

行政書士の就職先や就職事情について解説しました。

  • おもな就職先は法務事務所・弁護士事務所・一般企業
  • 求人サイトやハローワーク、知人の紹介などで就活する
  • ダブルライセンスや特定行政書士を目指すキャリアアップが代表的

合格後の進路にはいくつも選択肢があり、どの道に進むかは人それぞれです。就職を希望する人も就職後に独立を希望する人も、行政書士資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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