地方公務員中級とは?上級との違いや試験内容、難易度を紹介
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地方公務員試験は上級・中級・初級などに分けられていますが、それぞれの違いについてわかりにくいですよね。
特に、中級に関する情報は抽象的なものが多く、うまくイメージがつかめないのではないでしょうか。
この記事では、公務員試験における「地方中級」とは何を表すのか、上級や初級とはどのような違いがあるのかを解説したうえで、いくつかの自治体を例に挙げ、採用後の待遇や試験情報を紹介します。
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地方公務員の「中級」とは?上級との違いは?
地方中級とは、地方公務員試験において「短大卒程度」の方が受験する試験のことを指します。
ただし、中級の試験を行っている自治体は少なく、都道府県庁や政令市など、一部の自治体での実施に限られているのが現状です。
あくまで試験の難易度に応じて、短大卒程度の人が受ける枠として用意されているだけで、特定地域の試験のことを表しているわけではありません。
地方中級と上級・初級の違いは?
地方公務員の試験は、試験問題の難易度によって区分されています。
大きく「上級・中級・初級」の3つに分かれていますが「受験者に求める学力」に違いがあります。
具体的なイメージを挙げると
上級:大卒程度
中級:短大卒程度
初級:高卒程度
と、考えていただくとわかりやすいでしょう。
ただし、上級・中級などは、公務員試験の受験業界の用語であるため、すべての自治体が「地方〇級」といった名称で試験を行っているわけではありません。
自治体によっては、「大学卒程度」「短大卒程度」などと表現しています。
なお、地方公務員中級の試験は、9月末ごろに行われるのが一般的です。
※2023年は9月24日(日)に実施
受験資格に違いがある?
実は、自治体が定める受験資格さえ満たしていれば、高卒の方が中級試験を受けることもできますし、逆に短大卒者が初級の試験を受けることもできます。
ただし、自治体によって年齢制限を厳しく設けていたり、学歴を受験要件として明記していたりする事もあるため、条件を満たしていない場合は、当然受験することはできません。
実際、過去に大卒だったにもかかわらず、学歴を詐称して初級試験を受けて合格していたことが後々発覚し、懲戒処分になった事例もあります。
このようなことにならないよう、必ず自治体が定める受験資格を確認しておきましょう。
また、中級の試験では、保育士や栄養士などの要資格者の試験が同時に行われることも多いため、資格を持っている場合は、そういった選択肢がないかも調べてみてください。
地方公務員中級の仕事内容とは?
地方公務員は、どの部署に配属されるかで仕事内容が決まるため、試験時の区分によって仕事内容が変わることは基本的にありません。
上級で合格したからと言って、はじめから特別な仕事を与えられるわけではありませんし、逆に中級・初級だからいつまでも簡単な仕事ばかりに携わるということもないのです。
仕事内容は定期的に変わっていく
地方公務員は、3~4年程度で部署が変わることが多く、その度に仕事内容も変わっていきます。
1つの分野に特化してスキルを伸ばすよりも、様々な業務を経験し、幅広い知見を身に付けることが求められます。
先ほども説明したように、中級試験を行っているのは、県庁や政令市などの自治体が多いです。
以下のページを参考にしていただくと、地方公務員中級の仕事内容がイメージしやすくなるでしょう。
※関連コラム:地方公務員の仕事内容とは?なるには?職種(種類)は?
採用区分で出世スピードが変わると言われる理由
公務員試験のことを調べていると、「上級や中級などの採用区分によって出世スピードが変わる」といった情報を見かけることはありませんか。
その理由は、上級・中級・初級によって「入庁時の号級」が違うからです。
号級とは、給料を決める仕組みのことを指し、公務員は「号」と「級」の組み合わせで給料が決まります。
例えば、上級で入った職員は、1級15号から、中級で入った職員は1級10号から…など採用区分によって、入庁時の号級が異なります。
そのため、同期でも採用区分によって給与が異なりますし、昇任試験を受けられるタイミングなども変わってきます。
上級・中級・初級によって、出世のスピードが変わってくると言われているわけです。
地方公務員中級の給料・手当・福利厚生
地方公務員中級の概要等を紹介してきましたが、中級で合格した人が実際どのような待遇なのか気になりますよね。
ここからは、中級試験を実施している3つの自治体を取り上げて、初任給や給与の目安などを紹介します。
札幌市(令和3年度)
初任給 | 182,700円(大学卒) 150,000円(高校卒) |
勤続年数別 給与 | 10年:245,794円 20年:354,988円 25年:393,507円 |
年収 | 10年:約405万円 20年:約586万円 25年:約649万円 |
手当 | 期末手当、勤勉手当、地域手当、扶養手当、住居手当、通勤手当等 |
福利厚生 | 共済組合加入による給付制度、健康診断・検診、貸付制度、 提携施設の割引サービス等 |
※勤続年数別給与は大学卒
※年収は「勤続年数別給与×12ヶ月+勤続年数別給与×4.5ヶ月(ボーナス)」で算出
※勤続年数別給与と年収はあくまでも目安としてお考え下さい。
※出典:人事行政の運営等の状況(札幌市の給与・定員管理等について)/札幌市
秋田県(令和3年)
初任給 | 181,928円(大学卒) 149,610円(高校卒) |
勤続年数別 給与 | 10年:267,600円、20年:353,400円、25年:390,000円 |
年収 | 10年:約441万円、20年:約583万円、25年:約643万円 |
手当 | 期末手当、勤勉手当、地域手当、扶養手当、住居手当、通勤手当等 |
福利厚生 | 共済組合加入による給付制度、健康診断・検診、職員用公舎、貸付制度、 提携施設の割引サービス等 |
※勤続年数別給与は大学卒
※年収は「勤続年数別給与×12ヶ月+勤続年数別給与×4.5ヶ月(ボーナス)」で算出
※勤続年数別給与と年収はあくまでも目安としてお考え下さい。
※出典:秋田県の給与・定員管理等の公表について
※出典:勤務条件・研修制度など | 美の国あきたネット
※出典:令和3年地方公務員給与の実態
福岡県(令和3年)
初任給 | 188,400円(大学卒) 154,600円(高校卒) |
勤続年数別 給与 | 10年:264,858円、20年:363,584円、25年:387,458円 |
年収 | 10年:約437万円、20年:約599万円、25年:約639万円 |
手当 | 期末手当、勤勉手当、地域手当、扶養手当、住居手当、通勤手当等 |
福利厚生 | 共済組合加入による給付制度、健康診断・検診、職員用公舎、貸付制度、 提携施設の割引サービス、庁内保育所(本庁のみ)等 |
※勤続年数別給与は大学卒
※年収は「勤続年数別給与×12ヶ月+勤続年数別給与×4.5ヶ月(ボーナス)」で算出
※勤続年数別給与と年収はあくまでも目安としてお考え下さい。
※出典:福岡県の職員給与・定員管理等の状況について
※出典:勤務条件等
※出典:令和3年地方公務員給与の実態
以上、3つの自治体の情報を紹介しました。
細かい違いはあれど、中級で受験した場合の待遇は、どの自治体も似たようなものだということがわかります。
地方公務員中級の試験概要・難易度(倍率)
最後に、先ほど取り上げた3つの自治体を例に挙げ、試験内容や倍率を紹介します。
中級試験の受験を検討している場合は、参考にしてください。
札幌市(令和4年)
■試験内容
一次試験 | 教養試験・個別面接 |
二次試験 | 個別面接 |
■倍率
年度 | 一次試験受験者数(人) | 最終合格者数(人) | 倍率 |
---|---|---|---|
令和4年 | 100 | 17 | 5.9倍 |
令和3年 | 93 | 12 | 7.8倍 |
令和2年 | 71 | 9 | 7.9倍 |
令和元年 | 73 | 6 | 12.2倍 |
※出典:試験実施状況/札幌市
秋田県(令和4年)
■試験内容
一次試験 | 教養試験・専門試験・作文試験 |
二次試験 | 個別面接・適性検査 |
■倍率
年度 | 一次試験受験者数(人) | 最終合格者数(人) | 倍率 |
---|---|---|---|
令和4年 | 19 | 6 | 3.2倍 |
令和3年 | 17 | 4 | 4.3倍 |
令和2年 | 18 | 3 | 6.0倍 |
令和元年 | 21 | 3 | 7.0倍 |
※出典:受験案内の入手 | 美の国あきたネット
※出典:採用試験実施状況(試験区分ごとの受験者数、倍率など) | 美の国あきたネット
福岡県(令和4年)
■試験内容
一次試験 | 教養試験・専門試験 |
二次試験 | 論文試験・作文試験・個別面接・適性検査 |
■倍率
年度 | 一次試験受験者数(人) | 最終合格者数(人) | 倍率 |
---|---|---|---|
令和4年 | 148 | 41 | 3.6倍 |
令和3年 | 220 | 73 | 3.0倍 |
令和2年 | 234 | 25 | 9.4倍 |
令和元年 | 185 | 62 | 3.0倍 |
※出典:福岡県職員採用試験の各試験案内・申込書(ダウンロード用) – 福岡県庁ホームページ
※出典:過去5年間の試験実施結果 – 福岡県庁ホームページ
こちらは、自治体によって試験内容が異なることがわかります。
県庁の場合は、中級でも専門試験の受験が課されており、難易度が高くなっています。
一方、地方の市役所であれば、大卒程度でも教養試験のみの場合などもあるため、自分が受ける自治体がどのような試験内容なのかは、必ず事前に調べておきましょう。
それによって、受験の戦略が変わってきます。
また、自治体によっては、例題が掲載されていることもあるため、試験案内ページは隅々まで確認するようにしましょう。
公務員を目指す方へ
公務員試験における地方中級とは、「短大卒程度」の方が受験する試験のことを指します。
試験内容などは自治体によって変わってくるため、事前の情報収集が合格のカギとなるでしょう。
ただし、限られた受験勉強の時間の中で、一人ですべての情報を調べるのは難しいかもしれません。
そんなときは、ぜひプロの力を借りることを検討してみてください。
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