合格者インタビュー

受講されていたカリキュラム

下記リンクは最新版となります。合格者の方の受講年度と異なります。

公務員を目指すきっかけ

第一志望だった労働局の説明会で労働災害の悲惨な現実を知り、労働の現場における事故を何としてでも無くしていかなければならないと思ったからです。
労働災害は適切な対策を行うことで減らすことができると知り、労働基準監督官としてその第一線で働きたいと思ったのです。
また、私は幼いころから正義感が強いところがあり、許されないものは許されないのだと言いたい気質がありました。
労働者や使用者が危険だと認識していてもそれが見過ごされ、その結果労働災害につながってしまうという事案も多くあると知り、私の性格としてもこの職業に向いていると考えたのです。
そして、国家公務員の専門職として、一般的な行政職員よりも専門的な仕事を究められるのも、勉強好きな私としては魅力的でした。

アガルートをお選びいただいた理由

独学で学びを進めようかとも考えましたが、なんとなく心細く感じたため、比較的安価に利用できるサービスを探していたところ、祝い金制度があるこのアガルートというオンライン予備校が、候補にあがりました。
内定を得て合格体験記(当サイト)を執筆するだけで、利用金額が全額戻ってくるというもので、実質無料で利用できるのは大変魅力的でした。
また私は大学受験の際にとある映像授業のサービスを利用しており、このようなサービスに慣れていたため、その時と同じようにアガルートの映像授業を受講すればよいと考えました。
その中でも、私の利用した速習プログラムは重要な部分が厳選されていたため、夏から勉強を開始し、若干スタートが遅れてしまった私にとって最も適切なプランであると考えました。

学習の方針と進め方

年明けまでに専門試験の憲法・行政法・民法・ミクロ経済・マクロ経済の講義動画の視聴を終わらせ、その後は労働法、社会学、刑法、併願に使うその他の科目に取り組みました。
ただ実際進めてみると、行政法が年が明けても終わらず、少し焦っていました。
講義動画を見た後は、適宜問題集などで演習を重ね、実力を定着させていくように努めました。
教養試験の勉強は、一般的なスケジュールと比べてかなり遅めですが、4月ごろから始めました。
知能分野は演習を中心に、知識分野は憲法や経済学の知識で解ける問題や高校時代に履修した倫理・世界史・物理・化学などを中心に「思い出す」作業を行いました。

失敗経験や挫折とそれを乗り越えるための工夫

あまり手本になる話ではないかもしれませんが、苦手分野を作ってしまったことです。
どうしても難しい分野は理解せずに放置し、その分のブランクは他の「学系科目」で補うようにしていました。
自分と相性の悪い分野は、誰でも存在すると思います。
一方で「学系科目」は、ほとんどが暗記もので、理解しやすい場合も多いです。
個人的な意見ですが、苦手分野の理解に膨大な時間を使うくらいなら、ほかの科目をその分の埋め合わせにするというような柔軟性も、時には重要ではないかと思います。
もっとも、最重要の頻出分野が苦手だという場合は例外で、時間を割いてでも理解に努めるべきだと思います。

受講された講座の良さ・当該講座の学習方法(使い方)

①教養試験対策

文章読解・数的処理・判断推理・資料読解など知能分野は、テキストを中心に演習を行うことで、確かな実力が付いたと思っています。
講義動画をすべて見るのは効率が悪いと思い、解説を見てもわからない問題だけ厳選して視聴していました。

人文科学・自然科学は、高校で履修していた範囲を厳選して取り組みました。
社会科学は、憲法や経済学、政治学、そして時事にも関連があり、専門試験対策で取り組んだ時に一緒に取り組むようにしていました。

②専門試験対策

主要科目の法律や経済学は、講義動画を見てざっくり概要をつかんだ後、問題演習をして実力をつけるようにしていました。
特に経済学は得意科目にすることができ、多少ひねった問題が出題されても対応できるようになりました。
サブ科目(社会学など)は、アガルートのテキストに市販の問題集でつかんだポイントを直接書き込むようにしていました。
また、刑法のテキストは1冊で概要把握から簡単な問題演習まででき、直前の詰込みには最適のテキストだったと思います。

③人物試験対策

これまで面接の経験がほとんどなかったため、講義動画を通じて「面接とは何か」という部分が理解できました。
ほかにも、民間志望の友人に面接について相談していましたが、人によってとらえ方が違うようなところもあったため、アガルートの講義動画のおかげで、自分の中で面接に対する考え方を確固たるものにすることができました。
また、模擬面接も何度か利用しました。
大学のキャリアセンターや新卒応援ハローワークなど、模擬面接を実施できるサービスはいくつかありますが、私が利用した中で、公務員試験に特化した模擬面接を行えるのはアガルートだけでしたので、重宝しました。

学習時間はどのように確保し、一日をどのように過ごしていたか

なるべく集中し、なるべく長い時間勉強できるように心がけていました。
勉強に取り組む日は、朝起きて支度を済ませたらすぐに大学に行き、夜11時の閉館までずっと空き教室にこもって勉強していました。
食事も生協食堂や大学付近の飲食店、コンビニを利用すれば時短できます。
集中力が切れたら付近を散歩したり、自分の所属学部以外のキャンパスを探検したりして気分転換していました。
たまに勉強をしない日を決め、銭湯や岩盤浴、併願する予定の自治体研究もかねて小旅行に出かけたりしてストレスを発散していました。
また、隙間時間も無駄にしないように、暗記事項などを小さなノートに書いて、電車の待ち時間や大学の講義前の時間に見直していました。

直前期の過ごし方:どのような学習をして、どのような心構えで試験を迎えたか

暗記科目と言われる、社会学や行政学を中心的に取り組みました。
確実に正解できる力をつけるというよりは、正解できる可能性を少しでも高めるということを意識し、ポイントを絞って学習しました。
また、憲法や行政法などで忘れている部分が多かったので、問題集を2周ほど追加で取り組みました。
適度に緊張感を持ち、1点でも多く正解しようという意志をもって、強気に取り組むことが重要だったと思います。
生活面においても、教養試験が多くの試験で午前にあることを見据え、生活リズムを整えて朝一番から頭が動くように準備していました。

試験期間中の過ごし方

「出そうなところ・苦手なところを拾い集める」というイメージで勉強しました。
最後まで全く取り組まなかった「捨て教科」であっても頻出分野を調べ、分かることを少しでも広くし、得点できる確率を高めました。

あとは論文対策が遅れ気味だったので、直前にたくさん書く練習をした覚えがあります。
しかし最も重要なのは体調管理で、わたしはとある試験の3日前に風邪をひいてしまい、大変な思いをしました。
数日動けないとなると、最後の仕上げに大きな影響があるので、十分注意すべきです。

受験した時の手ごたえと通過・合格・内定した時の気持ち

①教養試験を受験した時の手ごたえ

想定していた時間配分ではうまくいかず、焦りました。
休憩時間に何気なく見直してみると、解けなかった立体図形の問題の解法を思いついてしまい、かなりショックを受けました。
あとは、情報社会化を意識してかフローチャートの問題が出たり、生物の代わりに地学が出たりとイレギュラーな出題も多くあり、不安でいっぱいでした。
良かった点は、直前に対策していた時事問題が出題されたこと、運が味方して適当にマークした問題がいくつか当たったことなどです。

②専門試験を受験した時の手ごたえ

択一試験は、経済学と労働経済・社会保障分野で得意な問題がたくさん出題され、比較的自信がありました。
「つまみ食い」的に取り組んでいた刑法や苦手だった民法も、まずまずの成績を上げることができました。

記述試験は、労働事情でなるべく高得点を取り、労働法は合格点には届かなくてもいいからベストを尽くそうという戦略で臨みました。
正直分からない問題も出ましたが、何とか振り絞って、一点でも点数が上がるように心がけました。

③人物試験を受験した時の手ごたえ

想定していなかった方向に質問が深掘りされることがあり、内心慌ててしまいましたが、笑顔ではきはきと応答することを意識しました。
人事院面接の際は比較的淡泊な反応をされる面接官で、印象が悪かったのではないかと心配していましたが、結果は合格でした。
今思えば、分からないことでもあきらめずに、何か根拠を示しながら話すことができるか、という部分が見られていたのだと思います。
筆記試験の労働法・労働事情の内容にとどまらず、労働行政について深く理解しておくのが一番の対策になる、と思いました。

④合格・内定した時の気持ち見られて

これまで自分を信じて頑張りぬいてよかった、と素直に思いました。
公務員試験を受けていると時折、「勉強しているだけの人が一生安泰の仕事に就けるなんて」「文学部は歴史とかを勉強するのに法律関係の仕事に就けるわけがない」などという心ない言葉をかけてくる友人や大人がいましたが、内定を得たことで「これまでやってきたことは無駄じゃなかったんだ!」と思えました。
そして公務員試験の合格は、社会人としての人生のスタートでもあります。
これからも精一杯頑張っていきたい、と思うようになりました。

振り返ってみて合格の決め手

根性論かもしれませんが、「労働基準監督官の仕事がしたい!」という強い信念を持ち続け、少しでも点数や面接評価が上がるように努力したことだ、と思っています。
公務員試験は、努力した人を裏切らない試験です。

しかし、準備期間は長く、気持ちが切れてしまいそうになるタイミングが何度もあるのです。
もちろん適度な息抜きは必要ですが、どれだけ真剣になりたい自分に向き合い、それに近づくにはどうしたらいいのかということを考えたら、自ずとやらなければならないことが明確になり、結果的に道が開けるのです。

公務員として実現したいこと・取り組みたいこと

労災のない安全な労働環境づくりを行い、この国で働くすべての人が安心して生活できる世の中づくりを行っていきたい、と思っています。
就職活動をしている友人がブラック企業かどうかを異様に気にしていたり、ニュース等で痛ましい労災や過労死、自殺などが報道されていたりするのを目の当たりにしたりして、「もっと楽しく人生を送れる世の中になったらいいのにな」と思ったことが、労働基準監督官を目指したきっかけでした。
文学部出身ということで、労働基準法や労働安全衛生法に関する知識などを、新しく学ばなければならないのですが、精一杯勉強し、様々なことを経験させていただきながら、そうした社会づくりに努めていきたいと思っています。

受験生に対するメッセージ

長い勉強期間、そしてその後待ち受ける面接試験の数々に、心が折れてしまいそうになることもあると思います。
また、先が見えない不安に襲われ、ストレスも多く感じると思います。
前述したとおり、公務員試験は努力を裏切りません。
努力した人が勝つ、裏を返せば努力できなかった人は負けてしまうということです。
先が見えないのは他の受験生もみな一緒ですから、自分のペースで毎日少しずつ実力をつけていくことが何よりも大事です。
やる気が出ないときは一旦試験のことは忘れ、リラックスしてみるのも手だと思います。

どんな時でも、前向きな気持ちだけは忘れないようにしてください。
自分のなりたい職業・送りたい人生に向け、ベストを尽くして合格・内定を勝ち取ってください!
私自身苦しさを経験したからこそ、同じように頑張っている受験生の皆さんのことを応援しています!

使用していた教材とおすすめの使い方

教科書系

アガルート教材:「憲法」「行政法」「ミクロ経済学」「マクロ経済学」「刑法」「社会学」「行政学」「政治学」「労働法」「労働事情」「労働系科目記述」「時事経済事情」

伊藤塾『伊藤塾の公務員試験「行政法」の点数が面白いほどとれる本』(株式会社KADOKAWA 2019年)

森戸英幸『プレップ労働法[第7版]』(株式会社弘文堂 2023年)

⇒アガルート教材もその他教材も「大まかな理解」と割り切って、比較的大雑把に勉強しました。
細かいポイントは問題演習をして、不正解を繰り返しながら実力をつけていきました。

暗記系

高瀬淳一『公務員試験行政5科目まるごとパスワードneo2』(株式会社実務教育出版 2019年)

⇒コンパクトに5教科分押さえられるのでおすすめです。
電車の待ち時間などで点数が上がります。

問題集系

アガルート教材:「憲法」「数的処理」「判断推理」「資料解釈」「文章理解」

資格試験研究所『公務員試験新スーパー過去問ゼミ6』(株式会社実務教育出版 2020年など):「労働法」「教育学・心理学」

Lec東京リーガルマインド『2023-2024年合格目標 公務員試験 本気で合格! 過去問解きまくり』(東京リーガルマインド 2019年など):「行政法」「ミクロ経済学」「マクロ経済学」「社会学」

資格試験研究所『公務員試験 合格の500シリーズ 国家専門職〔大卒〕〈教養・専門試験〉過去問500〔2024年版〕』(実務教育出版 2023年)

⇒大雑把に取り組んだ「教科書系」で得た知識を、今度は緻密に、確実な力に変えていけるようなイメージで取り組みました。

⇒繰り返し、頻出分野を特に重点的に取り組むイメージでやっていました。
公務員試験は似たような問題が何度も出題されるので、問題演習を繰り返すのが大事です。
問題を全部読む → 正解だと思う番号を選ぶ → 間違えたり迷ったりした箇所をチェックして、ノートにまとめる →(繰り返し)。
「教育学・心理学」に関しては邪道な感じもしましたが、併願先を考えたとき出題数がほかの「学系科目」より多かったので取り組むことにしました。
『スーパー過去問ゼミ』のレジュメを読むだけで、国家一般職・地方上級のレベルなら対応可能だと感じました。

仕事研究系

法学書院編集部『公務員の仕事シリーズ 労働基準監督官の仕事がわかる本[新版]』(法学書院 2014年)

→絶版本で入手困難ですが、大いに役に立ちました。
労基の仕事の良い面も悪い面も、かなりリアルに理解できます。
特に10年ほど前の本ですから、今ほどハラスメントに関する考え方も発達しておらず、今でいうハラスメントなんじゃないか?と疑いたくなるような仕事上の厳しさもしっかりと書いてありました。
それを教えてくれたうえで「それでもこの仕事がやりたいんだ!」と気持ちを後押ししてくれた一冊でした。

使用していた文房具やツール

文房具は、木製のシャーペンを使っていました。
労基の記述はスピード勝負でとにかく手が疲れるので、手先に負担の少ない文房具を使うのがおすすめです。
あとはアガルートの問題集(問題集がない科目は市販の問題集を使い、労基の記述用には別のノートを使い、赤シートで隠して暗記事項を確認できるようにしていました。)

必須の食べ物飲み物としては、集中力を高めるためにガムを噛んでいました。
あとは朝から勉強するときは、コーヒー牛乳を飲みながらやってました。