「刑事訴訟法の手続きはイメージがわかなくてよく覚えられない」「今までの基本書では、試験との関係での繋がりがよく見えない」、このような悩みを持たれている方も多くいるのではないでしょうか。

刑事訴訟法は他の民事系科目・刑法とも異なり、受験生が普通に生きていてもリアリティを感じて目の当たりにすることの無い法分野です。

だからこそ学習が難しく感じる方もいると思います。そのような悩みを抱えている方には、是非本書を手にとって勉強をしてみて欲しいと思います。

基本刑事訴訟法ⅠⅡの内容と特徴

※引用：amazon

※引用：amazon

本書の特徴としては、以下の3つが挙げられます。

• 論証として試験で使いやすい形で書かれた文章表現がされていること
• 要所要所で図表などが使われており、視覚的に手続きのことが分かりやすいこと
• コラムが充実しており読んでいて飽きないこと

試験で使いやすい形で書かれた文章表現がされている

司法試験で答案を書く際には、自分の中である程度論じ方の型、すなわち論証パターンを確立する必要があります。

しかし、基本書はすぐに答案に反映できないような文章で書かれていることが多々あるため、ここに苦労する受験生が非常に多いです。

その点、本書はすぐに答案に反映できるような文章で書かれているため、とても汎用性が高いものになっているといえます。

これは、本書を含む「基本シリーズ」に共通の特徴であると思います。本書を用いて予備校の論証集に加筆修正をすることで、教材の一元化を図ることもできます。

視覚的に手続きのことが分かりやすい

本書では、受験生が難しいと感じるところについて随所で図式化され、まとめられています。

この図表が非常に読みやすく、初学者の方でもつまずきやすいところでしっかりと理解して先に進むことができます。

上でも述べたとおり、刑事手続についてはほとんどの人が実際のイメージを持って学習をできないと思うので、こういった配慮はとてもありがたいところだといえるでしょう。

コラムが充実していて読んでいて飽きない

本書はコラムが充実しており、その中では受験生が知っておきたいことから実務に関連する事柄まで、幅広い記述がなされています。

基本書を読み進めていると、淡々と進んでいく説明に嫌気がさして勉強に飽きてしまうこともあるでしょう。

受験生時代にはそのようにして読み切れないで断念してしまった基本書もでてくるでしょう。

しかし、本書は、上記のように読者を飽きさせない工夫が凝らされていることから、苦労すること無く読み切ることができるものになっています。

以下でも書きますが、この「読み切る」ことが基本書学習においてはとにかく重要となってきますから、このような本書の特徴は非常に大きなアドバンテージとなると思います。

司法試験の勉強での使い方

ここからは「基本刑事訴訟法ⅠⅡ」の司法試験の勉強での使い方について解説していきます。

素早く通読

これは、どの基本書を使うときにも言えることなのですが、まずは素早く通読することを心がけてください。

通読してその科目の概要を掴むことで、問題演習で分からないところが出てきても「何が分からないかが分かる」という状態を作ることができるため、復習に役立てることができます。

論証パターンの抜き取り

次に、過去問演習などで分からないところがでてきたら、本書の該当箇所を読み込みましょう。

そして、規範が分からなかった方は、本書の強みである「論証として使いやすい文章で書かれている」という点を存分に活かして論証パターンとして使える箇所を抜き取ってまとめましょう。

もしも既に使っている論証集があるのであれば、それらにメモ書きをするなどの方法で一元化された教材を作成するのもとてもおすすめです。

基本刑事訴訟法ⅠⅡの評価

以上をまとめると、本書はとてもおすすめの一冊となっています。

必要十分な内容が盛り込まれている上に読みやすく書きやすい文章で書かれているため、特に今、他の基本書を使っていて少し難しく感じている方におすすめしたいです。

受験生の皆さんが、本書を手にとってご自分の勉強に活かしていただければ大変嬉しく思います。