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司法試験コラム|司法試験・予備試験の短答式試験の勉強法(総論)

司法試験・予備試験の短答式試験の勉強法①~試験で問われるもの~

1 マークシート方式の選択問題

短答式試験は,司法試験と予備試験のいずれの試験でも問われます。マークシート方式の試験による選択問題であり,論文式試験では直接問われないような細かい条文知識等が出題されることが多いです。
そのため,論文式試験とは別個に対策をする必要があります。

 

2 司法試験・予備試験の短答式試験の内容

司法試験では,民法(1時間15分)・憲法(50分)・刑法(50分)の3科目から出題されます。
論文式試験の合計点が1400点であるのに対して,短答式試験の合計点は175点であるため,短答式試験の勉強を疎かにする人が少なくありませんが,短答式試験に合格しなければ論文式試験を採点してもらえないため,しっかり対策をする必要があります。
予備試験では,司法試験で問われる3科目に加えて,商法・民事訴訟法・行政法・刑事訴訟法・一般教養科目の計8科目から出題されます。科目数が多く,出題範囲が膨大であるため,効率良く勉強をする必要があります。

 

司法試験・予備試験の短答式試験の勉強法②~具体的な勉強の指針~

1 8割を取れるようにしよう

司法試験にせよ予備試験にせよ,短答式試験ではコンスタントに8割を取れるようになることが理想です(予備試験の場合は一般教養科目を除いた法律科目に限る)。司法試験の短答式試験に合格するためには約67%正解できれば足りるのですが,司法試験では短答式試験の点数が最終合格の点数に反映されるため,短答式試験で高得点を取ればそれだけでアドバンテージになります。
また,予備試験の短答式試験で8割を取ることができれば,法律科目だけで合格点に達することができるため,一般教養科目に勉強時間を充てる必要がなくなります。

 

2 過去問を潰す

先ほども述べたように,短答式試験では条文の細かい知識等,幅広い範囲から出題されるため,インプット中心の勉強をしたのでは膨大な時間をかけてしまうおそれがあります。
また,短答式試験では,過去問が同じように問われるような場合も少なくありません。そこで,過去問を潰すことをお勧めします。具体的な過去問の使い方については後ほど説明します。

 

3 条文を素読する

短答式試験では,条文に直接書いてあることがそのまま問われることが少なくありません。そこで,条文を素読することをお勧めします。
ここで大切なことは,漫然と読むのではなく,①条文の制度趣旨,②「要件」と「効果」,③関連判例を意識しながら丁寧に読むということです。なぜなら,このように目的意識を持って呼んだ方が頭に定着しやすい上,論文式試験の勉強にもなるからです。

 

司法試験・予備試験の短答式試験の勉強法③~過去問の使い方~

1 選択肢ごとにマークをつける

過去問を解く際に,選択肢ごとに自分の理解度を示すマークをつけることをお勧めします。
例として,正解に至るまでの理由を含めて理解できている場合は◎,理由は分からないが正解を導けた場合(勘で正解した場合も含む)は△,間違えた場合は×と選択肢の横に印をつけていきます。
イメージとしては,過去問を何度も解き,最終的にはすべての選択肢が◎になるのが理想です。

 

2 △と×の選択肢は正解に至るまでの理由を含めて理解する

過去問を解いてみて△と×だった選択肢は,解説や基本書等でしっかり確認をしましょう。
ここで大切なことは,なぜ間違えたのかを把握した上で,どのように考えれば正解にたどり着くことができたかを確認することです。なぜなら,理由付けまで理解してないと,同じ問題が出ても記憶頼みになるだけでなく,類似問題や応用問題に対応できないからです。

 

3 2周目からは△と×だけを解く

先ほど述べたように,1周目はマークをつけながら過去問を解いていきますが,2周目からは△と×に絞って解いていきます。そして,2周目も同じようにマークをつけていきます。ここでも,上述のルールに従い,正解に至るまでの理由を含めて理解できた場合のみに◎を付け,それ以外は△と×をつけていきます。
ここで大切なことは,1周目を終わらせてから,2周目を始めるまでの期間を空けすぎないということです。なぜなら,知識とは,壁にペンキを何層も塗っていくように,繰り返しを積み重ねていくことで定着するものですが,期間が空きすぎると,せっかく最初に作った土台がゼロになってしまうからです。

 

4 △と×が多い分野に絞って基本書を通読する

過去問を解いていくと,「この分野は△と×が多い」ということに気がつくことがあると思いますが,この分野は基本的知識が不十分であることが考えられ,自分の苦手分野にあたると考えていいでしょう。
このような分野については,基本書を通読して,基本的な知識を再確認しましょう。

 

5 周辺知識もさらっと確認する

足きりを回避するためには,すべての選択肢が◎になるまで過去問を解くだけで十分ですが,8割を目指すためには過去問を解きながら周辺知識も確認する必要があります。
例えば,平成29年度の司法試験の短答式試験(民法)では,「受寄者は,無償で寄託を受けた場合には,自己の財産に対するのと同一の注意をもって,寄託物を保管すれば足りる。」という選択肢が出題されていますが,この問題は「無報酬で寄託を受けた者は,自己の財産に対するのと同一の義務をもって,寄託物を保管する義務を負う」と定めている民法659条の存在を知っていれば解ける問題です。
しかし,実際に過去問を回す際には,民法659条を確認するだけで終わらせるのではなく,「有償の場合はどうなるのか」,「他に自己の財産に対するのと同一の注意義務を負う場合はどのような場合か」,「寄託契約の基本的内容はどのようなものか」というように,周辺知識を確認しながら,知識の幅を広げていく勉強を心がけるようにしましょう。