2026年(令和8年)から司法試験のパソコン受験(CBT方式)が開始されました。

パソコン受験への移行にあたり、受験生が今から取り組むべき対策は「タイピング練習」「時間配分の見直し」「答案構成力の強化」「模擬試験の活用」の4点です。

また、体験版のCBTプレテストが公開されており、本番前に操作感を確認することができます。

受験方式の変化に備えて何をすべきか不安な方に向けて、本記事では変更点・注意点・具体的な対策をわかりやすく解説します。

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司法試験・予備試験のパソコン受験(CBT)とは?

司法試験のパソコン受験(CBT)とは?

司法試験・予備試験のパソコン受験とは、試験会場に設置されたパソコンを使って問題を確認し、解答・答案を入力する「CBT(Computer Based Testing)」方式のことです。

自宅から受験するオンライン試験ではなく、指定された試験会場で実施されます。

原則として私物のパソコンは使用せず、会場に用意されたデスクトップ型パソコン、キーボード、マウスを使用します。

また、CBT方式の対象となる試験は次のように異なります。

試験CBT方式の対象
司法試験短答式試験・論文式試験
予備試験論文式試験のみ

司法試験では、短答式試験と論文式試験の両方がCBT方式で実施されます。

一方、予備試験でCBT方式が導入されているのは論文式試験のみです。

予備試験の短答式試験は従来どおりマークシート方式で行われ、口述試験もCBT方式の対象ではありません。

CBT化によって、答案作成は従来の手書きからパソコン入力へ変わりました。

問題文の確認方法や答案の修正方法、使用できる機能なども変わるため、受験前に試験方式と操作方法を理解しておくことが重要です。

司法試験および予備試験のパソコン受験スタートはいつから?手書き廃止、デジタル化するのはなぜ?

司法試験・予備試験パソコン受験開始はいつから?4つの対策方法やCBTについても解説

司法試験および予備試験のパソコン受験は、2026年(令和8年)から始まりました。

CBT方式の対象となった試験では、従来の手書きによる答案作成が廃止され、パソコンで解答・答案を入力する方式へ変更されています。

法務大臣閣議後記者会見によると、受験者の利便性の向上や、試験関係者の負担軽減を目的としているとのことです。

また、実務において、手書きで書面を提出するということは極めて少なくなってきています。

そのような流れも受けて、司法試験及び予備試験においても、パソコンを利用したデジタル化の導入が進められていると考えられます。

司法試験・予備試験の具体的な受験方式とCBT導入に伴う変更点

2026年(令和8年)の司法試験から、従来の郵送出願に加えて、マイナポータルを利用した電子出願が導入されました。

電子出願では、受験手数料もキャッシュレスで納付できます。

司法試験では短答式・論文式の両方にCBT方式が導入され、予備試験では論文式試験のみCBT方式が導入され、短答式試験は従来通りマークシート方式で実施されます。

また、CBT方式の試験では、問題文がパソコン画面に表示され、紙の問題文は配付されません。

ただし、司法試験の論文式試験で使用する「司法試験用法文」は、パソコン画面で閲覧できるほか、紙でも配付されます。

※参考:デジタル庁「デジタル社会の実現に向けた重点計画」法務省「法務大臣閣議後記者会見の概要」法務省「司法試験に関するQ&A」

司法試験パソコン受験の操作ルール

司法試験のパソコン受験では、短答式試験の解答を修正できるほか、問題をスキップして後から戻ることも可能です。

論文式試験でも、入力した答案を試験時間内に修正できます。

解答・答案はパソコンで入力し、コピー、貼り付け、切り取り、検索などの一部機能を利用できます。

ショートカットキーは、Ctrl+C(コピー)、Ctrl+V(貼り付け)、Ctrl+X(切り取り)、Ctrl+Z(元に戻す)など、指定されたキーは使用可能です。

一方、インデントや禁則処理、Microsoft IMEの予測変換など、一部使用できない機能もあります。

なお、司法試験用法文は横書きとなっています。

司法試験・予備試験のCBTシステム(体験版)とは?

法務省から「司法試験等CBTシステム(体験版)」が提供されています。
操作マニュアルや注意点も公開されているので、こちらを確認しておくことで、操作に慣れることができ、本番もスムーズに受験できます。

短答式・論文式別に操作マニュアルがありますので、事前にチェックしておきましょう。

司法試験・予備試験パソコン受験の対策方法4つ

司法試験・予備試験のパソコン受験に向けては、タイピング練習・時間配分の見直し・答案構成力の強化・模擬試験の受験という4つの対策が重要です。

特にブラインドタッチの習得と、パソコン方式での答案構成に慣れることが合否を左右します。

1 タイピングの練習

まず何より、タイピングの練習は必須といえます。

パソコンで答案を作成することになりますので、タイピングの早さと正確さは、答案の質と量に直結すると言えるでしょう。

タイピングに不慣れな方は、今のうちにタイピングの練習をしておくことをおすすめします(その際には、タイピング練習ソフトやアプリなどを活用するとよいでしょう)。

1つの目安として、キーボードを見ることなく、文字を入力するブラインドタッチはぜひ身につけておきたい技術です。

司法試験及び予備試験だけにかかわらず、今後実務に出た後も、パソコンを活用することは大変多くなりますので、ブラインドタッチは今のうちに習得しておくことが重要です。

2 時間配分を考える

時間配分には十分気をつけましょう。

今までの手書き作成の場合とは異なり、パソコンで文字を打ち込むとなると、手書きの頃よりも多くの文字を打ち込むことができます。そのため、答案構成時間と答案作成時間の配分が、従来の手書き方式とは大きく異なってきます。

また、ご自身のタイピング能力の程度によって、どの程度の時間で、どれくらいの文字を入力することができるのかも把握しておくことが必要です。さらに、タイピングも1時間継続して入力するとなると、指が疲れる等して、入力文字数に一定のバラツキが生じる可能性もあります。

そのようなことも考慮に入れたうえで、答案構成・答案作成時間をパソコン方式になった場合に備え、事前に想定しておく必要があるでしょう。

3 答案の構成力を付ける

答案の構成力を身につけましょう。

パソコン方式になりますと、従来の手書き方式と比較し、答案に記載(入力)できる文字数は格段と多くなります。その一方で、答案が冗長になり、結局何を論じたいのかが不明確になるおそれもあります。

また、手書きに比べて文章作成時間が短縮され、答案構成時間を従来よりも多く確保できることが想定されますので、構成力でより差がつくことが考えられます。
答案の構成をより丁寧かつ確実にする能力が求められるでしょう。

4 模擬試験を受ける

模擬試験を受験することは非常に重要です。

今後、司法試験及び予備試験がパソコン方式になるに伴い、司法試験及び予備試験の模擬試験も同様にパソコン式になることが見込まれますので、積極的に受験しましょう。


模擬試験にて、パソコン方式での受験を経験しておくことで、時間配分や受験の流れについて確認するよい機会になります。

本番では、隣の人のタイピング音が気になることや、緊張してうまくタイピングができない、誤作動でタイピングができなくなった等、予期せぬアクシデントが生じるおそれもあります。

その際に、どう対処するのかを事前に知ることができるのも、模擬試験の良さです。

ぜひ、今後導入されるであろうパソコン方式の模擬試験を事前に受験して頂くことをおすすめします。

司法試験・予備試験パソコン受験・CBTに関する注意点

司法試験・予備試験のパソコン受験の注意点は、タイピング速度で解答時間が変わることやパソコンの使い勝手が普段と異なる可能性があること、そしてシステムトラブルが起きる可能性があることです。

詳しくは以下の動画でも解説しています。

1 タイピングの速さで差がつく

タイピングの速さには十分注意をすべきです。

タイピングは、速く正確であればあるほど、答案に入力することができる文字数が多くなり、答案の質と量に大きく差が生じるといえます。

ですので、タイピングの速さと正確さは、常に意識し、少しでも速く正確に文字を入力する練習をすることが重要です。

2 パソコンの使い勝手が普段と異なる可能性がある

司法試験・予備試験のパソコン受験では、普段使っているパソコンと試験会場の環境で操作感が異なる可能性があります。

本番のキーボードはJIS配列で、文字キーの間隔は19mmに統一されていますが、機種や横幅、キーの押し心地は会場によって異なる場合があります。

また、文字入力にはMicrosoft IMEを使用しますが、予測変換や普段設定しているユーザー辞書を前提にはできません。

変換ミスや送り仮名の誤りを見落とさないよう注意しましょう。

さらに、入力が速くなる分、一文が長くなり、主語と述語の対応が崩れることもあります。

問題文も紙では配付されないため、画面上のマーカー機能や試験時間ごとに1枚配付されるメモ用紙を使って情報を整理する練習が必要です。

本番前にCBT体験版を使い、標準的な入力環境に慣れておきましょう。

3 システムトラブルが起きる可能性がある

注意したいのはパソコントラブルです。

仮にパソコントラブルが生じたとしても、慌てず、試験関係者にすぐさま報告し、対応を仰ぐことが重要です。

例えば、答案作成中のデータが消失してしまったり、文字が入力できなくなった等のトラブルがあった場合には、焦らず、状況を正確に担当者に伝えることが大切です。

下手にご自身で何とかしようとすると、よりトラブルの深みにはまってしまうおそれもありますので、冷静に対処することを心がけましょう。

まとめ

以上、司法試験及び予備試験のパソコン方式導入について、注意点を踏まえた対策をご紹介しました。

当コラムでご紹介したポイントをまとめると以下の通りです。

  • 法務省は、2026年(令和8年)から司法試験のパソコン受験開始
  • 2025年度(令和7年度)から、出願手続きのオンライン化や受験手数料のオンライン化とキャッシュレス決済も開始
  • タイピングの練習等、パソコン受験に必要なスキルを身に付けておくべき

制度の転換期は、混乱がつきものですが、しっかりと試験に集中できるよう、今のうちから準備と対策をしておきましょう。

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