今回は、公務員の土木職の仕事内容や配属先、必要な資格などを解説します。

公務員の土木職は、給与や職場環境が安定しているだけでなく、専門の知識を活かせるやりがいのある仕事です。

しかし、土木職の志望者数や採用数は決して多くなく、情報が少ないという方も多いでしょう。

土木職を目指すためにも、是非参考にしてください。

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公務員の土木職とは?

公務員の「土木職」とは、土木分野の維持管理・計画・修繕といった業務を専門とする公務員です。

実際に現場に出て作業を行うのではなく、工事の発注の準備や工事現場の監督などを行います。

具体的に業務で携わる分野は以下の通りです。

  • 道路
  • 河川
  • 海岸・港湾
  • 砂防
  • 公園
  • 農地
  • 下水道
  • 水道

しかし、一言で土木職の公務員といっても国家公務員・地方公務員の違いや、採用される自治体によっても異なる点に留意しましょう。

また、公務員と民間企業の土木職の大きな違いは、担当する業務の範囲です。

民間企業の土木職は「設計コンサルタント」「ゼネコン」といったように、ひとつの分野に特化しています。

一方で公務員の土木職はひとつの専門分野ではなく「土木」という広い範囲の仕事に携わるケースが多いです。

【国家・地方別】土木職の仕事内容と主な配属先

同じ土木職であっても国家公務員と地方公務員の違いで、勤務先や仕事内容が異なります

自分に合った仕事を行うためにも、それぞれの違いを正しく理解しましょう。

ここでは、土木職の公務員の勤務先や仕事内容を、国家公務員と地方公務員に分けて解説します。

国家公務員の土木職の勤務先・仕事内容

国家公務員の土木職は大きく分けると「総合職(工学区分)」と「一般職(土木区分)」があります

それぞれの試験に合格し、官庁訪問を経て内定をもらうことによって、国家公務員の土木職になることが可能です。

国家公務員の土木職の主な配属先には以下のような機関があります。

  • 国土交通省(総合職)
  • 警察庁(総合職)
  • 防衛省(総合職)
  • 国土交通省の各地方整備局(一般職)
  • 気象庁(一般職)

ほかにも数名ながら土木職を採用する機関も存在するため、以下のページにて確認してみましょう。

※関連サイト:令和3年4月1日における国家公務員採用総合職試験(院卒者試験)の区分試験別・府省等別採用状況
※関連サイト:2022年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)府省別採用予定機関一覧(技術系)

また主な仕事内容は、採用される公官庁によって大きく異なります

一例として、一般職の地方整備局で採用された場合の業務内容は以下のようになっています。

  • 地域計画
  • 都市計画
  • 道路・河川・港湾・公園等の調査・・計画・施工・管理・補助事業の技術的審査など

各省庁の詳細な業務内容は、採用先の公式ページも参考にしましょう。

地方公務員の土木職の勤務先・仕事内容

地方公務員の土木職の配属先は、採用される自治体によっても異なります

参考までに東京都職員1類Bで採用された場合の配属先は以下の通りです。

  • 本庁(建設局・都市整備局・水道局など)
  • 建設事務所
  • 市街地整備事務所

仕事内容は配属先によってもさまざまですが、一例として建設局に配属された場合「首都圏三環状道路や幹線道路といった道路ネットワークの整備」などを行います。

東京都職員1類Bを含む各種地方自治体に採用されるには、公務員試験の教養科目の対策が必須です。

多くの場合、教養科目では数的処理を含む「一般知能分野」と幅広い科目から出題される「一般知識分野」から計40問が出題されます。

公務員試験の教養科目は、対策なしで合格することは非常に難しいため、自身に合った対策方法を確立することが大切です。

以下のページでは、公務員試験の概要や対策について詳しく解説しているため是非ご覧ください。

また、配属先や試験内容は受験先によっても異なる場合があるため、希望の自治体の公式ページを確認しましょう。

土木公務員に必要な資格とスキルとは?

公務員の土木職には特定の資格要件などはありません。基本的に年齢制限を満たしていれば誰でも受験することが可能です。

しかし、所有すればスキルアップができる資格や、求められるスキルもあります

ここではそれぞれを詳しく解説します。

公務員の土木職に相性が良い資格

公務員の土木職は行政職よりも専門的な知識を要する場面が多いです。

そのため、特定の資格を取得することでスキルアップでき、仕事への理解も深まり、より国や自治体に貢献できるでしょう。

具体的に公務員の土木職と相性が良い資格には以下のようなものがあります

  • 一級土木施工管理士
  • 一級舗装工監理技術者
  • 技術士

しかし採用の段階では資格を求められることはないため、まずは公務員試験の合格に向けて対策を行うことが重要となります。

公務員の土木職に必要な主なスキル

公務員の土木職には以下のようなスキルが求められます

  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップ
  • マネジメント
  • 倫理観

土木職は民間企業と一緒に仕事を行うことも多いです。

そのため、さまざま年代や価値観の人と円滑にコミュニケーションを取り、人員をまとめ、プロジェクトを管理する必要があります。

もちろん事務職でもこれらのスキルは必要ですが、土木職では更に求められるといえるでしょう。

【国家・地方別】土木公務員の年収

公務員の土木職の年収は国家公務員・地方公務員の違いや採用される区分・自治体によっても異なります

以下ではそれぞれの年収の目安を表にまとめているため、是非参考にしてください。

業種初任給配属後の目安平均年収
国家総合職
(行政(一))
259,200円~227,640円
(東京の地域手当含む)
216,000円~198,500円(地域手当なし)
約350~410万円 約666万円
国家一般職
(行政(一))
222,240円(東京の地域手当含む)
185,200円(地域手当なし)
約350万円約668万円
東京都1類B
(一般行政職)
220,920円(東京の地域手当含む)
184,100円(地域手当なし)
約363万円約635万円

人事院が発表した令和4年国家公務員給与等実態調査の結果によると、国家公務員職土木職の平均年収は約666万円。

総務省が発表した令和3年職種別職員の平均給与額によると、地方公務員(東京都)一般行政職の平均年収は、約632万円程度といわれています。

そのため、国家公務員土木職の平均年収は約671万円、地方公務員土木職(一般行政職・東京都)の平均年収は約635万円と考えられます。

なお上記データの配属後の年収と平均年収は弊社で算出した値であるため、あくまでも目安として考えてください。

また、自治体の給与制度や業種によって年収は変動する点に留意しましょう。

※配属後の年収は「初任給×12ヶ月+ボーナス」を弊社で算出
※国家公務員の平均年収は令和3年国家公務員給与等実態調査の結果を参考に平均給与月給×12ヶ月+平均給与額×4.5ヶ月で算出
※地方公務員の平均年収は令和2年地方公務員の平均給与を参考に平均給与月給×12ヶ月+期末手当+勤勉手当で算出
※出典:令和3年度地方公務員給与の実態
※出典:令和5年国家公務員給与等実態調査の結果

土木職のやりがい・きついと感じる時は?

公務員の土木職は、事務職にはないやりがいや辛い点があります。世間一般の公務員像とは違うと感じる場合もあるため、事前に理解しましょう。

ここでは公務員の土木職のやりがいや辛いと感じる点を解説します。

土木職の3つのやりがい

同じ公務員であっても、土木職でしか得られないやりがいがあります。

ここでは、土木職のやりがいを3点解説します。

専門的な知識が身に付く

土木職で採用されると、より専門的な知識を得ることが可能です。

なぜなら、公務員は行政職で採用されると、幅広い部署に数年のスパンで異動をします。

一方、土木職で採用されると、異動になる部署が限定されているからです。

スキルアップがしやすい環境であるため、仕事に目標を見つけやすく、高いモチベーションで取り組むことができるでしょう。

形に残る仕事である

土木職の仕事で造った構造物は半永久的に残ります。実際に構造物を完成させた時の達成感は事務職では得られません。

また、造った構造物は住民にも利用され続けます。

住民が安心して快適に生活を送る助けとなる点も大きなやりがいとなるでしょう。

さまざまな人とかかわって仕事を行うことができる

土木職の仕事は同じ公務員だけでなく、民間企業の方とかかわりながら遂行します

民間企業の従業員にはさまざまな年代で多様な価値観を持っている人がいます。

それらの人を取りまとめてひとつのプロジェクトを遂行するため、自身の成長にも大きく繋がるでしょう。

また、他の団体と力を合わせてひとつの成果をあげる達成感を味わえる点も魅力です。

土木職で辛いと感じる2つのこと

一方で土木職の公務員には、事務職にはない辛い点があります。ここでは2点解説します。

災害対応を要する場合がある

公務員の土木職として働く場合、災害時はプライベートよりも仕事を優先することになる点に留意しましょう。

台風や地震といった災害時に現場対応やパトロールを要することがあるためです。

しかし、災害対応は住民の安全・安心な暮らしを守る大切な場であるため、大きなやりがいにも繋がります

人間関係で苦労する可能性がある

公務員の土木職は、行政職と比較して異動の範囲が狭いため、職場に合わない人がいる場合でも、長期間その人とかかわり続ける必要があります

しかし反対にいえば、良好な人間関係を築ける人と長い間一緒に仕事ができるメリットにも繋がるでしょう。

まとめ

今回は公務員の土木職の勤務先や仕事内容、やりがいなどを解説しました。

一言で公務員といっても、土木職と行政職では仕事内容や職場環境が大きく異なります。

そのため、それぞれの特徴を理解して自身に合った選択を行うことが、後悔しない進路選択のためには重要です。

また、地方公務員の土木職として働くには、以下のような流れで各自治体に採用される必要があります。

  1. 試験の申し込みを行う
  2. 1次試験に合格する
  3. 2次試験に合格する
  4. 官庁訪問や採用面接(実施されれば)の後に内定を受ける

試験の内容や公務員へのなり方は、以下の記事で詳しく解説しているため、是非参考にしてください。

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この記事の執筆者 渡邉新太

渡邉新太(わたなべ あらた)

大学現役時に以下の公務員試験に独学で合格。
・国家公務員一般職
・国税専門官
・東京特別区
・地方上級(地元県庁)

そして、公務員としての勤務を経た後に、フリーランスのWebライターとして独立。
現在は公務員時代の知識や経験を活かして、多くの方の人生の選択に役立てるよう日々奮闘しています。

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